複雑・ファジー小説
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- セカイ戦記
- 日時: 2016/05/17 18:57
- 名前: 彩都 (ID: lKhy8GBa)
ーーぼくは戦うーーこの汚れたセカイとーー
二作目の投稿です。
初めての方も知っている方も初めまして、彩都と申します。
気長に投稿します。
今回は歴史ファンタジー…かも…
という事で宜しく
登場人物
今作は先にキャラ紹介をさせていただきます。
主人公
トゥダ・リク 男
このセカイは名前に意味は無く、名字・名前や逆に名前・名字は無く、名字・名字、名前・名前となっている。
リクは名前・名前。
リーナ・ユリ 女
名前・名前。
妖精で回復の魔法を使う。
リクの仲間。
リヴェレット・モコ 女
名前・名前。
攻撃系の魔法を使う。
ユリは貧乳だが、モコは巨乳。
何時も箒に乗っている。
ショウ・コウ 男
名前・名前。
肉弾戦が得意な仲間。
魔法では倒せない存在には肉弾戦が良いとされている。
ジェネレッド・D 男
?・?
リクの仲間だが何者かは知らない。
敵かもしれない。
Dは物語の中心に近い。
サルウ°ァ・ティル 女
名前・名前。
名前の言い方は秘密。
大きな剣、真剣簪(かんざし)を使う。
大きさは約三メートル。
サワラビ・ユウ
名字・名前。
遙か遠く、キョクトウのニホンの人間。
彼も何者かは分かってない。
何時も一人で行動している。
薙刀の師範代を務めている。
μ
記号。
名前を持たず、施設で使われていた記号を使っている。
戦闘力は圧倒的に強いが、カロリーが切れるとすぐ戦闘不能になる。
白いジャージに白い肌、髪は無く、オールバックの様な角を生やしている。
用語解説
魔法
魔法は体内に眠る魔力を燃焼させて、魔法を扱う。
キンキなる魔法も存在する。
キンキなる魔法は使うと死んだり、植物人間になったりする。
存在
セカイ戦記における敵。
魔法で倒せる奴や肉弾戦でしか倒せない者もいる。
肉体の一部分が膨らんでいたりと『異形』の存在。
ゾンビの様に意志は持たず、人間を襲う。
セカイ
混沌としている。
その混沌のせいで存在が出来たと言われている。
舞台的に言えば、『北斗の拳』の世紀末ワールドに近いです。
存在が色んな所でばっこしている。
妖精
見える者もいれば見えない者もいる。
リク達のメンバーは見える奴が多い。
見えない者は眼鏡を使ったりする。
だが、眼鏡も法外な値段が多い。
傷の手当や回復が得意。
回復は魔法に当たるので、妖精は無意識に魔法を使っている事になる。
『リク…貴方は希望の仔…貴方は奇跡の仔…貴方は私と**の仔…お母さんが居なくても頑張るのよ…』
「お母さん!!」
そう言って、母さんは燃え盛るセカイから、燃えた。
跡形もなく、消えた。
セカイ戦記 序章 、『運命』の仔
俺はトゥダ・リク。
男、十六歳。
《ヤツラ》を始末する者。
《ヤツラ》とは、前々からこのセカイに現れた敵だ。
コイツ等のせいで俺は母を亡くした。
俺はコイツ等を駆逐する為に仲間を探している。
俺は仲間探しの為に故郷を捨てた。
そして俺は前へ一歩、踏み出した。
少し歩いて着いたのは、妖精の世界、フェアリアだ。
そこで俺は水浴びをしているビキニの女性を見つけた。
「おーい!妖精王に会いたい!道案内してくれ!」
ビキニの女性は羽を生やしてこちらに来た。
どうやら妖精らしいが、背は俺の胴体位だろう。
「貴方、妖精王に会いたいの?今は会えないわ、会うの止めたら?」
「俺は《ヤツラ》を駆逐する為に妖精王に力を借りに来たんだ、止める事は出来ない」
「分かったわ、じゃあ貴方の仲間になるから会うのは止めてくれない?回復も出来るから旅には最適よ」
「良いのか?」
「良いわよ、私の名前はリーナ・ユリ、宜しく」
「俺はリク、宜しく」
こうして、人間、リクと妖精、リーナの出会いだった。
「なぁ、リーナ、この水は人間でも飲めるのか?」
そう言って、リーナが浸かっていた水を一掬い、口に近づける。
「ダメッ!!!!!」
リーナの止めは既に遅し、もう口に含んで、喉を鳴らした後だった。
「ん?どうした?リーナの汗が入っているから、飲むなってか?大丈夫だろ…」
リーナは言う。
「いや、そうじゃなくて…人間は此処の水飲むと、人間には毒だからって…」
そう言うのと同じくして、リクは気絶する。
「リクッ!?」
リーナはビキニのまま、、リクを長老の所へ連れていった。
「んー、ユリ…」
長老は重い口を開いた。
・・・・・・・・・・・・
「こやつには毒その物が無い…これはどういう事じゃ?」
「えっ…?」
リーナは驚いた。
人間で泉の水を飲んだのは大抵、必ず死ぬ、最悪死ななくても毒の後遺症が残るのに…。
リーナにとって、この事は不思議で不思議で意味が分からなかった。
すると、リクが目覚めた。
「う…うーん…此処は…何処だ…?」
リクはすぐさま、リーナを見つけた。
「リーナ!此処は何処だ!?俺は何故此処に!?」
リクは慌てて周りを見やる。
「落ち着くのじゃ、少年」
と、長老が止める。
長老は、リクが倒れて此処に来た事、此処は妖精の村と長老である事を話した。
「全く信じられん話だが、俺が記憶を覚えていないんだ、リーナ有難う」
「良いよ、リクって見た目に反して軽いんだもん」
そういうリーナに驚くリク。
「お前さん知らんのか?妖精は小柄だが怪力だぞ?」
その事を聞いて驚く。
妖精は力が凄いんだ…。
リクは新たに情報を頭に叩き込んで、立ち上がる。
「良し、行くか」
長老はリクがすぐ立ち上がった事と同時に驚くが、どこかへ行く事にも驚く。
「待て、お前さん、今から何処へ行くのじゃ?」
長老が聞くと、すぐさま言った。
「隣町だよ」
「隣町には《ヤツラ》が要るのじゃぞ!!」
長老は止める。
それに対しリクは。
「大丈夫だよ、そいつ等は始末屋であるこの俺に任せな!
」
そう言う台詞に驚く長老。
まさか、《ヤツラ》を倒す力を持っているのか…。
そう思っていると、二人は出発していた。
長老の声は空しくも聞こえなくなった。
こうして、傷が回復したリクとリーナは旅を開始するのだった。
次の町は何処へ行くのか…それは誰も分からない…
序章終了 第一章へ続く…
セカイ戦記 第一章 運命の仔の戦闘
妖精の世界、フェアリアの隣、戦争の世界、バトランゲージは存続の危機に瀕していた。
バトル王宮最上階国王の部屋。
「ひいぃぃ!!まっ待て!話せば分かる!金ならたんまり有る!だから見逃してくれぇ!」
「…………」
バトランゲージ国王、マイルは謎の生命体と話していた。
生命体は体を包帯で巻かれている者やジリジリと追い詰める者も居た。
ただ、生命体には共通点が幾らか有った。
一つ目は全員、肌が腐敗した色になっていた、具体的に灰色。
二つ目は口を大きく広げ、涎を垂らしている事。
そして三つ目は…
喋らない事だ…
何故喋らないのか、各国で議論されるが、喉が使い物にならないが妥当とされてきた。
生命体の過去の姿は、人間だった。
数十年、数百年経っても、この生命体は存在してきた。
そして生命体はゾンビの様に感染する。
今もそんな生命体から避、難する人間の中に反旗を翻す存在も居た。
その名は『退治者』と呼ばれる事になった。
その人物は生命体を倒す程の力を持っていた。
そんなリクも『退治者』の一人だ。
そして『退治者』達は、生命体に名を付ける事にしたのだ。
その名は《ヤツラ》となったのだ。
※小説のレスを消さないで下さい。
消しても無駄なので。
何か気に食わないなら、書き込めば良いじゃないですか、何でそんな事が出来ないんですか?
他人様の小説を消して、ナニが満足ですか?
彩都の小説のレスを消す事に何の意味があるんですか?
出来ればそれを書き込めば、彩都も納得します、なので、消さないで下さい。
困るのはこの小説を読む読者様なので。
コピペしていますから、消しても無駄ですよ?
- Re: セカイ戦記 ( No.216 )
- 日時: 2017/01/26 21:07
- 名前: 彩都 (ID: ???)
いきなり二人は『気』を開放して、一発殴りあった、コウはユリーカの顔面、ユリーカはコウの左肩を殴った、そして二人は離れて、殴られた部分を摩る。
「中々重い攻撃だな、ユリーカ!それがお前の攻撃か!?」
「あぁ、そうだよ!……それにしても重い一撃だなぁ、流石優勝者!」
二人はそう言い合って、また近づいては攻撃する。
そんな殴り合いの様になっていく攻撃に司会のリーナは呆然としている。
「…………」
「何だ?二人の戦いに口を開けて見ているのか?」
急に声を掛けてきたリクに驚いて、口を閉じるリーナ、そしてリクに話しかける。
「うわっと!?驚いたぁ──まぁ、そうだね、二人の戦いが凄くて口が開いちゃったよ……それにしても凄いねぇ、殴り合っていく内に相手の事を理解しているって感じがする──まだまだ殴り合うと思うよ、あの二人は……だって、『最強』と『最強』との勝負だしね……どっちが『最強』か、決める戦いでもあるかもしれないね、リク、リクならどっちが勝つと思う?『このセカイ最強のユリーカ』か、『闘技場最強のコウ』か──」
「…………」
リクはリーナの言葉を聞いて、無言になる、するとリーナが自分の思いを話す。
「私はね、ユリーカちゃんが勝つと思うんだ、ユリーカちゃんは私にとって優しくしてくれたし……まだ奥の手があると思うんだよね──と言っても私はあまり戦闘をした事が無いから、結構適当なんだけどね──だからユリーカちゃんが勝つと思うんだ、この戦い」
「…………」
リーナの言葉を聞いて、リクは無言の返答をする、そして数瞬が経った後、リクは口を開いた。
「……俺は……コウが勝つと思うな、だって俺より強いし、俺より強くなっているし……だから勝つと思うんだ、この戦い──コウが勝つってな──まぁ、どっちが勝っても良いけどな、この戦いはコウが本気で戦いたかった戦いなんだからな、アイツが満足する戦いをすれば良いのさ」
「ふぅん……つまり、『勝敗は興味ない、コウが満足する戦いさえしたらそれでいい』って言いたいの?」
「まぁ、そう言う事、だから俺は今回応援はしない事にした、どっちが勝ってもコウが満足したらそれで充分だしな」
「成程ねぇ……まぁ、良いか、結局はコウが満足すれば良い戦いてだけだしね」
「あぁ、そうだ、だからコウはもっと本気を出しても良いと思うぞ?」
「えっ?コウって、もう本気で戦っているんじゃ……?ユリーカちゃんだって相当本気で戦っている様に見えるけど……?」
リクの言葉にリーナが驚く、本気を出してもいい?コウが本気を出していない?いや、ユリーカちゃんだって本気で戦っている筈……そう思いながら見ていると、少し不思議な事を感じた、それは『二人が笑いながら戦っている』事だった、笑顔で戦っている、つまり余裕がある、と言う事、何で二人は笑っているんだろう?本気で戦っているんじゃないの?『まだ本気を出していない』の……?頭の中で錯綜する考え、だが、目の前で二人が笑っていて、リクがそう言う以上、『まだ本気を出してない』、と言う事になるのだろうか……?そう思いながら二人の戦いを見ていると、急にユリーカが離れて、『気』を解除した。
「さぁ、これでコウ君のウォーミングアップは終わったかな?まだ体は温かくなっていない?」
そう言うユリーカに対し、コウも『気』を解除して、返答する。
「ハッ!それはお前じゃないのか、ユリーカ?お前も実際はウォーミングアップは終わっていなくて、体が温まっていないんじゃないかぁ?」
「…………」
「…………」
二人はそう言い合って、無言になった、すると二人は急に大量に『気』を纏って相手を攻撃した。
「誰が温まってないってぇ!?」
「誰が温まってねぇってぇ!?」
そう言って、二人はまた突撃して、殴りあう、その光景を見て、リーナは驚いた。
「えぇー!?本当に本気じゃなかったー!?私からは本気に見えるんだけどぉ!?まだ二人は本気で戦っていなかったって事!?」
「なぁ?言ったろ?」
叫ぶリーナに対し、リクは少し溜息を吐いてから言う、そしてリクは続けて言う。
「まぁ、俺からしたら、あの戦いはただの前哨戦、ご飯で言えば前菜だよ、そして今の発言で二人は本気で戦うだろうなぁ……ご飯で言えば主食だろうなぁ……」
「な、成程……リクみたいに戦いに慣れていないから私には分からないよ……」
リクの言葉に対し、リーナは少し溜息を吐く、凄い戦いだなぁ、私では絶対に戦う事が出来ないレベルに迄達している……とリーナはそう思いながら、唖然となり、口を開ける、その姿を見て、リクはまたリーナに言う。
「……リーナ、口がまた開いているぞ?口の中が乾燥しても知らないぞ?」
「あっ、本当だ……」
リーナは自分が口を開けている事に気付いて、口を閉じる、すると少し乾燥していた舌が濡れて、乾燥していた部分が柔らかくなる。
リーナはコウとユリーカの戦いを見るが、どちらが勝つのかは分からない、出来ればユリーカちゃんが勝ってほしい、そう思いながら二人の戦いを見る──コウとユリーカ、どちらが勝つか、リクにもコウにもユリーカにも分からない──
- Re: セカイ戦記 ( No.217 )
- 日時: 2017/01/30 21:04
- 名前: 彩都 (ID: ???)
「へへっ!コウ君、中々やるぅ!」
ユリーカはそう言ってコウを挑発する、勿論コウはその挑発に乗った。
「だけどまだまだなんだぜ!」
コウは一気に『気』を開放し、『気』を体に纏った、更に右手の部分に大量に集めて、一撃で倒そうとしていた。
「へぇ……そこ迄自信があるのかぁ……だったら私も少しだけ力を解放しようかねぇ……?」
「!?」
ユリーカの言葉に対し、コウは驚いた、何だと?まだ隠し玉があるのか?それならもっと早く言って欲しい、そう思いながらコウは一撃で決めるべく、右手でユリーカを攻撃した、だがユリーカは口の端を歪ませて笑う、一体何で笑ったのか?そう思っていると右手に纏っていた大量の『気』が段々と薄くなっていき、剥がれていっている、えっ?どういう事だ?『気』は肌身離さず纏っていた筈だ、なのに何で剥がれ……そう思った瞬間、周りから空気が吸い込まれる感覚を覚えた、何なんだ?近くに台風でも出来たのか?そう思ったが違う、大きくて分からなかったが、『ユリーカの後ろに黒い渦が出来て』いたのだ、一体何の渦か?まるでブラックホールの様に黒く、禍々しい──まさかこの黒い渦の所為で自分の右手に纏った『気』が剥がれた?いや、そんな筈は無い、何故なら右手に離れない様に強く纏っていたのだ、なのにただの黒い渦だけで右手の纏っていた『気』が剥がれるか?答えは簡単だ、『剥がれる筈がない』のだ、なのに右手の『気』は剥がれている……一体全体どういう事だ?まさか無意識に『気』を右手から離したのか?いや、流石にそれは無い、ではどういう事だ?──そう考えた時だ、あの黒い渦に何か見覚えがあったのだ、一体何の黒い渦だったっけ……?あっ……まさかあの『渦』は──するとコウは気付いてしまった、あの黒い渦の正体が──
「まさかその渦は『絶無型』の!?」
コウがそう言うと、ユリーカはにやり、と笑った。
「そうだよコウ君!闇の人格が目覚めた時に使用していた『型』さ!『闇の人格がこの型を使っていた』、と言う事は普通の人格でもある『私でも使用出来る』と言う事!私だって『絶無型』が使える素質があった、という事だよ!」
ユリーカは高らかに言う、そんなユリーカに対し、コウは少し焦ってしまった、何故ならまた闇の人格に乗っ取られた、と思ったからだ──そう思った瞬間だった、右手に纏っていた『気』が全て右手から離れてしまった──くそっ、もう消えたか……とコウはそう思いながらユリーカに『気』の纏っていないただのパンチをぶつけた。
「ぐえっ」
ユリーカはそう言って、その場で倒れる、何とか攻撃を当てる事が出来たが、『気』での威力倍増は消えてしまった、なので、あまりこの拳は聞いていないだろう、と考える、そしてゆっくりとユリーカは立ち上がって、自分の殴られた頬を摩る、何だか相当痛そうだ──
「いっつぅー……コウ君、中々の攻撃力だね、私驚いちゃった」
「えっ?『絶無型』で『気』は剥がされて『気』を纏わずの攻撃だったんだけど……結構痛かったのか……よし、それじゃあ『気』を纏った右手での攻撃も受けてみるか?」
コウはユリーカの言葉に対し、冗談交じりに言うと、ユリーカは『うーん、それも良いかもねぇ……』と言う、ユリーカの言葉に対し、コウは『マジかよ……』と思う。
「まぁ、それは私に負けたらして欲しいかな?」
「はっ!それは無理だな、だってこの『真の決勝戦』、俺が勝つんだからな!」
「あら?レディには優しくしないのね?レディに優しくない男はケッコンもレディとのお付き合いも出来ないわよ?」
ユリーカの言葉に対し、心にグサグサと突き刺さる言葉、コウは苦し紛れに呟く。
「は、はんっ……だ、大丈夫だよ、お、俺のケッコン相手は……リーナと、モコのどっちかだからなぁ!」
コウがそう言うとコウとユリーカの試合を見ていたリーナは口を一文字の様に伸ばし、無表情になった。
「リ、リーナ?」
突然の無表情にリクは驚いた、ていうかこんな顔するのか、とリクは思う。
「へ、へぇ……この世で一番愛している私を放って置いてそう言う事を言うのかぁ……何だか悲しいなぁ、まるで失恋した気分だよ……そうだ、コウ君、『真の決勝戦』、って言ったよね?だったら優勝商品が無いとダメだよねぇ?」
悲しんでいたユリーカだが、片手を拳にし、ポンッともう片方の手の平にぶつける、そしてにやにやしながらコウに言う、コウは目を細めて、不思議そうに答える。
「あ、あぁ……そうだよな、だけど急にどうしたんだ?」
「だったらさぁ、いや、もしもだよ?もしも私がコウ君に勝ったら、ケッコンして欲しいな!」
「は……はぁ!?いやいやいやいや!どういう事だよ!?意味が分からねぇよ!」
「えぇー、だって優勝しても何も無いじゃん?だったら私が嬉しい優勝商品にして欲しいなって……」
そう言うユリーカに対し、コウは溜息を吐く……確かにこの『真の決勝戦』はただ単に決勝戦の再戦をしているだけだ、勝ったら勝ったで最強の証が手に入る、だが手に入ってもコウみたいに権限が貰える訳では無いのだ、仕方なくコウは了承する事にした、だがコウだって反論する価値はある。
「はぁ……分かったよ、お前の優勝商品はそれで良いよ、だけど俺だって考えがある、もしも俺が勝ったらケッコンは破棄してもらう、その考えも破棄だからな?」
コウがそう言うとユリーカは悲しむ。
「それは酷い!ずっと片思いで居ろって事!?」
「誰もそうは言ってねぇ!お、俺以外にも良い男性は見つかるって!別に俺に固執するなよ……」
「いいじゃん!コウ君を一目見た時から好きなんだもん!一目惚れだもん!」
「えっ……」
ユリーカの言葉に対し、コウは照れる、それを横からにやにやして見る二人。
「おいっ!笑ってんじゃねぇ!……ていうか早く戦いを開始しようぜ?」
「うぅっ……仕方無いなぁ、じゃあ私が勝ったらケッコンね!」
「俺が勝ったらケッコン破棄な!」
「仕方無い……それで良いよ!それじゃあ決勝戦再開だね!」
「はぁ、中々大変な決勝戦だぜ……」
ユリーカの言葉に対し、コウは返答した後、溜息を吐く……この決勝戦、どちらが勝つか、コウとリク、ユリーカとリーナはまだ分からない──
- Re: セカイ戦記 ( No.218 )
- 日時: 2017/02/02 21:13
- 名前: 彩都 (ID: 5TWPLANd)
「遂に始まったねぇ」
「あぁ、そうだな、一時はどうなる事かと思ったが……」
リーナが急に声を発した、リクはリーナに返答する、本当に焦ったな、と心の中で呟く。
それもその筈だ、少し前迄痴話喧嘩と言うか、恋愛話と言うか、ちょっとした話し合いがあったのだ、そしてその話し合いの結果、優勝商品はユリーカの場合はコウとケッコン、コウが優勝した場合はケッコン破棄、という事になった、その話し合いの所為で、一時決勝戦が停止していたのだ。
「それにしても今の状況はどうなの?どっちが優勢なの?」
「どっちが優勢かと言われると……どっちもどっちだな、まず、二人の力は想定外なんだよ、俺にとってはな──まだまだ二人は力を隠している可能性もあるからな──二人共自分より強いからな、どっちが勝っても可笑しくは無いからな」
リクがリーナの言葉に返答する、リーナは『ふぅん、成程ねぇ、リクでも到達していない強さに二人は到達している、って事?』と言い返す、その言葉に対し、リクは渋々頷く事しか出来なかった、実際の事なのだから──
「へへっ!急に攻撃が重くなってきやがった!本気でケッコンする気だ!」
舞台の上のコウはそう言いながらユリーカの攻撃を受け止めてはずらして、攻撃をかわしていく、一回一回の攻撃を受けては受け流すので、少しだけ攻撃を受けてしまう、その『少しだけの攻撃』がとても重い、途轍もなく重いのだ、ずらして攻撃を避けるのでさえ精一杯になっていく──そして上方向から来るユリーカの踵落としをコウは両腕をクロスして攻撃を受ける、その瞬間だった、『ビキビキ』と何か罅(ひび)がいく、ヤバい、完全にヤバい、そう思いながら後ろに足を引くコウ、そして踵落としの攻撃を最初に受けた左手の前腕部分を右手で少し触る、すると左手の前腕部分が少し罅がいっていたのだ、ヤバい、これ以上左手で攻撃を受けたら絶対骨折する、そう考えながらユリーカから間合いを取る、だがユリーカは左手の前腕部分に罅がいっている事なんか知らずに間合いを詰めていく。
何で近付いて来るんだよ!?自分、もしかして結構ヤバい状況!?と思い始めるコウ、そして左手の前腕部分に『気』を溜めて防御力を高める、何とか折られない様にしないと……そう考えながらどう攻撃するか考える、流石に右手ばっかで攻撃をしていたら、『何で左手は使わないんだろう?』と勘繰られてしまい、今度は左手ばっかに攻撃されて本当に折れてしまいかねない──そんな事は起こしてはならない、そう考えて、間合いを取る事を止める、大丈夫、相手に悟られない様にすれば良いのだ、よし、イケる、自分なら出来る!とコウは自分を鼓舞する、大丈夫、『気』だってあるのだ、安心しろ!そう思いながらコウは大きく深呼吸をして、ユリーカを見る。
「へぇ、急に止まって深呼吸か、何気に余裕だなぁ、優勝者さんはっ!!」
ユリーカはそう言って、コウの寸前迄近付き、地面に自分の右手の拳をぶつける、すると巨大な砂埃、塵芥が舞台を包んだ、ユリーカの行動に対し、コウは驚いてしまった。
「甘かったね、コウ君!ちゃんと周りの事も考えないと!」
ユリーカはそう言って、にやっ、と笑う──コウが立っている場所、実は風の影響で砂埃等が溜まりやすい場所に近かったのだ、そんな場所に立っていて、『目暗まし』をしないとでも思ったか!ユリーカはそう思いながら砂埃、塵芥で包まれている舞台の中を移動した、砂埃の影響で周りを確認出来ないコウは周りをきょろきょろと見回すしかない、そんなコウに対し、ユリーカは見えない様に移動し、コウの背中に膝蹴りをぶつける、コウは背中に何かがぶつかった瞬間、一瞬で振り向いて何がぶつかったのかを確認する、ぶつかったのはユリーカの左膝でコウは驚いた、まさか拳では無いのか、と思った瞬間、何処かへ吹き飛んでいく。
そして何も見えない状況でリーナがリクに言う。
「ねぇリク、リクはこの状況、見えてるの?」
リーナの言葉が聞こえて、我に返るリク、リクはリーナの言葉に返答する。
「うーん、目を凝らして見てはいるが、影とか体の形しか判断出来ないな、攻撃をしているのか、避けているのか、攻撃を受け止めているのかも良く分からない……流石に目の前が砂嵐状態では判断出来る事さえ判断出来ないな……」
そう言って、溜息を吐くリク、そんなリクを見て、『リクでも分からない事があるのか、結構戦闘をしているイメージがあったが、目の前が砂嵐の様じゃあ流石に分からないか』と判断する。
「分からないのか……早く砂嵐、砂埃が落ち着けば良いのにね」
「あぁ、そうだな……」
リーナがそう言うと、リクは静かに頷く──一体何が起きているんだ?何かぶつかる音が聞こえた、何かと誰かがぶつかった音だよなぁ?だけど何とぶつかった?まさか壁か?壁なら壊れて瓦礫になっている筈だが……まさか砂嵐の奥って事なのか?今は見えない場所と言う事か?と考えるリク、リクはコウとユリーカの戦いが気になって仕方なかった──コウとユリーカ、どちらが勝つかはリクには分からない──
- Re: セカイ戦記 ( No.219 )
- 日時: 2017/02/06 21:41
- 名前: 彩都 (ID: ???)
「あ、あぶねぇ……何とか『気』を纏ったから良いけれど、あの攻撃を直接受けていたら背骨がイってたかもしれねぇなぁ」
コウはそう言って壁の中を掘って、少し休憩する、左手の骨に罅が入っている、もしも『気』で治せたらなぁと思うが、『気』は攻撃力増加、防御力増加等、『増加』系が多い、治療系の『気』があれば良いな、と思うコウ──そしてコウは舞台の砂嵐を確認する、舞台は砂嵐で覆われている、何故砂埃が砂嵐になっているのかと言うと、ユリーカの『絶無型』の所為だ、『絶無型』の力を使用し、小さな竜巻を作っているのだ、なので砂埃が砂嵐になっているのだ、迂闊に舞台に入ろうものなら簡単に小さい傷が出来て、後々重症となるだろう──この砂嵐を突破する方法はどうするか?そう考えながらコウは大きな溜息を吐いた。
「完全に攻略出来る範囲、超えてるだろ……?」
コウは独りでに呟きながら舞台を見る、『気』を手に纏っても、『絶無型』の力を使用して、吸い込んで剥がすしなぁ、そう思いながら必死に砂嵐と『絶無型』の対策を考える、すると一つだけ妙案が思い付いた。
「いや、流石にこれを実践するのは反則だろう?だけどそうしないと突破口が見当たらない──どうする自分?どうする耐久力?」
コウは顎に手を当てながら考える、うーん、成功する確率は低い、かといって、しないと突破する事が出来ない──コウはもう一度溜息を吐いて、その場を立ち上がる、そして壁から現れて、大きく息を吸って、膝を曲げ、地面に両手を着く、今のコウの姿はまるで『クラウチングスタート』のポーズだった、次にコウは一拍置いて壁の上──観客席に向かってジャンプして観客席を走り回る──
「えーと、膝で吹き飛ばしたコウ君は何処だろう?」
ユリーカはそう呟きながら砂嵐の中、舞台のど真ん中で胡坐を掻きながら周りを見廻していた、流石に場外及び、闘技場外には吹き飛ばしていない筈なんだけど……そう思いながら急にユリーカは立ち上がる、そして大きな溜息を吐いた。
「あー、これは闘技場外かなぁ……?流石に強く蹴っちゃったし……」
ユリーカはそう呟いてその場で寝転がる事にした、ごろごろしながら待つかぁ、そう思い、右へ左へとゴロゴロする、するとユリーカは何か音がするのを感じる、ユリーカは舞台の床に耳を貼り付ける様に押し付け、周りの音を確認する、周りはコウ、リク、リーナ──リーナは飛んでいるから除外するとしても──ていうか何だこの胸騒ぎ?何だか厭な予感がする、更に何なんだ、この音は?誰かが走り回っている音?逆に考えてリーナか?いや、流石にそれは無い、この走り回っている音は体重があり、重みがある存在が出している音だ、軽くてすぐ宙に浮く事が出来るリーナとは違う、それならリクか?いや、それも有り得ない、リクはあまり走らないイメージがあるからだ、と言っても舞台の全容──つまりユリーカとコウが戦っている場面──を見たいが為に走る可能性もあるから除外出来ない、ではリクを除いたとして、最終的な消去法ではコウしか残らない、でもコウは吹き飛ばし過ぎた所為で闘技場の外に出ているかもしれない、それの可能性も拭えないのだ、では結果的に走り回っているのはリクだな、とユリーカは判断する、だがその判断は完全に間違っていた事が証明される──
ユリーカが走り回った音の正体はリク、と決め付けた時、舞台の床から耳を離した瞬間、その時だった、ユリーカが耳を離した瞬間にその『走り回っている音』も消えたのだ、そしてその音を出したその主は上空を駆け、砂嵐の上空を乗り越えて、舞台の中へと入ってきたのだ、そしてその音を出した者はユリーカに向かって、飛び膝蹴りをぶつけようとした、だがすんでの所で、自分にかかる影を察し、ユリーカは横に転がって、音を出した者の飛び膝蹴りを避ける。
音を出した者は飛び膝蹴りからただの右手のパンチに乗り換えて、足の破壊を防ぎ、腕だけで衝撃を受ける。
「いやぁ、惜しかったなぁ」
音を出した者はそう言って、頭を掻く、まさか『闘技場の中で隠れていた』とは……と思う、ユリーカ、『走り回っている音』を出した存在、それはコウだった。
「私も危うかったよ、影さえなければ何とか私に膝蹴りが行っただろうねぇ」
「確かにな……」
コウはそう言って、飛び膝蹴りの前の事を思い出す。
「行くか」
コウはそう言って、闘技場の舞台に行く為に観客席にジャンプして観客席を走り回る、コウは『遠心力を使用して舞台の中に入ろうとした』のだ、そして竜巻は台風と同じ様に真ん中が無風、つまり『台風の目』状態なので、その『台風の目』状態の所に入れば正面突破せず、舞台の中に戻れる、と言う事だ。
「さて、舞台の中に戻って来れたんだ、決勝戦の続きをしようぜ?」
コウはそう言って左手で親指以外の指を手前に動かす、その動きに対してユリーカは笑う。
「そうだねぇ、さぁ、続きをするか」
ユリーカはそう言って、大きく息を吸って、構えを作る、舞台の周りにはもう砂嵐は無くなっていた──
- Re: セカイ戦記 ( No.220 )
- 日時: 2017/02/09 21:39
- 名前: 彩都 (ID: ???)
「え……!?急に砂嵐が消えて舞台の真ん中にはコウとユリーカが……!?」
砂嵐が消えて、突然舞台の真ん中にコウとユリーカが存在していて、リクはとても驚いていた、それもその筈だ、『砂嵐で舞台の中が見えないのに急に壁の方に音が鳴り、その音の後に一人しか居ない筈の舞台の上にコウとユリーカ、二人が存在している』のだ、これは誰しもが驚く筈だろう。
リクは何で舞台には一人しか居ない筈なのに二人になったのかを考えていた、するとリーナは静かに呟いた。
「上……か」
そう言ってリクはリーナの言葉を考える、上?上、上、上、上……そう考えて、一つだけ思い付いた事があった、そう、『竜巻だって台風の目がある』事を──まさか真ん中の目の所から侵入するとは──そう思いながらコウの行動に感心するリク。
そしてコウとユリーカが『気』を纏いながら殴り合っていく、二人の攻撃は段々と素早く、重くなっていく、そしてコウが間合いを取って、深呼吸をする、ずっと『気』を使い続けるのは大変だ、少しでも新鮮な空気を体の中に入れて体の中をリフレッシュしないと『気』が乱れて、集中出来なくなってしまう、それはユリーカも同じ様で、ユリーカも深呼吸して、息を整える、コウも息を整えた後、分厚く『気』を纏い、何時でも動ける様にする、ユリーカも『気』を拳に纏い、何時でも殴れる様、準備する、そして一息ついた後、二人はぶつかった、最初は頭突きでぶつかり、二人は二、三歩後ろに後退してから頭を振って気を取り戻す、次にコウの右アッパーがユリーカの左脇腹を狙う、だがユリーカは左手でコウの右アッパーを掃い、掃った左手でコウの右肩を鉄槌打ちで攻撃しようとコウの右肩から左手を下げる、するとコウは自分の右足で左手の鉄槌打ちを掃う、その瞬間だった、胴体が空いたコウにユリーカは右手でパンチを仕掛けてきた、その時、コウにとっては致命的な隙だったかもしれない、何故なら右足は左手を掃う為に上げている、つまり自分の体を支えているのは『左足だけ』だからだ、だが何故かコウは心の中で笑った、その笑いは表情に出ていた様でユリーカは少し不思議に思っていた、すると急に『自分の肉体が左に傾いている』ではないか!?と思ってしまう、ユリーカは不思議に思った、まさか地盤沈下したのか?いや流石にそれは無い、闘技場の地面は固い土の場所の上に存在しているのだ、なので、地盤沈下等はほぼほぼ有り得ないのだ!なのに何故自分の体は左に傾いている?そう思いながらユリーカは自分の傾いている方向──左だ──に顔を向ける、するとユリーカは驚愕した、何故なら『自分の左手がコウの右足の膝裏に挟まれている』からだ!道理で自分の体が左に傾いている訳だ──ユリーカはそう思い、残っている右手でコウの右足を攻撃しようとした、ユリーカの右手の肘が食道を左に通り過ぎた時、ユリーカは気付いてしまった、『自分の右から来た攻撃を右手で防げない』事に!それに気付いた瞬間、コウの左手の手刀がユリーカの脇腹を狙っていた、ヤバい、完全にこの攻撃は受けてしまう、完全にしくじった、そう思いながら両手に纏っていた『気』を右の脇腹に全て移動させようとする、だがそこでユリーカはもう一度しくじってしまった、それは『一度纏った『気』は纏った場所から離れると霧散する』という事を完全に忘れていた!自分の拳に纏った『気』が両腕全体を巡った、巡った『気』が両肩に到達したその瞬間、『気』が九割霧散してしまった、その時に『『気』は纏った場所から離れると霧散する』習性を思い出した、ダメだ、完全にコウの攻撃は受けてしまう、そう思いながら『気』を右の脇腹に新しく纏おうとするがもう三十センチもないのだ、今更新しく纏う事など不可能だ、クソ、コウ君のこの攻撃、まともに受けるしかないのか……と思いながらユリーカは溜息を心の中で吐いて腕の力を少し脱力する、コウの右足はユリーカの左脇腹で支えられているのでユリーカ自身は体から離したくてもコウの右足の束縛から離れる事は出来なかった、そしてユリーカはコウの左手の手刀の攻撃を右脇腹で受けてしまう、そして数瞬が経ったその時だった、『ボキンッ』と何かが軽快に折れる音がした、その音はリク、リーナ、ユリーカ、コウ、その場に居た全員が聞いていた、そしてユリーカは痛い右脇腹の方向を向いた、すると『コウの左腕が折れていた』のだ!そしてコウはユリーカから離れて、左腕を掴みながら悶絶する、攻撃の途中に骨折したのだ、その攻撃力も相まって相当痛いだろう、ユリーカはそう思いながら右手で右脇腹を摩る、全く、何と言う重い一撃をぶつけたんだ……そう考えながらコウを見つめる、コウは自分の骨折した左手の部分を押さえながら立ち上がる、コウはまだまだ戦える、と言いたそうだが、今の骨折した状況じゃあ左手を失うかもしれない、とリクやユリーカは思う。
コウの続行の言葉を聞かない限り『真の決勝戦』を続けられない……全てはコウの言葉を待つしかない──
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