二次創作小説(新・総合)
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- 【オリキュア】メモリアルプリキュア!
- 日時: 2017/08/01 23:00
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
初めましてかこんにちは!愛です!
本日からはメモリアルプリキュアというオリキュア小説を書きたいと思っています。
基本テンションとノリに任せて書くのでグダグダすると思いますが、楽しんでいただけると幸いです。
それでは、よろしくお願いします。
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.19 )
- 日時: 2017/08/13 22:03
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第3話「瑞樹のコンプレックス?イケメンお兄さん登場!」6
「今を輝く、一つの光! キュアアデッソ!」
「過去を束ねる、一つの夢! キュアパースト!」
「「取り戻せ! 愛のメモリー!」」
「「メモリアルプリキュア!」」
……なんだこの名乗り。
二人になったことによりなぜか変化した名乗りに驚いていた時、ワスレールが攻撃してくるのが見えた。
「キ、キュアパーストッ!」
ぎこちなく呼ばれた名前に、私はすぐに横に跳ぶ。
すると、ワスレールがちょうど私がいた場所を攻撃する。
「あっぶなぁ……サンキュー、あ……デッソ」
「ぎこちないなぁ……」
「アデッソに言われたくないよ」
「パーストこそ」
そこまで言って、私達はフッと笑い合う。
そして、真っ直ぐワスレールを睨んだ。
兄貴の記憶の影響か、そのワスレールは、ピアノを模したような見た目をしていた。
なんでよりによってピアノ……と思っていた時、アデッソがクスッと笑った。
「何……?」
「フフッ……あぁ、いや、兄妹揃ってピアノのワスレールなんだなぁ……って」
「えっ……まさか、私もこんな目に……?」
「あ、うん……あの時はこんな話しても信じてもらえないと思ったし、今は、今更そんな話する必要無いかと思ったから……」
アデッソの説明に「へぇ……」と返しつつ、私はワスレールを見た。
もし、私がピアノに未だに執着しているとしたら、それは兄貴の存在があったから。
もしかしたら私は、今もまだ、兄貴のようになりたいと思って……。
「……やっぱり私、兄貴と一回、落ち着いて話したい……」
そう言いつつ、私はワスレールを睨んだ。
もう、迷わない。
私は兄貴と話して、そして、仲直りするんだ……だから!
「私は……絶対にアンタを……倒すッ!」
叫び、私は駆けだした。
ワスレールの攻撃が、やけに遅く感じる。
すぐに奴の懐に潜り込んだ私は、肘を構える。
「はぁぁぁッ!」
叫びながら、エルボーを入れる。
すると、ワスレールの体が揺らぐので、すぐに両手でワスレールの足を掴む。
「どりゃあああああああッ!」
女子らしからぬ声を張り上げながら、私は足を掴んだまま全力で後退する。
すると、ワスレールの体が後ろに倒れ、地響きを起こしながら尻餅をつく。
その間に、私はラブメモリーウォッチを構え、ネジを引っ張る。
「過去を束ねろ! プリキュア! パーストドリーマーッ!」
叫びながら腕を突き出すと、ワスレールの体を五線譜の輪が囲う。
今なら分かる。この輪の意味が。
私の夢が兄貴みたいなピアニストになることなら、楽譜の五線譜が必殺技になるのかもしれない。
そして、その夢で、今の私と、過去の私を、繋ぎ合わせて……束ねる!
「はぁッ!」
叫び、私は拳を握り締める。
すると、ワスレールの体を光の輪が強く締め付けて、消し去って行った。
「ふぅー……」
私は息をつき、修復されていく記憶世界を見つめた。
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.20 )
- 日時: 2017/08/14 20:22
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第3話「瑞樹のコンプレックス?イケメンお兄さん登場!」7
「んん……」
ゆっくり目を覚ました兄貴は、不思議そうに辺りを見渡す。
そして、傍で座って彼の顔を見ていた私を見て、「瑞樹」と声にした。
「あれ、僕は、今まで何を……」
「なんか地面に倒れてるから、ビックリしたよ。……でも、怪我無さそうで良かった」
私の言葉に、兄貴は「あぁ、そっか……」と呟き、すぐに自分の手元に落ちている箱をガシッと掴んだ。
慌てた様子で箱を開き、中を見て、安堵した表情で息をついた。
「……それはなぁに?」
私が聞くと、兄貴はビクッと肩を震わせた。
それから少し迷う素振りを見せた後で、「ハイ」と言って箱を渡してきた。
受け取って中を見てみると、それは、小さなピアノだった。
「これ……」
「これはオルゴールなんだ。本当は、家に帰ってから瑞樹に渡したかったんだけどね」
そう言って兄貴は微笑む。
私はそれに釣られて笑いつつ、小さなピアノの形をしたオルゴールを取り出した。
「これ、どこで?」
「杏奈ちゃんの家の、『Adesso』でね。あそこは、オルゴールの時計もあるから、オルゴールも取り扱っているんだ」
「そうなんだ……」
「……それにはね、瑞樹が好きな曲をオルゴールにして入れてもらったんだよ」
「えっ」
兄貴の言葉に、私は顔を上げる。
すると、兄貴は優しく笑って、オルゴールのぜんまいを回す。
そして手を離すと、小さなピアノから、綺麗な音色が流れ出した。
「あっ……」
それは、ピアノを弾いていた頃、私が一番得意で、同時に、一番好きだった曲だ。
軽やかで、綺麗で、甘美な音色が鳴り響く。
驚いていた時、兄貴に肩を抱かれた。
「ッ……」
「……この曲を弾いていた時、瑞樹は、一番楽しそうだった。……楽しそうにピアノを弾く瑞樹に、僕は、少し嫉妬をしていたんだ」
「どういうこと?」
つい聞き返すと、兄貴は曖昧に笑い、私の頭を撫でる。
その手は、昔撫でられた感触と同じで、とても優しく……温かかった。
「……僕はね、昔から、ピアノは努力してなんとか弾ける状態だった。でも、瑞樹が生まれてピアノを弾いたら……僕より少ない努力で、綺麗に弾けていた」
「えっ……」
私はあの頃、兄貴を目指してピアノを頑張っていたというのに……。
そう不思議に思っていると、兄貴は続けた。
「僕が同い年だった頃に比べると、断然瑞樹の方が上手だった。年齢が上な分、僕の方が上ではあったけれど、いずれ、僕が越されることは目に見えていた。……だから、僕は追い越されないように、必死に頑張った」
「……」
「周りの大人達も、瑞樹の実力に気付いていたんだろう。年齢差なんて関係無く、皆、僕と瑞樹を同列として見始めた。そして、皆、瑞樹が僕を越えることを望んだ。瑞樹の方が、素質があったから。……でも、瑞樹にとっては、それがすごく辛かったんだろう? だから、ピアノを弾くことを辞めてしまった」
兄貴の言葉に、私は答えることが出来なかった。
口ごもっていた時、「でも……」と言って、兄貴は私の頭に手を置いた。
「やっぱり、嫉妬したり、追い越される恐怖を感じつつも……やっぱり、僕は瑞樹の演奏が好きなんだ。だから、こうして、瑞樹がよく弾いていた曲を、オルゴールにしてもらったんだ」
「……そう、なんだ……」
曖昧にそう答えると、兄貴は優しく笑って、小さなピアノのオルゴールを空にかざした。
「でも……やっぱり、こんな偽物じゃなくて、僕は瑞樹の演奏が聴きたいな」
「私の……演奏……?」
「あぁ。……たまには、一緒にピアノを弾いてみないか?」
兄貴の言葉に、私は少し迷う。
でも、不思議とすぐに、心は決まった。
多分、今なら弾ける気がする。
「うん……弾く」
「そうか。それじゃあ、帰ろうか」
兄貴はそう言って笑い、私に手を差し出す。
私はその手を握り返し、二人で歩きだした。
<杏奈視点>
二人で歩きだしたのを見つめて、私はフッと笑みを浮かべる。
前原さんと紫音さんが仲直り出来たみたいで良かった……。
でも……と、私は自分の胸に手を当てる。
二人が仲直りできたのは、すごく嬉しい。
「でも……なんでこんなに、胸が痛いんだろう……」
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.21 )
- 日時: 2017/08/15 18:13
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第4話「ムカムカヤキモチ?瑞樹への気持ち!」1
「はぁー……」
私は息を吐きながら、ベッドにうつ伏せでダイブした。
すると、鞄からリコルンが出てきて、私の顔を覗き込む。
「杏奈……疲れたリコ?」
「リコルン……疲れたわけじゃないんだけどさぁ……」
そう言った時、脳裏に、またもや前原さんと紫音さんが仲良く歩く姿が思い浮かんだ。
直後、またもやズキッと胸が痛み、私は胸を押さえた。
「大丈夫リコ? 胸、痛いリコ?」
「だ、大丈夫大丈夫……これくらい、どうってことないって……」
そう言っている間も、ズキズキと胸が痛む。
何だろう、この痛み……。
前原さんや、紫音さんを思い出す度に、胸が痛い……。
そう思っていた時、私の目の高さまでリコルンが飛び上がる。
「……?」
「杏奈が苦しんでいるのを、これ以上見たくないリコ……なんでそんなに悲しそうリコ?」
リコルンの言葉に、私は咄嗟に胸に手を当てる。
私が、悲しい理由……?
こんなに苦しいのは……どうして?
そう思っていた時、またもや脳裏に前原さん達の姿が浮かぶ。
「……さっき、前原さんと紫音さんが、仲直りしたの……」
「本当リコ!? それは良いことリコ!」
「で、でも……それを見てから、なぜか、ずっと胸が痛くて……」
私の言葉に、リコルンは不思議そうに首を傾げる。
そんな顔されても……私にも分からないよ……。
「もしかして杏奈は、紫音のことが好きリコ?」
「へ……!? そ、そんなわけないよ!」
突然そう聞かれ、咄嗟に否定する。
そりゃあ、紫音さんはカッコいいし、優しいし……でも、恋愛感情とか、分かんないし……。
「じゃあ、瑞樹のことが好きリコ?」
「えっ?」
リコルンの問いに、私はしばらく呆然とする。
私が……前原さんを好き?
「いや、それは無いよ。私達女同士だし」
「好きっていうのは、別に友達としての好きもあるリコ。杏奈は瑞樹のこと、嫌いリコ?」
「嫌い、ではないけど……そもそも、胸が痛いことと、紫音さんか前原さんのことを好きっていうのは、関係ないんじゃ……」
「大ありリコ!」
リコルンにそう怒鳴られ、私の体はビクッと反応する。
それに、リコルンは続ける。
「それはきっとヤキモチリコ! 紫音を瑞樹に取られたか、瑞樹を紫音に取られたから、ヤキモチ妬いてるリコ!」
「な……何それ……」
困惑していると、またもやリコルンは身を乗り出してくる。
ち、近い近い……。
「とにかく! このままだと絶対プリキュアとしての活動に支障が出るリコ! 早く解決するリコ!」
「うぅ……はぁい……」
私の返答に、リコルンは満足そうに頷いた。
はぁ……憂鬱……。
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.22 )
- 日時: 2017/08/15 23:37
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第4話「ムカムカヤキモチ?瑞樹への気持ち!」2
翌日。私は胃に痛みを感じながら登校した。
いや、別に私が緊張する必要が無いことは自覚しているんだ。
このヤキモチを解決するだけで良い。
……いや、そもそもヤキモチを解決するって、どういう風に解決すれば良いんだ?
前原さんに「紫音さんと仲良くしないで!」って言う?
……ないわぁ……。
「私……今一番、悩んでる……」
「おはよう、杏!」
「ひゃぁ!?」
肩を叩かれ、私の体はビクッと反応する。
慌てて振り向くと、そこには前原さんがいた。
「ま、前原さん……? ……あ、おはよう」
「おはよう……えっと、大丈夫? 杏。……なんか、すごい顔してたけど」
「えっ」
彼女の言葉に、私は咄嗟に自分の頬に手を当てる。
その時、前原さんが顔を覗き込んで来た。
「ぁ……」
「何か悩み事? 話聞くけど」
「な、なんでもないよ!」
咄嗟にそう返すと、前原さんはムッとした表情をする。
しかし、すぐに表情を緩めると、私の隣に並び一緒に歩き出す。
「まぁ良いけどさぁ。でも、悩みなら何でも聞くよ? 昨日は杏に悩み解決してもらっちゃったからね」
そう言って強く胸を叩き、思い切り咳き込む前原さん。
彼女のそんな動作に、私は、少しだけ肩から力が抜けるような感覚があった。
今なら、言える気がする。
「あ、えっと……実は……!」
「あっ! おはよー!」
なんとか声を振り絞った時、前原さんがそう言って駆けだす。
視線を向けると、そこには、数人の女生徒がいて、前原さんはその女生徒達に挨拶と簡単な雑談をしていた。
ズキッ……。
それを見ていた瞬間、胸がまた痛くなる。
私は一度立ち止まり、深呼吸をして、真っ直ぐ前原さんの方を見てみた。
私が話したことない子達と楽しそうに話して、私に向ける笑顔と同じような笑顔を向ける前原さん……。
ズキッ……ズキッ……。
そう思っていた直後、どんどん増していく胸の痛み。
私は胸を押さえながら、徐々に血の気が引くような感触を覚えた。
これって……まさか……ッ!
「私……前原さんにヤキモチ妬いちゃってる……?」
- Re: 【オリキュア】メモリアルプリキュア! ( No.23 )
- 日時: 2017/08/16 23:15
- 名前: 愛 (ID: fYNkPhEq)
第4話「ムカムカヤキモチ?瑞樹への気持ち!」3
<瑞樹視点>
なぜか、今日はやけに杏に避けられている気がする。
朝は何やら考え事をしている風だったけど、その後はひたすら避けられる。
……辛い。
「私、杏に何かしたかなぁ」
「リコルンに聞かれても分からないリコッ!」
なんとなく杏の鞄からコッソリリコルンだけ攫って屋上に連れてきてみたのは良いけど……。
「やっぱりわかるわけないかぁ……役立たずな妖精だなぁ」
「うるさいリコッ!」
リコルンはそう怒鳴ると共に、私の手を噛む。
最初はその程度どうってことないと強がってやろうかと思ったが、すぐに鋭い痛みが走り、私は慌ててリコルンを投げ捨てた。
「いったぁ……野蛮だなぁ!」
「ただでさえリコルンの存在も人に見られたらまずいのに、そんなことで呼び出すなリコッ!」
「じゃあなんで杏に私が避けられるのか考えなさいよ!」
「そんなの、杏奈が瑞樹にヤキモチ妬いてるからに決まってるリコ!」
「そんなわけ……って、は? 今なんて言った?」
私が聞くと、リコルンは「ほえ?」と間抜けな顔で首を傾げる。
いや、ほえ? じゃねーよ。何今更可愛い子ぶってんだ。
リコルンの無駄に長くてデカい耳を握りながら、私は顔を寄せて続ける。
「さっき! なんて! 言った!?」
「えっ……ほえ? って……」
「その前!」
「瑞樹怖いリコォ……だから、杏奈が瑞樹にヤキモチ妬いてるって……」
「それ!」
私はそう言いつつ、顔を寄せる。
すると、目の前ではリコルンの怯えた顔があり、ようやく私がこの子を脅しているような状態になっていることに気付いた。
慌てて手を離すと、リコルンはゆっくり私から離れ、自分の耳を擦る。
「えっと……ごめん。……杏はさ、一生懸命私のために頑張ってくれた友達だから、その……つい、焦っちゃって」
「良いリコ。瑞樹の気持ち、ちょっと分かるリコ」
「リコルン……あ、それで、杏が私にヤキモチ妬いてるってのはどういうことなの?」
「切り替え早すぎるリコォ……」
困惑した様子のリコルンを無視して、私は身を乗り出す。
すると、リコルンは呆れた様子で、杏についての話を聞かせてくれた。
まぁ、簡単にまとめるとこうだ。
兄貴と仲直りした私を見て杏は胸がズキズキ痛み始めたらしい。
それを相談されたリコルンは、ヤキモチだと言ったらしいが……まぁ、リコルンの憶測は恐らく正解なんだろう。
いや、私と兄貴のことを思い出す度に苦しそうだったらしいし、もう正解で良いじゃないですか。
「まさか、そんなことが……あ、じゃあ、杏を安心させればいいのか!」
「分からないリコ……リコルンは耳が痛いリコ」
「ごめんごめん。後で何か甘い物あげる」
「本当リコ!?」
嬉しそうに言うリコルンに私は頷き、顎に手を当てた。
「さぁて、どうしたものか……」
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