複雑・ファジー小説
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- セカイ戦記
- 日時: 2016/05/17 18:57
- 名前: 彩都 (ID: lKhy8GBa)
ーーぼくは戦うーーこの汚れたセカイとーー
二作目の投稿です。
初めての方も知っている方も初めまして、彩都と申します。
気長に投稿します。
今回は歴史ファンタジー…かも…
という事で宜しく
登場人物
今作は先にキャラ紹介をさせていただきます。
主人公
トゥダ・リク 男
このセカイは名前に意味は無く、名字・名前や逆に名前・名字は無く、名字・名字、名前・名前となっている。
リクは名前・名前。
リーナ・ユリ 女
名前・名前。
妖精で回復の魔法を使う。
リクの仲間。
リヴェレット・モコ 女
名前・名前。
攻撃系の魔法を使う。
ユリは貧乳だが、モコは巨乳。
何時も箒に乗っている。
ショウ・コウ 男
名前・名前。
肉弾戦が得意な仲間。
魔法では倒せない存在には肉弾戦が良いとされている。
ジェネレッド・D 男
?・?
リクの仲間だが何者かは知らない。
敵かもしれない。
Dは物語の中心に近い。
サルウ°ァ・ティル 女
名前・名前。
名前の言い方は秘密。
大きな剣、真剣簪(かんざし)を使う。
大きさは約三メートル。
サワラビ・ユウ
名字・名前。
遙か遠く、キョクトウのニホンの人間。
彼も何者かは分かってない。
何時も一人で行動している。
薙刀の師範代を務めている。
μ
記号。
名前を持たず、施設で使われていた記号を使っている。
戦闘力は圧倒的に強いが、カロリーが切れるとすぐ戦闘不能になる。
白いジャージに白い肌、髪は無く、オールバックの様な角を生やしている。
用語解説
魔法
魔法は体内に眠る魔力を燃焼させて、魔法を扱う。
キンキなる魔法も存在する。
キンキなる魔法は使うと死んだり、植物人間になったりする。
存在
セカイ戦記における敵。
魔法で倒せる奴や肉弾戦でしか倒せない者もいる。
肉体の一部分が膨らんでいたりと『異形』の存在。
ゾンビの様に意志は持たず、人間を襲う。
セカイ
混沌としている。
その混沌のせいで存在が出来たと言われている。
舞台的に言えば、『北斗の拳』の世紀末ワールドに近いです。
存在が色んな所でばっこしている。
妖精
見える者もいれば見えない者もいる。
リク達のメンバーは見える奴が多い。
見えない者は眼鏡を使ったりする。
だが、眼鏡も法外な値段が多い。
傷の手当や回復が得意。
回復は魔法に当たるので、妖精は無意識に魔法を使っている事になる。
『リク…貴方は希望の仔…貴方は奇跡の仔…貴方は私と**の仔…お母さんが居なくても頑張るのよ…』
「お母さん!!」
そう言って、母さんは燃え盛るセカイから、燃えた。
跡形もなく、消えた。
セカイ戦記 序章 、『運命』の仔
俺はトゥダ・リク。
男、十六歳。
《ヤツラ》を始末する者。
《ヤツラ》とは、前々からこのセカイに現れた敵だ。
コイツ等のせいで俺は母を亡くした。
俺はコイツ等を駆逐する為に仲間を探している。
俺は仲間探しの為に故郷を捨てた。
そして俺は前へ一歩、踏み出した。
少し歩いて着いたのは、妖精の世界、フェアリアだ。
そこで俺は水浴びをしているビキニの女性を見つけた。
「おーい!妖精王に会いたい!道案内してくれ!」
ビキニの女性は羽を生やしてこちらに来た。
どうやら妖精らしいが、背は俺の胴体位だろう。
「貴方、妖精王に会いたいの?今は会えないわ、会うの止めたら?」
「俺は《ヤツラ》を駆逐する為に妖精王に力を借りに来たんだ、止める事は出来ない」
「分かったわ、じゃあ貴方の仲間になるから会うのは止めてくれない?回復も出来るから旅には最適よ」
「良いのか?」
「良いわよ、私の名前はリーナ・ユリ、宜しく」
「俺はリク、宜しく」
こうして、人間、リクと妖精、リーナの出会いだった。
「なぁ、リーナ、この水は人間でも飲めるのか?」
そう言って、リーナが浸かっていた水を一掬い、口に近づける。
「ダメッ!!!!!」
リーナの止めは既に遅し、もう口に含んで、喉を鳴らした後だった。
「ん?どうした?リーナの汗が入っているから、飲むなってか?大丈夫だろ…」
リーナは言う。
「いや、そうじゃなくて…人間は此処の水飲むと、人間には毒だからって…」
そう言うのと同じくして、リクは気絶する。
「リクッ!?」
リーナはビキニのまま、、リクを長老の所へ連れていった。
「んー、ユリ…」
長老は重い口を開いた。
・・・・・・・・・・・・
「こやつには毒その物が無い…これはどういう事じゃ?」
「えっ…?」
リーナは驚いた。
人間で泉の水を飲んだのは大抵、必ず死ぬ、最悪死ななくても毒の後遺症が残るのに…。
リーナにとって、この事は不思議で不思議で意味が分からなかった。
すると、リクが目覚めた。
「う…うーん…此処は…何処だ…?」
リクはすぐさま、リーナを見つけた。
「リーナ!此処は何処だ!?俺は何故此処に!?」
リクは慌てて周りを見やる。
「落ち着くのじゃ、少年」
と、長老が止める。
長老は、リクが倒れて此処に来た事、此処は妖精の村と長老である事を話した。
「全く信じられん話だが、俺が記憶を覚えていないんだ、リーナ有難う」
「良いよ、リクって見た目に反して軽いんだもん」
そういうリーナに驚くリク。
「お前さん知らんのか?妖精は小柄だが怪力だぞ?」
その事を聞いて驚く。
妖精は力が凄いんだ…。
リクは新たに情報を頭に叩き込んで、立ち上がる。
「良し、行くか」
長老はリクがすぐ立ち上がった事と同時に驚くが、どこかへ行く事にも驚く。
「待て、お前さん、今から何処へ行くのじゃ?」
長老が聞くと、すぐさま言った。
「隣町だよ」
「隣町には《ヤツラ》が要るのじゃぞ!!」
長老は止める。
それに対しリクは。
「大丈夫だよ、そいつ等は始末屋であるこの俺に任せな!
」
そう言う台詞に驚く長老。
まさか、《ヤツラ》を倒す力を持っているのか…。
そう思っていると、二人は出発していた。
長老の声は空しくも聞こえなくなった。
こうして、傷が回復したリクとリーナは旅を開始するのだった。
次の町は何処へ行くのか…それは誰も分からない…
序章終了 第一章へ続く…
セカイ戦記 第一章 運命の仔の戦闘
妖精の世界、フェアリアの隣、戦争の世界、バトランゲージは存続の危機に瀕していた。
バトル王宮最上階国王の部屋。
「ひいぃぃ!!まっ待て!話せば分かる!金ならたんまり有る!だから見逃してくれぇ!」
「…………」
バトランゲージ国王、マイルは謎の生命体と話していた。
生命体は体を包帯で巻かれている者やジリジリと追い詰める者も居た。
ただ、生命体には共通点が幾らか有った。
一つ目は全員、肌が腐敗した色になっていた、具体的に灰色。
二つ目は口を大きく広げ、涎を垂らしている事。
そして三つ目は…
喋らない事だ…
何故喋らないのか、各国で議論されるが、喉が使い物にならないが妥当とされてきた。
生命体の過去の姿は、人間だった。
数十年、数百年経っても、この生命体は存在してきた。
そして生命体はゾンビの様に感染する。
今もそんな生命体から避、難する人間の中に反旗を翻す存在も居た。
その名は『退治者』と呼ばれる事になった。
その人物は生命体を倒す程の力を持っていた。
そんなリクも『退治者』の一人だ。
そして『退治者』達は、生命体に名を付ける事にしたのだ。
その名は《ヤツラ》となったのだ。
※小説のレスを消さないで下さい。
消しても無駄なので。
何か気に食わないなら、書き込めば良いじゃないですか、何でそんな事が出来ないんですか?
他人様の小説を消して、ナニが満足ですか?
彩都の小説のレスを消す事に何の意味があるんですか?
出来ればそれを書き込めば、彩都も納得します、なので、消さないで下さい。
困るのはこの小説を読む読者様なので。
コピペしていますから、消しても無駄ですよ?
- Re: セカイ戦記 ( No.159 )
- 日時: 2016/07/11 21:13
- 名前: 彩都 (ID: 5TWPLANd)
「あ……あっ……あっ!!ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
絶叫、咆哮、大声、大絶叫、大大大大大大大大大大絶叫!ユリーカに流れるのは負の感情、絶望、阿鼻叫喚だった。
何なんだ、この感覚は!?──簡単だ、ユリーカ、君自身の何時も思っている『感情』だよ──
と、異質な存在が体の中から言う、これが私の何時も感じている感情!?
ユリーカは自分の感情に怯えながら頭を抱える、何なんだよ!?私はどうなるんだ!?
──さっさと私と一つになれば、こんな感情おさらばだよ?どうする?──
異質な存在の甘い言葉に少し体を向けるユリーカ。
それは本当か?──あぁ、本当だ、だから私を受け入れな──
そう言いながら異質な存在は心の中のまだ正常なユリーカを飲み込んだ──そしてユリーカはいきなり立ち上がる。
「あっっっ……はぁ──」
その瞬間、カラードは戸惑う。
「えっ?何で?何でだよ!?この『クロ』の効果は『負の感情に飲み込まれて自殺』するって効果なのに!?」
すると飲み込まれたユリーカはカラードに深々と右腕を折り込んで、礼をする、宛(さなが)らホストクラブの案内人の様に。
「いやぁ、有難うね──『負の感情を表に出した』からこそ、君は負けるんだ」
そう言いながらユリーカは『気』を発動する、だがその『気』は黒かった、まるで闇に飲み込まれたかの様に──
そしてもう一つ不思議な点があった、それは『発動している『気』の型が違う』事だった──今発動している『気』の型は『絶無型』だった──どういう事だ……!?カラードは不思議がる。
コイツは何かしらの能力を一個しか発動していない、そしてオレはそれを封じた筈だ──なのに、何故発動出来るんだ?
そう考えていると、いきなり顔面が殴られる──何も無い所から拳が現れてカラードは驚く。
くそ……強くなってやがる──失敗したかなぁ?そう思いながら起き上がる、その瞬間、目の前にユリーカが現れる、そしてユリーカは言う。
「お前、相当私にイイコトしてくれたなぁ、嬉しいぜ?何だか力が湧いている気分だ……」
「ひ、ヒィッ!もうダメだ、オレの負けだぁ……」
「そうだなぁ、お前の負けだなぁ、だから私の『気』で負けな!」
ユリーカはカラードの首根っこを掴んで、カラードの目の前に異空間を作る、そしてその異空間にカラードを投げ込む、そしてユリーカはその異空間に移動する。
「何なんだよ、此処は!?」
「此処? 此処は私が創り上げた空間さ、お前が影を出してくれたお陰で新しい力に目覚めたんだ──感謝するよ」
ユリーカはそう言いながら、目の前にカラードを置く、そして腹部にアッパーを放つ。
「!?」
腹部に前のアッパーより重い一撃が放たれる──だが胃液は出ない様胃から離れた場所に拳が入る──何なんだよ、コイツに『クロ』は失敗だったって言うのかよ!?
そしてその瞬間、前髪を掴まれる。
「やっぱり、お前って口だけで中身は弱いんだな、『絵の具を使う時間が無かったら』、お前、弱いもん」
「う……うっせぇ!俺は絵の具を使って戦う存在なんだ!絵の具が無いと弱いや!」
半ギレでユリーカに反抗するカラードはニコニコと笑うユリーカの顔面に唾を飛ばす。
「へんっ!お前なんか絵の具さえあれば──」
刹那、一瞬でユリーカは『千闘型』に変更して、カラードの頭部を吹き飛ばす。
オレ……死んだ──そういや闘技場のルールで『殺したら退場』だったよなぁ!?だからユリーカ、お前は退場だああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
だが、自分の目の前にはユリーカが居た、えっ?普通首が吹っ飛んだら、『自分の体とユリーカの姿が確認出来る』筈だろう?どういう事だ!?
するとユリーカは言った。
「──成功したか……いやぁ、実はなぁ、『気』で錯覚させただけなんだ」
それを聞いてカラードは一言言った。
「お前は何を言っているんだ? 『気』?何だそれは?錯覚?」
するとユリーカハッとしてからカラードに言った。
「『気』というのはニンゲンしか使えない物なんだけれど──えーと、だーかーらー!簡単に言えば、『お前が首が吹っ飛んだ』と錯覚させただけなんだよ、だからお前は『首も吹っ飛んでいなければ死んでもいない』って事だ、これで分かったか?」
カラードは少し焦りながら、言った。
「つまり……俺はお前の錯覚に引っ掛かったって事か?」
そう言うとユリーカは笑った。
「そうだ♪」
その瞬間、何時もの闘技場に戻ってくる、そしてユリーカは言った。
「もう、お前の負けで良いよな?」
そう言って、ユリーカはカラードの頭に鉄槌打ちを放つ、勿論『千闘型』で右手を纏わせて、だ。
そしてカラードは気絶する。
「勝ったぜ?」
司会者がユリーカの言葉を聞いて、確認する、気絶していた。
「何とも不思議な試合でしたが、最後はユリーカ選手の勝利です!そして一回戦は終了!次は準決勝です!」
準決勝、そう聞こえた瞬間、異質な存在はユリーカから離れる、そしてユリーカは気付く、何時の間にか戦いが終わってるではないか、どうしてだ?そう思いながら闘技場を出た、大会の終了を不思議に感じながら──
そして時間が過ぎ、橋の下で蹲(うずくま)る──未だに昼の闘技場の事を思い出しても、怖い、『あれ』は何だったんだ!?そう考えながら此処に居ても仕方無いので、寮に帰る事にした──
残るメンバーはコウ、D、セルド、ユリーカの四人だ──どれが勝つかは分からない──
- Re: セカイ戦記 ( No.160 )
- 日時: 2016/07/14 21:03
- 名前: 彩都 (ID: jWLR8WQp)
翌日、セルドは椅子に座りながら、紅茶を飲みながら考える。
(まずユリーカを倒してDが負けたら、俺は念願の敵、コウと戦える、だがDも中々の強敵だ、おまけにユリーカも強い、一応このセカイ最強の女戦士でもある──果たしてコウも勝ち、俺が勝つ、と言う運命になるかどうかは分からない、それでも俺は全力を尽くさなければならない──さぁ今日も頑張ろう──)
そう思いながら紅茶を一気飲みして、椅子から一気に立ち上がり、闘技場迄走った──目指すは優勝だ──
ベッドから起き上がって、Dは大きな欠伸をする──そしてDは寝惚けた脳味噌で考える、今日、一回、明日一回勝てば優勝か──まぁ、ユリーカが勝ってしまうだろうが──
そう考えながらもう一度欠伸をする──そういうや、一回戦の時のトゥダ・リクの仲間、ショウ・コウとか言う奴が俺の対戦相手だったなぁ、コイツも弱そうなんだよなぁ。
そう思いながら立ち上がって、頭を梳かす、そして水を一気に飲む、さぁ、完全に目覚めた、今回こそは優勝する、そう思いながらDは服を着て、外に出る──目指すは優勝だ──
「ねぇ、起きてよー?もう朝だよー?」
可愛い声──リーナの声だ──で目覚めるコウは目惚け眼で目覚める、そして洗面台に立って、歯磨きをする、口の中がすっきりする、そして水を張った洗面台に手で水を掬い、顔面に当てる、冷たい……そう思いながら目もすっきりする、次に椅子に座って、口に食べ物を突っ込む──カルチーという硬いパンにクッキーを挟んだ食べ物だ、これを食べると、あまりの硬さで目が覚める、そして歯応えもあるので完全に目覚める、朝にはもってこいの食べ物だ、因みにリーナが作った朝食である──そして寝惚け眼から目覚めた眼になる。
「ん……何とか目覚めたなぁ──後はミルク飲んで終了──」
声は起きたての声だが、意識はあるので大丈夫だ──そしてコウはリーナに聞く。
「そういやリーナ、コウの容体は……?」
訝しげにリーナに聞くコウ、すると俯きながらリーナは黙る。
「…………」
「苦しくなるなら言わなくても良いぞ……?」
空気を読んで咄嗟に助け舟を出すが、リーナはそれを聞かずに言う。
「……結構重症だって──モコと同じ場所に治療してもらってる──だから何時でも看れるよ……」
「そうか……」
そう言いながらコウは椅子から立ち上がる、そして服を着る。
「さっさと優勝して、リクやモコを救おう!なっ!リーナ!」
コウは肩に服を引っ掛けながら外に出る、リーナは今の今迄コウが優勝出来るか不安だったが、笑顔で自分の名前を呼んだので、少し安心した。
目指すのはモコの為に優勝する事、それ以外に優勝する意味は無かった──
昨日は怖かった、だけれど今は違う、今は意識がある!今回は何も出さない!影も何もかも!
そう思いながらユリーカは正拳突きを放つ、ユリーカの太股程の太さの木の枝が簡単に折れる、汗を掻いたユリーカはシャワー室に行って、シャワーを浴びる事にする──
そしてシャワーを頭に当てながら考える。
「私は勝てるのか……?昨日の変な影を出さずに……?こんな影を出したのは完全に昨日の対戦相手カラードの所為だ──コイツに話を聞かない──この影の消滅をしなくては──さぁ、今日、戦った後、話を聞きに行くか……」
そう言いながら、シャワー室を出る、タオルで体を拭いて、服を着る、そして闘技場迄向かった──目指すは優勝だ──そう思いながらユリーカは太陽の光を浴びる──
そして闘技場に四人の男女が集まる。
ショウ・コウ、ジェネレット・D、セルド・バルムンク、ユリーカ・アトランザム、闘技場の準決勝進出者四人が闘技場の入口の前に集まる──ピリピリと四人の目から火花が散る中、声を出す物が居た、それはDだった。
「……その前に入ろうぜ?闘技場に──此処で溜まるのもどうかと思うぜ?」
それに続きユリーカが言う。
「確かに、Dの言う通りだ、さぁ、中に入ろうぜ?」
「それもそうだな──ショウ・コウ、俺はお前と戦う、だから勝ち上がってこい」
ユリーカに続きセルドも言う、そして最後にコウが言った。
「ん?俺はどんな相手にでも勝って、勝ち上がるぜ?お前が決勝戦の相手でも勝手に倒す、そして優勝して俺の仲間を救う」
「……?仲間……?お前は呑気だな、何が仲間だ、仲間等いるだけ煩く小賢しい者じゃないか──」
セルドがそう言った瞬間、コウはセルドの胸倉を掴む、そして怒気が篭る声で言う。
「俺の仲間を貶したら俺が怒るぞ、クソが──俺に勝ったら貶しても良いが、俺を貶した瞬間、リクやモコがてめぇを倒すぞ?」
コウの怒りにセルドは笑いながら言う。
「アハハッ!あぁ、言ってやるよ、俺が勝ったらなぁ!それ迄待ってておけよ……俺がショウ・コウ、貴様を潰す!」
そう言いながらセルドは闘技場内へと入る──闘技場に入っていないのはショウ・コウ、ただ一人だった──
そして運命の準決勝が始まる──ショウ・コウ、ジェネレット・D、セルド・バルムンク、ユリーカ・アトランザム、その四人の内、誰が勝って、決勝を行うか──それは誰にも分からない──
- Re: セカイ戦記 ( No.162 )
- 日時: 2016/07/21 20:26
- 名前: 彩都 (ID: Slxlk2Pz)
「ショウ・コウ……これが俺の力だ──お前はこの『姿』で地獄を見るだろう……」
そう言いながら湯気が晴れる、すると目の前に緑色の鱗を纏ったDが現れた。
「な……何なんだよ、その『姿』は……?」
コウがそう言うと、Dは笑いながら言った。
「これは『覚醒』という、『俺達』『半分』が許された力だよ──お前ら人間はこの力に勝てないんだよ!」
そう言って、湯気から姿を現すD、その姿にコウは動けずに攻撃を受けた。
「ぐはぁっ!?」
今迄感じた事が無い痛みがコウの体を走った、急いでコウは『防御型』の『気』をもっと分厚く纏う、結構纏っていた筈なのに、こんなに痛いとは、流石に驚きだ……
「まだまだだ!ショウ・コウ!」
そのまま空中にコウを飛ばし、空中で殴打の連続だった、コウは何とかダメージを抑える。
まだだ、俺にまだ反撃は許されている……
そう思いながらコウは右手に『気』を纏わせる、軽くボクシンググローブ大の『気』の拳が出来た。
「さぁ、反撃返す!」
コウは、緑色の鱗を持つDに攻撃を仕掛ける、『気』を纏った右手でDの胴体に殴りかかる、だがコウは驚く、緑色の鱗は硬かった!あまりにも、驚愕!あまりにも異常!
「!?かっ……硬い!」
するとDは言った。
「そりゃそうだろ?俺は『このセカイに存在しない存在』の子孫だからなぁ!強固な鱗を壊せるのは同種族程度だ!だから俺はお前に勝つ事が出来、お前は俺に勝つ事は出来ない!」
そう言って、Dはコウの空いた腹部に重い一撃を放つ──口から唾液と胃液が混ざった液体が出るが、何とか耐える。
「くそっ!……」
「何だよ?本気を出したらこれかよ?」
そう言いながらDは足でコウの頭を踏みつける。
ぐぅぅ……やっぱり、俺は……Dに勝てない……
そう思った瞬間、頭の片隅に何かの顔が思い出す、その顔はモコだった、するともう一つ思い出す、もう一つの顔はリクだった。
そうか……俺はこの二人の為に戦ってたんだっけ……でも俺は勝てなかった──だが負けたらモコもリクも救えない──それだけは厭だ!
コウは何とか頑張って、立ち上がる、そして金切り声で言う。
「俺はぁ……!勝たないといけないんだ!リクとモコの為に!」
そう言いながらコウは『攻撃型』に『気』の型を変える、これで防御は薄くなった分、攻撃力が追加された、そして今のDの攻撃力は今迄の比を越える、そう、一回のみ、この一撃で決めなければならない、もしも決める事が出来ずに耐えられたとしても、Dのスピードでコウは負けてしまう……つまり、『この一回の攻撃で勝負を決めないと、コウは負けてしまう』!!
ゴクリ、生唾を飲み込んで、コウは睨む、人間の急所である頭、鼻、鎖骨、心臓、鳩尾、股間、の縦のラインの内の一つ、鳩尾を睨んで、右手のみに『気』を溜めて集中する──これで一撃、相手の鱗の中を貫かなければ!自分の右手は貫通出来る槍、そう思いながらコウは大きく息を吸った……
「スゥゥゥゥゥ……ハァァァァ……行くぜ、多分、これが最後の一撃になったら嬉しいぜ……」
コウの言葉に不思議がるD。
「ハァ?一体何の事だ──」
その瞬間、コウの右手から放たれる一発のミサイル──基右手の拳──その攻撃をDは腹部、鳩尾で受けた。
「!?」
あまりの拳の重さにDは驚いた、あまりにも重い一撃、あまりにも軽い拳から放たれるあまりにも重い一撃にDは口から胃液を吐き出した、そしてDは吹き飛んだ。
その一瞬の隙をついてコウは『防御型』を纏う。
そしてコウはDの吹き飛んだ場所迄向かう。
「…………」
無言のままコウは煙に包まれたDを見る──
「生きているのか?」
コウが言う、するとDが言う。
「いてぇ、たったそんだけだ、今の感情は──」
そう言いながら起き上がる、そして司会者が近づく。
「あのぅー……すいませんねぇ……D選手、そこは場外で、今回から設置されたんですがね、10秒居るとそこで試合失格なんですよね、まぁ、私が何が言いたいって言いますとね、コウ選手の勝ちなんです、D選手は場外負けなんですよねぇ……」
そう言うと、Dは呆れながら声を出す。
「えっと……俺は場外に居て、時間切れでもう負けってか?」
そう言うと、司会者が頷いた──
するとDが笑った。
「アッハッハッハッハッハ!そうかそうか、俺は負けたのか……中々の威力だぜ、ショウ・コウ──負けたんだ、俺はお前らの仲間になるよ、これでいいだろ?」
そう言うと、Dが纏っていた緑色の鱗は少しずつ消えていった──少しだけ、攻撃した腹部を見る事が出来た、その腹部についていた鱗は『壊れていなかった』、罅(ひび)さえもなく、綺麗な鱗そのものだった……
そして準決勝、第二試合──
これで全てが決まる、そう、勝者になったショウ・コウとの……
「さぁ、この戦いに勝つ、それだけだ」
そう言いながら闘技場の舞台に立つセルド──目の前に俯いたユリーカが居た──
そして司会者が息を吸い込んで言う。
「それでは、セルド選手VSユリーカ選手の第二試合、それでは試合開始!」
その言葉を聞いて、セルドは動き出した、ユリーカはそのまま直立不動だった──
- Re: セカイ戦記 ( No.163 )
- 日時: 2016/07/25 20:15
- 名前: 彩都 (ID: n3KkzCZy)
「これでコウ選手と戦う最後の戦士が決まる!それでは第二試合、、セルド・バルムンク選手VSユリーカ・アトランザム選手の試合開始!」
カァン!と銅鑼の心地良い音がする、その瞬間ユリーカが動き出し、セルドの真後ろに移動していた。
「!?速い!だが、俺の振動で倒す!」
そう言った瞬間、セルドは右手から波紋を作り、ユリーカにぶつけようとする。
だが、ユリーカは謎の黒い空間を作り出し、セルドの振動をその謎の黒い空間の中で放たせる。
あまりにも異質な行動にセルドは一気に謎の黒い空間から、手を狭める。
「危ない!」
何とか、謎の黒い空間から、右手を脱出させた──それにしても何だったんだ?まるでカルマ・ゴウの様な力を出した、一体何なんだ?
そう思いながら、両手で波紋を作り出す。
「行くぞ!『空波・振動撃(くうは・しんどうげき)』!」
空中に波紋を作り出し、それをユリーカにぶつける、だがユリーカは目の前で謎の黒い空間を作り出す、サイズは最初に出した謎の黒い空間より、大きかった。
「何なんだよ、この空間はよっ!」
そう言いながら、両手に波紋を纏わせ、反撃準備をする。
すると遂にユリーカが声を出した。
「あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
いきなりの怒声でセルドは気を緩んでしまい、両手の波動を解除してしまう。
「いっ!いきなり何だよ、お前は!驚いたじゃねぇか!」
あまりの怒声でキレたセルドは試合そっちのけでユリーカに近付く。
そしてユリーカの左手を掴んだ、その瞬間、冷たい声がセルドの耳を包んだ。
「離せよ、弱者が」
その言葉を聞いた瞬間、ぷっつん、と頭の血管が切れた様な感覚がセルドの体を巡った、そして何時の間にか、セルドはユリーカの頬を叩いていた。
「てめぇ……単純に胸がでかくて、態度もでけぇ、俺はそんな力が無い女が嫌いなんだ、特にお前みたいななぁ!」
セルドは全力の波紋を使って、ユリーカの左頬を殴る、そしてユリーカは吹っ飛んだ、いとも簡単に、ユリーカの体は回転しながら、場外の壁にぶつかる。
「やっぱり、あまり強くなかったな──」
その刹那、ドガンッ!と大きな音がした、流石に場外の壁が壊れたか、自分の力は怖いなぁ、そう思いながらユリーカがぶつかった壁に振り向いた──
「……!?」
セルドは瞳孔を見開いた、それもそうなのだ、何故なら、『自分の背後にユリーカがいた』からだ、一体何が起きた?まさかあの爆発の様な音は『ユリーカの脚力が齎(もたら)した音』だったというのか!?
それを考えると、ヤバい!脚力だけで、音を鳴らせるという事は簡単に足で俺を倒す事が出来る、という事!
そして真後ろにはその脚力を持つユリーカが居る──まだだ!俺には四肢がある、まだ五体満足だ!勝てる!考えろ!考えれば俺は勝てるんだ、さぁ、次の一手を考えろ!
だが体が動かない、それは何故だ?それは簡単だ、『自分の胴体が穴を作っていた』からだ──はぁ?何が起きた?いや、そうじゃない!『ユリーカが俺の体に謎の空間を作り上げ、胴体の動きを制御』しただけか!
セルドは混乱している、そしてユリーカが言った。
「動けない、つまり私がこの空間を止めない限り、動けない──これで終わりだぜ?女を舐めるなよ?」
そう言った瞬間、胴体の空間は消える、よし、動けるとセルドが思った瞬間、自分は何故か壁にぶつかっていた、この壁は場外……
「あーあ……つまんないなぁ……あっさり決着が着いちゃった──」
そう言いながら、壁にぶつかって、地面に突っ伏しているセルドの頭を踏むユリーカ。
何で俺は踏まれている?そして何で体が動かない?衝撃が強過ぎたから体が反応していない?それが通るなら、体の節々が痛いのはどうしてだ?そんなの……本能が分かる、『体の骨が骨折している』からだ──一瞬の間でユリーカ、君は何をしたんだ?
「あれぇ?もしかして私がした事分からない?そんなの簡単だよぅ?普通に速いスピードでセルド、君の体の骨を砕いただけさ、まぁ普通に呼吸しているので生きているよ、安心して?」
そう言いながら、足を退ける、そしてユリーカは言う。
「良かったね、もしも場外負けしなかったら、死んでいたよ?」
そう言うと司会者が現れる。
「えーと、コウ選手の戦いを見て、分かると思いますが、セルド選手の存在している場所は場外でして──」
「分かっているよ?でも声帯も一緒に潰してしまったから、喋れないよ?」
「あぁ、そうなんですか、それでは勝者ユリーカ選手!そして決勝戦!決勝戦はショウ・コウ選手VSユリーカ・アトランザム選手です!」
司会者がそう言うと、一気に歓声が大きくなる、そしてコウは喜ぶ、遂に決勝、これに勝てば、モコを救える!そう思いながらコウは気を引き締める──
「ふぅ……遂にコウ君と勝負かぁ……楽しみだなぁ──コウ君はどんな声で鳴くんだろう?アハハハハハ……」
ユリーカは夜道、一人で笑いながら寮に戻った──決勝戦は二日後──コウとユリーカ、どちらが勝つか、分からない──
- Re: セカイ戦記 ( No.164 )
- 日時: 2016/07/28 22:13
- 名前: 彩都 (ID: exZtdiuL)
翌日──
ユリーカは一人で、色々な病院を彷徨っていた、探しているのは、本選一戦目で戦ったカラード・レナスだ、一体アイツは私の体に何をしたか、まだ何も聞いていなかった。
そして八件目でカラードは見付かった。
そして寝込んでいるカラードを胸倉を持って、殴って起こす。
「おいこら、てめぇ、私の体に何をしたか、まだ何も聞いていないんだ、一体お前は私の体に何をしたんだ?」
言っても、気付かない、まさか気を失ったのか?そう思いながらユリーカは殴って起こす。
「いてぇっての……オレは病人だぞ……?……って、ユリーカ、お前か!オレに一体何の用なんだ!?」
暴れながら胸倉を離そうとするカラードに対し、ユリーカは頭突きをして、落ち着かせる。
「てめぇは私の体に黒い絵の具を塗った、そしてその所為で何かが可笑しい、一体何なんだ、話せば許してやらん事も無い」
「許されない運命か?」
「お前の情報力次第でだな」
「…………」
「無言すんじゃねぇ!」
そう言って、ユリーカはもう一発、カラードの頬を殴った──
「……オレの力、『クロ』──つまり絵の具の黒色だな──の効果は『負の感情に飲み込まれて自殺』する、という力なんだが、どうもユリーカ、君にかけたのと、僕が思っていた力は違う様だねぇ、大まかに言えば、君とその『負の感情は君と合致』してしまった、それは凄い偶然でね?普通は負の感情を受け入れると、肉体が崩壊して、自殺してしまうんだ、だけれど君の負の感情は『黒い人格となって、君の人格となった』、のかもしれない──生憎オレもよく分からないんだよねぇ、だからその負の感情に付き合いたくなったら、死ぬしかないんだけどどどどどどど!?」
ユリーカはカラードの説明中に両手の拳でカラードのこめかみをぐりぐりと回す。
「痛い痛い痛い痛い痛い痛いぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
「元はといえば、お前が悪いんだろ?だったら、お前に治す役目はある、白色の絵の具で消せないのか?」
ユリーカが聞くと、カラードは言った。
「『シロ』は用途が違うから無理だな、『シロ』は『相手の付与された効果を打ち消す』力で、オレに使用すると、『聖なる力でオレに対しての攻撃を無効化する』力なんだよ、だからお前が死なない限りはその負の感情は消えなななななななななな!痛いって!だから死ぬしかないんだよ、お前の負の感情を露わにしない為には!」
頭をグリグリして、痛がるカラード、つまり私は死ぬしかないのか?
そう思うと、イライラが募る、もっと戦いたい、もっと強くなりたい!もっともっともっと!!
するとカラードは溜息混じりに言った。
「オレでは対処出来ないから、もう諦めるんだな、という事で、もう帰ってくれ、お前が負の感情に飲み込まれた時に大きな攻撃を受けて、体が大ダメージを受けているんだ、もう少し安静にしないと、リハビリが大変だ──お前が顔面殴った所為で、もっと安静にしなければならなくなったけどな……」
カラードはそう言って、布団の中へ潜る、ユリーカは仕方無く、病室を出る、そしてまたカラードの病室に戻ってくるユリーカ。
「やっぱ腹立つから、一発殴って帰るか」
そう言って、ユリーカはカラードの頭を一発殴った。
「いてっ!」
そう言いながら頭を摩(さす)るカラードだった──
そしてコウの所では──
「明日の決勝戦頑張ってね?全てはコウに掛かってるんだからね!」
リーナがそう言いながらコウを元気付ける。
そしてコウが言う。
「あぁ、分かってるぜ、リクの無念、モコの怪我の為に、俺は絶対に優勝するんだ!」
そう言いながらいきなり立ち上がる。
そしてコウはリーナに向かって言う。
「少し歩いてくるぜ、特訓出来るかもしれないからな」
そう言って、部屋の扉を開ける。
「頑張ってね……コウ──!」
リーナは小さな声でコウを応援した──
「……とは言っても、そもそもやる事が無いんだよなぁ、特訓は結構しているし、『気』だって、結構操れる様になったしなぁ……少しこのセカイを回って、寮に戻るか──」
コウは少し深呼吸をしてから少し走った──
数時間後──
「よし、『走る』という特訓は出来たかな……?とりあえず風呂に入って、寝よう、明日に備えないとな──」
そう思いながら自分の寮に入って、服を脱いで、風呂場に入る。
そしてシャワーを浴びて、体を拭いて、ベットにダイブする。
ふかふかのベッドに包まれながらコウは居眠った──
そして翌日、決勝戦──
コウは起きて、座る。
すると目の前にリーナが居た。
「……漸く起きたね?ずっと待ってた、起こさないのは、可愛い寝顔だったから」
そう言った瞬間、コウは顔を赤くする。
「バッ、バカ!恥ずかしいな!」
そう言いながらコウは顔を隠す。
「まぁ、まぁ、可愛い寝顔だったんだから、少しは許して?」
「俺は何を許せば良いんだよ!?」
コウがツッコミをするとリーナは笑った。
「アハハ!全くコウ君は面白いなぁ!その前に早く支度しないと闘技場に遅れるよ!」
「そうか……さぁ、急ごう」
そう言って、コウは急いで支度する、そして寮を出る──闘技場、今日の戦いで、全てが決まる──コウとユリーカ、どちらが優勝するか、それは誰も分からない──
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