複雑・ファジー小説
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- セカイ戦記
- 日時: 2016/05/17 18:57
- 名前: 彩都 (ID: lKhy8GBa)
ーーぼくは戦うーーこの汚れたセカイとーー
二作目の投稿です。
初めての方も知っている方も初めまして、彩都と申します。
気長に投稿します。
今回は歴史ファンタジー…かも…
という事で宜しく
登場人物
今作は先にキャラ紹介をさせていただきます。
主人公
トゥダ・リク 男
このセカイは名前に意味は無く、名字・名前や逆に名前・名字は無く、名字・名字、名前・名前となっている。
リクは名前・名前。
リーナ・ユリ 女
名前・名前。
妖精で回復の魔法を使う。
リクの仲間。
リヴェレット・モコ 女
名前・名前。
攻撃系の魔法を使う。
ユリは貧乳だが、モコは巨乳。
何時も箒に乗っている。
ショウ・コウ 男
名前・名前。
肉弾戦が得意な仲間。
魔法では倒せない存在には肉弾戦が良いとされている。
ジェネレッド・D 男
?・?
リクの仲間だが何者かは知らない。
敵かもしれない。
Dは物語の中心に近い。
サルウ°ァ・ティル 女
名前・名前。
名前の言い方は秘密。
大きな剣、真剣簪(かんざし)を使う。
大きさは約三メートル。
サワラビ・ユウ
名字・名前。
遙か遠く、キョクトウのニホンの人間。
彼も何者かは分かってない。
何時も一人で行動している。
薙刀の師範代を務めている。
μ
記号。
名前を持たず、施設で使われていた記号を使っている。
戦闘力は圧倒的に強いが、カロリーが切れるとすぐ戦闘不能になる。
白いジャージに白い肌、髪は無く、オールバックの様な角を生やしている。
用語解説
魔法
魔法は体内に眠る魔力を燃焼させて、魔法を扱う。
キンキなる魔法も存在する。
キンキなる魔法は使うと死んだり、植物人間になったりする。
存在
セカイ戦記における敵。
魔法で倒せる奴や肉弾戦でしか倒せない者もいる。
肉体の一部分が膨らんでいたりと『異形』の存在。
ゾンビの様に意志は持たず、人間を襲う。
セカイ
混沌としている。
その混沌のせいで存在が出来たと言われている。
舞台的に言えば、『北斗の拳』の世紀末ワールドに近いです。
存在が色んな所でばっこしている。
妖精
見える者もいれば見えない者もいる。
リク達のメンバーは見える奴が多い。
見えない者は眼鏡を使ったりする。
だが、眼鏡も法外な値段が多い。
傷の手当や回復が得意。
回復は魔法に当たるので、妖精は無意識に魔法を使っている事になる。
『リク…貴方は希望の仔…貴方は奇跡の仔…貴方は私と**の仔…お母さんが居なくても頑張るのよ…』
「お母さん!!」
そう言って、母さんは燃え盛るセカイから、燃えた。
跡形もなく、消えた。
セカイ戦記 序章 、『運命』の仔
俺はトゥダ・リク。
男、十六歳。
《ヤツラ》を始末する者。
《ヤツラ》とは、前々からこのセカイに現れた敵だ。
コイツ等のせいで俺は母を亡くした。
俺はコイツ等を駆逐する為に仲間を探している。
俺は仲間探しの為に故郷を捨てた。
そして俺は前へ一歩、踏み出した。
少し歩いて着いたのは、妖精の世界、フェアリアだ。
そこで俺は水浴びをしているビキニの女性を見つけた。
「おーい!妖精王に会いたい!道案内してくれ!」
ビキニの女性は羽を生やしてこちらに来た。
どうやら妖精らしいが、背は俺の胴体位だろう。
「貴方、妖精王に会いたいの?今は会えないわ、会うの止めたら?」
「俺は《ヤツラ》を駆逐する為に妖精王に力を借りに来たんだ、止める事は出来ない」
「分かったわ、じゃあ貴方の仲間になるから会うのは止めてくれない?回復も出来るから旅には最適よ」
「良いのか?」
「良いわよ、私の名前はリーナ・ユリ、宜しく」
「俺はリク、宜しく」
こうして、人間、リクと妖精、リーナの出会いだった。
「なぁ、リーナ、この水は人間でも飲めるのか?」
そう言って、リーナが浸かっていた水を一掬い、口に近づける。
「ダメッ!!!!!」
リーナの止めは既に遅し、もう口に含んで、喉を鳴らした後だった。
「ん?どうした?リーナの汗が入っているから、飲むなってか?大丈夫だろ…」
リーナは言う。
「いや、そうじゃなくて…人間は此処の水飲むと、人間には毒だからって…」
そう言うのと同じくして、リクは気絶する。
「リクッ!?」
リーナはビキニのまま、、リクを長老の所へ連れていった。
「んー、ユリ…」
長老は重い口を開いた。
・・・・・・・・・・・・
「こやつには毒その物が無い…これはどういう事じゃ?」
「えっ…?」
リーナは驚いた。
人間で泉の水を飲んだのは大抵、必ず死ぬ、最悪死ななくても毒の後遺症が残るのに…。
リーナにとって、この事は不思議で不思議で意味が分からなかった。
すると、リクが目覚めた。
「う…うーん…此処は…何処だ…?」
リクはすぐさま、リーナを見つけた。
「リーナ!此処は何処だ!?俺は何故此処に!?」
リクは慌てて周りを見やる。
「落ち着くのじゃ、少年」
と、長老が止める。
長老は、リクが倒れて此処に来た事、此処は妖精の村と長老である事を話した。
「全く信じられん話だが、俺が記憶を覚えていないんだ、リーナ有難う」
「良いよ、リクって見た目に反して軽いんだもん」
そういうリーナに驚くリク。
「お前さん知らんのか?妖精は小柄だが怪力だぞ?」
その事を聞いて驚く。
妖精は力が凄いんだ…。
リクは新たに情報を頭に叩き込んで、立ち上がる。
「良し、行くか」
長老はリクがすぐ立ち上がった事と同時に驚くが、どこかへ行く事にも驚く。
「待て、お前さん、今から何処へ行くのじゃ?」
長老が聞くと、すぐさま言った。
「隣町だよ」
「隣町には《ヤツラ》が要るのじゃぞ!!」
長老は止める。
それに対しリクは。
「大丈夫だよ、そいつ等は始末屋であるこの俺に任せな!
」
そう言う台詞に驚く長老。
まさか、《ヤツラ》を倒す力を持っているのか…。
そう思っていると、二人は出発していた。
長老の声は空しくも聞こえなくなった。
こうして、傷が回復したリクとリーナは旅を開始するのだった。
次の町は何処へ行くのか…それは誰も分からない…
序章終了 第一章へ続く…
セカイ戦記 第一章 運命の仔の戦闘
妖精の世界、フェアリアの隣、戦争の世界、バトランゲージは存続の危機に瀕していた。
バトル王宮最上階国王の部屋。
「ひいぃぃ!!まっ待て!話せば分かる!金ならたんまり有る!だから見逃してくれぇ!」
「…………」
バトランゲージ国王、マイルは謎の生命体と話していた。
生命体は体を包帯で巻かれている者やジリジリと追い詰める者も居た。
ただ、生命体には共通点が幾らか有った。
一つ目は全員、肌が腐敗した色になっていた、具体的に灰色。
二つ目は口を大きく広げ、涎を垂らしている事。
そして三つ目は…
喋らない事だ…
何故喋らないのか、各国で議論されるが、喉が使い物にならないが妥当とされてきた。
生命体の過去の姿は、人間だった。
数十年、数百年経っても、この生命体は存在してきた。
そして生命体はゾンビの様に感染する。
今もそんな生命体から避、難する人間の中に反旗を翻す存在も居た。
その名は『退治者』と呼ばれる事になった。
その人物は生命体を倒す程の力を持っていた。
そんなリクも『退治者』の一人だ。
そして『退治者』達は、生命体に名を付ける事にしたのだ。
その名は《ヤツラ》となったのだ。
※小説のレスを消さないで下さい。
消しても無駄なので。
何か気に食わないなら、書き込めば良いじゃないですか、何でそんな事が出来ないんですか?
他人様の小説を消して、ナニが満足ですか?
彩都の小説のレスを消す事に何の意味があるんですか?
出来ればそれを書き込めば、彩都も納得します、なので、消さないで下さい。
困るのはこの小説を読む読者様なので。
コピペしていますから、消しても無駄ですよ?
- Re: セカイ戦記 ( No.316 )
- 日時: 2018/01/11 21:28
- 名前: 彩都 (ID: Mu5Txw/v)
「ふぅ、料理が完成しました……さて、兄さん、私は今から料理を運ぶので、椅子に座って、適当に時間を潰して下さい?あぁ、大丈夫ですよ、十分もすれば戻ってくるので」
「ふむ、そうか、それなら行って来い」
「えぇ、分かりました」
ブランドはそう言って、兄のブレンドに料理の配達の話をする、そして了承を得たブランドは四つの料理皿を持って、走って病室へと向かう──そして一人になったブレンドは静かに椅子に座りながらコーヒーを飲む。
「…………」
それにしても暇だな、ブレンドはそう思いながら頬を掻く、誰も居ないこの部屋、この部屋の主は今の所、ブレンドだ、ブレンドは静かに周りを確認し、何も無い事を確認する。
「うん、ダメだな、悪戯のいの字も思いつかねぇ……」
ブレンドはそう呟いて、静かに溜息を吐く、すると此処でブレンドはとある事を思う、『そういえば我が弟、ブランドには娘が居るが、『妻』は居ないのだろうか……?』と。
言われて見れば、玄関には女物の靴はあまり無かった、かと言って、家の中に侵入した訳じゃないが、我が弟、ブランドの娘であるユリーカ以外の女性をこの家で見た事が無かった、それにしても不思議だった、何故嫁が居ないんだ……?ブレンドはそう思いながら顎に手を当てる、ふむ、これは後で聞いてみる事にするか、ブレンドは頷いて、再度コーヒーを飲んだ──
「急がないとなぁ……」
ブランドはそう言いながら両手に四つのお皿を持ちながら、一つの病室に向かう、その病室には、リク、リーナ、D、コウの四人が入院していた。
「はぁ、四人の食いっぷりには何時も驚かされますねぇ……」
ブランドは少し項垂(うなだ)れながら、病室の前に到着し、扉をノックする。
「入りますよぉ?」
「あーい」
コウの言葉を聞いて、ブランドは病室に入室する、するとリクは寝ていて、コウ、D、リーナが起きているという案外珍しい組み合わせで驚く。
「おっと?リク選手は寝ているんですか?」
「あぁ、そうみたいだな……多分、昨日疲れたのかもしれないなぁ、実際はどうかは知らんが」
「成程……それじゃあ、朝食は前に置いといてあげましょうか」
ブランドはそう言って、リクの前に料理が乗った皿をリクが寝ているベッドの机に置く、そして残りの三皿をコウ、D、リーナのベッドの机に置く。
「おぉー!今日も美味しそう!」
「確かにな」
「そうだな」
リーナの可愛い声と裏腹に、相当普通な返答をするコウとDに対し、落胆するブランド、ブランドはコウとDに、普通の返答の意味を聞く。
「ど、どうしてそんな感想が!?そんなに私の料理って美味しくないんですかぁ!?」
「い、いや、そうじゃないんだが……」
「何と言うか、その……『単調』だなぁ、と思って……」
「そうそう、何か、味のバリエーションが少なそうだし、色合いを重要視し過ぎて、栄養の事を考えていないとかね」
「分かるぅ」
「…………」
何と言う事でしょう、案外酷評されているじゃありませんか!?ブランドはそう思いながらその場で四つん這いになる、するとリーナが救いを見せる。
「で、でも、美味しい事は美味しいよ!?私は毎回毎回見るのが楽しみだなぁ!」
「そ、そうですよね!さっすがリーナさん!最高の妖精だぁ!」
ブランドはそう言って、リーナの体に抱きついて、泣き始める、大の大人が幼女である妖精に抱き付いて……恥ずかしくないのか?とコウとDは思う。
そしてコウもDも、はぁ、と溜息を吐いて、朝食を食べ始める。
「美味しいのは美味しいんだけど……何かなぁ?もう少し、面白い味が欲しいなぁ……」
「うんうん、酸っぱいのとか、辛いのとかなぁ」
「朝っぱらからそんなもん食って、腹が悪くなったらどうするんだ?酸っぱいもんが食いたいのなら、腐ったもんでも食べとけ、辛い物が食べたかったら、唐辛子でも食ってろ、生で」
「今日のブランドは毒舌ぅ」
「確かに」
「お前等は私の言葉にも辛辣で淡白なのかよ」
ブランドはそう言って、静かに悲しむ、全く、リーナさんだけが救いですよ……それに対し、コウ、Dのペアといったら……ブランドはそう思いながら、三人に言う。
「それじゃあ、私はもう持ち場に戻りますからね?後でカルテ見ながら体の事を検査させてもらいますからねぇ?」
「へいへーい」
「分かったー!」
「うーい」
何と適当な返答なのか、ブランドは三人の返答を聞いて、病室を出る、それにしても、リク選手が目覚めていないのは何気に珍しい、昨日一昨日なら、普通に起きているのになぁ……昨日、徹夜でもしたんですかねぇ……?まぁ、それは神のみぞ知るってかなぁ……?ブランドはそう思いながら、ブレンドが居る部屋へと戻る──
「ん、戻ってきそうだな」
後方から、歩く音が聞こえたブレンドはコーヒーを飲みながら、弟のブランドに『何で妻はいないんだ?』という事を聞く準備をする、とりあえず、今飲んでいるコーヒーを飲み干す、そしてブランドにコーヒーのお代りを要求、お代りを淹れている間に『何で妻はいないんだ?』と聞く、よし、何と素晴らしい行動力か、ブレンドは内心ニヤニヤしながら、今飲んでいるコーヒーを飲み干す、よし、これで、第一の準備は終了した、次はブランドが来て、内容を言うだけだ、ブレンドはそう思いながら、ふぅ、と溜息を吐く──案外コーヒーは美味かったな、そう思いながら──
- Re: セカイ戦記 ( No.317 )
- 日時: 2018/01/15 21:44
- 名前: 彩都 (ID: VHEhwa99)
「……はぁ、ただいま」
ブランドはそう言って、ブレンドの前に登場する、そして、すぐに椅子に座って、頭を片手で抱えながら溜息を吐く。
この状況、完全に『お前、娘は居るが、妻はいるのか?』なんて、聞ける雰囲気ではなかった。
「ど、どうしたんだ……?」
妻云々より、心配の声の方をブレンドは取った、そしてブランドが説明する。
「え、えっと……私の朝食が否定されましたね、彩りはセーフだが、味がとか……はぁ、毎朝考えるのが面倒だってのに……」
うーん、中々に主婦っぽい考えだ、ブレンドはそう思いながら頬を掻いてブランドに言う。
「ま、まぁ、食べさせてもらってんだから、流石にそう言う事を言うのは考慮した方がいいよなぁ……」
「確かにそうですよねぇ……こちとら偽善でやっている訳では無いのでね……」
ブランドはそう言って、大きな溜息を吐く、するとブレンドが飲んだコーヒーのカップに気が付いた。
「あっ、もう飲み干していたんですね?お代わりは?」
「ん?くれるのか?それならお代りを要求しよう」
「はいはい……今淹れますよっと……」
ブランドは椅子から立ち上がって、ブレンドが飲んだカップを取り、台所で、コーヒーを淹れる、よし、今のタイミングだ、ブレンドはそう思い、ブランドに聞く。
「な、なぁ、ブランド?少し聞きたい事があるんだ、良いか?」
「んー?良いけれどぉ?一体どんな事を聞きたいんだい?」
ブランドがそう言うと、ブレンドは息を飲み込んでから、ブランドに言う。
「え、えっと……お前の娘、ユリーカだよなぁ?」
「えっ?あぁ、そうだね、それがどうかした?」
「えーと、娘が居るってんなら、嫁も居るよなぁ?」
「あぁ、そうだねぇ、男性一人では子作りは無理だしねぇ?」
「そ、それ何だが……『お前の嫁は何処に居る』んだ?一目見せてくれよぉ?」
「…………えっ?」
一瞬の静寂、一瞬の間の後に小さく言うブランド、その一瞬の間に言った一言がブレンドの猜疑心を煽った。
えっ?どういう事だ?ブランドは何であんな事を言ったんだ?もしかしてもう妻は『居ない』のか?≪ヤツラ≫の攻撃の所為で死んだとか?いや、流石に今の発言からして、その考えは可笑しいだろう、では一体何なのだろうか?ブレンドが大量の考えを出していると、ブランドが『ハハハ……』と、笑いながらブレンドに言う。
「それは無理ですねぇ……写真ならいけるけれど」
「『それは無理』?それはどうしてだ?もしかしてもう死んだのか?」
「死ぬ訳無いでしょうが!?え、えーと、色々と面倒な説明になるんですけどね、説明を省くと家出ですよ、私のこの仕事に付き合っているのが厭だから、この仕事を辞める迄、別居を取らせて頂く、と言う事です、だから写真でしか私の妻は確認出来ないんですよ」
「へ、へぇ、そうだったのか……娘が居るのに、妻がいないのは、死んでしまったからだ、と変な勘違いをしちまったぜ」
ブレンドはそう言って、内心静かに安堵していた、まさか別居だったとは……ブレンドはそう思いながら、安堵の溜息を吐く。
「どうしたんですか?そんなに溜息を吐いて?」
「た、溜息じゃねぇけれどよ……あれだよ、安堵だよ……だって、妻がいないから死んだとしか考えられなかったじゃねぇかぁ!」
「ちょっ!?それは酷いですよ!私も妻も健在ですよ!」
「お前の健在なんて見りゃ分かるわ!」
ブレンドとブランド、二人はそんな言い合いをして、顔を俯かせて、静かに苦笑する、段々と笑いが込み上げてきて、最終的には二人は大声で笑っていた。
「あーもう!何なんだよぉ!やっぱり兄さんは面白いニンゲンだなぁ!」
「ハハハハハ!うっせぇなぁ!お前よりかは面白くねぇ!お前の方がおもしれぇよぉ!」
二人はその場で大声で笑い続けていた──その笑いはリク、リーナ、D、コウの病室に迄届いていた──
「…………」
「…………」
「…………」
朝食を食べるリーナ、コウ、Dの三人、無言で朝食を食べていたが、小さな声でリーナが言った。
「……向こう、煩いねぇ……」
「あぁ」
「そうだな」
リーナの発言を受けてか、D、コウも小さな声で返答する、そしてリーナが続けて言う。
「ブランドさんの笑い声は分かるけど、もう一人の笑い声が分からないや……誰と笑っているのだろう?」
「んー?多分、ブレンドって奴じゃねぇ?一回戦った事があるから、声は分かるぜ?」
「ふぅん、そうなんだ……でも、何で二人で笑いあっているの?」
「そんなの簡単だろ?ブレンドとブランド、あいつ等は兄弟だからだろ?」
「うっそ!?そうなのD!?」
いきなり振られたDは一瞬目を見開いてリーナを見つめる。
「……何故俺を見るんだ?いや、俺を見つめられても困るからな?俺も分からないし」
「そうかぁ……使えないね」
「おい、コイツさらっととんでもない事を言った気がするのだが?」
Dがそう言うと、リーナはDの声を掻き消すようにブランドが持ってきた朝食の皿を持ち上げる。
「よぉし!食べ終わったぞぉ!さぁ、本の続きでも読もう!」
リーナはそう言って、『シックスの冒険』の分厚い本を読み始める──俺の言葉は完全に無視ですか、Dはそう思いながら、お皿の上の朝食を食べ続ける──
- Re: セカイ戦記 ( No.318 )
- 日時: 2018/01/18 21:21
- 名前: 彩都 (ID: SkZASf/Y)
「…………」
モコは一人、病室のベッドの中で三角座りをしながら布団に包まっていた、そして静かにモコは呟いた。
「……忘れんなよ」
「何で忘れたんだよ?ブランドの料理の事を考えていたからか?あぁ?」
「私はそれ程迄に影が薄かったのか?嘘だろ?何か泣けるんだが?」
「もうやだぁ、私、少し前迄『解魔』とかしたじゃん?ユリーカちゃんを助ける一因になったじゃん?なのに何で忘れさられるかなぁ……?」
「すっごい悲しいや、この恨み、絶対に晴らさずおくべきか」
「ってか、ユリーカ、コウの話を広げ過ぎたから私を忘れるなんていう失態を犯したんじゃないの?もしくはブランドの料理の事とかさぁ?他にもリーナの『シックスの冒険』とかさぁ……?」
「あーもう、苛つくぅ!何度何度呟いても、怒りは治(おさ)まらない!いい加減にしろよこの野郎!?リク、リーナ、コウの中で一番頑張ってるのは私!モコ様なのよ!?私が居なかったら、≪ヤツラ≫だって、倒せなかった可能性もあるのに!?」
「よくもまぁ、そんな重要ファクターである私を忘れるなんて……いい度胸しているじゃない!」
「完全に私に喧嘩を売ったわね!?もう分かった、何れとんでもない事を引き起こしてやるからね!」
「……はぁ、そんな事を言っても、届かない悲しみ、私って不幸で薄幸の美少女ね……」
「……って、なぁにが薄幸の美少女よ?どこも美少女には見えないけれど……でも、美少女よね!?私って!?」
「……うん、一人で美少女問答をするって、案外恥ずかしいし、虚しいわね……あーあ、D君が現れたら、弄くりまわせるのになぁ……」
「ってか、私の活躍って、これだけで良いのかしら?リクのチームから離れて、解魔のスペシャリストや魔法を新しく作ったりしようかなぁ……?」
「いや、そんな事をしても、大金が手に入るか?と言われたら、入るかもしれないけれど、実用的な魔法になるかどうかは分からないしなぁ……あーあ、退屈ぅ」
「…………」
「はぁ、完全に一人ぼっちの発言じゃぁん?何か虚しいし、言葉を吐いていて、ブーメランになりそう……いや、実際なっているかもしれないなぁ」
「そういえば、最近リクやD、コウ君にリーナちゃんに会っていない気がするなぁ?ってか、風呂も入っていないかもしれない……乙女として、これはダメなんじゃないかなぁ、自分……?いや、自分で自分を返答したら、愈々(いよいよ)危ない人認定されてしまう、危ない危ない……って、誰もツッコまないから、自分でツッコむ破目に……」
「それにしても、私、何日出ていない?軽く二日三日だよね?もしくはそれ以上?って、普通二日三日登場していなかったら、食事の事はどうなっているんだって話なんだけどね?勿論最近のブランドさんは忘れているよね?ていうか、こんなに可愛い可愛い乙女で少女な私が一日食を抜いたらどうなると思う?簡単よ、『痩せて、もっと美少女になる』のよ?そしてそれを二食、三食、もしくは六食以上抜くとするじゃない?そうなるとどうなると思う?そんなの簡単だよねぇ?『ただのガリガリ少女になる』んだよ!肉体が壊死して、餓死しちゃうよ!大変だよセカイ!?もしもこんなに美少女の私が食事を取らずに餓死してしまったら……!!」
「『この世で一番の美少女が死んでしまった……!』となって、私の盛大な葬式が始まってしまうかもしれないのよ!?それだけは阻止しないといけない訳!だから私は三日三晩『欲望を操作する』魔法、『欲望魔法』を使用して、『お腹が減る』という『欲望』を『操作』して、『食欲が無い』状態にしているの!でも、この魔法を使うのにも魔力が必要、案外魔力を消費するのよね、連続で魔法を使うって事は……」
「だから、倒れるのは時間の問題ね……そもそも『意識を保つ』魔法とか存在しないし、創れば良いんだけど、創っている間に『意識を保て無くなった』ら意味が無いし、創れない……」
「っていうか、早くご飯が食べたいんだけどぉ!?誰もご飯を運んでくれないの!?ねぇ!?」
「……寂しいよ、こんな病室、今からでも出たいよ、でも、久し振りのシャバの空気、出たら出たで、リクやリーナ、コウから『お前誰だ?』とか言われたら困るしなぁ?いや、困るしなぁ、じゃないよ、完全に困るんだよ、手詰まりだよ!唯一分かるのはD君かもしれない!だってあんなに調教したからね!……でも、二日三日以上経っているし、彼も『お前誰だ?』とか言われたらなぁ……」
「とても困るし、とても困惑するし、とても困窮する……悲しいなぁ、もしもそうならないように神に願っておくか……」
「でも、神に願っても意味が無いかもしれないなぁ?だって、こんな独り言、呟いていて、『怖いわ、この美少女、闇有り過ぎだわぁ……』とか思われたらどうしよう?うーわ、完全に万事休すじゃぁん……?」
三角座りをしていたモコは静かに寝転がって呟いた。
「もう眠い、寝よう」
そう言ってモコは枕に頭を乗せて、モコはふてぶてしく、自身の不遇さを呟きながら、不貞寝する──
- Re: セカイ戦記 ( No.319 )
- 日時: 2018/01/22 21:35
- 名前: 彩都 (ID: ???)
「……ふぅ」
コウ、Dが朝食を食べ終わった、そして、コウがお皿を回収し、一纏めにする、その中で、折れている左手を使ってみる事にする、左にあるDのお皿を受け取る、びりり、と痛みが走るが、痛過ぎる、という訳でもなく、軽い痛みなので、耐える事が出来た、そして、右手でリーナのお皿を受け取る──ふむ、結構動かせる様になったな、自分の左腕も……コウはそう思いながら寝ているリクに向かって叫ぶ。
「おぅい、リクぅ?」
「グー……グー……」
「ダメだ、完全に寝ている、早く朝ご飯を食べて欲しいのだがなぁ……」
頬を掻くコウに対し、Dが言う。
「じゃあ、俺の『龍神愚』で起こす事にしよう」
Dはそう言って、ベッドから降り、リクの目の前に移動し、右手で『龍神愚スクリュー』を発動し、『龍神愚スクリュー』のまま、リクの腹部に鉄槌打ちを放つ。
「ぐべらぁ!?」
「あっ、起きた、朝だよ、リクぅ?」
「お、おう、そうか……もう朝なのか……」
「お前、一日中寝てたもんな、そりゃ気付かない筈だ」
此処でDが巫山戯て言うと、すぐさまリクは起きて、周りを確認する。
「は、はぁ!?嘘だろ!?きょ、今日は何時何分何日なんだ!?」
「ハハハ、落ち着けよリクぅ?お前が寝て、その日だよ、お前はまだ数分、数十分しか寝てねぇよ」
焦るリクに対し、Dが笑いながら状況を説明する、そして寝て数十分と聞いて、内心焦った自分が恥ずかしく感じる。
「う、嘘だろ……?つまりDは俺の事を騙したって事か?」
「大正解だ!」
「うっせー!巫山戯んなぁぁぁ!!」
リクはベッドから起きるや否や、Dに向かって『雷神愚ショット』を放った、だがDは『龍神愚スクリュー』を使っている右手で受け止めた。
「ハハハ!落ち着けよリク?ニンゲン誰しも失敗するんだぜ?」
「ハンッ!戦いの途中で変身した怪物に言われたくないけどな!」
「あぁっ?あれは変身じゃなくて『覚醒』だよ、そんな違いも分からないのか?」
「は、はぁ……?『覚醒』……?何だそりゃあ……?」
リクはそう言って、『雷神愚ショット』を止める、それと同じく、Dも『龍神愚スクリュー』を止める。
「まぁまぁ、座って話す……」
Dがそう言うのでリクは仕方なく、ベッドに座って、机の上に乗っている朝食を食べながら、Dの話を聞く事にした、Dも自分のベッドの上に戻って、胡坐を掻きながら説明する。
「そうだな、何処から話せば良いだろう……あぁ、そうだ、まず、『覚醒』が使える方法って何か分かるか?それが分かれば、良いんだがなぁ……」
そう言うDに対し、コウが適当に言う。
「うーん、多分適当だから分からねぇが、俺みたいに『気』が使えない奴って事か?」
「さぁ?それは分からんな、多分その『気』ってのを使える奴も居るかもしれんし」
「そうか……じゃあ、俺は回答権を無くしたな」
コウがそう言うと、Dがツッコむ。
「いや、何でだよ、クイズしている訳じゃあるまいし……」
「えぇっ?でも、俺は解答するネタが無いぞ?」
「そ、そうか……それじゃあリク、お前の回答は?」
「…………そうだな、多分、『怒りで覚醒する』とかかぁ?」
「ふむ、お互い不正解だ、正解は『ニンゲンと他種族が交配する事で、生まれた子が『覚醒』しやすくなる』んだ、つまり、『ニンゲンと他種族が子を作らないとダメ』って事だな」
「へぇ、そうなのかぁ」
「面白い話だなぁ……んで、その『覚醒』って奴?それは『覚醒』が使える子の両親は使えないのか?」
コウがそう言うと、Dはコウを指差す。
「ナイス質問だな、実際の事を言うと、『使えない』んだ、まず、『覚醒』ってのは、ニンゲンと他種族の子が、『何かしらの出来事』で、他種族の力を引き出す事で使えるんだ、だから、ニンゲンと他種族のハーフである子でしか『覚醒』は使えないんだ」
「へぇ……中々に難しいな、『覚醒』とやらは」
「まぁな、でも、ハーフのガキが絶対に『覚醒』に目覚める、という訳では無いんだ、『覚醒』自体、偶然で起きるモノ、だから、何時起きるか、ソイツ自身なんだよなぁ、まぁ、俺の場合、結構早くに『覚醒』をする事が出来たから、『覚醒』の特訓も長々と出来たって訳」
Dの説明を受けて、成程なぁ、と思うコウ、するとリクが言う。
「ふむ……んで、『覚醒』ってのに目覚めると、その他種族の力が使える、って事だよな?」
「あぁ」
「それじゃあ、D、お前の変身も『覚醒』の力って事か?」
「そうだ、『覚醒』すると、その他種族の姿に似るんだ、でも、それは『見た目』だけだ、元の体はニンゲンだ、だからニンゲンの体の上から種族に似るって感じかな、蛙が親なら、二足歩行の蛙になるって感じ」
「え、えぇ……」
Dの例えに少し引いてしまう二人、そしてリクは何とか、朝食を食べ終え、コウに渡す。
「あいよ」
「おう……さぁ、後はこれを運ぶだけだな」
「俺から話す『覚醒』の話は終了だ、何か『覚醒』について、聞きたい事は?」
「俺はない」
「同じく」
Dの発言を聞き、リク、コウがDに返答する、Dは『覚醒』の話は完全に終了したな、と思う、そしてコウがお皿を持って、病室を出、ブランドを探す、だが、何処にブランドが居るか分からないので、病室周りを歩き始める──ブランドが見つかるかどうかはコウには分からない──
- Re: セカイ戦記 ( No.320 )
- 日時: 2018/01/25 22:22
- 名前: 彩都 (ID: ???)
「アイツ、一体何処に居るんだよ……?」
コウはそう呟きながら適当に歩く、すると再度笑い声が聞こえる、そしてコウはその笑い声の方へと向かう、本当に面白い話をしているんだなぁ、と思いながら進むと、其処にはブレンドとブランドが談笑していた。
「…………」
「フフフ……と、コウ選手、どうしたんですか?あぁ、お皿ですか?何時ものように待っていれば良いのに……」
無言状態のコウに気が付いたブランドがそう言うと、コウは首を振って返答する。
「いや……ブランド、お前に言いたい事があってな……」
「言いたい事、ですかぁ……?果たして一体何でしょう?」
「うーん、お前にとって嬉しくて、でも、悲しい事、かなぁ……?」
左手の人差し指を顎に当てるコウ、そんなコウに対し、ヒントを出している事を気が付かないブランドは不思議がる。
「えっ……?嬉しくて悲しい事、ですか……?はぁ?皆目見当もつきません、参りました、その答えを教えて下さると有難いです」
「……ヒントは出していたんだがなぁ……えーと、俺の左手を見てみろよ?」
コウは仕方なく、ブランドとブレンドの前で左手を回して見せる、地味に左手に痛みが走るが、耐えられない痛みでは無い、ブランドがその左手を見て、いきなり立ち上がる、ブレンドは何の事か理解出来ずに二人の行動にビビる。
「えっ?えっ?何なの?おじさん分からない」
「え、えっと……兄さん、大まかに言えば、数日前──軽く一週間前です──コウ選手は我が娘、ユリーカと戦って、左手が骨折状態になっていたんです、ですが、今の状況を見て……『ほぼほぼ完治している』状態なのです!つ、つまり、コウ選手、貴方が言いたい事は『退院する』、ですかね……?」
ブレンドに説明し、コウに言うブランドの言葉を聞いて、コウは静かに頷く。
「そう、今日中に退院の話を皆にする、そしてユリーカとも離れる、『ケッコンは俺が帰ってきた後だ』って説明してな?そして二日以内に『このセカイを出る』よ」
「お、おぅ……そうなのですか……」
「あぁ、そうだ、因みに入院費はどれ位なんだ?明日迄に払いたいんだが?」
コウがそう言うと、ブランドは首を横に振る。
「いえ、もうお金の支払いは終わっています、モコさんの治療費でほぼほぼ支払いましたよ?」
「そ、そうか……?それなら安心だ、後、ブランド、お前に皿を渡して、他の皆に退院の話をしてくるよ」
「は、はい、分かりました……」
ブランドはそう言って、コウからお皿を受け取り、流し台に置いて、去るコウを見続ける──その背中は小さくも、大きく見えた──
「よし、お皿を運び終わった、後は四人に退院と次の『セカイ』出発の話をしなくちゃなぁ……中々に忙しくなりそうだ、あぁ、大変だなぁ、今日の俺はよぉ……」
コウはそう言って、その場で項垂れる、だが、此処で項垂れていても意味が無い、コウはそう考えて、急いでモコの部屋へと急ぐ。
「えーと、モコの部屋は此処でいいんだよなぁ……?って、何だか部屋の中から陰湿なオーラを感じる……どうしたんだろう?早く入って中を確認しないと……」
コウは内心不安になりながらモコの部屋の戸をノックする、だが返事は無い、不思議に思ったコウは戸を開けて、中を確認する、すると其処には頭に赤色と白の水玉模様が乗った茸が生えていた、そしてモコの周りから謎の腐ったオーラが感じられた、そしてモコの表情を良く見てみると、軽快に寝ていた。
「……寝ているのか、こりゃ悪い場面に出会ったなぁ」
コウはそう言って、急いで部屋から脱出し、戸を閉める、見なかった事にしよう、コウはそう思いながらリク、リーナ、Dの病室に戻る。
「ふむ、あんな場所にいたら俺も茸が生えちまう……っと、そんな事は考えている意味が無い、早く退院の事を言わないと」
コウはそう考えて、リク、リーナ、Dの病室の前に立ち、戸を横に引いて、入室する。
「ただいまぁ」
「お帰り」
「おかーり」
「おう、どうだった?見付かったか?」
三者三様の発言を受け、順番にコウは受け答えしていく。
「あぁ、ただいま、おう、ただーまだぜ?んー?簡単に見付かったぜ、再度笑い声が聞こえたからな?笑い声の方に向かったんだよ、そしたら、ブレンド、ブランドがいた、そして『とある事』を言ってきたぜ」
コウの『とある事』発言に、リク、リーナ、Dは首を傾げた。
「あぁっ?『とある事』って何なんだよ?」
「確かに!気になるよ!コウ、何その『とある事』って!?」
「お前……何を言って来たんだよ?まさか戦いの事とかかぁ?」
「うーん、三人共、全然違うなぁ……あー、もしかして気づかないのかぁ?」
コウはそう言って、左手で口を隠し、ニヤニヤと笑う。
「な、何なんだよ……?いいからさっさと教えてくれよ?」
痺れを切らしたリクがコウを見つめる、コウは『仕方無いなぁリク君はぁ』と言って、三人に高らかに宣言する。
「皆……もうじき『退院する』ぞ?俺の腕は完治したからな?後はお前等三人の治療だけだぜ?」
コウの発言に三人は変な声を出す。
「……えっ?」
「えっ?マジで?」
「……はぁ!?」
「うん、だから早く肉体を治療しろよ?」
コウはそう言って、自身のベッドに座りこむ、リク、リーナ、Dの三人は突然の『退院宣言』をしたコウを見つめる──コウは静かに水を飲んで、喉を潤していた──
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79