複雑・ファジー小説

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セカイ戦記
日時: 2016/05/17 18:57
名前: 彩都 (ID: lKhy8GBa)

ーーぼくは戦うーーこの汚れたセカイとーー

二作目の投稿です。
初めての方も知っている方も初めまして、彩都と申します。
気長に投稿します。
今回は歴史ファンタジー…かも…
という事で宜しく

登場人物
今作は先にキャラ紹介をさせていただきます。
主人公
トゥダ・リク 男
このセカイは名前に意味は無く、名字・名前や逆に名前・名字は無く、名字・名字、名前・名前となっている。
リクは名前・名前。
リーナ・ユリ 女
名前・名前。
妖精で回復の魔法を使う。
リクの仲間。
リヴェレット・モコ 女
名前・名前。
攻撃系の魔法を使う。
ユリは貧乳だが、モコは巨乳。
何時も箒に乗っている。
ショウ・コウ 男
名前・名前。
肉弾戦が得意な仲間。
魔法では倒せない存在には肉弾戦が良いとされている。

ジェネレッド・D 男
?・?
リクの仲間だが何者かは知らない。
敵かもしれない。
Dは物語の中心に近い。
サルウ°ァ・ティル 女
名前・名前。
名前の言い方は秘密。
大きな剣、真剣簪(かんざし)を使う。
大きさは約三メートル。
サワラビ・ユウ
名字・名前。
遙か遠く、キョクトウのニホンの人間。
彼も何者かは分かってない。
何時も一人で行動している。
薙刀の師範代を務めている。
μ
記号。
名前を持たず、施設で使われていた記号を使っている。
戦闘力は圧倒的に強いが、カロリーが切れるとすぐ戦闘不能になる。
白いジャージに白い肌、髪は無く、オールバックの様な角を生やしている。

用語解説
魔法
魔法は体内に眠る魔力を燃焼させて、魔法を扱う。
キンキなる魔法も存在する。
キンキなる魔法は使うと死んだり、植物人間になったりする。
存在
セカイ戦記における敵。
魔法で倒せる奴や肉弾戦でしか倒せない者もいる。
肉体の一部分が膨らんでいたりと『異形』の存在。
ゾンビの様に意志は持たず、人間を襲う。

セカイ
混沌としている。
その混沌のせいで存在が出来たと言われている。
舞台的に言えば、『北斗の拳』の世紀末ワールドに近いです。
存在が色んな所でばっこしている。
妖精
見える者もいれば見えない者もいる。
リク達のメンバーは見える奴が多い。
見えない者は眼鏡を使ったりする。
だが、眼鏡も法外な値段が多い。
傷の手当や回復が得意。
回復は魔法に当たるので、妖精は無意識に魔法を使っている事になる。

『リク…貴方は希望の仔…貴方は奇跡の仔…貴方は私と**の仔…お母さんが居なくても頑張るのよ…』
「お母さん!!」
そう言って、母さんは燃え盛るセカイから、燃えた。
跡形もなく、消えた。

セカイ戦記 序章 、『運命』の仔

俺はトゥダ・リク。
男、十六歳。
《ヤツラ》を始末する者。
《ヤツラ》とは、前々からこのセカイに現れた敵だ。
コイツ等のせいで俺は母を亡くした。
俺はコイツ等を駆逐する為に仲間を探している。
俺は仲間探しの為に故郷を捨てた。
そして俺は前へ一歩、踏み出した。
少し歩いて着いたのは、妖精の世界、フェアリアだ。
そこで俺は水浴びをしているビキニの女性を見つけた。
「おーい!妖精王に会いたい!道案内してくれ!」
ビキニの女性は羽を生やしてこちらに来た。
どうやら妖精らしいが、背は俺の胴体位だろう。
「貴方、妖精王に会いたいの?今は会えないわ、会うの止めたら?」
「俺は《ヤツラ》を駆逐する為に妖精王に力を借りに来たんだ、止める事は出来ない」
「分かったわ、じゃあ貴方の仲間になるから会うのは止めてくれない?回復も出来るから旅には最適よ」
「良いのか?」
「良いわよ、私の名前はリーナ・ユリ、宜しく」

「俺はリク、宜しく」
こうして、人間、リクと妖精、リーナの出会いだった。

「なぁ、リーナ、この水は人間でも飲めるのか?」
そう言って、リーナが浸かっていた水を一掬い、口に近づける。
「ダメッ!!!!!」
リーナの止めは既に遅し、もう口に含んで、喉を鳴らした後だった。
「ん?どうした?リーナの汗が入っているから、飲むなってか?大丈夫だろ…」
リーナは言う。
「いや、そうじゃなくて…人間は此処の水飲むと、人間には毒だからって…」
そう言うのと同じくして、リクは気絶する。
「リクッ!?」
リーナはビキニのまま、、リクを長老の所へ連れていった。

「んー、ユリ…」
長老は重い口を開いた。
 ・・・・・・・・・・・・
「こやつには毒その物が無い…これはどういう事じゃ?」
「えっ…?」
リーナは驚いた。
人間で泉の水を飲んだのは大抵、必ず死ぬ、最悪死ななくても毒の後遺症が残るのに…。
リーナにとって、この事は不思議で不思議で意味が分からなかった。
すると、リクが目覚めた。
「う…うーん…此処は…何処だ…?」
リクはすぐさま、リーナを見つけた。
「リーナ!此処は何処だ!?俺は何故此処に!?」
リクは慌てて周りを見やる。

「落ち着くのじゃ、少年」
と、長老が止める。
長老は、リクが倒れて此処に来た事、此処は妖精の村と長老である事を話した。
「全く信じられん話だが、俺が記憶を覚えていないんだ、リーナ有難う」
「良いよ、リクって見た目に反して軽いんだもん」
そういうリーナに驚くリク。
「お前さん知らんのか?妖精は小柄だが怪力だぞ?」
その事を聞いて驚く。
妖精は力が凄いんだ…。
リクは新たに情報を頭に叩き込んで、立ち上がる。
「良し、行くか」
長老はリクがすぐ立ち上がった事と同時に驚くが、どこかへ行く事にも驚く。
「待て、お前さん、今から何処へ行くのじゃ?」
長老が聞くと、すぐさま言った。
「隣町だよ」
「隣町には《ヤツラ》が要るのじゃぞ!!」
長老は止める。
それに対しリクは。
「大丈夫だよ、そいつ等は始末屋であるこの俺に任せな!

そう言う台詞に驚く長老。
まさか、《ヤツラ》を倒す力を持っているのか…。
そう思っていると、二人は出発していた。
長老の声は空しくも聞こえなくなった。
こうして、傷が回復したリクとリーナは旅を開始するのだった。
次の町は何処へ行くのか…それは誰も分からない…
序章終了 第一章へ続く…

セカイ戦記 第一章 運命の仔の戦闘

妖精の世界、フェアリアの隣、戦争の世界、バトランゲージは存続の危機に瀕していた。
バトル王宮最上階国王の部屋。
「ひいぃぃ!!まっ待て!話せば分かる!金ならたんまり有る!だから見逃してくれぇ!」
「…………」
バトランゲージ国王、マイルは謎の生命体と話していた。
生命体は体を包帯で巻かれている者やジリジリと追い詰める者も居た。
ただ、生命体には共通点が幾らか有った。
一つ目は全員、肌が腐敗した色になっていた、具体的に灰色。
二つ目は口を大きく広げ、涎を垂らしている事。
そして三つ目は…
喋らない事だ…
何故喋らないのか、各国で議論されるが、喉が使い物にならないが妥当とされてきた。
生命体の過去の姿は、人間だった。
数十年、数百年経っても、この生命体は存在してきた。
そして生命体はゾンビの様に感染する。
今もそんな生命体から避、難する人間の中に反旗を翻す存在も居た。
その名は『退治者』と呼ばれる事になった。
その人物は生命体を倒す程の力を持っていた。
そんなリクも『退治者』の一人だ。
そして『退治者』達は、生命体に名を付ける事にしたのだ。
その名は《ヤツラ》となったのだ。

※小説のレスを消さないで下さい。
消しても無駄なので。
何か気に食わないなら、書き込めば良いじゃないですか、何でそんな事が出来ないんですか?
他人様の小説を消して、ナニが満足ですか?
彩都の小説のレスを消す事に何の意味があるんですか?
出来ればそれを書き込めば、彩都も納得します、なので、消さないで下さい。
困るのはこの小説を読む読者様なので。

コピペしていますから、消しても無駄ですよ?

Re: セカイ戦記 ( No.195 )
日時: 2016/11/14 21:41
名前: 彩都 (ID: 3w9Tjbf7)  


おい……ユリーカ、お前に少し話がある……

そう言って、闇の人格のユリーカは普通の人格のユリーカを叩き起こす。
「ん……?何よ、私に何か用なの?」
普通の人格のユリーカはそう言って、ベッドに臥していた自らの体を強制的に起こす。

私はお前、黒い人格のお前、と言うのは分かるな?

黒い人格のユリーカがそう言うと、普通の人格のユリーカは呆れて、ものも言えなかった。
「……突然どうしたのよ?話があるなら、さっさと言いなさいよ、私だって、何時迄もアンタに付きまとわれたくないし……」
普通の人格のユリーカがそう言って、黒い人格のユリーカから、話を聞きだそうとする、すると黒い人格のユリーカはとんでもない事を言い出した。

もうじき……お前の『思っていた事』が起こる、そして私はお前の体の一つの人格になる──

カチャン!近くにあった陶器のカップを投げて苛立ちを見せる普通の人格のユリーカ、苛付きながら、腹が立ちながらも普通の人格のユリーカは叫んで黒い人格のユリーカに言いつける。
「……何よそれ……?何よそれ!?私はコウ君、リクに助けを求めて探して貰った!なのに何なの、この仕打ちは!私はアンタと一緒に過ごさないといけないの!?私は……私はアンタ抜きで、コウ君と戦いたかった!アンタさえ邪魔しなきゃ!アンタさえ!……私はまだ抗うわ、まだ、抗う、コウ君とリクの可能性を信じて……!私は前に突き進むの!私はアンタと言う人格を抹消させる!この体から、この記憶から!」
普通の人格のユリーカはそう言って、割ったカップをかき集めて、ゴミ箱に捨てる。

ふうん……そう?私は楽しかったぜ、コウと戦えた事、お前とも戦えた事、全部全部楽しかった、だから私はお前の人格として、存在したかった、だけど、時って言うのは残酷で、私は『もう一つの人格』として、お前に居つく事となる──楽しかったよ、もう一人の私──そして、『今此処でお前を殺して、私がお前の肉体を乗っ取れば、私と言う存在はバレずにこの『セカイ』の存在を殺して、罪は全て、もう一人の私が受ける』んだからなぁ!

闇の人格のユリーカはそう言って、ゴミ箱から、綺麗に割れたカップの破片を手に取り、普通の人格のユリーカの喉元を刺そうとする。
「やっぱり!アンタは私を殺す事を諦めてない様ね!だったらもう一度再戦しましょうか!?えぇ!?」
普通の人格のユリーカは華麗にその攻撃をかわし、カップの破片を持った手首を掴み、その手首を折ろうとする。

無理だよ!そんな事をしても、私はお前の何倍も強い!つまり、『骨もお前の何倍も強い』!だから私の腕を折るなんて不可能だ!

闇の人格のユリーカはそう言って、にやにやと笑う、だが普通の人格のユリーカは薄笑いを浮かべて、呟いた。
「アハハ……アハハハハハハッ!やっぱり『貴女は勘違いをしていた』様ね──あーあ、やっぱり貴女はそう言う所が面白いわね!」

なっ、何が可笑しいんだ、何も可笑しくは無い!

闇の人格のユリーカが不思議がる、すると普通の人格のユリーカはいとも簡単に闇の人格のユリーカの手首周りの骨を掴みながら握り潰した。

がぁっ!?何だ、何でだ?何でなんだ?何処からそんな力がぁぁぁぁぁぁ!?

闇の人格のユリーカが叫ぶ、叫んでいる様子を見て、もう片方の腕を掴んで、肘と手首を持ち、普通の人格のユリーカの膝でぶつけて骨を折る──両腕が折られ、闇の人格のユリーカは戸惑っている、何が起きているんだ!?何なんだ、あの力は!?
すると普通の人格のユリーカが独り言の様に呟く。
「……そういえばさぁ、『力は溜められる』って知ってる?私は『アンタと戦っている時もそれを行っていた』のよ……『千闘型』の『気』を溜めに溜め、それを一気に、『一部分に集めて放出したらどうなるでしょうか』?答えは簡単、『101%以上の力が出る』、筈よねぇ?つまり、そう言う事」

そう言う事……?まさか!?

闇の人格のユリーカが感付く、だが感付いた時にはもう遅かった。
「『今は体中に『気』を纏わせているから、精々『アンタが戦った時の三倍以上の強さ』になっている』かもしれないわねぇ……?どうするもう一人の私、まだ反抗するかしら?」
普通の人格のユリーカが不適に笑う──つまり、『私と戦っていた心の中で『気』を溜めに溜めて、戦っていた』、と言う事か!?もっと、突き詰めてしまえば、『私との戦いの時は、『力を控えていた』』と言う事か!?そして、『気』を不純物、混じりっ気無しの高純度の『純粋なる清らかな『気』』にする事で、『気』の強さが変わる、と言う事になるのか!?
闇の人格のユリーカはそう考えて、恐怖に打ちひしがれる。

そんな……そんなぁ!

「アンタは今の私には勝てないわ、絶対に──アンタはコウ君やリクが帰ってくる迄待っててもらうわよ!私は元の生活に戻りたい、だからアンタを消す!コウ君やリクがアンタを消す方法を見つける迄私はもう負けない!」
普通の人格のユリーカが言う、それに対し、闇の人格のユリーカは、どう、コイツを屈服させるか、を悩んでいた──
リク、コウ、モコの三人がユリーカの病室に辿り着く前に、普通の人格のユリーカが、闇の人格のユリーカに肉体を乗っ取られ、操られてしまうのかはまだ分からない──

Re: セカイ戦記 ( No.196 )
日時: 2016/11/17 21:20
名前: 彩都 (ID: oKgfAMd9)  

「急がないと!」
コウは戦闘の『セカイ』を走り回る、そんなコウをリクとモコは何とか追いかけられていた状況だった。
「おい!コウ!そんなに焦っても仕方無いだろう!着実に進まなければ、何れは失敗するかもしれない!」
リクは息を切らしながらコウに言う、その言葉を聞いて、コウは急に立ち止まる。
「早いねぇ……後少し早かったら、魔法で拘束していたよ」
モコはそう言いながら頭を抱える、そんなモコを放って置いて、コウは言う。
「だけど!だけど、急がないといけないだろう!ユリーカの為に!」
コウはそう言って、もう一度ユリーカのいる場所に向かって、走って移動する、そんなコウを見て、リクとモコは言う。
「全く……そんなに焦らなくても良いじゃないか、モコが解魔出来るんだから──」
「そうよねぇ、コウはせっかちなのかなぁ?」
二人はそう言ってもう一度コウを追いかける──

全くだ、少し『気』を溜めて、攻撃しただけで、もう一つの人格は止まった──まさか力社会なのか?と、普通の人格のユリーカは心の中で呟いた。
目の前には、苛つきが顔に表れている闇の人格の自分だ──一応屈服している事だから大丈夫かな?いや、流石にそれはダメだ、リクやコウ君が来て、この闇の人格を潰さない限り、私は油断が出来ないんだ、普通の人格のユリーカはそう思いながら溜息を吐く。
「早く来ないかなぁ、リクとコウ君……」
普通の人格のユリーカはそう呟いてから、深呼吸をする、のんびり待とう、そう思って空を眺める──

「着いた!この病院の中にユリーカが!リク!モコ!こっちだよ!」
「知ってる!俺が居た病室があるからな!」
コウがブランドが経営している病院を指差した、コウの行動に対し、リクはツッコむ、そしてリクもコウの立っている場所に辿り着く。
「それにしても速いなぁ、私は魔力をあまり消費しない為に低速移動なのに……」
モコはそう呟いてから、溜息を吐く、全く、行動だけは早いんだから……
「さぁ、中に入ろうぜ?」
「あぁ、どうなっているか確認しないとな」
コウの合図にリクが頷く、そして病院の中に二人は入る、次にモコも病院の中に入る──


おい!早くその『気』を解かないと、もっと酷い攻撃をして、痛めつけるぞ!おいこら!

「うっさい黙れ、今のアンタは私以下の強さよ?早くリクとコウ君が来ない限り、『気』を解く事さえしないわ」
闇の人格のユリーカの言葉に対し、普通の人格のユリーカは反論する、そんなユリーカに対し、闇の人格のユリーカは腹が立つ──

巫山戯るなよ!お前は実際私より弱いんだ、だから今は大人しく話を聞いておいた方が身の為──

闇の人格のユリーカが喋っていた時、不意に病室のノック音が聞こえた、普通の人格のユリーカは入室を許可すると、病室にリクが入ってきた、不思議そうに普通の人格のユリーカが言う。
「あら?どうしたのリク?私のもう一つの人格を消す方法が分かったの?」
「……結論を言おう、そのもう一つの人格は……死ぬ、しか方法は無いそうだ──」
リクがそう言った瞬間、泣きそうな顔になる普通の人格のユリーカ、だがリクはまだ言葉を紡いでいく。
「──が、生憎良かったよ、俺の仲間に魔法の専門家が居てなぁ、カラードの魔法を確認してもらったんだ、するとカラードの魔法を解魔出来るって事になって、ここ数日、急いで解魔してもらったんだよ、だから、ユリーカ──魔法の専門家の解魔のお陰でお前の人格は消せるようになった、良かったな!」
リクは親指を立てて、『良かったな!』と言う、その言葉に対し、普通の人格のユリーカは驚く。
「えっ?解魔って物で、魔法を弄って、私の闇の人格を消せるようになった、って事?」
普通の人格のユリーカが言う、するとユリーカの病室のドアの奥から、モコが現れる。
「解魔、それは『魔法を解除する』為の物──簡単に言えば、魔法を打ち消す事が出来る、と言うのが、解魔という物です──ユリーカさんのもう一つの人格は魔法で出来ました、つまりもう一つの人格を創り上げた魔法を解魔さえすれば、貴女のもう一つの人格は消えます──!!」
モコの説明を受けて、ユリーカの目から、涙が溢れた、それは嬉し泣きか、それとも……
「良かったな、ユリーカ……!」
病室のドアの近くで、三角座りで座るコウ、ここで会うのは野暮だろうと考えて、コウは会わない事にした、そして闇の人格のユリーカは呟いた──

そんな!間に合わなかったか……クソ!クソォ!!

だがそんな闇の人格の言葉など、ユリーカ以外に聞こえないのだから、叫んでも意味は無かった──

「まぁ、こんな所で泣いている暇があったら、さっさと脱いで?生憎『人格』という事なので、直接解魔の式を書くわ、だからリクとコウは屋上で待ってて?終わったら私が向かうからね?」
「えっ?俺、解魔とか見てみたいんだけど……」
リクがそう言うと、モコは怒鳴る。
「女の子が脱ぐんだよ!男子禁制!だからリクは出ていって!」
モコがそう言って、首根っこを掴み、リクを病室から出す、リクは溜息を吐いて思う、解魔を見てみたかったなぁ、そう思いながらリクはコウと一緒に屋上で待機する事にした──その間、モコとユリーカは解魔を行う──コウはユリーカの解魔の成功を祈る事しか出来なかった──

Re: セカイ戦記 ( No.197 )
日時: 2016/11/21 20:32
名前: 彩都 (ID: ZFLyzH3q)  

「…………」
一人コウは病院の屋上で、深呼吸をしていた、本当に良かった、本当に……そう思いながら綺麗な青空を見上げた、雲一つ無い快晴、そんな青空を見ながら、大きく息を吸って、息を吐こうとした、すると後ろにある梯子から、音が聞こえた、その梯子から現れたのは、リクだった。
「何だ、リクだったか、モコと思ったぜ」
コウがそう言うと、リクは笑う。
「アッハッハッ!そんな早くに解魔は終わらないよ、短くて一時間、長くて一日掛かるってさ」
「そうか、案外時間がバラバラなんだな」
リクの言葉にコウが言う、『確かに時間がバラバラだな』、とリクが付け加える、現在モコはユリーカの悪い人格を消す為に悪い人格を植え付けた魔法の解魔を行っている、その解魔には肌に直接解魔をする、つまり裸にならないといけない、そしてユリーカは女性なので、男であるリクとコウは屋上で待機していた。
「暇だなぁ……」
「確かにな、だけど、待機しなくちゃならない、我慢しようぜ?」
リクがそう言うと、コウはとんでもない事を言った。
「……なぁ、リク?」
「ん?どうしたんだコウ?何だか真剣そうな喋りだったな」
「まぁな、なぁ、リク、俺と組み手をしないか?」
コウの発言にリクは驚く。
「組み手!?どうして……」
「俺ってさ、此処の闘技場で優勝しただろ?だから慢心してそうなんだよ、だからリクと戦って、今の俺の実力を確認したいんだ、どうだ?」
コウの言葉にリクは無言のまま立ち止まる。
「…………」
「なぁ、いいだろ?俺だって、強くなっているのが分かる、だからリクと戦いたいんだよ、なぁ、頼む、リク!」
コウが頭を下げる、その行為に対して、リクはコウを見続ける。
「……分かった、組み手をしよう、だけど、コウ、『気』を使って、俺と組み手をしよう、俺も雷神愚を使うからさ?」
リクはそう言って、自分の右手を差し出す、そして拳を作って、雷神愚の雷を放つ。
「ヘヘヘッ!そう来なくっちゃな!」
コウはそう言って、『気』を開放する、リクは両手に雷神愚を放つ、そしてリクとコウは動き出した──だがその瞬間、手を叩く音がする。
「はいはい、ストップストップ、何やっているんですか、二人共、此処は神聖な場所の病院ですよ?屋上であれど、何戦おうとしているんですか?あっ、もしかして、此処で治療するから病院の屋上なんですか?」
そう言いながら此処の病院の院長でありながら、ユリーカの父親であるブランドがリクとコウの居る屋上に現れる、そしてブランドが続ける。
「組み手、でしたっけ?流石に審判役が欲しいとは思いませんか?」
「それはどういう……」
リクがそう言った瞬間、ブランドの鋭い槍の様な左手の突き、その突きがリクの首を掠らせ、空を裂く、掠った後、掠った部分から、ほんの小さな傷、指を針で刺した様な小さい小さい血が出る。
「……ッ!?」
「分かりませんかねぇ?私が審判役になりますよって話です、それとも、二対一で戦いますか?私的には、二対一の方が良いと思いますよ、だって、私、コウ選手より強いですし」
ニッコリとブランドは笑う、その笑みに対し、コウは少し苛立ちを覚えた。
「そんな筈無いだろ!?だって、俺がこのセカイ最強なんだろ!?」
「確かにそうだろう?なのに何でアンタは出ていないんだよ?」
リクとコウの言葉攻めに対し、ブランドは不思議そうに笑う。
「ハハハッ!そういう質問も面白いですねぇ!簡単ですよ、『勝負にならない』からです、私はコウ選手に『気』を教えたんですよ?つまり『気』に対し、相当知っている、そして私は『気』が少なかれど、扱いには慣れています、だから初心者みたいに『気』を全部使いません、まぁ、御託は抜きにして、組み手をしたら分かりますよ、そうですねぇ、『私は貴方方の攻撃を避け続けます、攻撃が一度でも、掠りでもしたら、貴方方の勝ち』にしましょう?そうでないと、勝負は楽しめませんからねぇ、フフッ!」
ブランドはそう言って、二人に組み手を申し込む、リクとコウは少し怒りながら組み手を行おうとする。
「お前……当たっても知らないからな?」
「俺も……『気』全開で行かせて貰っても良いのか?」
「えぇ、良いですよ、リク選手、雷神愚をフルに使用、コウ選手も『気』をフルに使用して下さい、さぁ、組み手開始です……!」
ブランドがそう言った瞬間、リクとコウの攻撃が始まった、先に動いたのはリクだ、リクは雷神愚ショットを両手に使用し、両手を前に突き出して、突進する、だがブランドは器用に、ジャンプして、攻撃を避ける、だが目の前にはジャンプしたコウが居た、コウはブランドの顔面を蹴ろうとする、だがブランドはコウの足を掴んで、下に投げる。
巨大な音が病院全体に響く、その音に対して、病室のユリーカがビビる。
「!?」
「屋上かしら……?はぁ、あの戦闘バカ、何かしているわね?」
モコがそう言って、ユリーカに語り掛ける。
「ユリーカさん、上に居るのはコウとリクです、どうせ、暇だから戦っているんじゃないでしょうか?彼らはユリーカさんの姿を見せない様に屋上に移動させたんです、だから安心して下さい」
「はぁ……コウ君も居るんですね」
「えぇ」
ユリーカの言葉に対し、モコは返答する──リクとコウは、ブランドに対し、一撃でも当てられるかは分からない──

Re: セカイ戦記 ( No.198 )
日時: 2016/11/24 20:58
名前: 彩都 (ID: .uCwXdh9)  

「遅いですねぇ、完全に遅い、まるでカタツムリの様だ」
そう言いながら空中で回転し、床に辿り着くブランド、そんなブランドをリクとコウは見る事しか出来なかった。
「あ……あぁぁぁぁぁぁ!」
リクはブランドに向かって、雷神愚ショットを放とうとする、だが、ブランドは簡単に避け、リクの雷神愚ショットを放った手の肘の部分を、手刀で攻撃する。
「!?早い!」
「貴方が遅いからですよ、もっと、早く、もっと、素早く無駄な動きを消して行動しましょう?貴方には、無駄な動きが多過ぎます」
「それはどうかな!?」
ブランドがリクに言う、するとリクはニヤッと笑う、不思議だ、そう思っていると、後ろからコウの声がした、まさか、もう起き上がったのか!?とブランドは思う、まぁ、良いでしょう、貴方にも無駄な動きが多いです、簡単に避けられます、そう考えながらコウの攻撃を避けようとした、すると体が動かない、それもその筈、『リクがブランドの体を拘束していた』からだ!
「お前も後ろががら空きだぜ!」
「生憎、共闘って事は、『一人が相手の阻害を、もう一人が、攻撃に専念出来る』事も可能!かかったな、ブランド!俺とコウの勝ちだぜ!」
コウとリクが言う、グッ、動けない……さぁ、どうするか?そんなの、一瞬で計算可能だ、そう思いながらブランドは、一気に腰を下げて、少し体を捻らせる。
「?」
リクが不思議に思う、その瞬間、リクは周りの建物がある風景から、一気に雲や青空が見える風景に移動していた。
リクは下を向き、判断した、そう、リクが居るのは空中も空中、その空中の上の『上空』だった、一気に上空に移動されてリクは驚いた。
「はぁ!?どうやってこんな所に!?」
リクはそう思いながら独りでに落ちていた、何時の間にか、拘束が解けていた様だ、それもその筈、こんな上空に存在するのだ、驚いて拘束を解いてしまったのだ。
「勝手に解けて、勝手に落ちるんですか……」
そう言って、ブランドはリクに対して呆れる、まぁ、こんな上空、来た事が無いと思いますから、そういう感情になるには分かりますがね──ブランドはそう思いながらゆっくり落ちていく──

「…………」
太陽が照っている、燦々と綺麗な太陽が……そんな空に対し、顔を上げている少年、コウが溜息を吐く。
「何気に回避された後、リク共々消えたなぁ……一体何処に行ったんだろう?」
と、独り言を言う、その瞬間、急に、空を切る音が聞こえた、その音は段々と近くなっていく、コウは耳を澄ます、何処だ!?前か、後ろか、横か?そう考えた、だがその考えたは違った様だ、『上』、そう、『上』である、上から空を切る音がしていたのだ、コウがその音に気付いて、周りを探す、だが見当たらない音に対して、混乱していた時、不意に顔を見上げた時だ、黒い物体が自分の目の前を通り過ぎ去り、その後、『ズドンッ!』と巨大な音が目の前で起きた、その後、病院が少し揺れた、まさか、病院に落ちた!?とコウはそう思い、顔を屋上の床に移動させる、屋上の床は綺麗な人型の穴があった──
「えっ?どっち?」
唖然とした後、コウは独りでに言葉を言う、そしてコウは綺麗な人型の穴を覗く──覗いた瞬間、顔面に何かがぶつかってきた。
コウは鼻を押さえて、確認した、そのぶつかってきた物はリクだった。
「えっ?どういう事?空から、リクが降ってきて、此処にぶつかった後、此処に戻ってきた……?」
コウはそう言いながら頭にはてなマークを作り出す──リクは気絶している。

「えーと、どうやって着地したら良いんだ!?あのままぶつかっても無事じゃあ済まない!どうする、どうする、どうする!?」
リクはそう言いながら空中で考える、だが対処法が無い、仮に雷神愚ショットで床を攻撃しても、落ちる事には変わりない、そして結局は大ダメージを受けてしまうだろう──どうする?そのまま受けるか?受けても再起不能になるだけだ、どうしたらいいのだろう?
リクは急いで考えるが、思い付かない、そして目の前に病院の屋上の床が見える、その屋上にはコウが見上げている。
「…………!」
リクは覚悟を決めて、床に衝突する事を考える、これ以外に対策も、考えも無いからだ。
行くぜ!これが俺の賭けだ!リクはそう思いながら屋上の床に衝突する、その威力は絶大で、何回ものの床を壊している、リクは右手に雷神愚を溜めて、思いっきり息を吸う。
一番下、そう、『一階の床の部分に雷神愚ショットを放つ』!そうする事で、床に衝突する勢いと、雷神愚ショットの勢いがぶつかり、相殺される、リクはそう考えて、床にぶつかって壊していく、するとモコとユリーカの姿が見えた、確かこの病室は──『一階』!!リクは急いで、右手で雷神愚を床に放つ。
「雷神愚ショットぉぉぉぉぉぉ!!」
リクの雷神愚ショットは床にぶつかり、リクは床にぶつかる力と雷神愚ショットの力がぶつかり、壁にぶつかってしまう。
「ぐはぁっ!」
何とかぶつからずに済んだリクは、大きく息を吐いて、安心する、安心した所為でリクは気絶する。
その光景を見て、モコは怒鳴る。
「入ってくるなって言ったでしょう!屋上で静かにしてなさいよ!」
モコは杖を使い、リクを屋上に送り返す、そしてユリーカに綺麗な笑顔で言う。
「安心して下さい、大丈夫ですから、解魔は出来ますんで」
「は、はぁ……」
ユリーカは冷や汗を掻きながら解魔出来るのを待つ──

Re: セカイ戦記 ( No.199 )
日時: 2016/11/28 20:41
名前: 彩都 (ID: KqRHiSU0)  

「おっ、やっと地上に辿り着きましたか──辿り着いた衝撃で気絶していますが──」
ゆっくりと上空から降りてきたブランドはコウに向かって言う。
「まさか……あんたがやったのか?」
コウが驚きながら声を出す、その言葉に対し、ブランドは回答する。
「『はい、そうです』って言ったらどうします?」
「……一発ぶん殴る」
「そうですか……本当に当てられます?このセカイで優勝した存在が、一人のか弱い医者に負けるなんてオチ、作らないで下さいよ?だって、私、『まだ貴方達に攻撃もしていないんです』から、防御として、の一撃はありますがね──」
ブランドがつらつらと言葉を並べる、そんなブランドに対して、コウは『気』を足に溜めて、ブランドに向かって攻撃を仕掛けた。
「でも、防御したら防御したで、リク選手は気絶してしまいましたが──」
ブランドがそう言った瞬間、コウの足に溜めた『気』の蹴りは簡単に避けられる。
「アハハッ!人が喋っているのに攻撃するなんて……何てお行儀が悪いのでしょう?」
「戦いにお行儀もクソも無いだろうが」
「まぁ、そうですね、正論有難う御座います」
ブランドがそう言って、お辞儀をする、その瞬間、ブランドは『下しか見えていない、周りの風景は床しか見えていない』状態となる!!その隙を突いてコウはブランドの頭を踵落としで攻撃した。
「背中ががら空きだよ!」
コウがそう言った瞬間、ブランドは笑う。
「アハッ、アハハハハハハ!引っ掛かりましたねぇ、完全に私の目論見通りですよ!」
「!?まさか、お辞儀をしたのは罠に引っ掛ける為にか!?」
コウがそう判断したがもう遅かった、ブランドの攻撃にコウは為す術も無く攻撃を受けた──
「グハァッ!」
コウはそのまま攻撃を受けて、倒れる、そしてブランドが言う。
「うーん……弱いですねぇ二人共──特訓を付けてあげたい所ですが、その前にリク選手、コウ選手には、『達成すべき事』があります、それを達成し終えたら、特訓をつけてあげたいですねぇ」
ブランドはそう言って、欠伸をする、そして仮面を外し、大きく溜息を吐いた。
「でもあの時は焦りましたねぇ、お辞儀している時に攻撃だなんて……奇策中の奇策じゃないですかねぇ……」
ブランドはそう呟いてから、倒れたリクとコウを肩で担いで屋上を降りる──

「…………」
中々難しい解魔ね──この魔法だけ相当分厚く硬い……解けない事は無いけど、時間が掛かりそうだわ……モコはそう思いながらユリーカの解魔を行っていた、もう半分迄来たけど、中々その奥が分厚い、なので、解魔に時間が掛かっていた。
「……あの、モコさん、貴方は何で私に解魔をしようとしたんですか?逆にカラード──この魔法をかけた人です──に解魔をさせなかったんですか?もしくはカラードの師匠とか……」
ユリーカのその質問に答えるモコ。
「そうねぇ……ただのお人好し、よ──ただの」
「えっ?お人好し?」
「えぇ、≪ヤツラ≫を見つけたら倒す、≪ヤツラ≫に襲われている存在を見つけたら何が何でも助ける、そんな人に影響されたのかもしれないわね──」
モコはそう言って、リクの所為で出来た横の壁の穴を見続ける──
フフッ、と笑った瞬間、手に何か変化が現れる、ユリーカに掛かった魔法の分厚い部分が無くなり始めたのだ、これは……驚きだわ、こんな魔法、存在している事が面白いわ、そう思いながら解魔を続ける、段々と解魔が出来ていく、半分から、60%、70%、80%と解魔が出来ていく──そして99%迄解魔出来た事を喜ぶ。
「やっと楽になりますよ、ユリーカさん……」
そしてモコは大きく息を吸って、一気に手に力を込めた。
「はぁぁぁぁぁぁ……!!」
「うっ……あぁっ!かっ、体が熱い!心臓が焼ける様に、鼓動する度に熱くなっていく!あぁっ!!」
「耐えて下さい!もうすぐ解魔が完了する合図です!」
「そっ、そうなんですか!」
ユリーカはモコの言葉に安心して、溜息を吐く、これでもう一人の人格とお別れ……

させねぇよ。

!?この声は、悪い人格の私!?ユリーカは首を振って周りを確認するが、何も無い、一体何処から……?

此処だよ、此処。

そう言って、足を掴む闇の人格のユリーカ、普通の人格のユリーカは驚いてしまう。
「うわぁ!?足に!足にもう一人の私が!」
「あまり見ない様にして下さい!それは解魔する時の最後の反抗です!だからその人格を見ないで下さい!話しかけられても無視して下さい!いいですね!?」
モコの言葉にユリーカは首をブンブンと縦に振る。

お前は私と一緒に生きるんだよ!

「煩い!私は私!人格も一つなんだよ!いい加減にしろよ!お前!」
「こりゃ、私の話聞いているか、不明だな……」
ユリーカの発言に対し、モコは溜息を吐く、全く人の話を聞いて欲しいよ……

黙れ!お前は私が植え付けられた時から私の配下なんだよ!それは覆らない!

「覆る!そして私は黙らない!モコさんが頑張っているんだ!私だって頑張らないといけないんだ!私が今すべき事、それは『アンタを精神的に負かす』事だ!」
ユリーカはそう言ってもう一人の人格を消す事に集中する、モコはモコで、一人でユリーカの解魔を行っていた──
何で私の話を聞かない人が多いんだろう?モコはそう思いながらユリーカの解魔を続ける──


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