複雑・ファジー小説

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セカイ戦記
日時: 2016/05/17 18:57
名前: 彩都 (ID: lKhy8GBa)

ーーぼくは戦うーーこの汚れたセカイとーー

二作目の投稿です。
初めての方も知っている方も初めまして、彩都と申します。
気長に投稿します。
今回は歴史ファンタジー…かも…
という事で宜しく

登場人物
今作は先にキャラ紹介をさせていただきます。
主人公
トゥダ・リク 男
このセカイは名前に意味は無く、名字・名前や逆に名前・名字は無く、名字・名字、名前・名前となっている。
リクは名前・名前。
リーナ・ユリ 女
名前・名前。
妖精で回復の魔法を使う。
リクの仲間。
リヴェレット・モコ 女
名前・名前。
攻撃系の魔法を使う。
ユリは貧乳だが、モコは巨乳。
何時も箒に乗っている。
ショウ・コウ 男
名前・名前。
肉弾戦が得意な仲間。
魔法では倒せない存在には肉弾戦が良いとされている。

ジェネレッド・D 男
?・?
リクの仲間だが何者かは知らない。
敵かもしれない。
Dは物語の中心に近い。
サルウ°ァ・ティル 女
名前・名前。
名前の言い方は秘密。
大きな剣、真剣簪(かんざし)を使う。
大きさは約三メートル。
サワラビ・ユウ
名字・名前。
遙か遠く、キョクトウのニホンの人間。
彼も何者かは分かってない。
何時も一人で行動している。
薙刀の師範代を務めている。
μ
記号。
名前を持たず、施設で使われていた記号を使っている。
戦闘力は圧倒的に強いが、カロリーが切れるとすぐ戦闘不能になる。
白いジャージに白い肌、髪は無く、オールバックの様な角を生やしている。

用語解説
魔法
魔法は体内に眠る魔力を燃焼させて、魔法を扱う。
キンキなる魔法も存在する。
キンキなる魔法は使うと死んだり、植物人間になったりする。
存在
セカイ戦記における敵。
魔法で倒せる奴や肉弾戦でしか倒せない者もいる。
肉体の一部分が膨らんでいたりと『異形』の存在。
ゾンビの様に意志は持たず、人間を襲う。

セカイ
混沌としている。
その混沌のせいで存在が出来たと言われている。
舞台的に言えば、『北斗の拳』の世紀末ワールドに近いです。
存在が色んな所でばっこしている。
妖精
見える者もいれば見えない者もいる。
リク達のメンバーは見える奴が多い。
見えない者は眼鏡を使ったりする。
だが、眼鏡も法外な値段が多い。
傷の手当や回復が得意。
回復は魔法に当たるので、妖精は無意識に魔法を使っている事になる。

『リク…貴方は希望の仔…貴方は奇跡の仔…貴方は私と**の仔…お母さんが居なくても頑張るのよ…』
「お母さん!!」
そう言って、母さんは燃え盛るセカイから、燃えた。
跡形もなく、消えた。

セカイ戦記 序章 、『運命』の仔

俺はトゥダ・リク。
男、十六歳。
《ヤツラ》を始末する者。
《ヤツラ》とは、前々からこのセカイに現れた敵だ。
コイツ等のせいで俺は母を亡くした。
俺はコイツ等を駆逐する為に仲間を探している。
俺は仲間探しの為に故郷を捨てた。
そして俺は前へ一歩、踏み出した。
少し歩いて着いたのは、妖精の世界、フェアリアだ。
そこで俺は水浴びをしているビキニの女性を見つけた。
「おーい!妖精王に会いたい!道案内してくれ!」
ビキニの女性は羽を生やしてこちらに来た。
どうやら妖精らしいが、背は俺の胴体位だろう。
「貴方、妖精王に会いたいの?今は会えないわ、会うの止めたら?」
「俺は《ヤツラ》を駆逐する為に妖精王に力を借りに来たんだ、止める事は出来ない」
「分かったわ、じゃあ貴方の仲間になるから会うのは止めてくれない?回復も出来るから旅には最適よ」
「良いのか?」
「良いわよ、私の名前はリーナ・ユリ、宜しく」

「俺はリク、宜しく」
こうして、人間、リクと妖精、リーナの出会いだった。

「なぁ、リーナ、この水は人間でも飲めるのか?」
そう言って、リーナが浸かっていた水を一掬い、口に近づける。
「ダメッ!!!!!」
リーナの止めは既に遅し、もう口に含んで、喉を鳴らした後だった。
「ん?どうした?リーナの汗が入っているから、飲むなってか?大丈夫だろ…」
リーナは言う。
「いや、そうじゃなくて…人間は此処の水飲むと、人間には毒だからって…」
そう言うのと同じくして、リクは気絶する。
「リクッ!?」
リーナはビキニのまま、、リクを長老の所へ連れていった。

「んー、ユリ…」
長老は重い口を開いた。
 ・・・・・・・・・・・・
「こやつには毒その物が無い…これはどういう事じゃ?」
「えっ…?」
リーナは驚いた。
人間で泉の水を飲んだのは大抵、必ず死ぬ、最悪死ななくても毒の後遺症が残るのに…。
リーナにとって、この事は不思議で不思議で意味が分からなかった。
すると、リクが目覚めた。
「う…うーん…此処は…何処だ…?」
リクはすぐさま、リーナを見つけた。
「リーナ!此処は何処だ!?俺は何故此処に!?」
リクは慌てて周りを見やる。

「落ち着くのじゃ、少年」
と、長老が止める。
長老は、リクが倒れて此処に来た事、此処は妖精の村と長老である事を話した。
「全く信じられん話だが、俺が記憶を覚えていないんだ、リーナ有難う」
「良いよ、リクって見た目に反して軽いんだもん」
そういうリーナに驚くリク。
「お前さん知らんのか?妖精は小柄だが怪力だぞ?」
その事を聞いて驚く。
妖精は力が凄いんだ…。
リクは新たに情報を頭に叩き込んで、立ち上がる。
「良し、行くか」
長老はリクがすぐ立ち上がった事と同時に驚くが、どこかへ行く事にも驚く。
「待て、お前さん、今から何処へ行くのじゃ?」
長老が聞くと、すぐさま言った。
「隣町だよ」
「隣町には《ヤツラ》が要るのじゃぞ!!」
長老は止める。
それに対しリクは。
「大丈夫だよ、そいつ等は始末屋であるこの俺に任せな!

そう言う台詞に驚く長老。
まさか、《ヤツラ》を倒す力を持っているのか…。
そう思っていると、二人は出発していた。
長老の声は空しくも聞こえなくなった。
こうして、傷が回復したリクとリーナは旅を開始するのだった。
次の町は何処へ行くのか…それは誰も分からない…
序章終了 第一章へ続く…

セカイ戦記 第一章 運命の仔の戦闘

妖精の世界、フェアリアの隣、戦争の世界、バトランゲージは存続の危機に瀕していた。
バトル王宮最上階国王の部屋。
「ひいぃぃ!!まっ待て!話せば分かる!金ならたんまり有る!だから見逃してくれぇ!」
「…………」
バトランゲージ国王、マイルは謎の生命体と話していた。
生命体は体を包帯で巻かれている者やジリジリと追い詰める者も居た。
ただ、生命体には共通点が幾らか有った。
一つ目は全員、肌が腐敗した色になっていた、具体的に灰色。
二つ目は口を大きく広げ、涎を垂らしている事。
そして三つ目は…
喋らない事だ…
何故喋らないのか、各国で議論されるが、喉が使い物にならないが妥当とされてきた。
生命体の過去の姿は、人間だった。
数十年、数百年経っても、この生命体は存在してきた。
そして生命体はゾンビの様に感染する。
今もそんな生命体から避、難する人間の中に反旗を翻す存在も居た。
その名は『退治者』と呼ばれる事になった。
その人物は生命体を倒す程の力を持っていた。
そんなリクも『退治者』の一人だ。
そして『退治者』達は、生命体に名を付ける事にしたのだ。
その名は《ヤツラ》となったのだ。

※小説のレスを消さないで下さい。
消しても無駄なので。
何か気に食わないなら、書き込めば良いじゃないですか、何でそんな事が出来ないんですか?
他人様の小説を消して、ナニが満足ですか?
彩都の小説のレスを消す事に何の意味があるんですか?
出来ればそれを書き込めば、彩都も納得します、なので、消さないで下さい。
困るのはこの小説を読む読者様なので。

コピペしていますから、消しても無駄ですよ?

Re: セカイ戦記 ( No.211 )
日時: 2017/01/09 20:52
名前: 彩都 (ID: ???)  

「それじゃあ、最初っから『気』を飛ばして戦って良いか?」
ユリーカがリクに対し、そう言うと、リクは両手に雷神愚を溜めて、言い放った。
「良いぜ、その代わり、俺も雷神愚を発動させておくぜ」
「あぁ、良いぜ、さぁ、戦おう、軽いウォーミングアップを行おうぜ!」
ユリーカがそう言うと、リクが頷く。
「おう!結果のある戦いをしよう!」
リクがそう言って、二人は何時でも動ける準備をした、そして間もなく最初に動き出したのはリクだった、リクは右手に溜めた雷神愚でユリーカを攻撃する。
「行くぜ!雷神愚ショット!」
ユリーカはリクの攻撃に対し、そのまま左手でリクの右手の拳を掴んで、手前に引く、リクはそのまま手前に引かれていく、次にユリーカは近付いてきたリクの頭に頭突きをした、引っ張っているので、勢いがある頭突きになった。
「うぐぅ!」
「甘いぜ!」
ユリーカは頭突きの攻撃を受けて、少しふらつくリクのがら空きの胴体に対し、『気』で纏った拳をぶつける、『千闘型』の『気』なので、大きな攻撃力の拳となった、だがリクは何とか、気を引き締めて、攻撃を受けながらも、その攻撃している腕を掴んで、ダメージを抑える。
「甘いな!俺だってそんな簡単に倒される訳には行かない!」
「へぇ、楽しいねぇ!」
リクはそう言った後、ユリーカの腕に雷神愚を流し込んだ、だがユリーカは嬉々としながらその攻撃を受け止める、そしてにやにや笑いながら言い返した。
「全く……まだまだ足りねぇなぁ!もっと本気で来いよ、トゥダ・リク!」
ユリーカが、少し黒焦げの状態で言う、リクは少し顔を引き攣らせながらユリーカに言う。
「えっ……マジかよ?結構威力高めて雷神愚放ったのに……」
「生憎、『気』さえ、分厚く纏えば大丈夫なんだよな」
「ほう……『気』とはそこ迄凄いのか……だけど、俺はこの雷神愚でも精一杯だがな」
「んー?そうか?でもビリリ、と結構痛かったな、肌がやすりと擦られる感覚だけどな」
ユリーカはそう言って、リクの顔面に対し、拳を放つ。
「おっと、危ない、何だ、地味に痛いじゃないか、その感覚は──って、不意打ちかよ、危なかったなぁ」
リクはそう言って、大きく安堵する、だがユリーカの攻撃は止まる事を知らなかった、空中ジャンプして、リクの顔面に対し、飛び蹴り、リクはその攻撃を右腕で滑らせて、回避、だが、回避した事で、ユリーカは地面に両手をついて、逆立ちのまま、脚払いする、リクは、その攻撃に対し、直撃してしまう、そしてリクはその場で倒れてしまう。
「いって」
リクはそう言うが、地面に伏してしまった以上、先に地面に伏していたユリーカの方が有利であった、ユリーカはリクの左腕を四文字固めで締める、リクは左腕を締められて、声にならない声で呻き声を上げる、だがユリーカは力を緩めず、逆に強く締め付けた、リクは仕方無いので、左手で雷神愚を溜めて、一気に放出する事を考える、だが、その行動がバレたのか、ユリーカはリクの手の平をこちょこちょとこそばして、拳の状態から、手を開けさせる。
「おぉっ!?まさかそういう行動をするとは……恐れ入った、だけど、右手も開いているんだぜ?右手で雷神愚ショットを使えば良いだけだ!」
リクはそう言って、右手に雷神愚を溜めて、雷神愚ショットでユリーカの脹脛(ふくらはぎ)を攻撃した、すると『びくんっ』と大きな動きで反応するユリーカ、ユリーカは急いでリクの左手の拘束を離す、リクは自分の左手を開けたり、拳を作ったりして、何とか安心する、そしてユリーカは脹脛を触りながら転げ廻る。
「あーあー!いってぇ!いってぇよ!少しは加減しろリク!」
怒鳴りながら脹脛を触るユリーカに対して、リクが言う。
「えっ?そこ迄痛かったか?あまり雷神愚は出していないけど……」
そう言って、頭を掻くリク、そんなリクに対し、ユリーカは脹脛を擦って痛みを消そうとしていた──

「あー痛かった」
そう言ってユリーカが欠伸をする、あのまま少し暴れて数十分で何とか歩ける迄復活し、元に戻って、痛みも引いた、全くリクの奴、やり過ぎだってーの、そう思いながら、ユリーカはリクに言う。
「でも、何とかウォーミングアップ出来たと思うから、ありがとよ、リク」
「ん?いや、良いよ、何だかんだでやり過ぎた気もするしな……でもあんな少量の力だけで暴れる存在を俺は見た事が無いがな……」
ハァ、と大きな溜息を吐くリク、ハハハ、と元気の無い笑いを出すユリーカ。
「さて、それじゃあ、コウ君を探して、戦いましょうか」
ユリーカはそう言って、体を伸ばして、気を引き締める、するとリクが言う。
「さぁ、どっちが勝つか、見物だな」
「確かにね、だけど勝つのは私、ユリーカなんだから!」
ユリーカがそう言うと、リクは『ハハハッ』と笑ってユリーカに言う。
「おいおい、流石に乗っ取られていたとはいえ、勝ったのはコウなんだ、俺はコウが勝つに決まっているな」
「何だとー!?私が勝つって!」
「はいはい、話は戦いが終わってからだ」
二人は言い合いをして、コウを待つ事にした──コウは何処にいるのか、二人には分からない──

Re: セカイ戦記 ( No.212 )
日時: 2017/01/12 20:35
名前: 彩都 (ID: 3edphfcO)  

「…………」
Dは闘技場の前に来て、大きく深呼吸をした、懐かしいな、此処でコウと大乱闘した事を今でも瞳を閉じれば瞼の裏で鮮明に思い出せる──そう思い出しながら、Dは闘技場の中に入った、無意識に、吸い込まれる様にして……

「な、何だ此処は……?」
Dは闘技場の中を見て、驚いてしまった、それもその筈だ、『闘技場の内装が完全に違う』からだ、Dは闘技場の内装に戸惑っていると、後ろから肩を叩かれる、Dが振り向くとそこにはコウが居た。
「よぉ、D、どうしたんだ?」
「どうしたんだって……何なんだこれは?何で何時もの闘技場の内装とは違うんだ?お前は何がしたいんだ?」
Dがコウに対し、そう言うと、コウは笑いながらDに言う。
「アハハハハハ!やっぱりお前も驚くかぁ……そうだろうなぁ、ていうか百人が百人、この闘技場の内装を見たら絶対驚くだろうなぁ……まぁ、それはどうでも良いんだけどよぉ──俺は戦うんだよ、この『新闘技場』でユリーカと全力のガチの勝負をするんだ、『気』も何でもかんでもありな勝負を……そこで決着を着けるんだ、真の闘技場の優勝者を決める──」
コウの言葉に対し、Dは不思議がる。
「……全力のガチの勝負?決着を着ける?真の闘技場の優勝者?コウよ、お前は何を言っているんだ?決着は着いている、お前が優勝して、真の闘技場の優勝者になったじゃないか、この言葉に何か反論はあるか?俺はまだ何も間違っちゃいないと思うけどな?」
Dの言葉に対し、コウは深呼吸して、ゆっくりとDに言う。
「……実はな、決勝戦の闘技場で俺と戦ったユリーカは実はユリーカじゃ無いんだよ、大まかに言えば、闇の人格に乗っ取られたユリーカなんだよ、見た目はユリーカ、中身もユリーカだが、人格が乗っ取られて、暴走しているユリーカなんだよ、分かるか?」
「……頭、打ったのか?」
Dがそう言うと、コウはぷんぷんに怒る。
「んな訳ねぇだろ!大まかに言えば、人格が乗っ取られたユリーカとの勝負だったから、俺は納得がいかないんだよ、だから再戦して、ちゃんとした決勝戦を行いたい、あっ、因みに今のユリーカは普通の人格に戻っている」
「……成程な、どうやら今のコウは頭が可笑しい様だな」
「ほう、だったら本人に聞けよD、本人に聞いたら、人格がどうとかーって言う筈だ」
コウの言葉に対し、Dは呆れる、人格?乗っ取られたぁ?コウは何を言っている?普通人格等乗っ取られる筈が無いのだ、乗っ取られても魔法の力で乗っ取られたのだろう、今は普通の人格に戻っている、と言う事は魔法の魔力が切れた、と言う事だろう、コウは何を勘違いしているのだろう?Dはそう思いながら大きな欠伸をした。
「何だよ?呆れて物が言えないからって欠伸で返答するなよ……」
コウがそう言うと、Dは無言で返した。
「な、何だよ?何か俺が間違っているか?間違ってはいないだろ?」
「……これは眠くての欠伸である、だから寝たい、と体が言っているのだ、と言う事で俺は寮に帰って、寝る事にする」
Dがそう言って、帰路に着こうとする、だがコウはDの動きを止めようとする。
「おいおい、俺とユリーカの真剣勝負に対し、見ない、っていう選択肢を取る気か?また俺が勝つかもしれないし、ユリーカが逆転勝利するかもしれないぞ?」
「そんな勝負、俺には関係ない、決勝戦の再戦だろ?どうせお前が勝つんじゃないのか?見ても意味が無い」
Dがそう言って、コウを跳ね除けて前に進む、そして闘技場の出入り口に立って、Dがもう一度言う。
「勝者は『ショウ・コウ』、はい、これで決定だ、俺はお前に賭けてやるよ、といっても金が無いから賭けられないけどな」
Dはまた動き出し、闘技場を出た、コウは無言のままその場に立ち尽くし、独り言を言った。
「……俺が負ける可能性もあるのに……もしももう一つの人格の所為で元々の力の半分以下とか言われたら完全に負けるんだぜ?なのにDは『『ショウ・コウ』が勝つ』だなんて……戦っていないからまだ分からねぇんだよ、『普通の人格のユリーカとはな』……」
大きな溜息を吐いて、コウはユリーカを探す為に闘技場を出た、そして闘技場前を通り過ぎたリーナを見つけ、声を掛ける。
「おーい!リーナぁー!」
「ん?どっかで聞き慣れた声がする……誰だっけ?」
「俺だよ、コウだよ!こっちこっち!」
「あっ、コウだ、どうしたの?」
リーナを呼ぶのに時間が掛かったが、何とか呼べて助かったと思うコウ、コウはリーナに用件を伝える。
「えっとぉ……リーナ、良く聞くんだ、もしもユリーカを見つけたら『闘技場に来てくれ』って伝えてくれないか?前に言ってたけど、『もう一度決勝戦を行いたい』って言ってただろ?今日の闘技場でそれを行おうと思う、『因みに観客はほぼほぼ居ないから暴走しても大丈夫だ』って付け加えといて?」
コウがリーナに言うと、リーナは『うんっ!』と頷いて復唱する。
「つまり、ユリーカちゃんを見つけたら、『闘技場でコウが待っている、再戦しよう、観客はほぼほぼ居ないから自由に戦える』、でいいよね?」
「あぁ、それで良いぜ、それじゃあ宜しく、リーナ」
リーナの言葉に対し、コウは頷く、そしてリーナは宙に浮いて、移動する──どうか、ユリーカに届いてくれ……コウはそう思いながら、リーナに祈った──リーナはユリーカに出会えるか、分からなかった──

Re: セカイ戦記 ( No.213 )
日時: 2017/01/16 22:32
名前: 彩都 (ID: ???)  

「…………」
無言のままDは自分の寮へと移動する、さて、早く寝たいぜ、そう思いながら路地裏へ向かって近道をしようとした、だが、何時の間にか真っ暗な場面になっていた、どういう事だ?ここの路地裏はまだ光が入っている筈だ、それなのに周りが暗いとはどういう事だ?そう考えてDは周りを確認した、すると後ろには五人、前には三人の姿が確認出来た、コイツらは誰だろう?そう思っていると、前にいたのっぽの存在が自分に話しかけてきた。
「よぉ、ジェネレット・Dさんよぉ……」
「お前は誰だ?」
Dが前にいるのっぽの存在に声を掛ける、するとのっぽの存在は剣を持ちながら苛つきを見せる。
「おいおいぃ……もう闘技場は終わったんだぜぇ?まだ分からないのか?」
Dはそう言われて思い出す、そうだ、闘技場に出場する全ての存在には場外乱闘は許されていないのだ、場外乱闘をしたりすると、その場で闘技場数年の出場停止が起きたりする、まさかやり返しに来たのか、と判断するD、そしてのっぽの存在が言う。
「だけど俺は闘技場に参加していないただの一般人だけどなぁ」
「は、はぁ……?お前何言ってんだ?だったら何で俺に対しやり返しに来たんだよ?」
Dがそう言うと、のっぽの存在は邪悪な笑みを浮かべながらDに怒鳴る。
「お前が闘技場で勝つからだよ、俺は闘技場の優勝者候補に賭けてたんだよ、『トゥダ・リク』をよぉぉぉ!なのにお前が勝ったから、俺が賭けていた金が全てパァになった!しかもどれだけ賭けていたと言うか!?俺のへそくり、今月の給料だよ!軽く50万はあったなぁ!この金で一ヶ月は過ごすんだぞ!?へそくり抜きで!てめぇ、俺の50万をどうしたら良いんだ!?」
「…………」
Dの思った言葉を文字にすれば、『はぁ?』だった、何で俺が怒られてんの?それって軽く50万程賭けたお前が悪いんじゃないの?リクだって頑張って俺と戦ったよ?だけど、俺の方が少し強かっただけで、結構接戦だった訳だし、最悪、アイツにもう一度攻撃されたら負けそうだったんだけど?ていうか、結局はリクに賭けたお前が悪いだろうが、そんなん言うなら、コウに負けたユリーカに賭けた奴がコウを襲っても間違いでは無いだろう、だが、あいつは今の所、襲われていないし襲われた、という言葉も聞いていない、だから何で俺だけに来ているんだよ、賭け事の怒りと金返せっていう言葉の応酬が!俺以外にも居るだろうが!コウやリクやユリーカとか色々に!俺だけ来るっているのは何だか理不尽に感じる、全く、こういう奴は一度お灸を据えないといけないな、そう思いながら、苛付きを顔に出す、そしてのっぽの存在に対して、大声で怒鳴る。
「……んなもん、俺に言われてもどう対処したら良いか分からねぇよ!金は返さん!お前が賭けたんだ、お前が悪い!だから俺は金をお前には返さない!そして最終的にお前らの賭けた金は俺やコウに渡されるんだよ!俺が手に入れた金は俺の金なんだ!だから返さない!文句があるなら喧嘩だ!殴り合いだ!かかってこい!」
Dがそう言うと、のっぽの存在がプルプル震えてDに怒鳴る。
「だっ、黙れ!そんなん関係ねぇ!だったらお前をぶっ飛ばして金を手に入れるだけだ!い、行くぞお前達!全方位攻撃でジェネレット・Dを攻撃しろ!避けられない攻撃をしてやるんだ!そして攻撃を受けて弱った所に俺がジェネレット・Dの目を突く!目を突いた後、一斉に攻撃して倒せぇ!」
のっぽの存在がそう言うと、後ろやのっぽの周りに居た存在達が動き出す、そして槍の様な物を持ちながらDを刺そうとする、成程な、だからこんな路地裏を選んだ、という訳か、横に避け難い様に細い路地裏を選んだのか、これなら避ける部分は上のみだが、上にも頭を狙える様に攻撃している輩を見つけたので、上に移動して避ける事は難しそうだ、ではどうやって避けるか?そんな事は簡単だ、『避けなきゃいい』のだ、『攻撃は最大の防御』なのだ、『前と後ろに攻撃をぶつけたら前と後ろの存在達は自分の攻撃によって、自分に攻撃が当たらずに、のめり込んで後ろへ吹っ飛ぶ』のだ、だから、この状況での解答は『前後に攻撃をする』である。
「甘かったなぁ、実に甘かった──実際銃とかで攻撃されるよりかはまだマシだが──生憎俺は強い、そんな攻撃で倒れる訳が無いだろ?」
Dはそう言って、右手で『龍神愚スクリュー』を使用し、のっぽの周りの存在を押し返して、吹っ飛ばす、次に左手でもう一度『龍神愚スクリュー』を使用して、後方の存在を吹き飛ばして、自分の前後に存在が居なくなる、そして上に居る存在が持っている槍の様な物を掴んで、頭の上を攻撃しようとしてきた残りの存在を手に持った物で振り回して、一気に除去する、そしてのっぽの存在に近付いてから、一言、Dは言った。
「で?どうやって弱った所に攻撃するって?」
「ひっ……!ひぎゃあああ!」
そう叫んで、のっぽの存在は走って逃げた、その様子を見ながらDは溜息を吐く。
「はぁ、口程にも無い奴だ……」
Dはそう呟きながら、寮へと帰路に着く、本当、今日は面倒な一日になったな、と考えながら早足で前に進んでいく──

Re: セカイ戦記 ( No.214 )
日時: 2017/01/19 21:52
名前: 彩都 (ID: ???)  

「うーん、中々見付からないなぁ」
そう言って宙に浮くリーナはユリーカを探していた、戦闘の『セカイ』は案外広い、今日中に見つかるかさえ分からない。
「とりあえず、Dに話を聞こうかなぁ……いや、リクもありかもしれない……ていうか、その前にDもリクも見つけないと意味がないじゃん!」
リーナは宙で少し怒鳴りながらぷんすかぷんすか怒る、そして仕方なく、上空に飛んで、上から確認する事にした。
「うーん、中々見付からないなぁ、見付かったとしても見た目が似ているだけかもしれないしねぇ……」
リーナはそう呟いてから少し落胆する、だが、落胆していても何も起きない、自分から動かないとユリーカやリク、Dは見付からないのだ、リーナは大きく息を吸って、加速した──

「中々見つからないな、コウは──」
そう呟いてリクは少し深呼吸する、何気に人が集まっているセカイなので、少し暑かった、するとユリーカはリクに冷たい飲み物を渡す。
「ほらよ、流石にこの場所は人が賑わって熱いからなぁ、体温が高くなって、暑くなるのも分かるぜ」
「そうか、飲み物有難う」
リクはユリーカに感謝して、冷たい飲み物を飲んだ、するとリクは少し驚いた。
「何だこれは……?冷たいのに液体と言うより、プルプルした感触が口の中を広がった……何なんだ、これは?」
「ん?あぁ、これはジェイリーだよ、まるで脂身を食べている感覚だろ?」
リクの言葉に対し、ユリーカが返答する、ジェイリーか、成程、このセカイには色々な物があるんだなぁ……と実感するリク、するとユリーカが突然言い出した。
「それにしてもリク、お前の『雷神愚』を少し体に受けてみたいんだが?良いか?」
ユリーカの突然の言葉に対し、ジェイリーを飲んでいたリクは少し噴出してしまう。
「は、はぁ!?良いのかよ!?また脹脛の様に痙攣しても良いのか!?」
「あー確かにそれもあるな、どうしよう?とりあえず、全力の『雷神愚』を私は受けてみたいんだ?無理か?」
リクは驚いて、動揺したが、ユリーカは頑なに『受けてみたい』と言う──大きい溜息を吐いて、リクは仕方なく、右手に『雷神愚』を溜める事にした。
「分かったよ……だけど、コウと戦える様に体調は元に戻しておけよ?」
「それは少し無理な話かもねぇ?」
リクの言葉に対し、ユリーカは少し不安そうに言う、そんなユリーカに対し、リクは冷や汗を掻く。
「おいおい……後悔してももう遅いぞ?行くぞ!『雷神愚ショット』!!」
右手に溜めた『雷神愚』が完全に溜まったので、ユリーカの腹部にリクはぶつけた、そして一気に『雷神愚』を放出した、すると大量の雷の元素が出た、ユリーカは『うぐぐ……っ』と呻き声を上げながら耐えていく、そして『雷神愚ショット』を放ち終わる。
「ハァ……ハァ……」
あまりにも大量の『雷神愚』を放った所為で、リクは額から大粒の汗が流れる、リクは目の前にユリーカを見る、するとユリーカも顔から大粒の汗が流れていた、二人共顔や額から大粒の汗が流れていた、そしてユリーカがリクに対し、言葉を発した。
「うー……案外効くなぁ、雷の攻撃は……あまり受けた事がなかったからなぁ、『気』を纏わずに受けたのは初めてだな……それにしても『気』を纏わずに雷の攻撃を受けるとこんなにも痛いのか……初めて実感したな」
そう言って、ユリーカはその場でへたり込んだ、リクも今迄に一回で大量に『雷神愚』を放った事は無かった、なので、少し疲れて、その場で尻餅をつく様に座った。
「こっちも……少し疲れたぜ……」
そう言って、リクは深呼吸する、それにしても何時コウが見つかるのだろう?そう思いながらリクは息を整える──ユリーカもリクと同じ様に息を整える──

「ふーむ、中々見付からない、三人共何処に行ったんだろう?」
そう呟きながらリーナが周りを見回しながらリク、D、ユリーカの三人を探す、とりあえず、三人の内、誰でも良いから見付かれば良いなぁ、と思いながら前に進んでいると、飲み物を飲んでいるリクとユリーカを発見し、リーナは見つかって安心した。
「よかったぁ……!」
そう呟いて、リーナはリク、ユリーカの二人組に合流しようとする、するとユリーカがリーナの存在を感じ取った。
「おっ、何だリーナじゃないか、どうしたんだ?」
ユリーカがリーナに向かってそう言うと、リクは不思議そうな顔をしながらリーナに声を掛けた。
「おう、どうしたんだ?そんなに急いで?」
リクがそう言うと、リーナはリクとユリーカに説明する。
「あのね!あのね!コウが待っているよ!場所は闘技場!」
リーナがそう言うと、ユリーカは驚いた。
「えっ!?闘技場!?何でそんな場所で……とりあえず、闘技場に行くか、リーナとリクはどうする?闘技場に行くか?」
ユリーカがそう言うと、リクは力強く頷く、そしてリーナも頷いた、二人の行動に対し、ユリーカは大きく息を吸って、二人に言う。
「それなら早く急ごう!コウ君を待たせちゃいけないからね!」
そう言ってユリーカは走って闘技場へと向かった、リクも走って追いかける、リーナは飛んで追いかけた──

「…………」
無言のまま深呼吸して、ユリーカを待つコウ、すると『待たせたな!』と言って、ユリーカが闘技場に現れる、そんなユリーカの後ろにはリーナとリクが居た。
「おう、来たか……さぁ、真の決勝戦を決めようぜ?」
コウがユリーカに対し、そう言うと、ユリーカは不思議そうな声でコウに言う。
「なぁ、何でコウ君は『闘技場を選んだ』の?それが聞きたいね?他にも戦う場所はあるのに……?」
「そんなの簡単だ、『この闘技場で決勝戦をした』からだ、だけどあの時のユリーカは人格が操られていた、つまり『本当の決勝戦』ではなかったんだ!だから俺は此処を選んだんだ、『真の決勝戦』を行う為に!」
ユリーカの言葉に対し、コウは淡々と答える、そしてコウが闘技場の舞台に立ってユリーカに叫ぶ。
「さぁ!此処で『真の決勝戦』を行おうじゃないか!『真の決勝戦』を開始しよう!」
コウはそう言ってユリーカを見つめる、そんなユリーカは大きく息を吸って、ゆっくりと歩き出し、舞台に立った。
「分かったよ……コウ君の気持ちは分かった──『真の決勝戦』と言ったな?だったら私も本気を出してコウ君を倒す!」
そう言ってユリーカは両腕の拳を自分の拳でぶつける、この『真の決勝戦』、どちらが勝つかリクにもコウにもリーナにもユリーカにも分からない──

Re: セカイ戦記 ( No.215 )
日時: 2017/01/23 21:21
名前: 彩都 (ID: ???)  

「闘技場か……何時見ても広いな……」
リクはそう言って、大きな深呼吸をして、コウに近付く。
「それにしても観客は俺、リーナの二人だけじゃないか、おまけに司会者も審判も居ない……何なら俺が審判をしても良いか?リーナはあまり審判をした事が無いだろうから」
「……それもそうだな、モコやDが居れば司会や審判は出来るが、二人は居ないから、リクが審判するしかないのか……」
コウが顎に手を当て考えるとリーナが手を上げて大声で叫ぶ。
「はーい、はーい!それじゃあ私は司会をやるよ!」
「そうか、有難うリーナ……よし、これで良いんじゃないか?お膳立てと言うか何と言うか、準備は出来ただろうし──それじゃあ戦おうか、『真の決勝戦』を開始しよう!」
リーナの言葉に反応して、許可を出すコウ、コウは舞台で少し準備運動をして、ユリーカに合図を出す。
「さぁ、俺はもう戦える、ユリーカ、お前は?」
「私も一応は解(ほぐ)してきた、何時でも戦えるぜ?」
ユリーカがそう言うとコウは頷いて、深呼吸をする。
「そうか、それでも今来たばっかなんだ、少しは体を解しておいた方が良いと思うぜ?」
「……それもそうだな、分かったよ、少し控え室で体を解してくる」
ユリーカはコウの言葉に甘えて、控え室で体を解す事にした、そしてユリーカは控え室に向かった──

「さぁ、少しの間だけだが、待つ事にしよう」
コウは舞台の上で座って、そう呟く、そんな言葉に対し、舞台の上に立つリクはコウに言う。
「それにしてもこんな大掛かりのセットをよく用意出来たな、こんな短期間でさ?」
「まぁな、闘技場の主催者と司会者に話を合わせてきた、そしたら、『優勝様の言葉は絶対です、その日は何も開催も使用もしません』て言ってきてさ、少し焦ったね、優勝者ってそこ迄偉いのかなぁって思ったよ……後、闘技場の所有者にも話をしに行ってさぁ、今日の事を話したらさぁ、『自由に使っても良いよ、どうせ使用されないと何れは闘技場だって朽ちていく』って言ってさ、何とか今日一日使える様になったんだよな」
リクがそう言うと、コウは事細かにリクに説明する、すると舞台の外で、木の棒をマイク代わりにしていたリーナが宙に浮いて、コウとリクの方に近付いてくる。
「どうしたんだよリーナ?」
「うーん、やっぱりマイクが良いなぁって……だけど気前よく近くに置いていないよねぇ……」
宙に浮いていたリーナに対し、コウが声を掛けた、するとリーナは少ししょんぼりしながらコウに言う、そんなリーナに対し、リクが言う。
「仕方無いだろ、自分の声で頑張るしかないだろう?それともマイクを誰かから借りに行くか……」
「た、確かにそうだけど、自分の声で潰れる迄頑張るしかないよなぁ、簡単にマイクを貸してくれる存在何かいなさそうだし……リーナ、諦めるしかないぜ?」
リクの言葉にコウの言葉が続く、二人の言葉でリーナは心の中で何かが決壊する感覚を覚える、そしてリーナは叫んで言葉を発す。
「あ゛ぁ゛ーーー!もう分かったよ!この声、地声で頑張ってやんよ!喉なんか潰す!壊れる迄喋り通してやる!」
うがー!おがー!と叫ぶリーナ、そんなリーナに対し、リクとコウは独り言の様に言った。
「なぁ……アレは暴走じゃないのか?」
「流石にアレは暴走じゃねぇよ……社会への憤怒だろ……」
「それは無いだろ、流石に暴走だ」
「そ、そうか……」
リクの言葉に対し、コウは折れる事にした、とりあえず、ユリーカはまだかなぁ?と思うコウ、コウは上空を見上げる、空は雲一つ無い快晴だった──

「…………」
ユリーカは自分の右手に『気』を溜めて考える、もしも、もしもだ、一気に右手に『気』を溜めて、コウ君に攻撃して、一気に右手から自分の体に『気』を一瞬で纏う事は可能だろうか?つまり右手に100の『気』を纏ってコウ君に攻撃、そして瞬時に体中に10の『気』を纏う、と言う事だ、試した事は無いし、試そうとも思った事は無いが、急に考えてしまった、何故なら、一応コウは優勝者だからだ、一筋縄、二筋縄ではいかない相手である、そんな相手に二重三重も考えを巡らせるのが、一流の戦闘家と言う者だ。
だが試した事も無いのに、試そうだなんて、馬鹿げていると思う、だって『試した事も無いのだから成功する筈も無い』、という考えが頭の中で過ぎる、だが、『試した事が無いからこそ試したくなる』、と言うのもまた事実、とりあえず、『気』の移動だけを練習すれば良いか、そう思い、一気に『気』を発動して、右手にかき集める、とりあえず、今の段階で『ほぼほぼ100』か、そう考え、一気に体に『気』を纏おうとする、すると右腕全体を纏って、『気』は九割右腕から離れてしまった、残っているのは少しの残りカスの『気』だけであった。
ユリーカは思う、『気』を、『一つの場所に集める事は出来るが、逆に集めた『気』を再び纏おうとする事は不可能』と言う事に──ユリーカは大きな溜息を吐いて、諦めた。
一箇所に集めた『気』はその場限りになってしまうのか、と考える。
それなら仕方無い、何回も集めては使用するだけだ、ユリーカはそう考えて、舞台へと急いだ。

「やぁ、少し遅れた」
ユリーカはそう言って、舞台に上がって、コウに謝る、だがコウは腕を組んだまま答える。
「別に待ってはいないぜ、仕方無いもんな、体を温める事は」
「そうだな……それじゃあリク、戦闘開始の合図を出してくれるか?」
舞台の外でリクは二人を見ていた、リクはユリーカに呼ばれて少し驚く。
「お、おう……」
「遂に戦うのか……楽しみだぜ」
リクの言葉の後にコウが言う、コウの言葉にユリーカは返答する。
「そうか……私も本気で行く、『気』も使う、だからコウ君も全力で来て欲しいんだ、いいよね?」
「あぁ、良いぜ、本気の『真の決勝戦』だもんな、お互い悔いの無い戦いをしようぜ!」
「うん!」
ユリーカの言葉に強く頷くコウ、そしてリクが声を上げて言う。
「それじゃあ、コウVSユリーカ、『真の決勝戦』……試合開始!」
リクがそう言った瞬間、二人は一気に動き出した──この『真の決勝戦』、どちらが勝つか、誰にも分からない──


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