二次創作小説(新・総合)
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- 【オリキュア】メモリアルプリキュア!
- 日時: 2017/08/01 23:00
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
初めましてかこんにちは!愛です!
本日からはメモリアルプリキュアというオリキュア小説を書きたいと思っています。
基本テンションとノリに任せて書くのでグダグダすると思いますが、楽しんでいただけると幸いです。
それでは、よろしくお願いします。
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.249 )
- 日時: 2018/02/17 20:52
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第38話「貴方は私の王子様?ドキドキ演劇シンデレラ!」7
それから無事に世界は動き出し、何事もなく劇の本番を迎えた。
少し大きい王子様の衣装に身を包んだ私は、保育園に作られた簡易ステージの舞台裏で台本の最終確認をする。
覚えているとはいえ、確認しなければ。
そう思って台本を捲っていた時だった。
「瑞樹ちゃん」
名前を呼ばれ、私は顔を上げた。
そして言葉を失った。
そこには、手作りのボロ着に身を包んだ杏が立っていた。
彼女の貧相な佇まいは、まさに初期のシンデレラって感じ。
実はこの服の下にドレスを着ていて、演出ではハリボテの煙で姿を隠している内にボロ着を脱いでドレスになるのだ。
「杏……すっごい似合ってる」
「何それ……嫌味?」
「さぁ、どっちでしょう?」
そう言いながら笑って見せると、杏は困ったように笑った。
「……瑞樹ちゃんも、よく似合ってるよ」
「ははっ、ありがとう」
杏の言葉に、私は笑いながらそう返す。
王子様の衣装に合わせて、いつもは下ろしている髪を一つに束ねている。
おかげで後ろ髪が後ろに引っ張られて、現在、かなり痛いです。
その時、周りが暗くなる。そろそろ始まるようだ。
「ホラ、行ってこい!」
「うんっ!」
私の言葉に頷き、杏は舞台に駆けていく。
それから劇は何事もなく過ぎ、ついに私の出番になる。
ドレスになった杏を見つめながら、私は出るタイミングを伺う。
「とても素敵な舞踏会だわ! いつまでもここにいたいくらい!」
今だ!
舞踏会の賑やかさに喜ぶシンデレラに、私は声を掛けるべく、舞台に出た。
視線を横に動かすと、子供達が暗闇からこちらを見ているのが分かった。
やがてシンデレラの前に立つと、私は胸に手を当て、王子様になりきる。
シンデレラに一目惚れした王子様は……姫をダンスに誘う。
「あぁ、なんと美しい姫だ。そこの姫」
私はそう言いながら、シンデレラに手を差し伸べる。
するとシンデレラはキラキラした目を私に向けた。
直後……突然その場で倒れる。
「危ない!」
私は咄嗟に彼女を支える。
顔を覗き込むと、シンデレラは……杏は、微かに疲れた表情を浮かべた。
何があったのだろう、と思っていると、杏は小さな声で口を開いた。
「ごめん……子供達の、メモリアが……眩しすぎて……少し、疲れて……」
「え……」
「大丈夫……ごめん」
杏はそう言うと私の手を支えにするようにして立ち上がる。
それから私の手を取って、微笑んだ。
「ごめんなさい。貴方がとても素敵な方なので、立ちくらみをしてしまいました」
ナイス杏!
「ははっ、君のような美人にそう言ってもらえると光栄だ。……良かったら、私と踊って頂けますか?」
「はい。喜んで」
なんとかアドリブで繋げた。
まだバクバクと爆音を立てる鼓動を落ち着かせながら、私達は踊りを開始する。
ここは練習したことなかったけれど、お互いにリードし合いながら、なんとか乗り切った。
こうして、私達の劇は無事に終わった。
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.250 )
- 日時: 2018/02/17 22:51
- 名前: わっくん (ID: 9i/i21IK)
初めましてです
36話くらいから追いついて、楽しく読ませていただいてます
設定やら話の流れやら、プリキュアの物語として違和感を感じさせない内容で、とても感心してます
そして百合おいしいです!
特に星華→杏が可愛らしくて好きですね
敵幹部はそれぞれ人間界に執心の相手がいるようで、もうお前等この世界で仲良く暮らせよ!って感じですが、それ故に最終的にどうなるのかが不安でもありますね…
特にセフトくんはかなり初期からいて紫苑お兄さんと仲良くやってますし
別スレの劇場版もこちらの本編も、どちらもこれからも楽しみにしてます!
後、最後に杏のおじいちゃん…
故人だと思ってて32話で初登場した時、「霊体か!?」とか思ってごめんなさい
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.251 )
- 日時: 2018/02/17 23:11
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
感想ありがとうございます!
物語の流れは公式のプリキュアを参考にしながら頑張って書いてます。
ただ個人的に武器が剣なので意気揚々と敵を切り裂くプリキュアを見ながら「お前等戦闘民族かよ」と思っています。もしオモチャ化したら子供のプリキュアごっこで流血沙汰になるなと思ったり。
星華→杏は私も滅茶苦茶気に入っていますw
18話が絶頂期だった……(´;ω;`)
敵の人達もそれぞれ関係の深い人がいるんですよね。どこかで月乃ちゃんが「こっち側に来れば良いのに」みたいなツッコミをしていたような記憶があります。
ただその分ボウキャークへの忠誠心も強いので、この辺りはこれからどうなるかお楽しみということで。
セフト君はなんだかんだ、敵の中では一番長い間登場しているキャラですよね。個人的にも一番思い入れのあるキャラだったりします。
彼等の処遇に関してはもう決めてはあります。
私からは『彼等に一番相応しい結末』とだけ言っておきます。
今日からは劇場版の執筆に入りますが、どちらもご愛読して頂けると有難いです!
これからもよろしくお願いします!
杏のおじいちゃん……正直私も何度か存在を忘れていm((((((
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.252 )
- 日時: 2018/03/18 20:45
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第39話「セフトVS紫音!?料理男子!美味いのはどっちだ!」1
<杏奈視点>
演劇も無事に終わり、学校生活がまた平穏になってきた頃、私は星華ちゃんと月乃ちゃんに、今の私の状態を話した。
メモリアが光として見えることを。
全てを聞き終えると、星華ちゃんはムーと頬を膨らませた。
「なんでそんな大事なこと騙していたんですかー」
「だから、なんていうか、恥ずかしくて……」
「今更その程度、水臭いな。メモリアが見えるなんて、むしろ凄いことじゃん!」
月乃ちゃんの言葉に、私は「そうかな?」と聞き返す。
すると、月乃ちゃんは何度も頷いた。
「だってさ、ワスレールの攻撃もそれで読めるんでしょ? チートじゃん!」
「そう、かな……?」
「そうだって! これなら、ロブメモワールを倒すのも時間の問題じゃない!?」
「そんな簡単に行ったらリコルンは何百年も戦ってないリコ~」
空中を浮遊しながら言うリコルンの言葉に、私達は苦笑した。
それにしてもロブメモワールを倒せるかも、か……。
「でも……役に立ったら、良いな」
私の呟きに、皆は笑ってくれた。
<セフト視点>
「……メモリアを見ることが出来る、か……」
後宮月乃のメモリアを通してプリキュアを監視していた俺は、ゆっくりと瞼を開いた。
目の前には巨大なメモリアの器があり、すでに大分上まで溜まっている。
もうじき、ボウキャーク様が目を覚ますだろう。
そうすれば、全ての世界からメモリアが消え、誰も記憶のない世界がある。
……その時、きっと俺達の体はボウキャーク様に取り込まれ、消える。
俺達のメモリアはボウキャーク様の一部となり、ボウキャーク様の力となる。
別に、後悔は無い。
元々、その為に生まれたようなもの。
それが、俺達の存在意義。
……だが、せめて、この世界に未練は残したくない。
俺は立ち上がり、メモリアを集め、プリキュアを倒すべく、人間界に向かう。
「……人間の元に行くのか?」
部屋を出る直前、バーグラーがそう声を掛けてきた。
彼の言葉に俺は一度立ち止まり、彼に視線を向ける。
「そうだよ」
「……そうか……」
俺の返答に、バーグラーは、若干余韻の残るような返答をしてきた。
彼にしては珍しい。
少し目を伏せ、俺は口を開いた。
「何? 何か、気になることでも?」
「……俺達にある未来は、ボウキャーク様に取り込まれて消えるというもののみ。……だが、お前がやけに、前原紫音に執着しているような気がしてな」
バーグラーの言葉に、俺は笑顔を浮かべたまま首を傾げて見せる。
確かに、彼の言葉は間違ってはいない。
プリキュアに近付く目的で近づいた前原紫音に、若干だが、それ以上の感情を抱いている気もする。
俺のメモリアの大半が、元々は今行杏奈の物であることも関係するかもしれない。
「……確かに、そうかもね」
俺の言葉に、バーグラーは顔を上げて俺を見てきた。
だから俺は笑って続けた。
「だからこそ、生きている間に、たくさん会っておきたいんだ」
この世界に未練を残さないように……ね。
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.253 )
- 日時: 2018/03/19 21:46
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第39話「セフトVS紫音!?料理男子!美味いのはどっちだ!」2
今日の三時間目の家庭科の授業は、調理実習だった。
作るのはオムライスだ。
「前原君、一緒にやろう!」
「芹谷君! 一緒にやろ?」
そして、班分けで、俺と紫音は女子に囲まれていた。
俺と紫音は顔を見合わせ、苦笑いをする。
「えっと……風斗、一緒にやろうか」
「そうだね、紫音」
俺達の会話に、黄色の悲鳴が巻き起こる。
あー……頭にキンキンする。イライラする。
湧き上がる苛立ちを押さえながら、俺は適当に近くにいた男子に声を掛ける。
「博人。一緒にやろう」
「おーう」
その間に、紫音は友人である太田博人に声を掛けていた。
彼は俺を見て、苦笑した。
「ヘヘッ、モテモテコンビと一緒の班だ」
「何? 俺と一緒じゃ文句あるわけ?」
「うんにゃ。女子はどうせお前等に注目するから、むしろ一緒の班だと見てもらえるだろ」
「むしろ二人に霞んで、逆に見てもらえないよ」
苦笑いを浮かべながら言う、俺が声を掛けた宮田龍也。
彼の言葉に、博人は「何ッ」と声を発した。
「下らない言い争いしてないで、さっさとやるぞ。風斗は卵割ってて」
「あぁ」
紫音の言葉に俺は頷き、ボウルに入った卵を見る。
……これが食べ物であるということは分かるのだけれど、割り方が分からない。
俺は、ひとまず卵を二つ手に取る。
その間に紫音は他の男子に指示を出していた。
「……そいっ」
ひとまず俺は両手に持った卵を胸の前でぶつけてみる。
見事に殻が砕け、黄身と白身が手の中でグチャグチャに混ざる。
ドロドロと異様な液体がボウルに流れ込むのを見ながら、俺はヘラッと笑った。
「ゴメン……俺、料理したことないんだ」
「「「……」」」
俺以外の三人が、白けた目で見てくる。
やめてくれ……そんな目で見ないでくれ……。
痛い視線を受けて苦しんでいると、俺のボウルを紫音が素早く取った。
「え?」
不思議に思っている間に、紫音は菜箸で素早く殻を取る。
かなりの量があって混ざっていたハズだが、紫音の手によって、それが嘘のように綺麗な状態になった。
「……スゲェ……」
「さっき風斗は手を洗っていたし、衛生面では問題無いハズ。僕は別に気にしないけど……二人は?」
「俺は別に構わないぜ」
「俺も」
博人と龍也の言葉に、俺はホッと胸を撫でおろす。
その時、紫音が俺の肩に無言で手を置いた。
「料理したことないからって流石にあの割り方は無いだろ……」
「いや、その……」
「予定変更。まだ卵は六個あるから、風斗は今から僕と卵割りを練習するよ」
そう言って微笑む紫音の目は、完全に笑っていなかった。
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