複雑・ファジー小説
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- セカイ戦記
- 日時: 2016/05/17 18:57
- 名前: 彩都 (ID: lKhy8GBa)
ーーぼくは戦うーーこの汚れたセカイとーー
二作目の投稿です。
初めての方も知っている方も初めまして、彩都と申します。
気長に投稿します。
今回は歴史ファンタジー…かも…
という事で宜しく
登場人物
今作は先にキャラ紹介をさせていただきます。
主人公
トゥダ・リク 男
このセカイは名前に意味は無く、名字・名前や逆に名前・名字は無く、名字・名字、名前・名前となっている。
リクは名前・名前。
リーナ・ユリ 女
名前・名前。
妖精で回復の魔法を使う。
リクの仲間。
リヴェレット・モコ 女
名前・名前。
攻撃系の魔法を使う。
ユリは貧乳だが、モコは巨乳。
何時も箒に乗っている。
ショウ・コウ 男
名前・名前。
肉弾戦が得意な仲間。
魔法では倒せない存在には肉弾戦が良いとされている。
ジェネレッド・D 男
?・?
リクの仲間だが何者かは知らない。
敵かもしれない。
Dは物語の中心に近い。
サルウ°ァ・ティル 女
名前・名前。
名前の言い方は秘密。
大きな剣、真剣簪(かんざし)を使う。
大きさは約三メートル。
サワラビ・ユウ
名字・名前。
遙か遠く、キョクトウのニホンの人間。
彼も何者かは分かってない。
何時も一人で行動している。
薙刀の師範代を務めている。
μ
記号。
名前を持たず、施設で使われていた記号を使っている。
戦闘力は圧倒的に強いが、カロリーが切れるとすぐ戦闘不能になる。
白いジャージに白い肌、髪は無く、オールバックの様な角を生やしている。
用語解説
魔法
魔法は体内に眠る魔力を燃焼させて、魔法を扱う。
キンキなる魔法も存在する。
キンキなる魔法は使うと死んだり、植物人間になったりする。
存在
セカイ戦記における敵。
魔法で倒せる奴や肉弾戦でしか倒せない者もいる。
肉体の一部分が膨らんでいたりと『異形』の存在。
ゾンビの様に意志は持たず、人間を襲う。
セカイ
混沌としている。
その混沌のせいで存在が出来たと言われている。
舞台的に言えば、『北斗の拳』の世紀末ワールドに近いです。
存在が色んな所でばっこしている。
妖精
見える者もいれば見えない者もいる。
リク達のメンバーは見える奴が多い。
見えない者は眼鏡を使ったりする。
だが、眼鏡も法外な値段が多い。
傷の手当や回復が得意。
回復は魔法に当たるので、妖精は無意識に魔法を使っている事になる。
『リク…貴方は希望の仔…貴方は奇跡の仔…貴方は私と**の仔…お母さんが居なくても頑張るのよ…』
「お母さん!!」
そう言って、母さんは燃え盛るセカイから、燃えた。
跡形もなく、消えた。
セカイ戦記 序章 、『運命』の仔
俺はトゥダ・リク。
男、十六歳。
《ヤツラ》を始末する者。
《ヤツラ》とは、前々からこのセカイに現れた敵だ。
コイツ等のせいで俺は母を亡くした。
俺はコイツ等を駆逐する為に仲間を探している。
俺は仲間探しの為に故郷を捨てた。
そして俺は前へ一歩、踏み出した。
少し歩いて着いたのは、妖精の世界、フェアリアだ。
そこで俺は水浴びをしているビキニの女性を見つけた。
「おーい!妖精王に会いたい!道案内してくれ!」
ビキニの女性は羽を生やしてこちらに来た。
どうやら妖精らしいが、背は俺の胴体位だろう。
「貴方、妖精王に会いたいの?今は会えないわ、会うの止めたら?」
「俺は《ヤツラ》を駆逐する為に妖精王に力を借りに来たんだ、止める事は出来ない」
「分かったわ、じゃあ貴方の仲間になるから会うのは止めてくれない?回復も出来るから旅には最適よ」
「良いのか?」
「良いわよ、私の名前はリーナ・ユリ、宜しく」
「俺はリク、宜しく」
こうして、人間、リクと妖精、リーナの出会いだった。
「なぁ、リーナ、この水は人間でも飲めるのか?」
そう言って、リーナが浸かっていた水を一掬い、口に近づける。
「ダメッ!!!!!」
リーナの止めは既に遅し、もう口に含んで、喉を鳴らした後だった。
「ん?どうした?リーナの汗が入っているから、飲むなってか?大丈夫だろ…」
リーナは言う。
「いや、そうじゃなくて…人間は此処の水飲むと、人間には毒だからって…」
そう言うのと同じくして、リクは気絶する。
「リクッ!?」
リーナはビキニのまま、、リクを長老の所へ連れていった。
「んー、ユリ…」
長老は重い口を開いた。
・・・・・・・・・・・・
「こやつには毒その物が無い…これはどういう事じゃ?」
「えっ…?」
リーナは驚いた。
人間で泉の水を飲んだのは大抵、必ず死ぬ、最悪死ななくても毒の後遺症が残るのに…。
リーナにとって、この事は不思議で不思議で意味が分からなかった。
すると、リクが目覚めた。
「う…うーん…此処は…何処だ…?」
リクはすぐさま、リーナを見つけた。
「リーナ!此処は何処だ!?俺は何故此処に!?」
リクは慌てて周りを見やる。
「落ち着くのじゃ、少年」
と、長老が止める。
長老は、リクが倒れて此処に来た事、此処は妖精の村と長老である事を話した。
「全く信じられん話だが、俺が記憶を覚えていないんだ、リーナ有難う」
「良いよ、リクって見た目に反して軽いんだもん」
そういうリーナに驚くリク。
「お前さん知らんのか?妖精は小柄だが怪力だぞ?」
その事を聞いて驚く。
妖精は力が凄いんだ…。
リクは新たに情報を頭に叩き込んで、立ち上がる。
「良し、行くか」
長老はリクがすぐ立ち上がった事と同時に驚くが、どこかへ行く事にも驚く。
「待て、お前さん、今から何処へ行くのじゃ?」
長老が聞くと、すぐさま言った。
「隣町だよ」
「隣町には《ヤツラ》が要るのじゃぞ!!」
長老は止める。
それに対しリクは。
「大丈夫だよ、そいつ等は始末屋であるこの俺に任せな!
」
そう言う台詞に驚く長老。
まさか、《ヤツラ》を倒す力を持っているのか…。
そう思っていると、二人は出発していた。
長老の声は空しくも聞こえなくなった。
こうして、傷が回復したリクとリーナは旅を開始するのだった。
次の町は何処へ行くのか…それは誰も分からない…
序章終了 第一章へ続く…
セカイ戦記 第一章 運命の仔の戦闘
妖精の世界、フェアリアの隣、戦争の世界、バトランゲージは存続の危機に瀕していた。
バトル王宮最上階国王の部屋。
「ひいぃぃ!!まっ待て!話せば分かる!金ならたんまり有る!だから見逃してくれぇ!」
「…………」
バトランゲージ国王、マイルは謎の生命体と話していた。
生命体は体を包帯で巻かれている者やジリジリと追い詰める者も居た。
ただ、生命体には共通点が幾らか有った。
一つ目は全員、肌が腐敗した色になっていた、具体的に灰色。
二つ目は口を大きく広げ、涎を垂らしている事。
そして三つ目は…
喋らない事だ…
何故喋らないのか、各国で議論されるが、喉が使い物にならないが妥当とされてきた。
生命体の過去の姿は、人間だった。
数十年、数百年経っても、この生命体は存在してきた。
そして生命体はゾンビの様に感染する。
今もそんな生命体から避、難する人間の中に反旗を翻す存在も居た。
その名は『退治者』と呼ばれる事になった。
その人物は生命体を倒す程の力を持っていた。
そんなリクも『退治者』の一人だ。
そして『退治者』達は、生命体に名を付ける事にしたのだ。
その名は《ヤツラ》となったのだ。
※小説のレスを消さないで下さい。
消しても無駄なので。
何か気に食わないなら、書き込めば良いじゃないですか、何でそんな事が出来ないんですか?
他人様の小説を消して、ナニが満足ですか?
彩都の小説のレスを消す事に何の意味があるんですか?
出来ればそれを書き込めば、彩都も納得します、なので、消さないで下さい。
困るのはこの小説を読む読者様なので。
コピペしていますから、消しても無駄ですよ?
- Re: セカイ戦記 ( No.175 )
- 日時: 2016/09/05 20:06
- 名前: 彩都 (ID: fQORg6cj)
遂に……遂に優勝した者しか立てない場所──表彰台の一番上に立てる……ドキドキがコウの中で駆け巡る、ドキドキし過ぎて死んでしまうかもしれない、そう思いながら控え室で深呼吸をする。
「おいおい、少しは落ち着けよ優勝者さん?」
そう言いながらリクがコウをいじる。
「お前は優勝したんだ、あのユリーカにも勝ったんだぞ?ちゃんとしゃっきりとしろよ?お前の強さは誇れる強さなんだから……お前の親父さんだって喜んでいるかも知れねぇな」
リクがそう言うと、コウは考える。
特訓の日々、血反吐を吐きながら特訓した日々、仮面の男──いやユリーカの父親か──に『気』を目覚めさせてもらって、その『気』を特訓してもっと扱える様にした日々──忘れてはいけない、俺はもっともっと『気』を強くしたい!そして≪ヤツラ≫を倒す!殲滅する!そう思いながら自分の頬を叩くコウ、くよくよしてはいけない、俺は優勝者なんだ、少しは優勝者らしくしないとなぁ……そう思いながら立ち上がる、そしてリクに言う。
「リク、闘技場の舞台へ立とうぜ?少しは気が晴れるかもしれないし、予行演習とかしておいた方が良いかもしれないからな」
「……それもそうだな……よし、行こうか!」
二人はそう言いながら走って闘技場の舞台へと向かう……そこにとある人物が居ない事は知らずに……
「まだ観客がいないけれど、闘技場って相当広かったんだなぁ……」
そう言いながらスタッフがせっせと設営をしている、コウは回りながら周りを確認する──闘技場、半径50m、直径120m、楕円形の形をしている闘技場のタイプで、観客は2000人を収容出来る『戦闘のセカイ』の中で巨大な建物の一つだ──そしてそんな中で俺は血と汗を流していたのか……そう思うと少し焦る、こんな巨大な所で俺の戦いが見られていたなんて少し恥ずかしいぜ……
「此処で俺はDに……」
そう言うと、リクの厭な思い出が蘇る……俺は……俺は……Dに勝てない程弱かったのか……俺ももっと強くならないと……そう思いながらリクは自分の右手に拳を作り、強く握った──
「おっ?早かったじゃねぇか」
いきなり後ろから声がする、リクとコウが振り向くとそこにはDが存在していた、そしてコウは言う。
「お前に渡しそびれていたな、これがリクの酒場での金だ、受け取れ」
そう言いながらコウは鞄からリクの酒場での金を取り出す、コウはそれを渡そうとしたが、Dはそれを手で掃う、その行為にリクは少し腹が立った。
「お前……俺の金なんだぞ!?」
「間違えるなよ、俺はお前らの仲間の賭けに負けたんだ、仲間の金を奪う仲間が何処にいる?」
Dが照れながら言うと、コウはリクの顔を見上げる、リクもコウの顔を見下げる、そしてリクとコウはDの顔に向かって叫んだ。
「えっ?仲間になってくれるのか!?」
「えぇっ!?仲間になるのか!?あんな口約束で!?」
リクとコウの発言に対し、Dはキレる。
「何なんだよ!?俺だって口約束位守るわ!……まぁ、これから宜しくな、ショウ・コウ、トゥダ・リク!」
「俺はリクで良いぜ、D!」
「俺も、コウで良いぜ、ジェネレット!」
「いや、この流れではDだろ!?」
Dがコウにツッコミを入れる、それに対し、コウが笑う。
「いやぁ、面白いなぁDは」
「うっせぇ!」
そんな言い合いをしているとリーナが現れる。
「んー?何で敵であるDがコウとリクと会話してるのー?」
リーナの存在に気付いたDは自己紹介をする。
「俺の名前はジェネレット・D、今日からトゥダ・リク、ショウ・コウ……じゃない、リクとコウの仲間になる者だ」
「そっかー!新しい仲間だね!私は妖精のリーナ・ユリ!リクの仲間で一番最初に仲間になった妖精だよ!宜しくね!ジェネレット!」
「お前もか!?」
Dはリーナにもツッコんだ、そしてDは説明する。
「皆……というより、三人だな、俺はDと呼ばれる方が良い──ジェネレット、より呼びやすいだろう?後、俺は≪ヤツラ≫を倒すのは二の次だ、俺が探しているのは親父の知り合いの竜だ、その知り合いの竜を殺された、誰かにな、だから俺が報復してやろう、としている、それは親父も一緒かもしれない──だから言っておく、俺はその竜を倒すのが先決だからお前らの言う、≪ヤツラ≫の殲滅は出来ないかもしれないが、それでも良いのか?」
「俺は≪ヤツラ≫の殲滅だけを考えている、だが仲間になる以上、お前の気持ちの事も考えてやら無いといけない」
「それもそうだなぁ……」
「うーん、それは仕方無いね……」
三人がそう言った後、三人は同時に言う。
「「それでも仲間になってくれ」」
「それでも仲間になってくれる?」
その発言を聞いた後、Dは言った。
「……あぁ、仲間になろう!宜しく三人共!」
そう言いながらDは三人と握手をする、と、ここでコウは空気を乱す。
「まぁ、Dを含めても五人目の仲間なんだがなぁ」
「ん?俺以外にもう一人仲間がいるのか?」
Dが不思議そうに聞くと、リクが言った。
「あぁ、リヴェレット・モコっていう魔法使いがいてな、今は≪ヤツラ≫の攻撃を受けて入院中だ」
「そうか、それは大変だが、そいつにも顔を合わせねぇとなぁ」
そう言いながらDはまだ見ぬ顔に対して、どんな奴かを考える……闘技場の表彰式はまだまだ時間が掛かりそうだ……
- Re: セカイ戦記 ( No.176 )
- 日時: 2016/09/08 23:11
- 名前: 彩都 (ID: gKP4noKB)
「それにしても最近の≪ヤツラ≫は不思議だ──何だって『喋る≪ヤツラ≫』が増えてきた──聞いた話によると、『新ステージ』とか、何とか言っている、お前らはその存在を知っているのか?」
「ん?『新ステージ』……?そういえばモコと出会ったセカイの時、綺麗な着物の≪ヤツラ≫が居たな、それが『新ステージ』なのか?」
リクが不思議そうに聞くと、Dが答えた。
「リク、もしもそれが喋る≪ヤツラ≫なら、『新ステージ』なんだが?」
「……確か喋っていたな、その事ならモコが良く知っているだろう、モコは魔法省のニンゲンだった事もある、≪ヤツラ≫の事も良く知っているだろう」
「魔法省──あの厭な噂のある奴等共か……あまり良い噂は聞かないな──それでも≪ヤツラ≫の事を知っているのは有難いな、モコとやらから話を聞くのもありかもしれない」
「そうだな、とりあえず、モコはもうじき治る事だろう、その時に話を聞こう」
「そうか、これで少しは≪ヤツラ≫の情報を手に入れられる、俺も詳しくは知らないんだ、最近戦った≪ヤツラ≫から少し聞いただけで後はその≪ヤツラ≫は喋る、としか知らない、これで俺は少し≪ヤツラ≫の情報を手に入れられるな、少しは対策が出来るかもしれないな──」
そう言いながらDは自分の右手を強く握った──そして時間を確認する、結構話していた様だ──
「もうじき表彰式が行われるな、とりあえず、俺、リク、コウは控え室に戻ろうか、リーナ、貴様は呑気に観客席で待機しておけ」
そう言いながら三人は控え室に移動する──リーナは少し腹が立ちながら観客席へと向かった──
ハッハッハッハッ……自分は走っていた、何処に向かえば良いのか分からずに走る、逆に魔法を使って浮遊すれば良いのだが、今はあまり魔力を使用したくなかったので箒に乗って飛ぶのを止める事にした、そして今は外に出て走っている、という事だ。
中々広いセカイねぇ……リク、リーナ、コウは何処に居るのかしら……?心の中でそう呟きながら自分は走る、そして何時の間にか『戦闘のセカイ』の入口に着いて立ち止まっていた、ここは見覚えが無い……という事は私は辺境の地へ居る、という事か──さて、三人を探そうか、自分はそう思いながらまた走りこむ──持久力は魔法省で特訓して少しはある、シンと良く競ったなぁ、そう思いながら自分の過去を思い出す──
さて、時間はもうすぐ開催時間だ、リーナは闘技場の時計を見ながら深呼吸をする、どうしてコウが優勝者と分かっている大会なのに自分迄ドキドキしてしまうのか、それは良く分からないが、自分の周りには段々と観客が現れてくる、本当に巨大なお祭りだなぁ、そう思いながらリーナは足をバタつかせる、どうせ優勝者は分かっているのだから少しは落ち着かないとね、心の中でそう呟きながらリーナは閉会式の表彰式を待つ──優勝者はショウ・コウだ──
「もうじき始まるなぁ」
そう呟きながらコウは欠伸をする、それに対し、Dは少し笑いながら言う。
「フッ、去年はユリーカが出ていなかったが、今年は出場している、それが分かるか?」
そう言われてリクが言う。
「おい、それはどういう事なんだ?『このセカイ最強のユリーカ』が居る、だから今年は人が多い、と?」
「そう言う事だ、リク──去年はユリーカが出ていなかったから優勝者は簡単に決まった、まぁ、去年の優勝者は知らなさそうだから答えるが──去年の優勝者はレイグ・マエトロだ、それに序でライム・シューガストだ、まぁ、俺はベスト8の存在だが──」
Dが去年の優勝者達を言うと、リクが感慨深そうにDに向かって言う。
「レイグか、俺に負けた奴だったなぁ、そこ迄強かったのか、半信半疑だったが、これで実力を信じられる」
すると驚いた顔をしながらDがリクに向かって言う。
「何だ、リク、お前がレイグと戦ったのか、道理で今大会、あまり見ていないと思ったら」
リクはそう言われたので、言い返す。
「まぁな、何とか勝ったから良かったけど──相当強かった、それは前回優勝者だったからか──今の会話で納得したよ」
リクはそう言いながらDに言う。
「何で俺とDが此処に来ているんだ?負けたんだから俺は普通居ない筈だが──?」
「あ゛ぁ゛?……その事か、それは俺も良く分からんが、本選出場者は優勝者達の拍手係なんだよ、全く、何だかんだで面倒だぜ」
そう言いながらDは欠伸をする、コウは深呼吸をしてから立ち上がる。
「どうしたんだコウ?」
リクがそう言うと、コウはリクに向かって言う。
「もう準備するんだよ、何時呼ばれても大丈夫な様になぁ」
「成程、確かに時間が近付いているからなぁ──俺も拍手する為に何時でも手を開いている様に準備しないとな!」
手は何時でも開けるだろうが──そう思いながらDはリクとコウを呆れながら見続ける、確かに時間はもうすぐ表彰式の時間だった──
リクとコウは控え室から出る、何時でも呼ばれても大丈夫な様に控え室の外で準備する──コウの表彰式はもうじきだった──
- Re: セカイ戦記 ( No.177 )
- 日時: 2016/09/12 20:25
- 名前: 彩都 (ID: OSKsdtHY)
「さて、行くか……」
そう言いながらコウが言う、コウはスタッフに呼ばれて遂に表彰式へ向かおうとしていた。
「遂にだな、何か済まないな、俺の入院代とモコの入院代をこの賞金で払ってくれるなんて……」
「何を言っているんだよ?モコとリクは俺の仲間じゃないか!仲間が仲間に奉仕するだけだよ、気にすんなって!」
そう言いながらリクの背中を叩くコウ、確かに俺とモコとコウは仲間だ、コウの言う通りかもしれないな、そう思いながらリクとコウは闘技場の舞台へと上がっていく──
「さぁ!遂に今日で最後の闘技場使用です!最後に相応しい物は『閉会式と表彰式』です!皆様、最後の最後迄楽しんで下さい!」
司会者の声を聞いた瞬間、歓声が広がる──こんなにニンゲンって声を出せるのか、リーナはそう思いながら闘技場を見る。
「さぁ、コウ選手、出て下さい」
スタッフに呼ばれ、コウは闘技場の控え室から観客が見える舞台に現れた。
「さぁ、今大会、初出場にして初優勝のショウ・コウ選手が見えます!」
司会者の紹介でコウが現れると、歓声は一気に大フィーバー!今迄に感じた事の無い音にコウは驚いた、するとコウは誰かに背中を叩かれる、叩いたのはリクだった。
「もっと胸を張れよ、優勝者さん?」
リクがそう言うと、コウは思う、確かに俺は優勝者だ、だから胸を張っても良いんだ、そう思うと何だか肩が軽くなった、そしてコウは胸を張って手を振った。
「応援してくれた皆!有難う!俺は優勝したぞー!!」
「おおー!!」
「カッケェー!!」
「いいぞー優勝者ー!!」
コウの言葉に色々な観客の言葉が飛び交う、すげぇ、本当に優勝したんだな……!
そう思っているとコウは司会者に呼ばれる、そして表彰台に乗る。
「さぁ、これで優勝者の証である、優勝トロフィーを贈与します!」
司会者がそう言ってコウにトロフィーを渡す、すると一気に拍手をされる、まるでオペラが終わった後の拍手の様だった。
「そして優勝賞金である、優勝賞金100万ガロットを進呈!そして更に200万バトラスも進呈です!」
そう言われると観客が驚く、それは何故だろう?
「バトラスはこのセカイでの通貨です、ガロットもこの国の通貨です、そして1ガロット、2バトラスなのです、なので、合計250バトラスなのです!」
司会者が小声で説明する、成程、額のレベルの話だったか。
「良かったな、コウ!これで少しは食事がこのセカイで取れるな!」
「あぁ!少しは楽しめるな!」
そう言いながらコウとリクは喜ぶ。
そしてコウは『取ったぞー!!』と言って、大きくジャンプした──
その後、コウは優勝者として本選の奴等から拍手をされる、だが一人だけ見付からない、それはユリーカだった。
コウは頭を掻きながらユリーカを探す、だが観客席にも拍手係の中にもユリーカは居なかった、不思議だった、先にもう出ている、と思っていたが……まさかあの病院の中でずっと寝ている、という事か……?いや、あのユリーカの事だ、呑気にこのセカイを周っている事だろう、流石に拍手係が恥ずかしいから出ていない、という訳では無いだろう、そうだ、きっとそうなんだ、コウはユリーカに対してそう思いこむ。
そして拍手が終わり、コウは控え室へ向かう……案外表彰式も大変だな、そう思いながら休憩をする──表彰式の後は閉会式だ、だが閉会式は今日の夜にやる、なので、今からは夜迄の休憩タイムだ──
うーん、何だか今日は騒がしいなぁ、何故だろう?今日が『闘技場の閉会式』だからだろうか?いや、流石にそんな閉会式だけでこんなに騒げるだなんて、意味が不明だ、そんな事を思いながら、走る自分──一体何処に『誰かが居る』のよ!?まさかこのセカイ全員が『闘技場の閉会式』とやらに出ているの!?そう思いながら遠目に見える闘技場を見る、確かに相当なニンゲンがあの大きな闘技場にいそうだ──今居る場所は相当離れてしまっている、ハァ、と大きな溜息を吐いてから自分は今迄来た道を歩きながら引き返した──早くリク、コウ、リーナちゃんに会いたいなぁ、そう思いながら自分の足はゆっくりとだが加速をしていく──
「優勝おめでとう!コウ!」
そう言いながらリーナはコウに抱きついて抱き締める、『メキキ……』と骨が軋む音がする。
「おいおい……リーナ・ユリ、それは……危ないんじゃないか?コウが口から泡を吹き出している……」
Dがそう言うとリーナはすぐに抱き締める事を止める。
「妖精は本当に力が強いのだな……」
Dがそう言うとリーナは言った。
「私もコウやリクみたいにリーナって呼んでよー?」
「何だ、お前もか……」
少し溜息を吐きながらそっぽを向く。
「……力が強い、に対してのコメントは無いのか?」
Dが言うとリーナは答えた。
「まぁね?前から持ってる『力』だし……あまり欲しくなかったかな、この『力』は──まぁ、私の『御父様』の方が『もっと強い』んだけどねぇ──」
そう言うとリーナはしんみりとした顔をする。
その顔に対し、Dは何も言えなかった──闘技場の表彰式は終わった、後は閉会式だ──そしてその閉会式迄時間は二時間を切っていた──そして闘技場に近付く影にリクとコウ、リーナは気付けないでいた──
- Re: セカイ戦記 ( No.178 )
- 日時: 2016/09/15 22:21
- 名前: 彩都 (ID: 3edphfcO)
『御父様』……?一体どんな奴なんだ?Dはそう思いながら一人、寮で考える、『御父様』──そういえば『妖精の世界 フェアリア』だったかな?妖精が一人、男と共に駆け落ちしたって話を聞いた、まさかリーナが?いや、リーナにそんな勇気は無い筈だ、ただの噂話だしな、そう思いながらDは屋台で買った焼き鳥の様な食べ物、『カラヤ』を食べる──甘辛いタレが肉に絡みつき、食欲を増進させる──
『御父様』──元気にしているかなぁ?私が勝手に家出したのは悪いけれど、逆に勝手に婚約者を決めるのも悪いよね──そう思いながらリーナは一人、『戦闘のセカイ』の屋台を回っていた──そして誰か知らない存在と自分の肩と相手の肩がぶつかる。
「あっ、すいませ……」
リーナが謝ろうとすると相手が肩を窄(すぼ)める、すると相手の連れが現れ、相手の連れが大事になったかの様に言う。
「おいおいおいおいぃぃぃ!?コイツの肩が砕けたじゃねぇかぁ!?お前、妖精だろ?妖精の力が強いから砕けたかもしれねぇじゃねぇかぁ!?おい、どうする?どう落とし前つける?お前みたいな妖精、売ったら大金になりそうだなぁ!」
そう言いながら相手の連れはリーナの胸倉を掴んで服の中を見る、まだ成長途中だ、これはロリ枠として売れるかもなぁ、そう思いながら頭の中で吟味していると後ろの肩を窄めた奴が叫ぶ、まるで断末魔の叫びの様だ。
何だ何だ?と思いながら相手の連れが肩を窄めた奴を見ると、肩を窄めた奴の肩がぐったりとぶら下がっていた、いや、意味が分からねぇよ、一体この数秒で何が起きたんだよ!?そう思いながら、相手の連れが周りを見る、するとリーナの隣に自分の手を握ったり広げたりする存在が居た、まさかコイツが?そう思いながら相手の連れはリーナの隣の奴に声をかける。
「おい、お前だよ、お前、お前が俺の連れの肩を壊したのか?」
相手の連れがそう言うと、リーナの隣の奴は大層面倒そうに言う。
「あぁ、そうだが?逆に聞くが、お前は俺の事を知っているのか?知らずに喧嘩を売っているのか?喧嘩を売っているのなら、買ってやらん事も無いが?」
リーナの隣の奴がそう言うと相手の連れは段々と腹が立ってきた、そういえば最近家内と喧嘩したばっかだ、コイツを殴ってこの鬱憤を晴らすか──そう思いながら相手の連れは声を荒げる。
「誰もお前の事何か知らねぇよ!逆にこっちが喧嘩を買ってやるよ!」
そう言った瞬間、リーナの隣の奴は溜息を吐いて、呆れる。
「何だ、まだ俺の事を知らない奴がいたのか──まぁいい、お前は俺が喧嘩を売っている、と勘違いしているのか、まぁそれもどうでもいい、逆にお前が『喧嘩を買ってやるよ!』と言った事だ、これは喧嘩の売買に了承、したという証だ、だから『俺が売った』、という解釈でも良いかもしれないな……」
「ごちゃごちゃうるせぇ!さっさと体を動かしやがれ!」
相手の連れはそう言いながら右手でパンチを放つ、巨体で放つパンチはリーナの様な幼い体では簡単に吹き飛びそうな威力だった、だがリーナの隣の奴は簡単にそのパンチを受け止め、逆に足払いをする、そしてがら空きの胴体に向かって右手で殴りかかる。
「おい、形勢逆転だな……じゃあ、これで終わりだ──『龍神愚スクリュー』一般人用──」
リーナの隣の奴はそう言いながら右手に回転を、スクリューを作り出し、相手の連れの腹部に当てる。
その刹那、相手の連れは思い出す──このセカイの≪ヤツラ≫殺しの事を──
数ヶ月前──
相手の連れは酒屋で酒を飲んでいた、すると相手の連れの知り合いが現れて、話は≪ヤツラ≫の事になった──
「そういえば、最近≪ヤツラ≫を退治する奴が現れたんだよ、だからソイツの異名が≪ヤツラ≫殺しだってよぉ」
「何だそりゃあ!?何て笑える名前なんだ、ガッハッハッハ!」
相手の連れは大声で笑う、そして知り合いは≪ヤツラ≫殺しの名前を言う──
「確かそいつの名前は……ジェネレット──」
そうだ、思い出した、この技を使っている場面を闘技場で見たぞ……?そう、確かそいつの名前は……
「ジェネレット・D……」
相手の連れがそう呟くとリーナの隣に居たDは振り向いた。
「ん?何だァ?俺の名前を知っていたのか?だったら喧嘩を売るなよ──」
Dはそう呟きながら歩いて消える──リーナはDの事を見失わない様にDの事を追いかける──
あぁ、そうか、だからこんなに観客が居たのか──そう思いながら相手の連れは『相手はちゃんと確認して喧嘩を売る』、という事を覚え、そして家に帰るとまた家内に怒られた──
そして『戦闘のセカイ』の住人によって、肩を窄めた奴は病院に連れて行かれた──Dと相手の連れの喧嘩は、『相手の連れの言いがかりからDが本当に骨折させた』、と解釈された──
闘技場の閉会式迄残り一時間を切った──Dとリーナは一緒に闘技場に行く事にした──残り一時間、走っている存在は闘技場に着く事が出来るか、それはまだ分からない──
- Re: セカイ戦記 ( No.179 )
- 日時: 2016/09/19 21:07
- 名前: 彩都 (ID: GTJkb1BT)
闘技場に向かう道中、Dは重い口を開けた──
「俺は……俺はお前の親に対して、どうこう言う筋合いは無い、いやある筈が無いんだ、だがこれだけは言いたい──『お前の親は娘をどれだけ縛りたいんだ?』とな──お前も苦しかったよなぁ?親に自由を縛られる苦しみを、俺は分からない、だけれど、自由を縛られる苦しみだけは分かるんだ、現に俺もそうだ、俺の親父の知り合いの竜を殺した奴を殺し返す迄、俺は復讐し続ける──この復讐が終わる迄俺は自由なんか許されないだろうなぁ──」
Dはそう呟きながら横目でリーナを見る、だが下を向いたままで何も呟かない。
「おい、妖精」
Dがそう言うとリーナは反論した。
「私は妖精じゃなくて、リーナ・ユリ!ちゃんとした名前があるの!」
「何だ、反論出来る口を持っているじゃないか、まさか俺の言葉が正論過ぎて反論出来なかったってか?」
Dがそう言うと、リーナはまた口を閉ざした──全く、女って生き物は全く分からない、全くだ──Dはそう思いながら闘技場迄歩く──
あぁ、段々と暗くなってきたなぁ……そう思いながら走っている存在は歩みを止める、市場に辿り着くと、人が賑わっていた、うわぁ……ニンゲンが一杯だ──まぁ、私みたいな魔法使いは居るかしら……?そう思いながら走っていた足を止めて、ゆっくりと歩く──
「へい!そこの君!食べ物は要らんかね!?」
走っている存在は屋台のおじさんに呼び止められる、だが今は金が無い、と伝えるとそれでもおじさんは走っている存在に串に刺さった肉、『ガラフ』──今で言う焼き鳥だ──を渡される、不思議に思いながらもおじさんは答える。
「良いって事よ!何故なら今回の優勝者は凄い人だからなぁ……闘技場初出場にして、『このセカイ最強の女、ユリーカ・アトランザム』を倒したんだからなぁ……!あの戦いは熱かったなぁ……!!」
おじさんがそう言うと、走っている存在は考える、果たしてその優勝者とは誰だろう?私の知っている人かなぁ?そう思いながら走っている存在は『ガラフ』を食べながら闘技場へと向かう──走っている存在が優勝者と出会う迄後少しだ──
「もうすぐだな、闘技場最後の時間が……」
リクはそう言いながらシャンパングラスに入った『リガスジュース』──今で言うリンゴジュース見たいな物だ──を飲みながら呟く。
『リガスジュース』は酸味と炭酸が合わさった飲み物だ、小さな子でも安心して飲めるノンアルコールだ──そんなジュースを飲みながらリクは言う。
「それにしてもコウ、お前が優勝する何て誰が思ったか──?完全に闘技場の奴等はユリーカが勝つ、と思っていた様だが──まさか旅人である俺達に負ける、何て思っちゃ無いだろうなぁ──」
そう呟きながら『リガスジュース』を一気飲みするリク、それに対し、コウは呟く。
「……来ていなかった──来ていなかったんだよ、ユリーカが」
リクは何の事か不思議がる、するとコウが続けて言う。
「来ていなかったんだよ、俺の時の拍手の時に──だからまだユリーカは寝ている可能性がある──俺の攻撃からずっと──」
コウがそう言うと、リクは言う。
「まさか?寝坊って事は無いのか?」
「それは考えた、だが、アイツは寝坊も寝過ごしも無いんだよなぁ、だからあの病院でずっと寝ているのかもしれない──もう一人の自分と戦いながら──」
そう言いながらコウは欠伸をする。
「あぁ、眠たいなぁ、早く閉会式終わらないかなぁ?」
「いや、終わっても始まっても無いんだが?」
リクは冷たくツッコんだ──
「……はぁ、今日も月が綺麗だなぁ……こんな時はお酒でも飲みましょうか?」
そう言いながら仮面の男──基ブランドは自分の仕事場である病院の屋根の上、ワイングラスにお酒を注ぎながら仮面を外してワイングラスのお酒を飲む──すると横にブレンドが現れる──手にはワイングラスを持っていた──
「何だよ、寂しいな、俺も混ぜてくれよ?」
「……えぇ、良いですよ」
ブランドはそう言いながらブレンドの手に持ったワイングラスにお酒を注ぐ。
「それにしても、弟弟子が勝つとは……誰が予想していました?こんな戦い?」
ブランドはそう言って、自分のワイングラスに注いだお酒を一気飲みする、そしてもう一度お酒を注ぐ。
「俺は知らん、その前に育て方の問題だったんじゃないか?」
ブレンドがそう言うと、ブランドは少し納得する。
「あー、そういうのもありますねぇ、ですがあまりそう言うのは無かったと思うけどなぁ……」
ブランドは不思議そうに言うとブレンドはワイングラスの中のお酒を一気飲みして答える。
「他には、弟弟子の家系が相当優れた戦闘一族、だったか?」
「その線が濃そうですねぇ、少しだけ聞いてみますか──」
そう言いながらブランドはワイングラスの中のお酒を一気飲みする、するとお酒の瓶の中にお酒は入っていなかった。
「ありゃりゃ、お酒が切れてしまいました、これは困った困った」
「おいおい、今日という日はもっと長いんだぜ?もっと酒を用意しとけよ……」
ブレンドはそう言いながらブランドのワイングラスを自分のワイングラスと合わせ、『チリンチリン』と音を鳴らす。
確かに今日は夜が長そうですね──そう思いながらブランドはお酒を取りに行った──
今日は闘技場閉会式、その閉会式迄時間はあまり無かった──ブレンドは今日は自分の中で壮大で一番でかい祭になるだろう、そう思いながら夜空を見上げた──
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