複雑・ファジー小説
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- セカイ戦記
- 日時: 2016/05/17 18:57
- 名前: 彩都 (ID: lKhy8GBa)
ーーぼくは戦うーーこの汚れたセカイとーー
二作目の投稿です。
初めての方も知っている方も初めまして、彩都と申します。
気長に投稿します。
今回は歴史ファンタジー…かも…
という事で宜しく
登場人物
今作は先にキャラ紹介をさせていただきます。
主人公
トゥダ・リク 男
このセカイは名前に意味は無く、名字・名前や逆に名前・名字は無く、名字・名字、名前・名前となっている。
リクは名前・名前。
リーナ・ユリ 女
名前・名前。
妖精で回復の魔法を使う。
リクの仲間。
リヴェレット・モコ 女
名前・名前。
攻撃系の魔法を使う。
ユリは貧乳だが、モコは巨乳。
何時も箒に乗っている。
ショウ・コウ 男
名前・名前。
肉弾戦が得意な仲間。
魔法では倒せない存在には肉弾戦が良いとされている。
ジェネレッド・D 男
?・?
リクの仲間だが何者かは知らない。
敵かもしれない。
Dは物語の中心に近い。
サルウ°ァ・ティル 女
名前・名前。
名前の言い方は秘密。
大きな剣、真剣簪(かんざし)を使う。
大きさは約三メートル。
サワラビ・ユウ
名字・名前。
遙か遠く、キョクトウのニホンの人間。
彼も何者かは分かってない。
何時も一人で行動している。
薙刀の師範代を務めている。
μ
記号。
名前を持たず、施設で使われていた記号を使っている。
戦闘力は圧倒的に強いが、カロリーが切れるとすぐ戦闘不能になる。
白いジャージに白い肌、髪は無く、オールバックの様な角を生やしている。
用語解説
魔法
魔法は体内に眠る魔力を燃焼させて、魔法を扱う。
キンキなる魔法も存在する。
キンキなる魔法は使うと死んだり、植物人間になったりする。
存在
セカイ戦記における敵。
魔法で倒せる奴や肉弾戦でしか倒せない者もいる。
肉体の一部分が膨らんでいたりと『異形』の存在。
ゾンビの様に意志は持たず、人間を襲う。
セカイ
混沌としている。
その混沌のせいで存在が出来たと言われている。
舞台的に言えば、『北斗の拳』の世紀末ワールドに近いです。
存在が色んな所でばっこしている。
妖精
見える者もいれば見えない者もいる。
リク達のメンバーは見える奴が多い。
見えない者は眼鏡を使ったりする。
だが、眼鏡も法外な値段が多い。
傷の手当や回復が得意。
回復は魔法に当たるので、妖精は無意識に魔法を使っている事になる。
『リク…貴方は希望の仔…貴方は奇跡の仔…貴方は私と**の仔…お母さんが居なくても頑張るのよ…』
「お母さん!!」
そう言って、母さんは燃え盛るセカイから、燃えた。
跡形もなく、消えた。
セカイ戦記 序章 、『運命』の仔
俺はトゥダ・リク。
男、十六歳。
《ヤツラ》を始末する者。
《ヤツラ》とは、前々からこのセカイに現れた敵だ。
コイツ等のせいで俺は母を亡くした。
俺はコイツ等を駆逐する為に仲間を探している。
俺は仲間探しの為に故郷を捨てた。
そして俺は前へ一歩、踏み出した。
少し歩いて着いたのは、妖精の世界、フェアリアだ。
そこで俺は水浴びをしているビキニの女性を見つけた。
「おーい!妖精王に会いたい!道案内してくれ!」
ビキニの女性は羽を生やしてこちらに来た。
どうやら妖精らしいが、背は俺の胴体位だろう。
「貴方、妖精王に会いたいの?今は会えないわ、会うの止めたら?」
「俺は《ヤツラ》を駆逐する為に妖精王に力を借りに来たんだ、止める事は出来ない」
「分かったわ、じゃあ貴方の仲間になるから会うのは止めてくれない?回復も出来るから旅には最適よ」
「良いのか?」
「良いわよ、私の名前はリーナ・ユリ、宜しく」
「俺はリク、宜しく」
こうして、人間、リクと妖精、リーナの出会いだった。
「なぁ、リーナ、この水は人間でも飲めるのか?」
そう言って、リーナが浸かっていた水を一掬い、口に近づける。
「ダメッ!!!!!」
リーナの止めは既に遅し、もう口に含んで、喉を鳴らした後だった。
「ん?どうした?リーナの汗が入っているから、飲むなってか?大丈夫だろ…」
リーナは言う。
「いや、そうじゃなくて…人間は此処の水飲むと、人間には毒だからって…」
そう言うのと同じくして、リクは気絶する。
「リクッ!?」
リーナはビキニのまま、、リクを長老の所へ連れていった。
「んー、ユリ…」
長老は重い口を開いた。
・・・・・・・・・・・・
「こやつには毒その物が無い…これはどういう事じゃ?」
「えっ…?」
リーナは驚いた。
人間で泉の水を飲んだのは大抵、必ず死ぬ、最悪死ななくても毒の後遺症が残るのに…。
リーナにとって、この事は不思議で不思議で意味が分からなかった。
すると、リクが目覚めた。
「う…うーん…此処は…何処だ…?」
リクはすぐさま、リーナを見つけた。
「リーナ!此処は何処だ!?俺は何故此処に!?」
リクは慌てて周りを見やる。
「落ち着くのじゃ、少年」
と、長老が止める。
長老は、リクが倒れて此処に来た事、此処は妖精の村と長老である事を話した。
「全く信じられん話だが、俺が記憶を覚えていないんだ、リーナ有難う」
「良いよ、リクって見た目に反して軽いんだもん」
そういうリーナに驚くリク。
「お前さん知らんのか?妖精は小柄だが怪力だぞ?」
その事を聞いて驚く。
妖精は力が凄いんだ…。
リクは新たに情報を頭に叩き込んで、立ち上がる。
「良し、行くか」
長老はリクがすぐ立ち上がった事と同時に驚くが、どこかへ行く事にも驚く。
「待て、お前さん、今から何処へ行くのじゃ?」
長老が聞くと、すぐさま言った。
「隣町だよ」
「隣町には《ヤツラ》が要るのじゃぞ!!」
長老は止める。
それに対しリクは。
「大丈夫だよ、そいつ等は始末屋であるこの俺に任せな!
」
そう言う台詞に驚く長老。
まさか、《ヤツラ》を倒す力を持っているのか…。
そう思っていると、二人は出発していた。
長老の声は空しくも聞こえなくなった。
こうして、傷が回復したリクとリーナは旅を開始するのだった。
次の町は何処へ行くのか…それは誰も分からない…
序章終了 第一章へ続く…
セカイ戦記 第一章 運命の仔の戦闘
妖精の世界、フェアリアの隣、戦争の世界、バトランゲージは存続の危機に瀕していた。
バトル王宮最上階国王の部屋。
「ひいぃぃ!!まっ待て!話せば分かる!金ならたんまり有る!だから見逃してくれぇ!」
「…………」
バトランゲージ国王、マイルは謎の生命体と話していた。
生命体は体を包帯で巻かれている者やジリジリと追い詰める者も居た。
ただ、生命体には共通点が幾らか有った。
一つ目は全員、肌が腐敗した色になっていた、具体的に灰色。
二つ目は口を大きく広げ、涎を垂らしている事。
そして三つ目は…
喋らない事だ…
何故喋らないのか、各国で議論されるが、喉が使い物にならないが妥当とされてきた。
生命体の過去の姿は、人間だった。
数十年、数百年経っても、この生命体は存在してきた。
そして生命体はゾンビの様に感染する。
今もそんな生命体から避、難する人間の中に反旗を翻す存在も居た。
その名は『退治者』と呼ばれる事になった。
その人物は生命体を倒す程の力を持っていた。
そんなリクも『退治者』の一人だ。
そして『退治者』達は、生命体に名を付ける事にしたのだ。
その名は《ヤツラ》となったのだ。
※小説のレスを消さないで下さい。
消しても無駄なので。
何か気に食わないなら、書き込めば良いじゃないですか、何でそんな事が出来ないんですか?
他人様の小説を消して、ナニが満足ですか?
彩都の小説のレスを消す事に何の意味があるんですか?
出来ればそれを書き込めば、彩都も納得します、なので、消さないで下さい。
困るのはこの小説を読む読者様なので。
コピペしていますから、消しても無駄ですよ?
- Re: セカイ戦記 ( No.170 )
- 日時: 2016/08/18 20:20
- 名前: 彩都 (ID: DT92EPoE)
「これはユリーカの分!もう一発!これは俺の分だ!まだだ!今迄お前の人格が傷つけた人への分!」
コウはそう言いながら闇の人格のユリーカに拳をぶつける。
「!?コウ君はどうやって『黒穴』から抜け出したんだ!?」
闇の人格のユリーカが言う、だがコウは完全に聞いていない。
「うるせぇ、やっと分かったんだよ、これで制限無しで戦える、さぁ、やっと本気を出せるぜ!」
そう言いながらコウは闇の人格のユリーカに向かって攻撃を加えようとする、だが闇の人格のユリーカはコウの目の前に『絶無型』の穴、『黒穴』を作り出し、もう一度『黒穴』の中へ、コウを送り込もうとする、だがコウは『黒穴』の上にジャンプし、『黒穴』を回避する、そしてコウは大声を出す。
「『猛火・脱骨鉄槌(もうか・だっこつてっつい)』!」
闇の人格のユリーカの左肩をコウの右手で鉄槌打ちを放つ、すると闇の人格のユリーカの左肩はボキリ、と軽快な破壊音を出す。
「!?おい!アンタが戦いたかった肉体じゃないのかよ!?」
闇の人格のユリーカがそう言うと、コウは言う。
「もう、吹っ切れたんだよ、俺は『黒穴』の中に入って、聞いたんだよ、『普通のユリーカ』の声をなぁ!その内容は『私も救って、優勝して!』、だ!だから俺は思った、お前の体を動かなくなる迄俺はお前に攻撃する、お前が降参する迄攻撃するってなぁ!俺はユリーカの体を破壊してでも良いから『普通のユリーカ』の人格に戻したい!だから俺は戦うんだ!それ以外に意味は無い!」
コウはそう言って、闇の人格のユリーカに攻撃を加える、だが闇の人格のユリーカはコウの攻撃をガード、更に『絶無型』の『黒穴』を使用して、何も無い所から空間を開け、コウを攻撃したりもしていた。
その攻撃をガードするコウ、だがニンゲンには腕が二本ある、もう一つの『黒穴』をユリーカが作り、コウを背後から攻撃する。
そのままコウはぶっ倒れる、そして闇の人格のユリーカは『千闘型』に『気』を変更して、コウの首根っこを掴んで言う。
「さぁ、これで形勢逆転だね?で、どうする?まだ反抗するかい?」
するとコウが言う。
「なぁに……俺にはまだ隠し玉があるんだよ、まだまだ負ける訳には行かない!」
そう言いながらコウは掴んだ手を足で蹴って、バック転して離れる、まだ勝てる『方法』はある、だがその勝てる『方法』は出したくない、何故なら、使用すると極端に疲れるからだ、なので、本当に危ない時に使用する、と決めているのだ、そして今はまだ危ない時では無い、まだ対応出来る、そう思いながらコウは左手の人差し指を空に向かって立てる──闇の人格のユリーカはその行為に不思議がっていた、コウ君は何をしているのだろう?そう思いながら闇の人格のユリーカはコウを見ていた──
落ち着け、まだ勝てるんだ、そう、落ち着け──そう心の中で呟きながらコウは立てた人差し指を拳の中に戻して、自分の握った左手の拳を見る──行くぜ!
そう思いながら、コウは闇の人格のユリーカに攻撃を仕掛ける、ユリーカは『黒穴』を使おうとする、だが『黒穴』は突破されてしまったので、もう使えない、と考えると思ったか?いいや違う、突破された?だったら『突破された『黒穴』より大きな『黒穴』を作り上げたらいい』──!そう思いながらコウが吸い込まれた『黒穴』よりも規模が広い『黒穴』を作り上げる、コウはその『黒穴』を見て、少し後ろに下がって、助走をつけて走る、そしてコウはその『黒穴』よりも高いジャンプ力を闇の人格のユリーカに見せ付けてから、飛び越えた──そして目の前に降り立ったコウは右手に力を溜めてから、力の爆発を闇の人格のユリーカにぶつけた。
「『猛火・釘鉄槌(もうか・くぎてっつい)』!」
コウは体を捻らせながら、親指が上を向いた方向の拳をユリーカに当てた、そして闇の人格のユリーカの体が今迄以上に吹き飛んだ、そして見えない壁にぶつかる、するとコウは息切れを起こしていた、『猛火・釘鉄槌』、威力、消費体力共々巨大である、力を溜める為に捻る体、そしてその溜めた力を一気に放つ体力、その二つが無いと『猛火・釘鉄槌』は放てない。
そしてその二つを一気に使用する為、体力を一気に使用するのだ──そしてコウは大粒の汗を作りながら、闇の人格のユリーカを見に行く。
すると口から血を吐き出しているユリーカの姿があった、これが俺がやったのか、そう思うと少しだけ悲しくなる。
だけれど、俺が戦わない限り、ユリーカは救えないかもしれない、だから少しでも改心させないと──そう思った瞬間だった、ユリーカが立ち上がって、頭を掻いた、その光景を見て、コウは膝から崩れる──そしてコウは戦慄しながら呟いた──
「何で……何でまだ起きれるんだよ!?『猛火』の中でも相当な高威力なのに──!!」
するとユリーカは言った。
「簡単だよ、殴られる少し前に一気に『気』を分厚く纏って、ダメージを抑えただけさ、さぁ、制限無しの戦いは済んだかな?」
そう言いながらゆっくりとコウに近づくユリーカ──コウは恐怖に包まれて体が動けない──コウとユリーカ、どちらが勝つかは一目瞭然だった──
- Re: セカイ戦記 ( No.171 )
- 日時: 2016/08/22 19:51
- 名前: 彩都 (ID: J1W6A8bP)
…………、コウは無言になってしまう、そして口の端をヒクヒクと動かしてから、思いっきり笑った。
「あははははははははははははは!!やっぱりこうでないとなぁ!まだまだ戦えるんだな!俺は嬉しいぞ!さぁ〜、かかってこい!」
そう言いながら自分を鼓舞する、こういう時こそ笑って楽しめ、この言葉はコウの父がよく言っていた言葉だった、『絶対的絶望的な状況だろうがどんな窮地でも笑えば良い、少しは気が晴れて自分の本来の力が出せる』、そう何時もコウの父は息子のコウに言っていた──そんな事をコウは思い出し、それを実践してみる。
少しは気が晴れた感覚がした、少しは楽になった、これで少しは頑張れそうだ、そう思いながらコウは立ち上がる、『猛火』自体が破られた訳では無いのだ、まだまだ行ける。
「おいおい……コウ君は壊れましたか……?ってか?あははははは!いいねぇ!絶対的絶望なのにまだ笑い続けるなんて!私はもっとコウ君の壊しがいが出来たよ!私はコウ君を、その闘志でさえぶち壊してあげるよ!」
闇の人格のユリーカがそう言うとコウは笑いながら言う。
「俺はそう簡単に潰れないぜ!潰れるのはお前じゃないか、ユリーカァァァ!」
二人の声が暗闇の世界で木魂する、その瞬間、二人は闘技場でぶつかった時の様に巨大な轟音を出した。
ドォォォン……二人以外聞こえていない音を出しながらコウの『猛火・猪突猛進』とユリーカの腕がぶつかる、またもや防がれてしまったか──そう思いながらコウは後ろに下がって構えを作る。
「『猛火・脱骨鉄槌』!」
そう言って残った右手を攻撃する、だがユリーカは右手をやられまいと左肩をタックルの様に突き出して左肩で受ける、ボキキキキィッ!左手の二の腕から左肘迄の骨が砕かれる、『グゥゥゥゥ』、と唸り声を上げたが、そんなのは右手が骨折して使えなくなるよりかはまだマシだった。
そして闇の人格のユリーカは右手で『気』を発動、発動したのは『千闘型』だった、この一撃に賭ける!私の全てを!そんな思いでコウのがら空きの胴体に右手の攻撃を当てる。
『猛火・脱骨鉄槌』のポージングのまま、コウは右手の『千闘型』の攻撃を腹部に受けてしまう。
今の今迄感じた事の無い攻撃の痛みと重みにコウは吹っ飛んでしまう、ユリーカは思う、何とか当てられた、だがもう『気』は使い過ぎた、『絶無型』もこの空間を創り出すだけでも相当使っている、増してや『黒穴』を使用し過ぎて殆ど『気』の残量が無い、この空間を維持しているのでさえ、相当『気』を薄めて発動している、なのでコウが吹っ飛んでいても、最初に発動していた大きさより狭くなっている、大まかに考えれば半分位になっているだろう。
そう考えると、自分が如何に『気』を荒く使っているか分かる、何とか勝ててユリーカはその場で座り込んでしまう。
「これで後は殺すだけかぁ……殺すには勿体無い男だったなぁ、それでも殺さないとこの体の持ち主を絶望出来な……」
闇の人格のユリーカは目を見開いた、それもその筈、何故なら『コウがまだ立ち上がっていた』からだ、荒い息をしながらコウはゆっくりと立ち上がる、まだ諦めていられない、そう思いながらコウは立ち上がる、コウの姿は完全にボロボロだった、口の端からは血が出ている、頭からも血が出ている、完全に起きているのがやっとなレベルだった。
それでも立ち上がるコウに闇の人格のユリーカは驚いている。
「何で、起きていられるんだ……?」
闇の人格のユリーカは後退りしながら空間の端へ背中をぶつける、コウはゆっくりと動き出してから闇の人格のユリーカの前に立ってから言う。
「ハァハァ……俺にはまだ『隠し玉がある』って言ったなぁ、今此処で出してやるよ、俺の『隠し玉』をよぉぉぉぉぉぉ!」
そう言いながらコウは『気』を右手で作り出し、その『気』を自分の心臓にぶつける。
「これが俺の『隠し玉』──『心X(シンクロ)』だぁぁぁ!」
そう言いながらコウは自分の体に『気』が巡る感覚を感じる。
そしてコウは思いっきり右手でユリーカの顔を殴った──
「いい加減、目を覚ましやがれ!ユリーカ・アトランザム!!」
コウの拳でユリーカは大ダメージを受けた──そしてユリーカは気絶した──そして『絶無型』で作られた空間は消え、元の闘技場の舞台に戻ってくる──
「ハァハァ、これは……闘技場?いきなり何で……?」
そう言いながら、コウの『心X』は消える、そしてコウはユリーカに言う。
「おーい、起きろ、ユリーカ……」
ユリーカの胸倉を掴んで揺らすが起きない、だが鼻で呼吸している音が聞こえるので、生きている事が分かる。
「起きないなぁ……」
そう言うと、司会者がユリーカの事を確認しに来る。
「ユリーカ選手?ユリーカ選手ー?……起きない──、だけれど息はしている、という事は──ショウ・コウ選手、優勝……?」
司会者がコウの事を見ながら言う。
コウは素っ頓狂な声を出した。
「えっ?俺が優勝……?」
二人の声を聞いた瞬間、観客が一気に盛大な歓声を上げる。
「何と!今年の闘技場は新人でありながら他の『セカイ』から来た初出場の『ショウ・コウ』選手に決まりました!皆様、もっと盛大な拍手と歓声を!」
コウに盛大な歓声が降り掛かる、コウは歓声の中で放心した──
今年度 闘技場 優勝者 ショウ・コウ──今年の闘技場優勝者が決まった瞬間だった──
- Re: セカイ戦記 ( No.172 )
- 日時: 2016/08/25 20:20
- 名前: 彩都 (ID: w93.1umH)
「ん?此処は?」
少年、ショウ・コウはそう呟きながら白いベッドから起き上がる、自分の体に鈍痛が走る、うっ、まだダメージが残っていたか……そう思いながら自分の左手で右手の二の腕を触る──あの後、凄かったなぁ、まだ24時間も経っていないのか、コウはそう思いながら優勝後から今迄の事を思い出す──
「優勝は『ショウ・コウ』選手に決まりました!」
司会者の声で観客の声援が一気に暴発する、コウはその歓声に驚きを隠せない──
すると上空からリーナが落ちてくる、そしてそのままコウの首に腕を絡めてコウを抱き締める。
「やったねコウ!遂に優勝なんだよ!これでモコとリクの治療が出来るね!」
リーナがそう言うと、コウは思い出す、確かに自分はモコとリクの為に戦っていた、だが何時の間にか『ユリーカを救う』事になっていた事を思い出した、おいおい、何で主旨が違っているんだよ、そう思いながら自分は優勝した事を自覚する。
「そうか、ユリーカを俺は倒したんだ、つまり俺が優勝したのか──治療がすぐに出来る様になるなぁ、さて、司会者よ、俺に賞金を──」
コウが賞金を手に入れる為に司会者に声を掛けようとした所、自分の近くに司会者は居なかった、えっと、何処に居るんだ?そう思っていると、司会者が司会者席に戻って、司会をしていた、いや、司会者だから司会をするのは普通か。
「さぁ、優勝者のコウ選手に盛大な拍手と歓声を!これにて今年の闘技場、決勝戦を終わります!そして明日、賞品を授与する閉会式をしますので、最後の最後、明日迄闘技場の戦いの余韻を味わって下さい!それではまた明日この闘技場でお会いしましょう!」
そう言って司会者は闘技場から消えた、だが優勝商品とかは明日貰える事が分かっただけで安心した、もしも持ち逃げ的な事をされたら司会者だろうが観客だろうがボコボコにしていただろう、そしてコウは安心すると、膝から崩れた、何とか優勝して緊張の糸が解けたのだ、更にコウは大きく息を吸って溜息を吐いた、これで全ての戦いが終わったんだ、リク、モコ、明日、お前らを救えるぜ──そう思いながらコウはそのまま後ろにぶっ倒れた──グーグーとコウは鼾(いびき)を掻いていた……
「はぁ、私が運ばなきゃいけないのかなぁ?」
リーナは一人で呟きながら右手で頭を支えながら溜息を吐いた、リーナの苦労は絶えそうに無かった──
「……あぁ、そうだ、自分はあの後疲れてぶっ倒れて──」
「私が背負って此処迄運んだ、という事だよコウ」
そう言いながら宙に浮いたリーナはコウに水が入ったコップを渡す、コウはそのコップを貰い、水を飲む。
「つまり俺が閉会式と商品授与を明日するって所で疲れてぶっ倒れて、ぶっ倒れた俺をリーナが運んだ、という事か?」
「正解、結構軽いね、コウの体って──結構筋肉が詰まっている、とか思っていたけど、案外軽い筋肉かもしれない、よくある『一気に筋肉を増量させる人』みたいな?」
「そうか、自分の体は軽いか……結構筋肉はある方だとは思うけれど」
そう呟きながらコウは両手に力瘤(ちからこぶ)を作る、それでもまだ『軽いね、コウ』とか言われそうだ。
だがその前に此処は何処なんだ?寮では無さそうだし、一体何処に俺は寝ていたんだ?そう思いながらコウは周りを見遣る、するとリーナはコウの反応に気付いた。
「まさか、『此処は何処だ?』とか思ってない?」
「良く分かったな、リーナ、一体此処は何処なんだ?」
コウが問うと、ガラガラと引き戸を開ける者が居た、それはこの『セカイ』に来てモコを検査してもらった医者だった。
「やぁ、御久し振りです、優勝者、ショウ・コウさん」
「お前は……モコの病院の──って事は此処はモコの病院の一室って事か──」
「正解です、さて、ちょっと来てくれますかねぇ?」
「何処へ行くんだ……?」
コウはそう言いながら医者の言葉を聞く。
「フフフ、行く場所は簡単です、ユリーカ選手の病室ですよ」
二人と一匹の妖精はユリーカがすやすや寝ている病室に移動した。
そして医者が『フフフ』と笑いながら言う。
「ユリーカ・アトランザム、彼女の名前ですね、そして彼女は私の娘です、そして私にはもう一つの顔が有ります、それが……」
そう言いながら医者は白衣のポケットから仮面の男が使っている仮面を顔に着ける、そして医者はコウに向かって言う。
「『裏闘技場』の支配人で御座います、ショウ・コウ選手」
「はぁ?中々状況が読み込めないんだけど?自分の中で色々と巨大な事実だらけで消化不良起こしているんだが?」
すると医者基仮面の男はトドメを刺す。
「因みにコウ選手が戦った『Mグループ』の時のブレンド・ユリーカ選手、あれ、私の実の兄です」
…………グパァッ!とコウの中の衝撃が消化不良を起こして遂にコウは吐血してぶっ倒れる。
コウは薄れいく意識の中思う──衝撃が大き過ぎて意味不明なんだけれど……?
そう思いながらコウの意識は深く深く闇に落ちていった──
そしてコウやリーナ、医者基仮面の男が来てもユリーカは目覚めなかった──
- Re: セカイ戦記 ( No.173 )
- 日時: 2016/08/29 19:53
- 名前: 彩都 (ID: 3KWbYKzL)
「……ん?此処は……?」
コウはベッドの上で呟きながら起き上がる、白いベッドに白い枕、そして白い壁、一体自分が何処に居るか分からなかった、だが少し考えて、思い出す、ここはモコの病院──仮面の男が医者をやっていた、未だにその事実は飲み込みにくいが、コウは何とか飲み込んで他の事を考える、まさか俺と戦った奴の中にここの医者の実兄が居たとは……確かソイツは毒の力を使っていたなぁ、包帯が融ける程の毒、か……それは怖かったな──そう思いながらコウはベッドから立ち上がる、少しは体を動かさないとな、と思い始めた頃、仮面の男──いや、モコの医者だ──がコウの病室に現れた。
「お目覚めですか?気持ちよく起きれましたか?」
「……色々な内容が頭に入って、消化不良起こして倒れて、それはないぜ……」
そう呟きながらコウは続けて言う。
「で、俺は優勝した、だから早く治してくれねぇか?モコやリクを?お金は明日入るんだから大丈夫だろ?」
「えぇ、良いですよ、因みに私は貴方方が優勝する事は分かっていました、何故なら二人共強いですからね──」
「あぁ、そうかいそうかい、んで、治療を早くしてくれよ?」
「……もうしていますよ、今週中には復帰出来るでしょうねぇ」
そう言って、仮面の男は言った。
「そうか、それはよかった……」
コウはそっと、胸を撫で下ろす、本当に良かった──そう思いながらコウは言う。
「あぁ、そうだ、酒場行かないとな……リーナ呼ぼう」
コウは急いでリーナを探す──仮面の男──基ブランドはモコの体について考える、本当は言った方が良かったのか、もしくは本人にだけ伝えるべきか──ブランドは少し悩んでから考える──
何とかリーナを見つけ、リーナと共に酒場へ向かう、ここでリクと自分の倍率を確認して、金を貰わないと──
「やぁ、闘技場優勝者!おめでとう!」
「おおー!!」
「いえー!!」
「ヒューヒュー!!」
まるで優勝した時の歓声と同じ様に、酒場の歓声が広がる、あまりの音の大きさにコウは驚く。
いや、そんな事は気にするな、その前に賞金を手に入れないと……
「おい、俺とリクの倍率確認と賭けられた金をくれ」
そう言うと、店主のおじさんが言う。
「あぁ、良いが、何で肝心の本人のリクが居ないんだ?」
リクの事を聞かれ、コウは答える。
「アイツは病院で寝ている、だから代わりに取りに来たんだよ」
「成程、それは仕方無いな、それでは賞金を渡そう──」
『可哀想に……』とそう言いながらおじさんは賞金二人分をコウに渡した、そしてコウは酒場を出る──
そしてリクの分をDに渡す為に分ける、さて、これで大丈夫だろう、そう思いながらコウとリーナは病院に戻った──
「……此処は?」
そう呟きながらリクは目覚めた、そして目の前にコウとリーナの姿を見て、安心する。
「二人共生きていたんだな、良かった──そしてコウ、優勝出来たか?」
そう言うと、リーナが答える。
「コウが優勝したんだよ!だからだからモコもリクも助かるんだよ!」
「そうかそうか、それは良かった……って事は?Dの事も?」
リクがそう言うと、コウが言う。
「あぁ、勝った、そして仲間になるってさ」
「それは良かった、段々と俺の仲間が集まってきているな、そして≪ヤツラ≫も根絶やしに出来る日が来るな……」
そう呟きながらリクは体を起こす、そしてリクは言う。
「有難うな、コウ──お前が居なかったら、モコは救えなかっただろう、本当に感謝するよ」
「バカ言え」
そう言いながらコウはリクの頭を拳骨で殴る。
「俺とお前は仲間、モコもリーナも仲間なんだよ、仲間の為に俺はやっただけだ、それは勘違いするなよ?」
そう言いながらコウは後ろを向く、少しだけ照れている様だった。
(全く、素直じゃないんだから……)
リーナはそう思いながら溜息を吐いた──
そして翌日──
「何とか全回復!とは言い難いが、何とか相当なダメージは消えただろう、さて闘技場へ行くか──」
と、コウが移動しようとすると、ユリーカの事がふと、頭の中を過ぎる、ユリーカももう起きて闘技場に向かっているかなぁ?、と思いながらコウはユリーカの病室を見ずに闘技場に向かった──
道中、コウは自分の拳を見ながら思う、本当に俺が闘技場で優勝したのか……そう思うと、何だか不思議に感じてしまう、俺はリクに勝てなかった、だがリクが勝てなかったDを倒した、更に『このセカイ最強の女、ユリーカ』でさえ、倒してしまったのだ、それが不思議で堪らない。
『たまたま勝ってしまった』、と感じてしまう、厭でもそう感じてしまう、それは何故だか分からないが、そう感じてしまうのだ、だが今、そんな事を思ってはダメだ、自分は闘技場の優勝者なのだ、早く闘技場へ向かわないと、そう思いながらコウは闘技場迄走って向かった──
早く賞金を手に入れて、モコとリクの為にお金を払わないと──その一心のみでコウは足早に進む──闘技場で巨大な歓声があるのを知らずにコウは進んで行った、今日は闘技場の優勝者発表だ──今日という日は大きなお祭りになるだろう──そんな事をコウは知らずに進んでいく──
- Re: セカイ戦記 ( No.174 )
- 日時: 2016/09/01 22:08
- 名前: 彩都 (ID: z2eVRrJA)
「んあ?」
Dは変な寝言を言った後、その寝言にツッコミを入れるかの様に目覚める、そして時間を確認する、時間はもう閉会式開始迄一時間を切っていた。
「おっと、寝過ごしそうになったぜ、急がないとな」
Dは起き上がって、服を着始める、そして外へ出る──
閉会式、そのイベントは『戦闘のセカイ』の中でも相当大きなイベントの一つだ──数年前初めてDがこのセカイに来て、イベントの巨大さに腰が引いた位だった。
最初は驚いたけれど、今は慣れてしまった、もう後戻り出来ないと思う。
まぁ、初めてこのセカイに来た時は大きなイベントで俺は驚く以外出来なかった──まぁ、今回優勝したコウも驚くだろうなぁ、そう思いながら欠伸をしながら闘技場へ向かう。
「……ん?」
綺麗な光が見える、何なんだろう?前に見た事が──って此処は病院!?そう思いながら一気に起き上がる、そして周りを見遣る、誰もいない、病院の医者も、看護師も──何で誰もいないのだろう?そう思いながらベッドから離れて歩き始める──そしてカレンダーを見つける、今日は闘技場の閉会式……?はて、闘技場とは何だろうか?そう思いながら自分の服を見つけ、入院者の服装から何時もの服装に着替える。
誰も居ないのなら、『誰かを探せば良い』のだ、そう思いながら外へ移動する──
「全く──本当に優勝するとは──リクでは無いが、逆にお付きのコウが優勝するとは……ニンゲン良く分からない物だ──」
そう言いながら観客の中に紛れ込む中年男性──カルベラ・ジルだ──そしてにやりと笑う。
「もう勝てねぇな、このままだと、真似ても模倣しても無駄だな、俺では『弱い』とか言われそうだな、もう勝てない、か──『勝てない』って何て無様なんだろう──」
そう呟きながらジルは観客席から離れる、俺には到達出来ない舞台にリクとコウは立っている、俺には見る資格さえ無い──
「クソッ!リクのチームが優勝したか──その代わりリクは本選出場だけしてDに負けやがった……優勝を目指していたんじゃなかったのかよ!?」
そう言いながら手に持っていた林檎を握り潰す──林檎を握り潰したのは前回優勝者のレイグ・マエトロだ──優勝を目指していたリクが簡単にDに負けてご立腹の様だ──
「俺はDに憎しみも嫉妬もねぇ、嫉妬があるとすれば『アイツの強さ』、か?ってそんなもんはどうでもいいんだよ、『俺と戦って、俺に勝って、優勝を目指した奴が負ける』、これが俺は嫌いなんだ、一番な?だってさ、『俺が前回優勝者なんだぜ?そんな奴に勝って、その後に本選で負ける』、こんな情けない事があると思って良いのか!?俺は許せねぇ!」
そう言いながら二つ目の林檎を握っては壊す──後輩のライム・シューガストは売店の購入していない林檎を見ながら平謝りしながら林檎の代金を払う。
「全く……レイグ先輩もちゃんと購入してから壊して下さいよ──まぁ、俺のペットの食事になるから良いンスけれど──」
そう言いながらライムは落ちかけたレイグの手の林檎を袋に入れていく、そして入口付近を縛る。
「でも良いんじゃないスか?結局は自分もリクさんも負けたんですし、もう水の泡ッスよ?」
「バカ、何でそれを『水の泡ッスよ?』とか言えるんだよ?俺は自分に勝った奴が優勝出来ていない事に腹が立っている、と言っているんだ、勝ち負けの問題じゃない」
「結局優勝も勝たないと貰えないですけどね──」
そう言うと『ア゛ァ゛ン゛?』とライムを睨む、ライムは後退りしてしまう、やはりこの人はユリーカさんより怖い!ライムはそう思いながら冷や汗を掻いて、レイグの後ろについていく──二人が向かう場所は闘技場、優勝者であるコウの顔を見に行く為に──
「凄いですねぇ、コウ選手──裏闘技場で闘った時より強いかもしれませんねぇ……」
そう言いながら、見た目はヒョロヒョロな肉体の青年、ササイ・レットがケバブによく似た食べ物、『テーガ』を食べながら市場をゆっくりと歩く。
「本当、このセカイは美味しい物が多いですねぇ──食に飽きが来ません──おっ?あれは何でしょう?」
そう言いながらレットが『確率のセカイ』名物の料理、『ビラッゴ』を見つける、へぇ、面白い食べ物ですねぇ、そう思いながらレットは購入して食べていた、何と言う美味さだ、そう思いながらバクバクムシャムシャと口の中に入っていく──『確率のセカイ』名物の料理『ビラッゴ』、今で言う『サンドウィッチ』に似ている食べ物だ、薄いパンにレタスやトマトを巻いて食べる、言わば簡単手料理である。
注文時に頼めばドレッシングをパンの中に塗ってくれるお店もある、案外原価が安いので、他方のセカイでも売っている場合もある。
だが確率の『セカイ』の方が美味しく作っているお店もあるので、現地に行った方が良いだろう、もっと安い『ビラッゴ』もあるかもしれない──
「おっと、もうすぐ閉会式じゃないか、こんな所で道草を食べている場合では無いよ!」
そう言いながら市場の人達を掻き分けてレットは進んでいく、レットが目指す場所は闘技場、優勝者のコウの姿を見る為に食いかけの『ビラッゴ』片手に走っていく──
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