二次創作小説(新・総合)

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【オリキュア】メモリアルプリキュア!
日時: 2017/08/01 23:00
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

初めましてかこんにちは!愛です!
本日からはメモリアルプリキュアというオリキュア小説を書きたいと思っています。
基本テンションとノリに任せて書くのでグダグダすると思いますが、楽しんでいただけると幸いです。
それでは、よろしくお願いします。

Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.44 )
日時: 2017/09/24 17:39
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第8話「月光に響くヤキモチピアノ?奏でろ友情のワルツ!」1

 夜になり、私はベッドに仰向けになって寝転んだ。
 瞼を開くと、リコルンが顔を覗き込んできた。

「杏奈、今日も一日お疲れ様リコ」
「ん〜。ありがとリコルン」

 私はそう言いつつ、リコルンの頭を撫でた。
 その時、なんとなく、星華ちゃんのことを思い出した。

「……ねぇ、リコルン」
「リコ?」
「……後宮星華って……知ってる?」

 そう聞いた瞬間、リコルンの顔つきが明らかに変わった。
 明らかに動揺の色を浮かべ、冷や汗らしきものを流す。

「……リコルン?」
「し、知らないリコ」

 そう答えられるも、その表情で言われても信用できるわけがない。
 逃げようとするリコルンの体を掴み、強引に目を合わせる。

「本当に知らないの?」
「知らないリコ〜。それがどうしたリコ〜」
「……同じ学校の一年生なんだけど、その子……プリキュアのこと、知っているみたいなの」

 私の言葉に、リコルンは目を逸らす。
 すぐに私はリコルンの体を掴み、顔を寄せる。

「記憶世界って、外からは見えないハズだよね? 私達の戦いって、外にいる人には見えないハズだよね?」
「そ、そうリコ……」
「じゃあなんで星華ちゃんはプリキュアのことを知っていたの?」
「分からないリコ〜」

 リコルンの言葉に、私は口を噤む。
 もしかしたら、リコルンにも言いたくない理由があるのかもしれない。
 だったら、無理強いするのは良くない。
 ……だけど……。

「リコルン。今一番怪しいよ」
「知らないリコ」

 プイッと顔を逸らしながら言うリコルンに、私は頬を膨らませた。


<瑞樹視点>

 リビングにあるピアノを弾いていると、扉が開き、兄貴が入って来た。
 私はそれを無視して、ひたすらピアノを弾く。

「ただいま、瑞樹。……何か嫌なことでもあった?」
「……別に。何でも無い」

 そう言いながら、私は鍵盤を叩く。
 兄貴はそれにクスクスと笑って、ピアノの横に立つ。

「ベートーベンのピアノソナタ第14番。月光。良い曲だけど、悲しい感じの響きだよね」
「……」
「瑞樹は昔から変わらないなぁ。何か嫌なことがあると、いつもこの曲を弾いてるよね」
「……」
「それで、嬉しいことがあると……」
「あーもう! うるさいなぁ!」

 ダーンッ! と両手で鍵盤を叩きながら、私は立ち上がる。
 兄貴を睨んで見せると、彼は肩を竦めた。

「何?」
「何、じゃないよ。……いちいちうるさい」
「ごめん……でも、瑞樹に何かあったのなら、力になりたくて」
「大きなお世話! 兄貴には関係ないから!」
「で、でも……」

 戸惑った様子で声を漏らす兄貴に、私は「もう放っておいてよ!」と叫んで、リビングを出た。
 自室に戻り、勉強机の前に座り、しばらくぼんやりと俯いた。
 しかし、だんだんと冷静になり、頭が冴えて行く。

「またやっちゃった……」

 額に手を当て、私は息をつく。
 またやらかした。
 どうしてまた失敗してしまうのだろう。
 もう、兄貴には特に恨みとか抱いてないのに。

 そこまで思い出すのは、生意気モデルと一緒に楽しそうに話す杏の顔。
 彼女の顔を思い出した瞬間、私は、自分の胸が痛くなるのが分かった。

「何なの……これ……」

 そう呟きながら、私は頭を抱えた。

Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.45 )
日時: 2017/09/26 19:15
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第8話「月光に響くヤキモチピアノ?奏でろ友情のワルツ!」2

 翌日。通学路をのんびり歩いていると、後ろからこちらに駆けてくる音がした。

「瑞樹ちゃん! おはよ!」

 そう言って杏が隣に並び、嬉しそうに笑う。
 彼女の顔を見た瞬間、胸に鋭い痛みが走り、私は目を逸らした。

「おはよう、杏」
「……? どうしたの? 瑞樹ちゃん。なんか、不機嫌そうな顔してるけど」
「ッ……」

 どうやら顔に出ていたようだ。
 私はすぐに無理矢理笑顔を浮かべつつ、手を振ってみせた。

「な、なんでもないよ!」
「ふーん……あ、そういえばね、昨日、あの後で星華ちゃんと友達になったんだよ!」

 ズキッ……。
 またもや胸が痛み、私は無意識に自分の胸を押さえる。
 そんな私の様子を知ってか知らずか、杏は嬉しそうに続ける。

「星華ちゃんから友達になりたいって言ってくれたんだよ? あの星華ちゃんから。もう夢みたいだよね。未だに信じられないけど、連絡先も交換しちゃって」

 嬉しそうに話す度に、二つに結んだ茶髪が揺れる。
 頬が少しだけ紅潮し、足取りが少しだけ軽くなる。

「……そうなんだ」
「えへへ、昨日の夜もちょっとだけ通話したんだ〜。あ、そういえばね、星華ちゃんってLIMEのアイコンは……」
「ずっと憧れていたんでしょ? 良かったね。仲良くなれて」

 これ以上あの生意気モデルとの会話を聞かされるのが嫌だったので、私は遮るようにそう言った。
 突然遮ったからか、杏は少し驚いたような顔をする。
 しかし、すぐに笑顔に変わり、頷いた。

「うんっ! もうさ、私、今一番幸せだよ!」
「そっか……あっ、私、そういえば今日早く行ってやらないといけないことがあるんだった! ごめん、先行くね!」

 私はそれだけ言って、すぐに走り出す。
 なんで胸が痛いんだろう……。
 杏が他の子と話す時は全然こんなこと無かったのに、なんで、あの生意気モデルにだけ……。


<杏奈視点>

「瑞樹ちゃん……行っちゃった……」

 遠ざかっていく後ろ姿を見つめながら、私は呟いた。

「杏奈さんっ」

 その時、名前を呼ばれた。
 振り向くと、そこには星華ちゃんがいた。

「あっ、星華ちゃん! おはよう」
「おはようございます! ……あれは、前原先輩、でしたっけ」

 星華ちゃんはそう言いながら、瑞樹ちゃんの方に視線を向ける。
 彼女の言葉に、私は頷いた。

「うん……なんか、早く行ってやらないといけないことがあるんだって」
「そうなんですか……」
「……避けられてる、とかじゃないよね……」

 自分に言い聞かせるようにそう呟くと、星華ちゃんは「どうなんでしょうね〜」と言って瑞樹ちゃんの方を見る。

「でも、多分大丈夫だと思いますよ?」
「そうかなぁ」
「はい。だって、杏奈さんは前原先輩のこと大好きじゃないですか。昨日通話した時も、最終体に前原先輩の話ばっかりになっちゃって」
「そう?」
「はい。きっと、あの人にも杏奈さんの気持ち、伝わっているハズですよ」
「そうかなぁ……」

 私はそう呟きながら、もう一度瑞樹ちゃんの後ろ姿に視線を向けた。
 まぁ、大丈夫だとは思うんだけど……。

「……じゃあ、もしかしたら、何か問題事に巻き込まれてるのかも。ごめん。私、行くね!」
「えっ? ちょ、杏奈さん!?」
「ごめん! またね!」

 本当はもっとゆっくり話したかったけれど、背に腹は代えられない。
 後ろ髪を引かれる思いで、私は瑞樹ちゃんを追いかけて、走り出した。

Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.46 )
日時: 2017/09/26 21:41
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第8話「月光に響くヤキモチピアノ?奏でろ友情のワルツ!」3

<瑞樹視点>

 音楽室に鳴り響く、ベートーベンの交響曲第五番第一楽章。運命。
 激しい音楽が腹に響き、私の胸の奥の苛立ちを打ち消していく。
 醜い。たかが一年生如きに嫉妬してしまう自分が醜い。
 でも、仕方ないじゃないか。だって、あの生意気モデルは、杏の憧れの人だよ?

 私は……杏の、一番の親友になりたい。
 兄貴への恨みは確かに消えた。
 しかし、やはり、誰かの一番になりたいと思う気持ちは変わらないのだ。
 プリキュアという共通の秘密を持った者同士。
 おまけに、杏はこんな私の為に、一生懸命兄貴と仲直りさせようとしてくれた。
 それに、杏は一度ヤキモチまで妬いてくれた。だから……油断していた。

 そんなところに、杏の憧れの存在である、生意気モデルこと、後宮星華が現れるのだ。
 不安にならざるを得ない。
 二人の距離はどんどん近づいて行くし、きっと、杏の一番は私ではなく、あのモデルに……。

「うぁぁぁ! ムシャクシャする!」

 そう叫びながら、私は両手の指で思い切り鍵盤を叩いた。
 すると、ダーンッ! という音が響き、ちょうど音楽室に入って来た人影をビクつかせ……って……。

「杏……?」
「あ、み、瑞樹ちゃん……」

 怯えたような目で言う杏に、私の顔が引きつる。
 まさか、杏を怯えさせてしまった……?

「あ、違うの杏! これは……!」
「だ、大丈夫! それより瑞樹ちゃん……何か、悩み事?」

 その言葉に、私は固まる。
 確かに、これは悩み事だ。
 でも、流石にこれを本人に言うのは……気が引ける。

「……杏には関係無いよ」

 口を割って出たのは、そんな言葉。
 私の言葉に、杏はショックを受けたような表情をする。
 しまった、と思うが、だからって、正直に言うわけには……。

「……そろそろ、授業始まるから……」

 言い訳のようにそう言いつつ、私はピアノの蓋を閉じた。
 そして彼女の横を通り過ぎて、音楽室を出る。
 すると、袖を小さく握られた。

「……瑞樹ちゃん」
「……授業、始まるよ」

 そう言いつつ彼女の手を払い、私は歩き出す。
 私を心配してくれているのにこの扱いは酷いと思う。
 でも、こんなこと、本人には言えないから……。


<杏奈視点>

「瑞樹ちゃん……」

 そう呟いて手を伸ばしてみるが、結局その手は届かなくて。
 私は腕を下ろし、その手を握り締めた。
 教室に行ってみると瑞樹ちゃんがいなかった。
 彼女が他に行く場所は、なんとなく、音楽室かなと思って来てみた。
 案の定そこに彼女はいて、ピアノを激しく弾き狂っていた。

「この感じ、何か、前に見たことあるような……」

 そこまで思って、私は気付く。
 これは……前に、瑞樹ちゃんにヤキモチを妬いた私だ。
 でも、なぜ彼女が私にヤキモチを?

「あれ、杏奈さん?」

 その時、名前を呼ばれた。
 振り向くと、そこには、星華ちゃんがいた。

「星華ちゃん……」
「どうしたんですか? 何か悩んでる風でしたけど」

 首を傾げながら聞く星華ちゃんに、私は頷く。
 まぁ、今のところ瑞樹ちゃんの次に仲が良いのは星華ちゃんだ。
 彼女に相談するしてみるか……。

「実は、瑞樹ちゃんが、ヤキモチ妬いてるっていうか……昔、瑞樹ちゃんにヤキモチ妬いた私に似ていて……」
「へぇ……」
「どうすれば良いのかな」

 私が聞いてみると、彼女は顎に手を当てた。
 しばらく考えた後で、ポツリと呟くように言った。

「じゃあ、前原先輩と一緒にいる時間を増やしてみたらどうですか?」

 その言葉に、私は首を傾げる。
 すると、星華ちゃんははにかみながら続けた。

「ホラ、最近杏奈さん、私に構ってばかりじゃないですか。だから、前原先輩と話す時間を増やしたらどうかなぁ、って。きっと、前原さんは、杏奈さんが自分から離れるかもしれないって、不安なんですよ」
「なるほど……よし。やってみる!」

 私が拳をつくりながら言うと、星華ちゃんはクスクスと笑った。
 しかし、いざやってみると言っても、何をすれば良いのか分からない。
 その時、一瞬、ピアノを弾いている瑞樹ちゃんの顔が浮かんだ。

「……そうだ!」

 良い事を思いつき声を上げると、星華ちゃんが「どうしたんですか?」と聞いてくる。
 私はそれに人差し指を口に当てて、笑って見せる。

「内緒っ」

Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.47 )
日時: 2017/09/27 22:51
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第8話「月光に響くヤキモチピアノ?奏でろ友情のワルツ!」4

 放課後になり、私はすぐに瑞樹ちゃんの元に向かった。
 鞄の準備をして席を立とうとしている瑞樹ちゃんの腕を掴み、私は彼女を止める。

「わッ……あ、杏……?」
「瑞樹ちゃん。……一緒にやりたいことあるんだけど」

 私の言葉に、瑞樹ちゃんは訝しむように首を傾げた。
 彼女の反応に私は笑いつつ、彼女の手を引いた。

「わっ……ちょ、ちょっと……!」
「良いから良いから!」

 そう言いながら私は彼女を連れて、廊下を歩いて行く。
 やがて辿り着いたのは……学校の音楽室。

「ここは……」
「……私ね、ピアノ教えてほしいの」

 私の言葉に、瑞樹ちゃんは目を見開く。
 しかし、いざ音楽室の扉を開けてみようとすると、中から吹奏楽部の奏でる音楽が聴こえて来た。
 私は慌てて手を引っ込め、瑞樹ちゃんに視線を向けた。

「み、瑞樹ちゃん……」
「……私の家にもピアノはあるけど?」

 苦笑混じりに言う瑞樹ちゃんに、私は「お邪魔してもよろしいでしょうか……」と聞いてみた。
 無意識に堅苦しい言葉になってしまったためか、瑞樹ちゃんはプハッと息を吐くように笑った。

「あははッ! 良いよ良いよ。前も来たし、私の家、人呼んだらいけないとか無いからさ」

 瑞樹ちゃんの言葉に、私は安堵する。
 それから生徒玄関で靴を履き替え、私達は瑞樹ちゃんの家に向かって歩き出した。

「ところで、なんで杏は突然ピアノを弾こうなんて考えたの?」
「えぇっと……」

 彼女の言葉に、私は口ごもる。
 そんな私に瑞樹ちゃんは笑う。

「あははッ……何、もしかして理由無いの?」
「え、いや……」
「ん〜?」

 ヘラヘラと笑いながら顔を覗き込んでくる瑞樹ちゃん。
 私から近づいただけで、上機嫌になり過ぎじゃないだろうか……。
 ……気持ちは分かる。

「えっと……だって瑞樹ちゃんが……」

 正直に言おうとした時、窓の下に見えた影に私は口を噤む。
 慌てて窓に駆け寄り見ると、そこでは、一人の男子生徒に手を翳す虫のような見た目の男がいるのが見えた。
 よりによって、音楽室は三階だと言うのに……!

「あれ……ロブメモワールの!?」

 瑞樹ちゃんの言葉に、私は頷く。
 ここから素直に階段を降りても間に合わないし……どうすれば……!
 そう思っていた時、瑞樹ちゃんが鞄を下ろし、腕にラブメモリーウォッチをセットし始める。

「み、瑞樹ちゃん……?」
「杏。鞄下ろして」
「え、うん……」

 彼女の言葉に従って、私も鞄を下ろす。
 その間に瑞樹ちゃんは窓を開け、そのちょうど下にある消火栓の上に乗る。

「瑞樹ちゃん……?」

 私の問いかけに瑞樹ちゃんは答えない。
 しかし、手招きするように手首をクイクイッとするので、仕方なく私は同じように消火栓の上に乗った。
 すると、彼女は突然ブレザーの上着を脱ぎ、私と彼女の体が密着するように縛った。

「なッ……!?」
「動かないでね!」

 瑞樹ちゃんはそう言うと私の体を抱きしめ消火栓を蹴り、窓の外に身を乗り出す。
 空中に身を放り出され、私は叫ぶ。

「きゃああああああああああッ!」
「ッ……! でぇい!」

 瑞樹ちゃんはそう言って、自分の背中が下に来るように身を捩る。
 そしてさらに私のことを強く抱きしめ、重力に従って落下していく。
 数瞬後、強い衝撃と共に、私と瑞樹ちゃんは車の上に落下した。

「っつぅ……思いのほか痛いな……」
「ちょ、瑞樹ちゃん大丈夫!?」

 そう心配すると、瑞樹ちゃんは「大丈夫大丈夫」と言って笑い、立ち上がる。
 それから地面に着地した時、ちょうど男子生徒が倒れるのが見えた。

「なッ……プリキュア、一体どこからッ!」
「さぁ、どこからでしょう!」

 瑞樹ちゃんがそう言って殴りかかろうとするが、やはり変身前だからあっさりいなされる。
 虫みたいな見た目の男は軽く舌打ちをすると、すぐに男子生徒の胸に広がる異世界に飛び込む。
 すぐに閉じるが、私達もすぐにラブメモリーウォッチを掲げ異世界への入り口を開き、中に飛び込む。
 やがて辿り着いたのは、校舎の中だった。

「学校……?」
「……あっ! あれ見て!」

 瑞樹ちゃんの言葉に、私は顔を上げる。
 見ると、そこには可愛らしい女生徒と、先程倒れた男子生徒が廊下の隅で向き合って立っているのが見えた。

「あ、あの……俺、ずっと前から貴方のことが好きです! 付き合って下さい!」

 そう言って頭を下げ、手を差し出す。
 彼の言葉に女生徒は頷き、その手を握る。
 すると、そこで世界が白黒で染まり、全ての動きが止まる。
 それと同時に、世界が裂けて、ワスレールが現れる。

「瑞樹ちゃん! 行くよ!」
「うん!」

 私の言葉に瑞樹ちゃんは頷き、二人同時にラブメモリーウォッチを構えた。
 そして、声を合わせ、叫んだ。

「「プリキュア! メモリアルコンバージョンッ!」」

Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.48 )
日時: 2017/09/29 21:11
名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)

第8話「月光に響くヤキモチピアノ?奏でろ友情のワルツ!」5

「今を輝く、一つの光! キュアアデッソ!」
「過去を束ねる、一つの夢! キュアパースト!」
「「取り戻せ! 愛のメモリー!」」
「「メモリアルプリキュア!」」

 名乗りを終えると、ワスレールが攻撃をしかけてくる。
 私達はすぐに後ろに跳び、その攻撃を躱す。
 すると床が抉れ、足元に下の階が見える。

「しまッ……三階だったのか!」

 パーストはそう言うと同時に、床を蹴ってさらに後ろに跳ぶ。
 私も続こうとするが、その時、目の前にワスレールが迫って来る。

「ッ……!」

 驚いていると、ワスレールに体を蹴り飛ばされた。
 後ろに吹き飛び、高速で世界が後ろに通り過ぎて行く。

「アデッソ!」

 微かに、背中に柔らかいものが当たる感触がした。
 それが何なのかを察するより前に、私達は壁に体をぶち当て、その中に転がり込んだ。

「いっつぅ……パースト!」

 私はすぐに体を起こし、私を庇ってしまったパーストの体を起こす。
 ボロボロになったパーストは、呻き声をあげながら、私を見つめた。

「良かった……杏が、無事で……」
「……瑞樹ちゃんが守ってくれたんだから、無事に決まってるでしょ……?」

 私の言葉に、パーストは微かに笑みを浮かべた。
 それから震える手を伸ばして、私の頬を、微かに指でなぞった。
 彼女のその挙動に、私はただ唇を噛みしめる。

「……なんで、ここまで……」
「……だって、杏のことが……大好きだから……」

 パーストの言葉に、私は息を呑む。
 それにパーストは笑って、私の手を優しく握った。

「早く、帰って……杏に、ピアノ、教えなくちゃ……」
「……ごめんね、瑞樹ちゃん」

 気付いたら、私はそう謝っていた。
 私の言葉に、パーストは不思議そうに首を傾げた。

「なんで謝るの?」
「だって……瑞樹ちゃんはこんなに私のこと、大事に思ってくれているのに……私、瑞樹ちゃんのことを不安にさせた……」
「不安に……って……?」
「……瑞樹ちゃん……なんか、ヤキモチ妬いてる感じあるからさ……」
「は!?」

 私の言葉に、なぜかパーストは息を吹き返す。
 ホッとしている間に、肩を掴まれ、顔を近づけられる。

「わッ……」
「ななな、なんでそのこと知ってんの!?」

 動揺した様子の声に、私は「えっと……」と困惑する。
 しかし、すぐにパーストの目を見つめ、口を開いた。

「だって、瑞樹ちゃん、今日はやけに私のことを避けていたし……なんか、前に瑞樹ちゃんにヤキモチ妬いてた私に、似てるなぁって……」
「そ、それは……」

 戸惑うパーストに私は笑い、彼女の手を握り返した。

「……まだまだ仲良くなったばかりだし、お互いに不安になるのはしょうがないよ。……でも、たとえ何があっても、私は瑞樹ちゃんを裏切ったりしない。私達は、ずっと友達だよ」

 そう言って、私は笑って見せた。
 すると、パーストは「杏……」と言って笑みを浮かべた。
 その時、壁が破裂した。ワスレールだ!

「分かったよ、アデッソ!」

 その時、そう言ってパーストは立ち上がり、私とワスレールの間に立つ。
 そしてワスレールの腕を掴み、ニッと笑う。

「私、きっとアデッソのこと、信じていなかったんだ……あんなモデル如きに取られるって思うくらい、自分に自信が無かったんだ!」
「パースト!」

 私が名前を呼ぶと、パーストはこちらに振り向いて、明るく笑う。

「でも、アデッソが私のことを信じてくれているなら……私もアデッソのこと、信じる!」

 そう言って、パーストはワスレールの体を振り回し、遠くに投げ飛ばす。
 そして私達は顔を見合わせ頷き合い、手を繋いだ。
 ワスレールの体の上まで行き、腕を構える。

「「プリキュア! シャインドリーマー!」」

 そう言った瞬間、五線譜で出来た輪がワスレールの体を囲い、それをなぞる光の波動によって浄化されていく。
 浄化されていくワスレールを眺めていると、肩を叩かれた。
 見ると、パーストがこちらに掌を見せるように手を掲げていたので、私はそれに自分の両手を当てた。
 簡単に言えば、ハイタッチをした。


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