複雑・ファジー小説
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- セカイ戦記
- 日時: 2016/05/17 18:57
- 名前: 彩都 (ID: lKhy8GBa)
ーーぼくは戦うーーこの汚れたセカイとーー
二作目の投稿です。
初めての方も知っている方も初めまして、彩都と申します。
気長に投稿します。
今回は歴史ファンタジー…かも…
という事で宜しく
登場人物
今作は先にキャラ紹介をさせていただきます。
主人公
トゥダ・リク 男
このセカイは名前に意味は無く、名字・名前や逆に名前・名字は無く、名字・名字、名前・名前となっている。
リクは名前・名前。
リーナ・ユリ 女
名前・名前。
妖精で回復の魔法を使う。
リクの仲間。
リヴェレット・モコ 女
名前・名前。
攻撃系の魔法を使う。
ユリは貧乳だが、モコは巨乳。
何時も箒に乗っている。
ショウ・コウ 男
名前・名前。
肉弾戦が得意な仲間。
魔法では倒せない存在には肉弾戦が良いとされている。
ジェネレッド・D 男
?・?
リクの仲間だが何者かは知らない。
敵かもしれない。
Dは物語の中心に近い。
サルウ°ァ・ティル 女
名前・名前。
名前の言い方は秘密。
大きな剣、真剣簪(かんざし)を使う。
大きさは約三メートル。
サワラビ・ユウ
名字・名前。
遙か遠く、キョクトウのニホンの人間。
彼も何者かは分かってない。
何時も一人で行動している。
薙刀の師範代を務めている。
μ
記号。
名前を持たず、施設で使われていた記号を使っている。
戦闘力は圧倒的に強いが、カロリーが切れるとすぐ戦闘不能になる。
白いジャージに白い肌、髪は無く、オールバックの様な角を生やしている。
用語解説
魔法
魔法は体内に眠る魔力を燃焼させて、魔法を扱う。
キンキなる魔法も存在する。
キンキなる魔法は使うと死んだり、植物人間になったりする。
存在
セカイ戦記における敵。
魔法で倒せる奴や肉弾戦でしか倒せない者もいる。
肉体の一部分が膨らんでいたりと『異形』の存在。
ゾンビの様に意志は持たず、人間を襲う。
セカイ
混沌としている。
その混沌のせいで存在が出来たと言われている。
舞台的に言えば、『北斗の拳』の世紀末ワールドに近いです。
存在が色んな所でばっこしている。
妖精
見える者もいれば見えない者もいる。
リク達のメンバーは見える奴が多い。
見えない者は眼鏡を使ったりする。
だが、眼鏡も法外な値段が多い。
傷の手当や回復が得意。
回復は魔法に当たるので、妖精は無意識に魔法を使っている事になる。
『リク…貴方は希望の仔…貴方は奇跡の仔…貴方は私と**の仔…お母さんが居なくても頑張るのよ…』
「お母さん!!」
そう言って、母さんは燃え盛るセカイから、燃えた。
跡形もなく、消えた。
セカイ戦記 序章 、『運命』の仔
俺はトゥダ・リク。
男、十六歳。
《ヤツラ》を始末する者。
《ヤツラ》とは、前々からこのセカイに現れた敵だ。
コイツ等のせいで俺は母を亡くした。
俺はコイツ等を駆逐する為に仲間を探している。
俺は仲間探しの為に故郷を捨てた。
そして俺は前へ一歩、踏み出した。
少し歩いて着いたのは、妖精の世界、フェアリアだ。
そこで俺は水浴びをしているビキニの女性を見つけた。
「おーい!妖精王に会いたい!道案内してくれ!」
ビキニの女性は羽を生やしてこちらに来た。
どうやら妖精らしいが、背は俺の胴体位だろう。
「貴方、妖精王に会いたいの?今は会えないわ、会うの止めたら?」
「俺は《ヤツラ》を駆逐する為に妖精王に力を借りに来たんだ、止める事は出来ない」
「分かったわ、じゃあ貴方の仲間になるから会うのは止めてくれない?回復も出来るから旅には最適よ」
「良いのか?」
「良いわよ、私の名前はリーナ・ユリ、宜しく」
「俺はリク、宜しく」
こうして、人間、リクと妖精、リーナの出会いだった。
「なぁ、リーナ、この水は人間でも飲めるのか?」
そう言って、リーナが浸かっていた水を一掬い、口に近づける。
「ダメッ!!!!!」
リーナの止めは既に遅し、もう口に含んで、喉を鳴らした後だった。
「ん?どうした?リーナの汗が入っているから、飲むなってか?大丈夫だろ…」
リーナは言う。
「いや、そうじゃなくて…人間は此処の水飲むと、人間には毒だからって…」
そう言うのと同じくして、リクは気絶する。
「リクッ!?」
リーナはビキニのまま、、リクを長老の所へ連れていった。
「んー、ユリ…」
長老は重い口を開いた。
・・・・・・・・・・・・
「こやつには毒その物が無い…これはどういう事じゃ?」
「えっ…?」
リーナは驚いた。
人間で泉の水を飲んだのは大抵、必ず死ぬ、最悪死ななくても毒の後遺症が残るのに…。
リーナにとって、この事は不思議で不思議で意味が分からなかった。
すると、リクが目覚めた。
「う…うーん…此処は…何処だ…?」
リクはすぐさま、リーナを見つけた。
「リーナ!此処は何処だ!?俺は何故此処に!?」
リクは慌てて周りを見やる。
「落ち着くのじゃ、少年」
と、長老が止める。
長老は、リクが倒れて此処に来た事、此処は妖精の村と長老である事を話した。
「全く信じられん話だが、俺が記憶を覚えていないんだ、リーナ有難う」
「良いよ、リクって見た目に反して軽いんだもん」
そういうリーナに驚くリク。
「お前さん知らんのか?妖精は小柄だが怪力だぞ?」
その事を聞いて驚く。
妖精は力が凄いんだ…。
リクは新たに情報を頭に叩き込んで、立ち上がる。
「良し、行くか」
長老はリクがすぐ立ち上がった事と同時に驚くが、どこかへ行く事にも驚く。
「待て、お前さん、今から何処へ行くのじゃ?」
長老が聞くと、すぐさま言った。
「隣町だよ」
「隣町には《ヤツラ》が要るのじゃぞ!!」
長老は止める。
それに対しリクは。
「大丈夫だよ、そいつ等は始末屋であるこの俺に任せな!
」
そう言う台詞に驚く長老。
まさか、《ヤツラ》を倒す力を持っているのか…。
そう思っていると、二人は出発していた。
長老の声は空しくも聞こえなくなった。
こうして、傷が回復したリクとリーナは旅を開始するのだった。
次の町は何処へ行くのか…それは誰も分からない…
序章終了 第一章へ続く…
セカイ戦記 第一章 運命の仔の戦闘
妖精の世界、フェアリアの隣、戦争の世界、バトランゲージは存続の危機に瀕していた。
バトル王宮最上階国王の部屋。
「ひいぃぃ!!まっ待て!話せば分かる!金ならたんまり有る!だから見逃してくれぇ!」
「…………」
バトランゲージ国王、マイルは謎の生命体と話していた。
生命体は体を包帯で巻かれている者やジリジリと追い詰める者も居た。
ただ、生命体には共通点が幾らか有った。
一つ目は全員、肌が腐敗した色になっていた、具体的に灰色。
二つ目は口を大きく広げ、涎を垂らしている事。
そして三つ目は…
喋らない事だ…
何故喋らないのか、各国で議論されるが、喉が使い物にならないが妥当とされてきた。
生命体の過去の姿は、人間だった。
数十年、数百年経っても、この生命体は存在してきた。
そして生命体はゾンビの様に感染する。
今もそんな生命体から避、難する人間の中に反旗を翻す存在も居た。
その名は『退治者』と呼ばれる事になった。
その人物は生命体を倒す程の力を持っていた。
そんなリクも『退治者』の一人だ。
そして『退治者』達は、生命体に名を付ける事にしたのだ。
その名は《ヤツラ》となったのだ。
※小説のレスを消さないで下さい。
消しても無駄なので。
何か気に食わないなら、書き込めば良いじゃないですか、何でそんな事が出来ないんですか?
他人様の小説を消して、ナニが満足ですか?
彩都の小説のレスを消す事に何の意味があるんですか?
出来ればそれを書き込めば、彩都も納得します、なので、消さないで下さい。
困るのはこの小説を読む読者様なので。
コピペしていますから、消しても無駄ですよ?
- Re: セカイ戦記 ( No.246 )
- 日時: 2017/05/13 21:24
- 名前: 彩都 (ID: J1W6A8bP)
二人はゆっくりとした歩調で前に進む、そしてユリーカがコウの手を強く握り締め、急停止させる。
「ん?何だユリーカぁ?」
コウがそう言って、振り返る、すると一つのお店が開いていた、コウは静かにそのお店を見つめ、ユリーカに言う。
「此処がユリーカの言う二店舗目のお店かな?」
「うん、そうだよ、良かったぁ、二店舗目は開いていて……」
コウの言葉にユリーカは言い返して、安心する、もしも開いていなかったら、もう泣きそうだったよ、そう思いながら店の中に入店する──
「いらっしゃいませー」
店員がそう言って、ユリーカとコウの前に立つ、ユリーカは『二名です』と言って、店員に席を案内される。
「さて、それじゃあ食べていきますか」
「ん?あぁ、良いぜ、その後弁当を買いに行くか」
「そうだね、動く為には栄養と食事を摂らないとね」
ユリーカはそう言って、メニュー表を見て、コウに言う、コウは静かに頷いてユリーカに言い返す、コウの言葉に反応したユリーカは『うん』と頷く。
「さて、何を食べようかねぇ……悩むな」
コウがそう言って、右手で頬杖をかく、そしてユリーカのメニュー表を見る、成程、このお店、案外品数が多いな、左手が使えないから、お箸とかじゃなくて、匙で食べる物が良いな、と思いながら、コウはメニュー表を渡されるのを待つ。
「私はこれとこれとこれー、コウ君は?」
すると急にユリーカに話しかけられて、コウは驚く、何時の間にか店員を呼んでおり、二人の目の前に店員が存在していた、は、早いな、そう思いながらコウは右手でユリーカからメニュー表を受け取り、一ページずつ、右手で捲っていき、店員に注文する。
「そうだな……じゃあ俺はこれとこれとこれ、ドリンクは要らないや」
「畏まりました、それでは少々お待ち下さい」
店員はそう言って、厨房へと向かう、そしてコウとユリーカが注文した料理の名前と品数を言って、料理人に確認を取る。
「ふむ、後は待つだけだなぁ……でも俺は不運だな、右手しか使えないからなぁ、だから箸を自由に使う事が出来ない……お皿を持つ事でさえ、左手を使わないといけない、更に左手は前腕部分が骨折していて、そもそもとして使えない……だから丼系統の料理しか食べれないんだよなぁ、匙を利用してしか料理が食べれないからな……」
「うーん、確かにそれもそうだよね、料理を食べる時はスプーンしか使えない、そしてスプーンを使う料理と言えば丼ばっかだしね……」
コウの言葉にユリーカは冷や汗を掻きながら言い返すしかない、まぁ、私との『真の決勝戦』の戦いで骨折させたし……実質は私が悪いのだけど──ユリーカは頬を掻いて、横目になって、目を逸らす、そして店員から提供された水をユリーカは飲んで、お代わりを淹れる、このお店は水がセルフサービスで、全ての席に大きなウォーターピッチャーがあるのだ、なので、一々席から立って、ウォーターサーバーに移動して、水を淹れる、という行動をしなくて良いのだ、手に届く範囲にウォーターピッチャーがあるのですぐに水をコップに補給出来るのだ。
うーん、やっぱりこのお店の水は美味いなぁ、自分の病院の水とは一味違う、ユリーカはそう思いながら二杯目の水を飲み干す。
「おっ、この水、案外冷たくて美味しいな、初めて飲んだ気がする水だな、ミネラルウォーターかぁ?」
コウはそう言って、コップの中の水を少し飲んで、独り言を放つ、そんな独り言に対し、ユリーカは返答する。
「やっぱり?此処の水、美味しいよねぇ」
「あぁ、病院で飲んだ水とは少し違ってとても良い、だが、飲み過ぎては朝飯が食べれなくなるから、控えないとな……」
コウはそう言って、コップを置かれた位置から少しずらす、確かに水を飲み過ぎて、満腹になってしまう場合があるからな、ユリーカはそう思いながら椅子に凭れかかる。
さぁ、料理が運ばれてくる迄何をしようか?ユリーカはそう考えながら、中空を見る、中空は何も無く、ただただ、店の中の白い壁が見えるだけだった。
暇だなぁ、ユリーカはそう思いながら頭の後ろで腕を組む、すると急にコウがユリーカに話しかけてきた。
「ユリーカ、暇だな」
コウの言葉に静かに頷くユリーカ、すると二人の目の前に料理が運ばれてくる、おっ、やっと来たか……というより、何か早くない?とコウはそう思いながら、店内を確認する、すると『早い!』、『安い!』、『普通の味!』と赤い紙に黒字で書かれていた、いや、『早い!』、『安い!』、『美味い!』とかなら分かるけど、『早い!』、『美味い!』、『普通の味!』はダメじゃねぇか!流石に『普通の味!』では無く、『美味い!』にしろよ!料理を美味しくする努力をしろよ!と、コウは心の中でそうツッコんで、料理を見る、料理はとても美味しく見えた、まさか『この『セカイ』では『普通の味』』って事か?それなら合点がいくが……コウはそう思いながら、自分達の目の前に注文した料理が全て置かれる、そしてコウとユリーカ、二人は両手を合わせ、『頂きます』と言って、料理を食べ始める、コウはどんな味なのだろうか?と思いながら注文した丼料理の一口目を口に運ぶ──美味しいか美味しくないかは食べてみないと分からない──
- Re: セカイ戦記 ( No.247 )
- 日時: 2017/05/15 21:39
- 名前: 彩都 (ID: 0rBrxZqP)
「……何だこれ」
コウはそう言って、驚愕する、とても美味しいじゃないか!何でこのお店は卑下しているのか?コウはそう思いながら右手の匙を急速に移動して、口に運び、胃に押し込む。
「コウ君、少しは落ち着いたら?喉に詰まらせちゃうよ?」
「大丈夫だよ、食べるスピードは結構早いしさ」
コウはユリーカに返答して、また食べ続ける、言っても仕方無いか、とユリーカは思い、自分も食べ始める、うん、やっぱり美味しいなぁ、このお店の料理は、ユリーカはそう思い、水を飲んで、一旦休憩する、あまり一気に食べても満腹になるだけだからね、そう考えての事だった。
「このお店の料理は美味しいなぁ、初めて食べたぜ」
「えっ?そうなの?まぁ、いいか──何れは私の手料理を食べて欲しいけどね──それじゃあお昼ご飯も外で食べようよ?親父には色々言っておくからさぁ?」
ユリーカの言葉を聞いて、コウは『おおっ!そりゃいいな!』と声を出して、喜ぶ、何だろう、喜んでいるコウ君が可愛く見えるんだけど……?気の所為かなぁ?と、ユリーカはそう考えて、ご飯に手をつける──
「ふぃー、美味かったなぁ」
コウは爪楊枝で歯と歯の間を弄って、スッキリしている、ユリーカも水を飲んで、満腹になっている腹を摩る。
「確かにそうだねぇ……それじゃあどうする?この後?」
「この後?いや、流石に病院に帰っておいた方が良いんじゃないか?ブランドが心配しているかもしれんしな」
「うーん、親父が心配とか……有り得ないな……」
ユリーカがそう呟いて目を細める。
「えっ?そうなのか?でも一応俺は病人、病院から抜け出したら、心配されるんじゃないか?左手だって完全回復していないし──まぁ、半分程度は回復したかもしれんがな──心配すると思うぜ?」
「でもあの親父の事だ、『病院を抜け出したかぁ、後で説教しておかないとな』とか言って、拳骨はされそうだな……」
ユリーカはコウの言葉を聞いて、顎に手を当てながら発言する、流石に考え過ぎか、と思い、ユリーカが会計に向かう。
「それじゃあ病人さんはそこで待機してな?おねぇさんが支払ってやる」
「良いよ、俺が払うって」
「いいや良いよ、仮にもコウ君は病人なんだしさぁ?左手を骨折させた原因の私が支払うに限るってもんだよ」
ユリーカはそう言って、すぐさま会計を済ませる、何だか済まない気分になるコウ、だが左腕が骨折しているので、財布を取って、会計をするのも一苦労、いや、それ以上の苦労をするかもしれない、だけどユリーカに払わせるのもなぁ……と思う、ユリーカだって女なのだ、普通は男である自分が支払うべき立場なのかもしれない、だけど今の状況で考えたら、骨折している分、物を取るのが一苦労になってしまう自分の代わりに支払っているから、これは後で何かプレゼントでもあげないとなぁ、とコウは思う。
そして会計を済ませて、ユリーカとコウは一緒に歩く、向かうのはコウの病室だ──
「ふあぁ……」
リーナはそう言って、静かに起きる、隣には横に寝転がって寝ているリクの姿が。
「……何だ、まだ寝ているのか、それにしても暇だなぁ……」
リーナはそう呟いて、ベッドから降り、体を動かす、そして病室を出る。
「…………」
ユリーカは無言のまま宙に浮いて、首を横に動かして、病室内を確認する、そして、機能一昨日、色々起きたDとモコの病室に目を向け、静かに戸を開ける、すると鼾(いびき)を掻いて寝ているモコしか居なかった、Dは何処に行ったんだろう?トイレかなぁ?とリーナは思いながら戸を閉めて、すぐさまその病室を離れる。
「それにしても暇だ、それなら屋上に向かうか」
リーナはそう呟き、病院の窓から身を乗り出して出て、上の屋上に向かう。
そしてベンチの所に座って、目を閉じ、日光浴をする事にした。
「いいねぇ、日光浴……」
リーナが静かにそう呟く、日光はいいねぇ、だって体に良いし、絶対室内に引き篭もっている人は外に出て、日光を浴びた方が良いよ、だって健康に良いからね、本当、室内に引き篭もっている人は日光の有難味を知らないんだから……と、ユリーカが思っていると、急に屋上に掛かっている梯子から音がする、昇っている、一体誰だろう?コウかな?だけど左腕を骨折しているから、右手だけで梯子を昇らないといけないから、有り得ないか、それじゃあD?でも病室に居なかったし、有り得るか、他にはリク?私が病室を出たから私を探し回っているとか?合っているかも分からない予想をして、静かに唾を飲み込んで、梯子の方を向く、そして遂に顔が現れる、その顔には仮面を被っていた。
「はぇっ!?」
リーナは予想外の人物が現れ、変な声が出てしまう、そんなリーナに対し、仮面を被っている存在──ブランドだ──は静かにリーナに話しかける。
「貴女は……コウ選手と一緒に居たリーナ、さんでしたっけ?」
「え、えぇ……確か貴方はお医者さんの……」
「ブランドです、以後お見知り置きを」
ブランドはそう宣言し、胸に手を当て、体を前に傾けて挨拶する、リーナも同じく体を前に向けて挨拶する、よく見るとブランドの手には洗濯物があった、屋上で洗濯するのかぁ、と思いながらブランドは静かに物干し竿に向かい、洗濯物を干す、洗濯物を干している間、無言の空間が起きて、リーナはどうしようどうしよう、と考える、この無言の空間、誰がこの無言空間をぶち壊すか、それはリーナにもブランドにも分からない──
- Re: セカイ戦記 ( No.248 )
- 日時: 2017/05/18 22:04
- 名前: 彩都 (ID: J85uaMhP)
「こうやって、二人として出会うのは初めてでは無いでしょうか……?」
ブランドが急にリーナに話しかける、リーナはこの無言の空間を壊したブランドに対し、少し感謝する。
「え、えぇ、そうですね……」
だが、上手い事会話が繋がらない、ブランドは静かに言葉を発していく。
「他にもコウ選手、リクさんとかが居ましたからね、多分会話はほぼほぼした事が無いでしょう──一つ聞きたいのですが、『妖精として、この『セカイ』はどうでしょう』か?それを少し聞いてみたい」
「…………」
突然の出来事に内心驚くリーナ、リーナは額の汗を拭い、静かに返答する。
「そ、そりゃあ……『どうもしない』ですよ、別段何も可笑しな事は無いですからね……」
リーナの返答を聞いて、ブランドは顎に手を当て、静かに考える、そしてブランドは淡々と持論を述べる。
「そうですか……ニンゲンとして、の答を言っておきますよ、と言っても私個人、ニンゲン一人の回答なので、あまり信用しない方が良いですがね──この『セカイ』はもうダメだ、完全にもうダメ、理由?そんなの簡単ですよ?『あまりにも住人が強くなり過ぎた』からですよ、これから先、もしも戦争が起きるのなら、この『セカイ』の住人達は借り出されるでしょう、他の『セカイ』からね……!それを押さえないといけません、ですが、最初に言った様に『私個人、ニンゲン一人の回答』なので、聞く耳を持つ存在なんか居ません──もしも私が言った様な事が起きたら……『妖精』の貴女ならどうしますか?」
「…………」
ブランドの話を聞いて、無言になるリーナ、確かにそれは有り得るかもしれない、だけど……そう思いながらリーナは堅い口を開ける。
「そんなの……」
「?」
リーナの言葉を聞いて、ブランドは不思議がった、そしてリーナの続きの言葉を聞く。
「そんなの私には関係ない!逆に考えて発言をしてみせる!『その『事』が起きない限り私は行動が出来ない!どんな出来事でさえ、起きないと分からない!だから私は発言する、『起きてみないと分からない』』ってね!これが私の回答、どう、ブランドさん?中々巫山戯た回答でしょう?これが『一個人の妖精』、リーナ・ユリの回答だ!」
「ほう……」
リーナの回答を聞き、ブランドは顎に手を当てて考える、成程、『起きた後に行動する』、ねぇ……だけれど、それでは遅い、遅いけど、『確実な行動が出来る』と言う事、自分の場合、『予想なだけで、『確実な行動が出来る』とは限らない』!中々面白い回答をする妖精だ、だからリクさんは妖精であるリーナさんを仲間にしたのですかねぇ……?ブランドはそう考えて、言葉を発す。
「成程成程、確かにリーナさんの考えは良い考え、だけれど、この考えには弱点がある、それは『起きてからでは遅い場合もある』という点である、この点に関して、リーナさんはどう考えているんです?もしかして考えていないんですかね?」
ブランドの言葉を聞いて、静かにリーナは答える。
「考えている訳が無い、だって、『起きてもいないのに考えられない』からだよ、私は妖精だけど、あまり頭が良い訳じゃない、だから『起きてから考える』という考えしか、今の所、思い付かない!」
「…………」
中々のさっぱりとした感覚だ、妖精皆こんな感じなのかな?と思いながらブランドは『成程』と呟いて答える。
「つまり、『出来事は起きた後しか考えられない』という事ですかね?」
「上手く言えばそうなのかもね……?」
リーナはそう呟いて、欠伸を出す、この会話、飽きてきたのかな?と思いながら話を変える。
「成程、リーナさんの考えは良く分かりました、それでは二つ目の質問をば……はっきり言って『この『セカイ』の住人は強い』ですか?」
「何とも小難しいネタを……!」
リーナはそう呟いて、冷や汗を掻く、確かにこの『セカイ』の住人では無いコウが『闘技場』を優勝したけど……『この『セカイ』の住人全員と戦った』訳では無いので、『分からない』としか、回答の仕様が無い、うーん、どう解答すべきか……?リーナはそう考えながらブランドに返答する。
「そうだなぁ……でも私はあまりこの『セカイ』の住人と戦った事が無いから『分からない』としか返答の仕様が──」
リーナがそう言った瞬間、ブランドがリーナの頭を掴んで、顔面数センチといった所で顔を近づけ、寸止めしてから、話し始める。
「へぇ……そう言う回答の仕様があるのですか……それじゃあ私と戦います?一つだけ言っておきますよ、私、強いですから」
ブランドの発言を聞いて、リーナはあまりの恐怖のオーラに驚いてしまい、その場で漏らしてしまう、するとブランドが言う。
「おっと、ビビってしまいましたか……大丈夫ですよ、冗談ですから!」
そう言うブランド、ブランドは濡れた床を見続けながらモップを探して屋上を駆け回る、だがリーナには感じた、顔を近付けて自分に言った言葉……あの言葉は『本気』に聞こえた事を──リーナは漏らした場所から横に移動して、その場でへたり込む、この存在には私では勝てない、そう思いながら頭を垂れる──
- Re: セカイ戦記 ( No.249 )
- 日時: 2017/05/22 21:20
- 名前: 彩都 (ID: VHEhwa99)
だけど……と思い、ブランドを見つめるリーナ、そしてリーナは一息吸って、屈んでいるブランドの背中を肘で攻撃しようとする、だがブランドの背中は硬く、攻撃が通っていないと判断する。
「中々意表をついた攻撃だこと……だけど、あの『一息』が余計でしたね、あのまま息をせずに攻撃をしていたら私でも流石に受け切れなかったです……!」
ブランドはそう言ってリーナにタックルを仕掛ける、そしてそのままレスリングの様にリーナを押し倒して、ブランドの顔をリーナの胸に押し付けながら喋り始める。
「まぁ、妖精でも『押し倒して』しまえば、大丈夫でしょう?『気』で体を守れるにしても、『抱き締められて身動きなんてあまり取れませんし』ねぇ……」
ブランドの言葉を聞いてリーナは歯軋りをする、確かに、ブランドの腰から太股にかけて自分の足がある、そして、腰と太股で自分の足が押されて、下半身の身動きが取れない、更に両手がブランドの両手の中に納まっていて、その両手は自分の背中に収納されている、上半身も『ブランドが胸の谷間付近に重い頭を置いて、身動きを取れなくして』いる!つまり動かせるのは『頭部』のみ!何と言うコンボだ、完全に体が動かせないコンボだ、上半身は『重い頭だけ』で支えているし、どれだけ力があるんだよこのおっさん!?リーナはそう思いながらブランドを振り解こうとするが、両腕、両足がロックされているので、上手い事操れない、くそっ!怪力の私が此処で敗北!?確かに有り得るけれどさぁ!?こういう敗北は何だか厭だなぁ、と思いながら必死に体をじたばたと動かす、だが振り解く事は出来ない、畜生!何で胸、手首、腰、太股をロックされているだけで動かないんだ!?リーナはそう思いながら一気に力を抜く、力を抜いて、ブランドは不思議に思い、少しだけ、少しだけ『力を抜いてしまった』、その『隙』を見抜いて、リーナは手首を掴んでいるブランドの両手を一気にコンクリートの床に打ち付け、ダメージを与える、そしてブランドはあまりの痛みに両手をリーナの手首から話して、空中でブンブンと手首を振る、まだ、まだ諦めない!リーナはそう思い、腹部に力を入れ、両手で手を組んで大きな拳にして、ブランドの頭部にダブルスレッジハンマーを放つ、上にはダブルスレッジハンマーで固めた両手、下は腹部の筋肉で固めた筋肉の壁、硬い壁に挟まれながらブランドの頭蓋骨は悲鳴を上げる、くっ!結構罅が!ブランドはそう思いながらダブルスレッジハンマーで揺れる脳味噌を自分の拳で頭部を殴って、脳震盪(のうしんとう)を防ぐ、防ぐと言っても数十秒、数分の脳震盪を数秒程度に抑えるだけだが──それにしても何と言う硬い肉壁!まさか妖精が此処迄筋肉があるとは思っていませんでした!この先の戦いが楽しみですねぇ!内心ドキドキしながら頭を押さえるブランド、脳震盪が終わった後でも、『頭蓋骨が割れている』ので、頭蓋骨の痛みで頭を押さえている、だがまだブランドは『顔を上げた』だけで、腰、太股は動かしていない!リーナもまだ地面に倒れている、次はどんな行動か!?ブランドは内心興奮して、楽しみながら『何の手が出るか?』の恐怖に包まれる、だが、ダブルスレッジハンマーを放ったリーナは苦悶の表情を浮かべていた、それもそうだ、『ダブルスレッジハンマーは両手の指を組んで、相手の頭部等に攻撃する』技の一種なのだ、そう、『指を組んで』の攻撃!つまり、『ダブルスレッジハンマーは『小指に負担が掛かる』技』の一つなのだ!手を組んで、右の小指、左の小指、どちらかが下になる、『そのどちらかがの小指が痛みで犠牲になる』技!そしてリーナはダブルスレッジハンマーを放って、小指に大ダメージを受けて苦悶しているのだ!何故そんなにダメージが?それは腹部の筋肉が原因である、まず、最初にブランドの頭部に攻撃、此処で少々の痛みが小指に走る、そして『腹部の筋肉が硬過ぎて、小指にもダメージが走っていった』のだ!まさかそんな事が起きるとは思っていなかったリーナ、リーナは静かに息を殺しながら、痛みを我慢する、その隙を見逃さなかったブランドは『両手にダメージがいっている』事を考え、足技でリーナの戦意を喪失させる事を考えた、だが、それは『不可能』であった!それもその筈、ニンゲンの手の力の三倍から四倍、足は力がある、と言う事は『ニンゲンの何倍も力を持つ妖精の足の力は単純計算でニンゲンの何十倍も力がある』と言う事!なのでブランドがどう頑張っても、妖精の足を動かす事は出来なかった!ブランドは仕方なく、リーナの上半身に移動して、ブランドは上半身を上げて、鳩尾に肘打ちを仕掛けた、だが、その時、リーナは『ダブルスレッジハンマーで受けた小指の痛み』から解放された瞬間だった!リーナは肌でブランドがしようとしている事を判断し、右手でブランドの頭部──脳天だ──に渾身のワンパンチを放つ!ブランドはリーナに対し、後頭部を見せていたので、渾身のワンパンチ等、分かる筈も無い!そしてブランドが放ったリーナの鳩尾への肘打ちとリーナが放ったブランドの頭部への渾身のワンパンチは同時にぶつかる、リーナは鳩尾の肘打ちを受けて口から唾液が出、何かが逆流しそうな雰囲気を覚え、咄嗟に左手で口を塞ぐ、ブランドはリーナの渾身のワンパンチを受け、三メートル、いや、四メートル程吹き飛んで、地面に突っ伏する──何とか体内の逆流を抑えたリーナはその場で息を切らして、何度も深呼吸して落ち着かせる──ブランドはそこで寝ているが、起きて動き出すかもしれない、だが自分にも大ダメージが走っているので、ブランドが起きたら勝ち目が無いなぁ、と思いながら目を閉じる──ブランドが目覚めるかはリーナには分からない──
- Re: セカイ戦記 ( No.250 )
- 日時: 2017/05/25 21:47
- 名前: 彩都 (ID: ???)
息が切れている、完全に体力は余ってはいない、リーナはその場で寝転がりながら息を整える為に何度も何度も深呼吸をする、ブランドは起きていない、つまりこの勝負、自分の勝ちか……?と思った瞬間だった、急に骨が折れる様な音を鳴らしてブランドが起き上がったのだ、そして頭部を確認して、頭を摩る。
「ふむ、中々強い一撃だったんですね、少し気を失ってしまいました」
ブランドはそう言ってリーナの腹部を踏む、リーナの腹部はブランドが頭部を殴られる前に肘打ちで攻撃した部分だった、まだ腹部にはダメージが残っているので、またも鋭い痛みが腹部を駆け巡る。
「あぁっ!」
「なぁに、流石にトドメはさしませんよ、だって両者ボロボロじゃないですか、ボロボロと言う事は引き分けで良いんじゃないんですか?」
ブランドの言葉を聞いて、確かに、と思う、だが引き分けだと何だか後味が悪い気がする……だからブランドの勝利でも良いのでは無いだろうか?と思った。
「い、いや、ブランドさんの勝利でいいよ……ブランドさんは立ち上がった、だけど私は立ち上がっていない、つまりそう言う事だよ」
「そう言う事、と言われましてもねぇ……両者相当の痛手だとは思うんですよねぇ……」
ブランドはそう呟いて、欠伸を放つ、ど、どれだけ余裕なのこの人……?とリーナはそう思いながらその場で目を閉じる、中々強かったなぁ、そう思いながら大きな溜息を吐く。
「だけど、私は妖精の中ではまだまだ弱い、『兄様』や『姉様』、『御父様』にブランドさんは勝てるかなぁ……?」
リーナはそう呟いて心の底から安心する、するとブランドは首を傾げた。
「……リーナさんには兄と姉と父親がいるんですね、生憎私は兄と両親だけですねぇ……まぁ、その両親も死にましたが……一つだけ言っておきます、『両親は大事にしなさい』、これは息子娘の決められた運命なんです、だからこの運命に抗っては──」
ブランドがそう言った瞬間だった、急にリーナが目に涙を溜めながら言った。
「アンタもかぁ!何が両親だ!あんな両親……『私を『道具』として扱っているだけに過ぎない』のに!私はあんな両親の娘だとは思いたくない!だから私は『妖精のセカイ』から離れたんだ!私の味方なんて村長しかいない!両親なんてクソ食らえだ!あんな両親……死んでしまえば良いんだ!あんな両親なんか……あんな両親なんか……!」
涙を出しながらリーナは反論する、おやおや、こりゃ変な記憶の壁を開けちまったか?と思いながらブランドは頭を掻く、あーあ、やってしまったなぁ、そう思いながら溜息を吐く、するとリーナが言う。
「私の『御父様』は……!鬼だ!鬼畜だ!だって私に……私に……!」
「あ、あのぉ、流石にそれぐらいにしません?何だか私の心が締め付けられている様な感覚がしますぅ……」
ブランドが冷や汗を掻きながらリーナに言う、すると急にブランドの視界が歪んだ、ブランドが良く見ると『自分の頭が誰かに蹴られている』のだ、ブランドはそのまま蹴りの方向に頭を移動させて、威力とダメージを消す、そしてブランドは蹴りの威力で少しだけ吹っ飛ぶ。
な、何とか威力削減出来ましたが……一体誰でしょうこの威力を持つ存在は……?リクさんでも無いし、コウさんでもない……コウさんの場合だともっと足が短い筈、だからコウさんはこんなに足が長くないので、コウさんではない、だけれど、Dといった威力では無い、さらにリクさんと戦った事は無いので、リクさんか?ブランドは少し揺れる脳味噌で瞬時に考える、そして段々と視界が綺麗になっていった、するとブランドの目に写ったのは、リーナを抱き抱えるブレンドの姿だった。
何だ、兄貴かぁ、それなら納得、そう思いながらブランドは弁解をしようとする。
「あ、あの、兄貴?え、えーとこれには訳が……」
「訳?あぁお前が幼女を虐めてた訳かぁ?」
「あぁ……虐めたって訳じゃないんですよ?そう言う意味じゃなくてですねぇ……」
「じゃあどういう意味だ?こんないたいけな幼女をボコボコにして……よもや俺の弟が幼女を虐める存在だとは誰も気付かんわな……」
「え、えーと、先に仕掛けたのはあの幼女でしてぇ!」
「そんな訳ねぇだろ!幼女だろ!そんなに力がある筈が無い!」
「あるわぁ!」
ブランドとブレンドの会話に割って入るリーナ、リーナは自分の事を自己紹介する。
「ちょっと抱き抱えないでくれる!?」
「お、おぅ……」
リーナの言葉にブレンドは静かに床に置く。
「あのねぇ、私はアンタ等ニンゲンより力がある妖精なの!おしてブランドさんが言った様に『私が戦いを仕掛けた』の!だからブランドさんは悪くない!」
「そ、そうなのかブランド……?」
「だからそうだ、と言っているじゃないですか……もう、兄貴の早とちりぃ」
ブレンドがそう言うとニヤニヤ笑うブランド、そんなブランドに対し、ブレンドは少し苛ついた。
「て、てめぇ……ま、まぁ、つまりブランドが妖精のアンタを虐めていた、って訳じゃないならそれでいいけれど……」
ブレンドはそう言って頭を掻く、するとブランドが言う。
「あぁ、この人が先述の私の兄、ブレンドです」
「おう、ブレンドだ、早とちりすまんな、幼女よ」
「私には『リーナ』という名前があります」
「あっ、すまん、リーナちゃん」
ブレンドとリーナが会話して、ブランドは静かにその場に座る、ふぅ、何とか戦いは終わりましたねぇ……後は治療のみかぁ……ブランドはそう思いながら大きな溜息を吐く──それにしても兄貴が出るとは思わなかった、そう思いながら空を見上げる、空は綺麗な青空を映していた──
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