二次創作小説(新・総合)

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【オリキュア】メモリアルプリキュア!
日時: 2017/08/01 23:00
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

初めましてかこんにちは!愛です!
本日からはメモリアルプリキュアというオリキュア小説を書きたいと思っています。
基本テンションとノリに任せて書くのでグダグダすると思いますが、楽しんでいただけると幸いです。
それでは、よろしくお願いします。

Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.269 )
日時: 2018/04/10 21:02
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第41話「信用か裏切りか!?杏奈とシーフで二人きり!?」6

<シーフ視点>

 目を覚ますと、目の前に、杏奈の寝顔があった。
 あれから杏奈とは夜遅くまで様々なことを話した。
 私のことを気遣ってくれたのか、杏奈は、ごく普通の友達として接してくれた。
 ……本当に杏奈は、優しい子だ。

「……」

 徐に、私は、彼女の頬に手を伸ばした。
 あどけない表情で眠る杏奈の頬を撫でると、彼女は、「んぅ……」と呻くような声を上げた。
 私はそれに笑いつつ、体を起こした。

 友達ごっこは、これでおしまい。
 私は彼女を起こさないように足を動かし、ベッドを出た。

「んむ……シーフ、ちゃん……」

 その時、杏奈が眠たげな声で言った。
 起こしてしまっただろうか?
 そう思って振り向くと、そこには、ベッドのシーツをキュッと握り締めて眠る杏奈の姿があった。

「……杏奈ったら……」

 私は苦笑し、彼女の毛布を掛け直し、少しだけ頭を撫でた。
 すると、杏奈の顔は安心したように笑い、眠り続けた。
 ……さようなら。杏奈。
 次に出会う時は、私達は、もう……。

 そこまで考えて、私は顔を背けた。
 速やかに服を着替え、ロブメモワールとしての格好に戻る。
 私は一息つき、ロブメモワールに戻った。

「……どういうつもりかな?」

 戻って早々、セフトに笑顔でそう聞かれた。
 それに、私は特に気にしない素振りをしながら、ソファに腰かけた。

「どういうつもり、とは?」
「言葉のままさ。……キュアアデッソとあれだけ密着しておきながら、一切メモリアを奪おうとしないだなんて。まさかと思うけど、ボウキャーク様を裏切ったりしないよね?」
「何を馬鹿なことを。私がそんなことをするわけないじゃないですか」
「じゃあ、なんで今日、キュアアデッソを倒そうとしなかったの?」
「……」

 笑顔で聞かれた言葉に、私は顔を背けた。
 すると、セフトは大きくため息をついた。

「キュアアデッソは、メモリアを見る能力を持ち、現在プリキュアの中で一番の要注意人物だ。……分かってる?」
「……そんなこと、言われなくても理解していますわ」
「まぁ、それなら良いんだけどさ」

 セフトはそう言いながら足を組み直し、フッ、と不敵に微笑んだ。

「まぁ、良いよ。……そんな要注意人物を倒す良い作戦が出来たからね」
「……作戦?」

 私が聞き返すと、セフトは大きく頷いた。

「直接戦って勝てないなら、直接戦わなければ良い。奴等は超人的な力を持ってはいるが、所詮は一人の人間。……心を崩せば、何てことは無い」

 その言葉に、ゾクッとした寒気が、背筋を走った。
 私の反応に気付いたのか否か、彼はニヤリと笑った。

Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.270 )
日時: 2018/04/12 22:53
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第42話「奪われた誕生日会!?星華と月乃!姉妹の絆!」1

<杏奈視点>

「はぁ!? 金曜日の夜、シーフが杏の家に泊まった!?」
「み、瑞樹ちゃん声大きい……」

 私が慌てて窘めると、瑞樹ちゃんは口を手で覆う。
 それで落ち着いたのか、息をつき、手を外した。
 今日は月曜日の朝。学校に向かっている真っ最中だ
 先週末に起こったことを報告しておいた方が良いかと思って話すと、想像以上に驚かれてしまった。
 そこまで驚く程かな……と困惑していると、彼女が口を開いた。

「それで、何事も無かったの……?」
「うん。大丈夫だったけど」
「良かったぁ……」

 安心した様子で言う瑞樹ちゃんに、つい、顔が綻んだ。
 心配してくれていたんだ。嬉しいな。

「ありがとう、瑞樹ちゃん」
「ありがとうじゃなくて……シーフは敵なんだからもっと警戒を……」
「杏奈さん! 瑞樹さん!」

 瑞樹ちゃんの説教が始まりそうだった時、明るい声がした。
 顔を上げるとそこには、校門の近くに立ってキラキラした目で見ている星華ちゃんがいた。

「おっ、セッチーおはよー」
「おはよう。どうかしたの? 星華ちゃん」
「おはようございます! ……あの……少しお時間頂いてもよろしいですか?」

 不安そうに言って私の袖を小さく掴む星華ちゃん。
 ……まぁ、断る理由は無いけど……。

「……何の用なの?」
「まぁ、それは……追々……」

 瑞樹ちゃんが若干警戒した様子で言った言葉に、星華ちゃんがそう言いながら袖を引っ張るので、仕方なく付いて行く。
 玄関から逸れ、校舎裏のような、人気のない場所に行く。
 誰の目も付かないことを確認すると、彼女はようやく一息ついた。

「それで? こんな所にわざわざ呼んで何なのさ」
「そんなに急かさないでくださいよ……コホン」

 わざとらしく咳をして、星華ちゃんはもう一度辺りに誰もいないことを確認する。
 この時期は大分冷えてきたから、わざわざ校舎裏まで周って来る人はいないと思うなぁ。
 早く教室に行って温まりたいと思うだろうし。
 彼女もそれを確認したのか、一息つき、顔を上げた。

「あの、実は、その……今日、お姉ちゃんの誕生日なんです!」
「お姉ちゃん……って、月乃ちゃんの?」

 私がつい聞き返すと、星華ちゃんはコクコクと頷いた。
 ……今日が誕生日だなんて……知らなかった……。
 驚いている私の手を両手で握り、彼女は縋るような目で見上げてきた。

「それで、良かったらなんですけど……今日、放課後にうちに来ませんか? 誕生日パーティをしたいんです」

Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.271 )
日時: 2018/04/18 18:31
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第42話「奪われた誕生日会!?星華と月乃!姉妹の絆!」2

<月乃視点>

 現在、私は究極の選択を迫られていた。
 胸の前で腕を組み、首を捻る。
 今日の夕食はステーキなのだが、高級肉を買うか普通の肉を買うか……。
 本日は私のお誕生日。これくらいの贅沢くらい許されるのでは……?
 いや、ここを我慢して普通の肉を買えば金が浮く……。
 しかし、気持ちはすでに高級肉に傾きつつあり、右手はそちらに伸びそうになっていた。
 が、左手を掴んで止める。
 ステイッ、ステイッ。

「……あっ、星華はどう思う?」

 迷った時は星華。そんな考えから、私は横を見た。
 しかし、そこには星華はいなかった。
 ……あっ、今日はいないんだっけ。

 いつもは仕事が無い時は買い物に付き合ってくれるんだけど、今日は先に家に帰ってしまった。
 体調でも悪いのかなぁ……。
 そうだとしたら、ステーキとかよりも病人食を作るべき?
 でも、本人は体は大丈夫だと言っていたし……。

「……こんにちは。後宮月乃さん」

 その時、背後から声がした。
 振り向くとそこには、燕尾服を着た青年が立っていた。
 金髪に黒いメッシュが入っていて、その目は凄く優しそう。
 ……あれ? どこかで会ったことがあるような……?

「えっと……あ、風斗さん! お久しぶりです! 肝試し以来ですっけ」

 私が胸の前で手を叩きながら言うと、風斗さんは眉を潜めた。
 なんか前と恰好は違うけど、風斗さんだ。
 瑞樹のお兄さんのお友達。

「髪、メッシュ入れたんですね。よく似合っていると思いますよ。……なんで、今日は燕尾服なんですか?」

 とりあえず気になったことをそのまま言葉にしてみる。
 私の言葉に、風斗さんは死んだような目で私を見ていた。
 ……暗い目だ。冷たい目だ。
 何かあったのだろうか……嫌なことがあったのにこんなに矢継ぎ早に質問をされたら、嫌な気持ちになるよね……。

「あ……ごめん、なさい……風斗さんの事情も聞かずに、つい……」
「……いや、良いんだよ」

 そう言って微笑む風斗さんに、私はホッと小さく息を吐いた。
 とはいえ、これも気を遣ってくれているだけで、無理をしているのかもしれない。
 誕生日だからって、少し調子乗っていたかな……。
 一人反省している時、突然、風斗さんが距離を詰めてきた。

「えぁ……!?」

 突然の出来事に私は驚き、後ずさる。
 すると、腰が後ろのコーナーにぶつかり、カゴが落ちる。
 ガシャンッと音を立てて落下したカゴに、私の視線は揺らぐ。

「あ、の……風斗さん……?」
「……月乃ちゃん……」

 彼は私の名前を呼び、私の両肩を掴んだ。
 物凄く強い力で、抜け出せる気配が無い。
 戸惑っていた時、顔を近づけられた。

「え……あの、風斗さん……?」
「……」

 困惑していると、彼は……優しく微笑んだ。

Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.272 )
日時: 2018/04/18 23:19
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第42話「奪われた誕生日会!?星華と月乃!姉妹の絆!」3

<星華視点>

 誕生日会のセッティングは完了。
 慣れない手料理だったが、なんとか形にはなった。
 試しに味見をしてみるが、中々美味だった。

「……まぁ、お姉ちゃんには負けるんだけどさ……」

 そう呟いて苦笑した時、インターフォンが鳴った。
 それに、私はエプロンを脱ぎ、玄関に向かった。
 扉を開けると、そこには、杏奈さんと瑞樹さんがいた。

「ごめん、プレゼント選ぶのに時間掛かっちゃって……もう月乃ちゃん帰って来てる?」
「いえ、まだですよ」
「良かったぁ……」

 安心したように笑う杏奈さんに、私も釣られて笑った。
 二人は靴を脱ぎ、家に上がる。
 リビングに案内すると、私がセッティングした誕生日パーティ会場が目に入る。

「おー。良い感じじゃん? セッチーにしては」
「何なんですか、その言い方は。……でも、お姉ちゃん遅いなぁ……」

 私はそう言いながら、時計を確認する。
 普段の買い物なら、もうそろそろ帰っていてもおかしくない時間帯なのに……。
 そう思っていた時、玄関の扉が開く音がした。

「お姉ちゃんだっ」

 私は小声で言い、すぐにクラッカーを手に取る。
 杏奈さんや瑞樹さんにも一本ずつ渡し、お姉ちゃんが入って来るのを待つ。
 やがて扉が開き、パンパンに膨らんだレジ袋を両手に抱えたお姉ちゃんが入って来た。

「お誕生日おめでとう! お姉ちゃん!」

 私はそう言いながら、クラッカーの紐を引っ張る。
 続けて、杏奈さんや瑞樹さんも紐を引いた。
 乾いた音を立てながらクラッカーは弾け、紙テープを撒き散らす。
 火薬の匂いが充満するのを感じながら、私はお姉ちゃんの反応を見る。

「……えっと……」

 突然クラッカーを受けたお姉ちゃんは、キョトンとした顔で私達の顔を一人ずつ見ていた。
 それから、手に持っていた袋を一度床に置き、髪に付いたテープなどを丁寧に取り除いて行く。
 ビックリさせ過ぎたのかな? なんて、ワクワクしながら、私は反応を待つ。
 ……あ、そうだ!
 折角ならさらにビックリさせようと、私は用意しておいたプレゼントを手に取る。
 そして、お姉ちゃんの前まで駆け寄って、綺麗にラッピングされたプレゼントを差し出した。

「ハイ! これ。私からのプレゼント! いつもありg……」
「あの……貴方達、誰なんですか?」

 突然放たれた一言に、私は固まった。
 ……今、何て……?
 お姉ちゃんが放った言葉が信じられなかった。
 目に涙が滲み、泣きそうになるのを堪えながら、私は口を開く。

「お姉……ちゃん……?」
「あの……ここは私の家なんですけど……不法侵入ですよ? 帰って下さい」

 冷たく言い放つお姉ちゃんに、私は、持っていた箱を落とした。
 静寂に支配された部屋に、箱が落ちた音だけが響き渡った。

Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.273 )
日時: 2018/04/19 21:00
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第42話「奪われた誕生日会!?星華と月乃!姉妹の絆!」4

「ちょ……ちょっと待ってよ! ツッキー!」

 硬直していた時、瑞樹さんが私とお姉ちゃんの間に入った。
 彼女の言葉に、私は我に返った。
 そうだ。一度待とう。
 深呼吸をして、私は、お姉ちゃんの顔を見上げた。

「待つって……何を? ていうか、ツッキーって、私のことですか? 初対面で馴れ馴れしい……」
「違うよ! 私達は初対面じゃない!」

 杏奈さんが続けた言葉に、お姉ちゃんは訝しむような目をした。
 ……この人は誰?
 お姉ちゃんは、こんな、冷たい目をするような人じゃない。
 こんな……酷い冗談を言う人じゃない……。

「……記憶が無いの……? お姉ちゃん……」

 私の言葉に、お姉ちゃんは「はい?」と聞き返してくる。
 それから少し間を置いて、首を傾げた。

「何の話ですか? 記憶はありますが」
「そういう話じゃなくて! えっと……妹とか……!」
「……私はずっと一人っ子ですよ? 母が亡くなってからは、父と二人暮らしです」

 ……記憶の改竄……。
 お姉ちゃんの記憶が――恐らくだが、ロブメモワールによって――書き換えられた。
 ……なんで、こんな時に……。
 込み上げてくる涙を堪え、私は、口を開いた。

「お願い……思い出して、お姉ちゃん。私だよ、星華だよ。お姉ちゃんの妹だy……」
「私に妹なんかいないッ! もう放っておいて!」

 つい、縋りつくように言い寄ると、お姉ちゃんはそう言って私の腕を振り払った。
 ……あんな声、初めて聴いた。
 お姉ちゃんに怒られることはよくあったけど、その時の声とは全然違った。
 まるで……敵に向かって上げる声……。

「……最悪……」

 吐き捨てるように言い、お姉ちゃんはリビングのソファに腰かけ、顔を手で覆った。
 ……お姉ちゃんに、拒絶された……。
 今まで、一度もお姉ちゃんに拒絶や否定されたことが無かった。
 でも、今……私とお姉ちゃんの間に、完全な溝が出来た。
 ハッキリとした拒絶。越えられない壁。

 ……自分でも言い知れない感情が、沸々と、胸の奥から湧き上がってきた。

「……お姉ちゃんの……」

 その感情は、私の舌を借りて、言葉になろうとする。

「お姉ちゃんの……ばk」
「ダメ」

 言葉にしようとした瞬間、瑞樹さんに口を塞がれた。
 行き場を失った感情が私の胸の中でグチャグチャに混ざって、一筋の涙になる。
 両目からボロボロと涙が溢れ出て、瑞樹さんの手に伝った。

 ……分かっている。
 恨むべき、憎むべき、嫌うべき対象が、お姉ちゃんじゃないこと。
 この言葉を、お姉ちゃんにぶつけるべきではないことくらい。
 分かっていても……我慢なんて出来なかった。

「セッチー。ダメだよ。ツッキーは悪くない」
「ふぐぅ……ひっぐ……」
「……月乃ちゃんの記憶を取り戻せたら……」

 杏奈さんが言った言葉に、私は目を見開いた。
 ……お姉ちゃんの記憶を……取り戻す……。
 そんなこと、出来るわけ……いや、諦めたら、何もかもおしまいだ。

 そこで、幼い頃の記憶を思い出した。
 お母さんが死んだ時のことを。
 私は口に押し当てられていた手を外してもらい、涙を拭った。

「……私やります。お姉ちゃんの記憶を……取り戻します」


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