二次創作小説(新・総合)
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- 【オリキュア】メモリアルプリキュア!
- 日時: 2017/08/01 23:00
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
初めましてかこんにちは!愛です!
本日からはメモリアルプリキュアというオリキュア小説を書きたいと思っています。
基本テンションとノリに任せて書くのでグダグダすると思いますが、楽しんでいただけると幸いです。
それでは、よろしくお願いします。
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.264 )
- 日時: 2018/04/07 13:53
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第41話「信用か裏切りか!?杏奈とシーフで二人きり!?」1
<杏奈視点>
静かな図書館に、シャーペンを走らせる音が響く。
今日、私は図書館に勉強をしに来ていた。
もうそろそろ期末テストが近いので、その対策だ。
しかし、私は、勉強に集中出来ないでいた。
あの後、無事月乃ちゃんは見つかった。
星華ちゃんは月乃ちゃんがバーグラーと一緒にいるのを知っていたらしく、執拗に月乃ちゃんにバーグラーと何があったのか聞いていた。
しかし、どうやら月乃ちゃんは記憶を消されたようで、覚えてないの一点張りだった。
……まぁ、何もされていないみたいだし、問題は無いか。
……ロブメモワールとの戦いも、かなり長く続いた。
一体、終わりはどこにあるのだろうか。
セフト達を倒したら終わるのかな?
ボウキャークを消滅させたら終わるのかな?
もしも全てが終わった時……シーフちゃんは、どうなるんだろう……?
確かに、私は彼女に色々と酷いことをされた。
でも、それでも彼女は、私の友達……だと、思っている。
……根は良い子だと思うんだ。
ただ、少しやり方が間違っているだけ。
そして……立場が違っただけ。
「ふぅ……」
ため息をつき、私は眼鏡の位置を正した。
最近、私は眼鏡を掛けるようになった。と言っても、伊達眼鏡だ。
どういうわけか、眼鏡のレンズ越しだと、メモリアが見えなくあるのだ。
メモリアは眩しく、目がチカチカするので、眼鏡が欠かせなくなった。
……ロブメモワールとの戦いも、いずれは終着する。
その時に笑っているのは……私達か、シーフちゃん達か。
……どちらにせよ、私達が笑い合う未来は、きっと……。
「あーんなっ!」
その時、突然背中から誰かに抱きつかれた。
「ひゃ!?」
突然のことに私は驚き、慌てて振り向く。
そこには……人間に化けているシーフちゃんがいた。
「シーフ……ちゃん……?」
「お久しぶりですわね。杏奈」
そう言って微笑むシーフちゃんに、様々な感情が溢れだした。
久々の再会への喜び。
何かされるかもしれない恐怖。
友達に出会った嬉しさ。
敵への警戒心。
矛盾した感情が湧き出し、私の中でグチャグチャに混ざる。
「なんで、ここに……」
「なんでって……杏奈がここにいるからですわ」
そう言いながらシーフちゃんは私の隣の椅子に腰かけ、身を寄せてくる。
突然の接近に、私は焦る。
シーフちゃんは敵だ。
それは分かっている。
でも……彼女から、敵意を感じないのだ。
だから、どうすることが正解なのか分からず、私は硬直することしか出来なかった。
「ねぇ……杏奈……」
すると、シーフちゃんは私の腕に自分の腕を絡めてきた。
密着し、私の耳に口を寄せてくる。
そして……――。
「杏奈……私と、二人きりになれる場所に行きませんか?」
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.265 )
- 日時: 2018/04/07 17:37
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第41話「信用か裏切りか!?杏奈とシーフで二人きり!?」2
夕陽に染まる空。
アスファルトの地面の上を、私とシーフちゃんは並んで歩いた。
「ひ、久しぶりだね……シーフちゃん」
久々の再会なので、ぎこちなくなってしまう。
そんな私の言葉に、彼女はこちらを見て微笑んだ。
「そうですわね、杏奈」
「えっと……元気にしてた? 病気とか、してないかなって……」
「……杏奈は相変わらずですわね」
そう言って前を見るシーフちゃんに、私は何も言えない。
……そもそも、次に会う時は、敵として戦うと言っていた。
でも、今はこうして、何事も無く、一緒に話したりしている。
良いことだけど、何も無いからこそ、警戒してしまう。
学校から直接図書館に来ていたから、スマホは持って来ていない。
……助けは呼べない……。
いや、私一人で、なんとかするんだ。
瑞樹ちゃんや星華ちゃんには迷惑掛けられない。
私はラブメモリーウォッチに触れ、警戒を怠らないように気持ちを強く持つ。
もし何かあったら、これで……。
「あ、着きましたわ!」
明るい声で言うシーフちゃんに、私は顔を上げる。
そして、「えっ」と声を漏らした。
「ここって……」
「えぇ。杏奈の家……ですわよね?」
そう、そこは私の家……『Adesso』だったのだ。
ポカンとしている間に、シーフちゃんが腕を引く。
「ホラ、行きましょう? 杏奈の部屋なら、二人きりになれるハズですわ」
「いや、それはそうだけど……」
困惑している間に、シーフちゃんに手を引かれ中に入る。
そこでは、パパが店の床を箒で掃いていた。
「おや? 杏奈おかえり。その子は?」
「えっと、この子は……」
「初めまして。杏奈さんと仲良くさせて頂いております。シーフと言います」
「外人さんかい? 礼儀正しい子だね。杏奈と仲良くしてくれてありがとう。遠慮無く上がっていって」
……パパもう少し疑ってよ。
普通に受け入れるパパに、私はため息をついた。
その間にシーフちゃんに腕を引かれ、そのまま私の部屋まで連れて行かれる。
……待って。なんで私の家の構造を熟知している?
「ここが杏奈の部屋……」
部屋に入ると、シーフちゃんは嬉しそうに言って辺りを見渡す。
私はそれにため息をつき、眼鏡を外した。
「ッ……」
裸眼でシーフちゃんを見た瞬間、私は固まった。
……何、このメモリア……。
真っ黒なメモリア。
普段見ているメモリアはただの白い光なのだが、このメモリアは、黒い光だった。
「……杏奈? 何か気になることでもある?」
「え? あ、いや、えっと……」
「……あぁ、そういえば……」
そこまで言うと、シーフちゃんは私の顔を覗き込んでくる。
咄嗟に身を引こうとしたが、彼女は私の首に両腕を絡め、逃げれないようにしてくる。
間近で彼女の目を見ることになり、私は緊張した。
「……久しぶりに、杏奈の目を直接見ましたわ」
そう言って、シーフちゃんは微笑んだ。
かと思えば、パッとすぐに解放してくれる。
慌てて離れると、シーフちゃんはクスッと微笑んだ。
「私……杏奈の目、好きだわ。綺麗だから」
そう言って微笑むシーフちゃんに、私は困惑した。
彼女は結局……何がしたいのだろう。
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.266 )
- 日時: 2018/04/08 17:26
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第41話「信用か裏切りか!?杏奈とシーフで二人きり!?」3
なぜか、シーフちゃんが晩ご飯を一緒にすることになった。
部屋でしばらく話をしていたら、ママがシーフちゃんも夕食を一緒に食べるかとか言い始めたのだ。
シーフちゃんもそれを了承してしまい、晩ご飯を共に食べることになってしまった。
「まぁ、凄く美味しいですわ。流石は杏奈のお母様」
「まぁまぁ、お世辞が上手ね」
「お世辞なんかじゃありませんわ。杏奈は毎日これほどまでに美味しい食事をして育ってきたのですね。通りで綺麗なわけです」
「ハハッ、シーフちゃんは礼儀も良いし、凄く良い子だね。君みたいな子が杏奈と仲良くしてくれて嬉しいよ」
……なんか凄い馴染んでる。
パパもママもすっかりシーフちゃんを気に入っているし、メモリアが見えているハズのおじいちゃんも何も言わない。
まぁ、今の所悪いことをしようとしているようには見えないし、何も言えないんだけどさ。
そう考えていると、シーフちゃんが突然、私の頬を指で撫でた。
「え?」
「ソース、付いていましたよ」
そう言って微笑み、彼女は自分の指を舐める。
途端に恥ずかしくなり、顔が熱くなった。
「あ……ありがとう……」
ひとまずそう答えると、シーフちゃんはその頬を緩ませて「いえいえ」と言って微笑む。
それにさらに羞恥心が募り、私は慌てて顔を背け、食事を再開する。
緊張のあまり、味がしなかった。
「そういえば、シーフちゃんはご飯を食べ終わったら帰るのかい?」
「え?」
「もしシーフちゃんが良いなら、もう泊まって行かない?」
「はい!?」
何を言うかと思えば、まさかの提案だった。
つい驚きの声をあげると、パパとママが不思議そうに見た。
「なんだ杏奈。嫌なのか?」
「いや、その……」
「夜ももう遅いし、明日はお休みだから。杏奈だって、友達とお泊まりは昔よくやっていただろ」
……そうだ。シーフちゃんは、私の友達って設定なんだ。
なんとか、誤魔化さないと……。
「し、シーフちゃんの家にも、門限とかは、あるだろうし……め、迷惑になるんじゃ……」
「私は構いませんわ。杏奈とも、もっと一緒にいたいですし」
なんとか帰る流れに持って行こうとしていた時、シーフちゃんが了承してしまった。
それに私は口を開け固まる。
すると、シーフちゃんが私を見た。
「杏奈。今日はよろしくお願いします」
「あ……うん……」
少なくとも、パパ達の前で拒否することは出来ない。
仕方なく頷くと、彼女は満面の笑みを浮かべた。
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.267 )
- 日時: 2018/04/08 20:49
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第41話「信用か裏切りか!?杏奈とシーフで二人きり!?」4
風呂を上がると、私はシーフちゃんの髪を乾かしてあげた。
彼女の髪は凄く綺麗で、手触りも良く、同じシャンプーを使ったハズなのに良い匂いに感じた。
乾かした髪を櫛で整えてあげると、鏡に映るシーフちゃんは気持ちよさそうに目を細めていた。
……こうして見ていると、普通の女の子だ。
ちょっと礼儀正しくて、優しくて、可愛いだけ。
……でも、嫌でも目に入るんだ。黒いメモリアが。
彼女の胸の中で、黒く……真っ黒に煌く、暗黒のメモリア。
「……よし。終わり」
私はそう言って、櫛を置く。
するとシーフちゃんは毛先を指で弄って、微笑んだ。
「ありがとう、杏奈。凄く素敵」
「う、うん……それは良かった」
私の言葉に、シーフちゃんは笑って、椅子から立った。
その椅子に座り自分の髪を乾かそうとした時、私の手からドライヤーが取られた。
見ると、鏡に映ったシーフちゃんは悪戯っぽい笑みを浮かべていた。
「……シーフちゃん?」
「お礼に、今度は私が乾かします」
「いや、そんなの……」
「遠慮なさらず」
シーフちゃんはそう言って私の肩を押さえると、ドライヤーの電源をONにする。
温風が私の髪に吹き付ける。
私の髪を解すシーフちゃんの指が、やけに心地いい。
……上手だなぁ……。
なんとなく、そう思った。
彼女が私の髪を触る手は凄く繊細で、丁寧だった。
「杏奈の髪は綺麗ですね。手触りが凄く良いです」
「そんな、シーフちゃん程じゃないよ」
「いえいえ、謙遜なさらないでください。……私の体は、ボウキャーク様が作り出したものですし」
シーフちゃんの言葉に、私は息を呑んだ。
それにシーフちゃんは目を細め、私の頭を優しく撫でた。
乾かすことが目的という感じではない。単純に、愛でるような撫で方。
「私の体はボウキャーク様が作ったものだから。……綺麗なのは当然です」
「そういうもの、なんだ……」
「ハイ。だから……私は杏奈の体が羨ましい」
そう言って、シーフちゃんは私の肩を撫でた。
もう片方の手はドライヤーを握っており、私の髪を乾かしていた。
「……私の体?」
「えぇ、だって、杏奈は……成長するでしょう?」
シーフちゃんの言葉に、私は固まった。
鏡に映るシーフちゃんの顔は、どこか……悲しそうだった。
「ねぇ、杏奈。私って何歳だと思う?」
「え? えっと……」
「……百歳を越えた辺りから、数えるのもやめたわ」
その言葉に、私は口を噤んだ。
するとシーフちゃんはドライヤーの電源を切り、化粧台に置いた。
櫛を取り、私の髪を梳く。
「シーフちゃんは……それで、良いの?」
「……何がですか?」
「そんな、永遠に、子供の姿のままで……嫌なこととか、無いの?」
私の言葉に、シーフちゃんは悲しそうに笑って、私の髪を優しく撫でた。
何も答えなかったのは……なぜだったのだろう。
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.268 )
- 日時: 2018/04/09 20:38
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第41話「信用か裏切りか!?杏奈とシーフで二人きり!?」5
髪を乾かし終えた後は、寝るだけだ。
私は、ベッドで寝るとして、シーフちゃんは……布団かな。
押し入れを開けて布団を出そうとしていると、彼女は不思議そうな表情で私を見た。
「杏奈。何をしているのですか?」
「何って、シーフちゃんが寝る布団を出しているんだけど……」
「……別々で寝るのですか?」
「え?」
まさかの質問に、つい聞き返す。
するとシーフちゃんはムッとして私の腕を引き、ベッドまで連れて行かれそうになる。
「ちょ、ちょっとシーフちゃん!?」
「杏奈」
拒絶しようとすると、シーフちゃんはこちらに振り向いて、微笑みながら名前を呼んだ。
いつもと違って、ただ乾かして整えただけの無防備な髪。
お金持ちそうな雰囲気とは一転して、着ているのは安物のパジャマ。
そんなギャップが、やけに眩しく見えた。
見えているメモリアは真っ黒なのだが、そんな漆黒のメモリアですら、綺麗に見えたんだ。
そう思っていると、シーフちゃんは私の腕を強引に引き、ベッドに背中から倒れ込む。
腕を掴まれたままであるため、私も一緒にベッドに倒れた。
「ちょ、シーフちゃん!」
「……杏奈は……」
慌てて立ち上がろうとしながら怒鳴ろうとした時、私の頬に手が添えられた。
見ると、シーフちゃんは私の顔を見つめていて……凄く、優しい眼差しをしていた。
「……シーフ……ちゃん……?」
「杏奈は……私と眠るのは嫌?」
その言葉に、私は言葉を詰まらせた。
……私の気持ち……?
私は……。
「……嫌じゃないよ……」
そう答えながら、私は、彼女の首筋に顔を埋めた。
瞼を瞑り、私は続けた。
「だって、シーフちゃんは私の……大切な友達だから」
「……杏奈……」
「でも、それと同時に……シーフちゃんは私の敵でしょう?」
そう言いながら、私は体を少し起こし、間近でシーフちゃんの目を見つめる。
澄んだ赤い目が、真っ直ぐ、私を見つめていた。
私はその目を見つめながら、続けた。
「本当は、こんなことしたらいけないんだよ。……私とシーフちゃんは敵同士で、戦わないといけない相手なんだから」
「……杏奈は、なんで私がこんなことしたか、分かりますか?」
シーフちゃんの言葉に、私は「え?」と聞き返す。
すると腰に腕を回され、引き寄せられた。
私が圧し掛かる体勢になり、体が密着する。
頭に響く心臓の音が、自分のものなのか、彼女のものなのかすら、判別出来ない。
「……私と杏奈が共存する未来は無い。私か杏奈のどちらかは……犠牲にならなければならない」
「……そんな……」
「セフトが言っていたのです。後悔したくない、未練を残したくない、と。……だから私は、杏奈と一日くらい……友達でいたかっただけなんです」
「シーフ……ちゃん……」
「……こういうことを言ったら、杏奈の戦意を削いでしまう気がして。私は、最後は貴方とは、正々堂々、決着をつけたいと思っています。……しかし、今は……今だけは……友達でいて下さい……」
そう言う彼女の声は……震えていた。
弱々しい、か細い声。
あぁ、この子は……女の子なんだな。
百年以上生きても、不老でも……私と同じ、女の子なんだ。
「……うん。シーフちゃん」
私は彼女の言葉に、頷いた。
すると、耳元で小さく、嬉しそうに笑う声がしたんだ。
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