二次創作小説(新・総合)

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【オリキュア】メモリアルプリキュア!
日時: 2017/08/01 23:00
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

初めましてかこんにちは!愛です!
本日からはメモリアルプリキュアというオリキュア小説を書きたいと思っています。
基本テンションとノリに任せて書くのでグダグダすると思いますが、楽しんでいただけると幸いです。
それでは、よろしくお願いします。

Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.244 )
日時: 2018/02/15 21:52
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第38話「貴方は私の王子様?ドキドキ演劇シンデレラ!」2

「え、杏奈が……」
「杏奈さんが……」
「「シンデレラ!?」」
「何そのコンビネーションこっわ」

 その日の昼休憩。
 屋上で昼食を食べている時に、杏がシンデレラの役をやることになった話をすると、後宮姉妹は口を揃えてそう言った。
 ホントこの姉妹は仲が良いな。
 二人の反応に、杏は申し訳なさそうに目を伏せた。

「うぅ……私にシンデレラの役なんて無理だって……」
「そんなことないですよ! 杏奈さん絶対シンデレラ似合いますよ!」
「星華落ち着いて」

 興奮した様子で立ち上がって言うセッチーに、ツッキーが苦笑いを浮かべながらそう言った。
 それにセッチーはムッとして座った。
 本当にセッチーは杏のこと大好きだなぁ……。
 二人のやり取りを見て、私は苦笑した。

「あはは……ま、シンデレラは私の推薦だし、似合わないなんて言ったら許さない」
「あー……瑞樹の推薦か。良いセンスしてるね」
「まぁ、何はともあれ、杏奈さんのシンデレラ楽しみです!」

 そう言ってパァッと明るい笑みを浮かべるセッチー。
 彼女の言葉に、杏は困ったように笑った。

「わ、私なんかに、シンデレラなんて似合わないよぉ……」
「そんなことないです! 私小さい頃シンデレラの絵本大好きで、杏奈さんにシンデレラはよく似合うと思います!」

 さらに明るい笑みを浮かべるセッチー。
 次の瞬間、杏はカッと大きく目を見開いて、すぐにその目を伏せた。
 ……杏……?

「杏。どしたの?」
「う、ううん! 何でも無い! ……そうだ! 月乃ちゃんのクラスは何やるの!?」

 私の質問をはぐらかし、杏はそう聞く。
 しかし、その笑顔は無理矢理作ったような表情で、私は少し心配になる。
 ツッキーも同じことを思ったのか、引きつった顔で杏を見た。

「へ? 私? ……私のクラスは浦島太郎だけど……」
「へぇー! 月乃ちゃんは何の役?」
「私は……乙姫。杏奈みたいに推薦されちゃって……」
「乙姫かぁ! 月乃ちゃん綺麗だもんね! 凄く似合うと思う! お互い主役としてがんばろー!」
「お、おー?」

 カラ元気を出す杏に合わせて、ツッキーは拳を挙げる。
 ……やはり、杏は何か隠している。
 しかし、それを言及しても、きっとはぐらかされてしまうだろう。
 私は食べかけの弁当を膝に置き、ため息をつく。

 ……せめて、劇に支障が無いと良いけれど……。

 内心、そう愚痴った。
 しかし、私のその呟きは、その後の練習で見事に裏切られることになる。

Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.245 )
日時: 2018/02/16 20:47
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第38話「貴方は私の王子様?ドキドキ演劇シンデレラ!」3

「シンデレラ! 台所のお掃除が終わったら次は馬小屋の掃除! まだやる事はたくさんあるんだから早くしてちょうだい」

 継母役の声が響く。
 すごい演技上手いな、この子。
 大道具の私は、背景の色を塗りながらそんな風に考えた。

「「おっお母様っ」」
「あなた達は綺麗なドレスに着替えなくちゃダメじゃなァい」
「はい! お母様今日は舞踏会ですものね」
「何を着ていこうかしら」

 姉役二人の演技も悪くない。
 サブキャラクターがこれだけ上手いのだ。
 シンデレラはどれだけ上手いのだろうか。

「オカアサマ。ワタシモイッテモイイデショウカ」

 ……ここに来てのこれだ。
 私はため息をつき、絵筆を水に付けた。

「カットカット! 今行さん演技固いよ!」
「ご、ごめん……」
「もっと心込めて読んでって言ってるのに、なんか……心ここにあらずというか……何があったの?」
「えーっとぉ……」

 そう言って目を逸らす杏。
 主役をやらせて強制的に彼女の悩み? を解決させてやろうかと思ったが、それは上手く行かなさそう。
 だったら、もう二人で直接話してみるしか無いな。
 私は立ちあがり、杏の元に近付いて彼女の肩を抱いた。

「み、瑞樹ちゃん!?」
「瑞樹」
「ごめん。杏ちょっと緊張しちゃってるみたい。ちょっと少し緊張解してあげてくるから、杏無しで練習してくれない?」

 私のお願いに、目の前にいる女子生徒は「でも……」と困惑した表情を浮かべた。
 だから私はそれに手を合わせて「お願いっ」と言ってみる。
 すると彼女は困ったように笑って、頷いた。

「瑞樹がそう言うなら。今行さんを推薦したわけだしね」
「よしっ。じゃあ杏。行くよ」
「え、ちょ、瑞樹ちゃん!」

 困った表情で私を呼ぶ杏。
 彼女の声を無視して、私は強引に彼女の腕を引っ張って教室を飛び出す。
 廊下を歩いて、適当な空き教室に入って扉を閉める。

「瑞樹ちゃん……」
「杏……何か隠してるでしょ」
「え……?」

 私の言葉に、杏は微かに瞳を揺らがせる。
 しかし、すぐに視線を逸らして「何の話?」と聞いてくる。

「私は、瑞樹ちゃんに隠し事なんて……何も……」
「それが本当のことなら、私の目を見て言って」

 私がそう言いながら詰め寄ると、杏は眉を潜めて後ずさる。
 しかし私は距離を変えずにさらに詰め寄り、杏の背中を壁に押し当てる。
 逃がさないように両手を壁に当て、杏を見つめる。
 杏は未だに視線を逸らしたままで、私と目を合わせようとしない。
 だから、私は杏の頬に手を当て、無理矢理私を見つめさせる。
 絡み合う視線。私と杏の呼吸の音だけが、やけに響く。
 私は続けた。

「本当のこと、言って? 何か悩んでいることがあるなら……全部」
「私は……」
「お願い。……杏」

 私がそう言ってみると、杏は戸惑いをその目に映しながら私を見つめる。
 やがて彼女の頬に添えている手に自分の手を添え、微かな力で握って来た。

「……分かった。全部、話す……私も瑞樹ちゃんを、信じているから」
「杏……!」

 私が名前を呼ぶと、杏は真剣な表情で頷いた。

Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.246 )
日時: 2018/02/16 22:56
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第38話「貴方は私の王子様?ドキドキ演劇シンデレラ!」4

 それから私は、杏から彼女が隠していたことを全て聞いた。
 聞き終えた私は、ポカンと口を開けて固まった。

「メモリアが……見える……?」
「うん。あくまで、光として、漠然とした感じのものではあるんだけどね。……でも、見えるんだ」
「へぇ……」

 私が答えると、杏は「あはは」とはにかんだ。
 そして目を伏せながら、続ける。

「変だよね、こんなの。……私、自分は普通だと思っていた。でも、こんな、変な力手に入れて……」
「……杏……」
「私がいたら、皆の日常を壊しちゃうって思って……こんなの、異常だもん! おかしいじゃん!」
「杏」
「私……変だよ……こんな、こんなの……変だよ……でも皆の日常は壊したくなくて! それに、皆と一緒にいたいから……だから、隠すしか……!」
「杏ッ!」

 私が叫ぶと、杏はビクッと肩を震わせた。
 それに私は息をつき、額に手を当てた。

「……あのさ、杏のどこが変なの?」
「え……」
「見た目は普通の杏じゃない。どこが違うのさ」
「だ、だって……私、メモリアが……普通の人には、見えないものが……」
「私、めっちゃピアノ弾けるの」

 杏の話を遮って、私はそう言ってみた。
 すると杏はキョトンとした顔で「へっ?」と返してくる。
 だから私はそれに笑って、続けた。

「私、皆と違って、ピアノ結構弾けるんだよね。……こんなの、異常だよ」
「いや、瑞樹ちゃんは違う……」
「あぁ、あと……セッチーは中一の割に凄い人気モデルだよね。あの子もかなり異常だ」
「そんな、星華ちゃんは……」
「あとツッキーも異常だよねぇ。料理滅茶苦茶上手だし、子供の扱い上手いし、成績良いし……ありゃあチートだ」
「違う! 皆は……!」

 頑張って遮ろうとする杏の顔を鷲掴みにして、喋れなくさせる。
 それから私は微笑んでその手を離し、杏の頭に手を置いた。

「ホラ。皆違うんだよ。杏のその力だって、個性だよ!」
「……個性……」
「そ! 全く、凄く思い悩んでるから何事かと思えば……くだらないことで私に心配させんなっての」

 そう言いながら私は杏の額にデコピンを放った。
 すると杏は額を押さえて、不満げな表情で私を見た。
 しかし、その表情をフッと緩めると、腕を下ろして微笑んだ。

「えへへ……ありがとう、瑞樹ちゃん!」
「……よしっ。それじゃあ、教室に戻って練習しよっか! 主役がいないのに劇の練習なんて出来ないし……」

 私がそう言いながら空き教室の扉を開けようとした時、杏が突然私の腕を掴んで来た。
 それに私は驚きつつ、杏に視線を落とした。

「……杏? どうしたの?」
「え、えっと……あの……まだ、クラスに戻るのは怖いな……って」
「怖い?」
「ていうか、メモリアって光だから……眩しいの。目がチカチカして……疲れちゃって……」

 杏の言葉に、私はため息をつく。

「しょうがないなぁ。じゃあ、台本だけ持って来るから、しばらくは二人で練習しよう? でも早めに慣れてよね~。劇の時は可愛い子供さん達とかもいるんだから」
「うん……そうだね。頑張る」
「よしっ。じゃあ、ちょっと行ってくる」

 私の言葉に、杏は嬉しそうな笑顔で頷いた。

Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.247 )
日時: 2018/02/17 17:21
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第38話「貴方は私の王子様?ドキドキ演劇シンデレラ!」5

 それから練習は順調に進んだ。
 杏もメモリアが見える現状に慣れた様子で、あれから数日したら、皆と合わせて練習できるくらいになっていた。
 紆余曲折はあれど、ようやく本番の日になった。
 天気は快晴。皆やる気に満ちていて、まさに本番日和!
 ……だというのに……。

「えぇ!? 大滝君風邪引いたの!?」

 実行委員の子の声に、私達は顔を上げた。
 それに、彼女に何かを話していた先生は、重々しく頷いた。

「あぁ。熱もかなり高いみたいで、今日は来られないそうだ」
「そんな……子供達が楽しみにしているのに……」
「大滝君って、確か、王子様役の……」

 杏が不安そうに呟いた言葉に、私は頷く。
 大滝君こと大滝 春樹は、シンデレラにて王子様役を担っている男子生徒だ。
 王子様がいないシンデレラなんて、そんなのシンデレラじゃない。
 よりによって今日風邪を引くなんて……。
 実行委員の子も同じことを考えたのか、額に手を当ててため息をつく。

「今からセリフを覚えるなんて……無理だし……時間無いし……」
「……私セリフ覚えてるよ」

 悩む実行委員に、私はついそう言った。
 この場でセリフを覚えていて役が無い人間は、恐らく私だけ。
 だからこそ、私が名乗るしかなかった。
 そんな私の言葉に、彼女はバッと顔を上げて、私の手を握って顔を近づけてきた。

「わ!?」
「瑞樹! それは本当!?」
「う、うん。杏の練習に付き合ってたから、一応」

 そう答えた瞬間、腕を引っ張られる。
 見ると、彼女は気合に満ちた顔で歩いていた。

「すぐに準備しよう。王子様の衣装は……多分入る。大滝君の身長そこまで高くないし!」
「ちょ、ちょっと……!」
「ちょっとじゃないよ! すぐに準備しないと、時間が……」

 彼女がそこまで話した瞬間、世界から色が消えて停止した。
 私はそれに、すぐに彼女の手を強引に開かせて、杏に視線を向ける。

「杏!」
「瑞樹ちゃん! メモリアが!」
「ガルァァァァァッ!」

 外から聴こえた雄叫びに、私達は表情を引き締める。
 ワスレールだ。今、外にワスレールがいる。
 私達はすぐにラブメモリーウォッチを構える。

「星華ちゃんいないけど……」
「二人で戦うしかないっしょ」
「瑞樹ちゃん」
「杏」

 私達は顔を見合わせ、頷き合う。
 セッチーが来るまでは、ずっと二人で戦って来た。
 今更一人足りなくても、なんとかしてみせる。

「行くよ、瑞樹ちゃん!」
「オーケイ! 杏!」
「「プリキュア! メモリアルコンバージョンッ!」」

Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.248 )
日時: 2018/02/17 18:24
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第38話「貴方は私の王子様?ドキドキ演劇シンデレラ!」6

「今を輝く、一つの光! キュアアデッソ!」
「過去を束ねる、一つの夢! キュアパースト!」
「「取り戻せ! 愛のメモリー!」」
「「メモリアルプリキュア!」」

 名乗りを終えた瞬間、ワスレールが腕を振り上げる。
 すると、アデッソの目がカッと見開いた。

「パースト! 後ろに跳んで!」
「おー!」

 私は叫び、後ろに跳ぶ。
 すると私がいた所にワスレールの攻撃が入る。
 なるほど……これがメモリアでの……。

「アデッソの能力ヤバ! チートじゃん!」
「ちーと……?」
「滅茶苦茶強いってこと! 流石アデッソ!」
「いや……この能力を精一杯使えるのは、パーストのおかげだよ」
「私?」

 私がそう聞き返した時、アデッソはハッとした表情で顔を上げた。
 そして目を見開き、私に向かって叫ぶ。

「パースト! 上!」
「ハイ!」

 アデッソの言葉に、私は跳び上がる。
 すると私達がいた場所にワスレールが横薙ぎに攻撃を振るって来た。
 私達は少し離れた場所に着地する。

「……私が悩んでた時、パーストが、皆個性があるって……私がおかしいわけじゃないって……教えてくれた。だから、私は悩まずにこの能力を使える。……パーストのおかげだよ」

 そう言って私を見て微笑むアデッソ。
 彼女の言葉に、私は「アデッソ」と彼女を呼んだ。
 するとアデッソもフッと微笑み、ワスレールを睨んだ。

「だから……そのきっかけをくれたこの劇を邪魔するワスレールを、私は許さない!」
「同感! 行くよ! アデッソ!」
「うん! パースト!」
「「アムールパンデュール!」」

 私達が叫ぶと、目の前にアムールパンデュールが現れる。
 それに私達はそれぞれの針を嵌め、回転させる。
 高速回転する針から、それぞれ白い剣が出てくる。
 私達はそれを受け止め、剣の柄をぶつけ合う。
 剣が輝き始めるので、私達はすぐにそれぞれアムールパンデュールから針を外し、もう一方の剣の柄にはめ込み、指で弾く。
 すると、針は高速で回転し、輝きを増す。

「今を輝け!」
「過去を束ねろ!」
「「全てを司る愛情よ! 記憶を刻み、未来を照らせ!」」

 そう叫んでから、ぶつけ合った柄の部分を中心に円を描くように剣を上に向かって回転し、時間で言うところの十二時の位置で重ねる。
 すると、剣が輝きを増していく。私達は背中合わせになる形で剣を構え、もう一方の手を強く握り合う。

「「プリキュアッ! アムールイルミネイトッ!」

 そう叫びながら、剣を前に向かって倒した。
 すると、剣の光が一層強くなり、ワスレールに向かって極太の輝きが射出された。
 その光は瞬く間にワスレールを包み込み、静かに消していく。
 私達はすぐに剣を交差するように構え、それぞれ互いの剣の針の回転を止めた。
 すると、ワスレールの体は光の屑となり、消えて行った。


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