複雑・ファジー小説
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- セカイ戦記
- 日時: 2016/05/17 18:57
- 名前: 彩都 (ID: lKhy8GBa)
ーーぼくは戦うーーこの汚れたセカイとーー
二作目の投稿です。
初めての方も知っている方も初めまして、彩都と申します。
気長に投稿します。
今回は歴史ファンタジー…かも…
という事で宜しく
登場人物
今作は先にキャラ紹介をさせていただきます。
主人公
トゥダ・リク 男
このセカイは名前に意味は無く、名字・名前や逆に名前・名字は無く、名字・名字、名前・名前となっている。
リクは名前・名前。
リーナ・ユリ 女
名前・名前。
妖精で回復の魔法を使う。
リクの仲間。
リヴェレット・モコ 女
名前・名前。
攻撃系の魔法を使う。
ユリは貧乳だが、モコは巨乳。
何時も箒に乗っている。
ショウ・コウ 男
名前・名前。
肉弾戦が得意な仲間。
魔法では倒せない存在には肉弾戦が良いとされている。
ジェネレッド・D 男
?・?
リクの仲間だが何者かは知らない。
敵かもしれない。
Dは物語の中心に近い。
サルウ°ァ・ティル 女
名前・名前。
名前の言い方は秘密。
大きな剣、真剣簪(かんざし)を使う。
大きさは約三メートル。
サワラビ・ユウ
名字・名前。
遙か遠く、キョクトウのニホンの人間。
彼も何者かは分かってない。
何時も一人で行動している。
薙刀の師範代を務めている。
μ
記号。
名前を持たず、施設で使われていた記号を使っている。
戦闘力は圧倒的に強いが、カロリーが切れるとすぐ戦闘不能になる。
白いジャージに白い肌、髪は無く、オールバックの様な角を生やしている。
用語解説
魔法
魔法は体内に眠る魔力を燃焼させて、魔法を扱う。
キンキなる魔法も存在する。
キンキなる魔法は使うと死んだり、植物人間になったりする。
存在
セカイ戦記における敵。
魔法で倒せる奴や肉弾戦でしか倒せない者もいる。
肉体の一部分が膨らんでいたりと『異形』の存在。
ゾンビの様に意志は持たず、人間を襲う。
セカイ
混沌としている。
その混沌のせいで存在が出来たと言われている。
舞台的に言えば、『北斗の拳』の世紀末ワールドに近いです。
存在が色んな所でばっこしている。
妖精
見える者もいれば見えない者もいる。
リク達のメンバーは見える奴が多い。
見えない者は眼鏡を使ったりする。
だが、眼鏡も法外な値段が多い。
傷の手当や回復が得意。
回復は魔法に当たるので、妖精は無意識に魔法を使っている事になる。
『リク…貴方は希望の仔…貴方は奇跡の仔…貴方は私と**の仔…お母さんが居なくても頑張るのよ…』
「お母さん!!」
そう言って、母さんは燃え盛るセカイから、燃えた。
跡形もなく、消えた。
セカイ戦記 序章 、『運命』の仔
俺はトゥダ・リク。
男、十六歳。
《ヤツラ》を始末する者。
《ヤツラ》とは、前々からこのセカイに現れた敵だ。
コイツ等のせいで俺は母を亡くした。
俺はコイツ等を駆逐する為に仲間を探している。
俺は仲間探しの為に故郷を捨てた。
そして俺は前へ一歩、踏み出した。
少し歩いて着いたのは、妖精の世界、フェアリアだ。
そこで俺は水浴びをしているビキニの女性を見つけた。
「おーい!妖精王に会いたい!道案内してくれ!」
ビキニの女性は羽を生やしてこちらに来た。
どうやら妖精らしいが、背は俺の胴体位だろう。
「貴方、妖精王に会いたいの?今は会えないわ、会うの止めたら?」
「俺は《ヤツラ》を駆逐する為に妖精王に力を借りに来たんだ、止める事は出来ない」
「分かったわ、じゃあ貴方の仲間になるから会うのは止めてくれない?回復も出来るから旅には最適よ」
「良いのか?」
「良いわよ、私の名前はリーナ・ユリ、宜しく」
「俺はリク、宜しく」
こうして、人間、リクと妖精、リーナの出会いだった。
「なぁ、リーナ、この水は人間でも飲めるのか?」
そう言って、リーナが浸かっていた水を一掬い、口に近づける。
「ダメッ!!!!!」
リーナの止めは既に遅し、もう口に含んで、喉を鳴らした後だった。
「ん?どうした?リーナの汗が入っているから、飲むなってか?大丈夫だろ…」
リーナは言う。
「いや、そうじゃなくて…人間は此処の水飲むと、人間には毒だからって…」
そう言うのと同じくして、リクは気絶する。
「リクッ!?」
リーナはビキニのまま、、リクを長老の所へ連れていった。
「んー、ユリ…」
長老は重い口を開いた。
・・・・・・・・・・・・
「こやつには毒その物が無い…これはどういう事じゃ?」
「えっ…?」
リーナは驚いた。
人間で泉の水を飲んだのは大抵、必ず死ぬ、最悪死ななくても毒の後遺症が残るのに…。
リーナにとって、この事は不思議で不思議で意味が分からなかった。
すると、リクが目覚めた。
「う…うーん…此処は…何処だ…?」
リクはすぐさま、リーナを見つけた。
「リーナ!此処は何処だ!?俺は何故此処に!?」
リクは慌てて周りを見やる。
「落ち着くのじゃ、少年」
と、長老が止める。
長老は、リクが倒れて此処に来た事、此処は妖精の村と長老である事を話した。
「全く信じられん話だが、俺が記憶を覚えていないんだ、リーナ有難う」
「良いよ、リクって見た目に反して軽いんだもん」
そういうリーナに驚くリク。
「お前さん知らんのか?妖精は小柄だが怪力だぞ?」
その事を聞いて驚く。
妖精は力が凄いんだ…。
リクは新たに情報を頭に叩き込んで、立ち上がる。
「良し、行くか」
長老はリクがすぐ立ち上がった事と同時に驚くが、どこかへ行く事にも驚く。
「待て、お前さん、今から何処へ行くのじゃ?」
長老が聞くと、すぐさま言った。
「隣町だよ」
「隣町には《ヤツラ》が要るのじゃぞ!!」
長老は止める。
それに対しリクは。
「大丈夫だよ、そいつ等は始末屋であるこの俺に任せな!
」
そう言う台詞に驚く長老。
まさか、《ヤツラ》を倒す力を持っているのか…。
そう思っていると、二人は出発していた。
長老の声は空しくも聞こえなくなった。
こうして、傷が回復したリクとリーナは旅を開始するのだった。
次の町は何処へ行くのか…それは誰も分からない…
序章終了 第一章へ続く…
セカイ戦記 第一章 運命の仔の戦闘
妖精の世界、フェアリアの隣、戦争の世界、バトランゲージは存続の危機に瀕していた。
バトル王宮最上階国王の部屋。
「ひいぃぃ!!まっ待て!話せば分かる!金ならたんまり有る!だから見逃してくれぇ!」
「…………」
バトランゲージ国王、マイルは謎の生命体と話していた。
生命体は体を包帯で巻かれている者やジリジリと追い詰める者も居た。
ただ、生命体には共通点が幾らか有った。
一つ目は全員、肌が腐敗した色になっていた、具体的に灰色。
二つ目は口を大きく広げ、涎を垂らしている事。
そして三つ目は…
喋らない事だ…
何故喋らないのか、各国で議論されるが、喉が使い物にならないが妥当とされてきた。
生命体の過去の姿は、人間だった。
数十年、数百年経っても、この生命体は存在してきた。
そして生命体はゾンビの様に感染する。
今もそんな生命体から避、難する人間の中に反旗を翻す存在も居た。
その名は『退治者』と呼ばれる事になった。
その人物は生命体を倒す程の力を持っていた。
そんなリクも『退治者』の一人だ。
そして『退治者』達は、生命体に名を付ける事にしたのだ。
その名は《ヤツラ》となったのだ。
※小説のレスを消さないで下さい。
消しても無駄なので。
何か気に食わないなら、書き込めば良いじゃないですか、何でそんな事が出来ないんですか?
他人様の小説を消して、ナニが満足ですか?
彩都の小説のレスを消す事に何の意味があるんですか?
出来ればそれを書き込めば、彩都も納得します、なので、消さないで下さい。
困るのはこの小説を読む読者様なので。
コピペしていますから、消しても無駄ですよ?
- Re: セカイ戦記 ( No.301 )
- 日時: 2017/11/20 21:04
- 名前: 彩都 (ID: lDBcW9py)
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
リク、Dはベッドに寝転がりながら無言でゴロゴロする、そんな中、リーナ、コウがリク、Dの部屋で本を読みながら、足を組んで無言状態を貫いていた。
そしてリーナの足の組み方が悪いのか、ワンピースがずれ、後少しで少女の秘部が見えそうだった──仮にその秘部がショーツだったとしても、彼女の股間だろうが、結局は秘部、『秘』められた『部』分なので、秘部である事には変わりない──そんな事はいざ知らず、呑気に本を読む二人、そして無言の四人が集まっていた。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
時間が違えど、四人は同じ事を思った、それは『何で喋らないんだ……?』だった、特にリク、Dだけが一番に思っていた事だった、此処は病室、『病気、怪我している人が集まって、療養する場所』なのだ、なので、『無言で本を読む場所』ではないのだ、なのに何故コイツ等二人はこの『誰も喋らない空間』で本なんか読んでいるのだろうか?自分の部屋で本を読めば良いじゃないか、此処は怪我人である二人の病室なのだ、そもそもとしてお前達は自分の部屋があるじゃないか、自分の部屋で本を読めよ、とDが思う。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
と、言っても、コウやリーナの二人の気分が悪くなるだけだ、だから黙って威圧的な事をすれば良いかな?と考えるが、どうやって威圧的な事をすれば良いのだろうか?態々こんな無言状態の場を割るような事はしたくない、と言うか逆に音を立てて無音状態の場も割りたくない、と思う……では一体どうすれば良いのだろうか?とDは寝転がりながら静かに考える──
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
ていうかマジでコイツ等何しに来たの?本を読める姿を見せて、『俺達私達体動かせまーす!歩く事も出来まーす!』とか、自慢しに来たのだろうか?いや、それはそれで腹立つけど……まず、その前にそんな事、リーナもコウもしない……では、閑話休題するが、『一体何しに来た』のだろうか?という問題に戻って来る……リクはそんな事を考えながら、この無言状態の空間を不思議がる、するとリクはリーナの持っている分厚い本を見て驚愕する。
ん?そういえばリーナは本を読んでいたな、どんな本だ……って、リーナの読んでいる本何!?何あれ!?本ってあんなに分厚かったっけ!?い、いや……今迄の人生の中であんなに分厚い本など見た事も無いし聞いた事も無い……ってか、『シックスの冒険』って言うんだな……って、あれ中巻かよ!?じゃ、じゃあ、もしも、もしもだ、リーナの読んでいる本が『上巻、下巻とも、同じ、もしくはそれ以上の分厚さ』なら……?それだったら、驚愕するな……とリクは思う、そしてそんな事を思っても、四人は無言だった。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
無言の中、コウは静かに隣に座っているリーナを見て、驚く。
なっ……!?やっぱり妖精は速読の性質があるのだろうか……?此処の部屋に来て、リーナはずっと此処の部屋に来る前に渡した『シックスの冒険』の一巻の中巻を読んでいるが……見た限りでは、もう1cm分、もしくはそれ以上の分厚さを読んでいるのでは無いだろうか?と考えられる、というか、自分はまだ昨日読んでいた本の続きを再読しているのだが……ふぅむ、と言う事は自分の読書スピードの方が遅い、と言う事なのだろうか?内心不思議に思いながらコウは今読んでいる本を一回閉じ、深呼吸し、集中力を取り戻そうとする、さぁ、もっと本を読まなければ……コウは心の中でそう呟きながら、読書を再開する──
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
んー?何で皆黙っているのだろうか?まぁ、私とコウは本を読んでいる、と言う事だから黙って本を読んでいる、と言う事は理解出来るけど……何で『リクとDは私達に話しかけない』のだろうか?と思うリーナ、もしかして本を読んでいる私達の邪魔をしないように『無言になっている』と言う事なのだろうか?と意味不明な解釈をするリーナ、そしてリーナは今読んでいるページを見て、本に栞を挟んで、読んでいる章を目次で確認する。
確か『シックスの冒険』は上・中・下巻、全部一続きだったな、とリーナは思い出す、なので、章も『一続き』なのだ、だから、上巻は『百十一章』で終わったから、中巻である今読んでいる本の始まりは『百十二章』からだ、と判断する、そして目次で自分が読んでいる章を確認した、ふむ、まだ『百三十一章』かぁ……まだまだ読まないとなぁ、と考える。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
リーナが本を再読し始めて、少し時間が経過する、そしてまたもや、四人は時間が違えど、同じ事を思いだす。
『何で皆喋らないんだ……?』と思う、更に四人は黙ったまま、時間を消費して行く──無言状態の部屋に会話は、無音状態の部屋に音を立てるのは誰になるか、誰にも分からない──
- Re: セカイ戦記 ( No.302 )
- 日時: 2017/11/23 21:33
- 名前: 彩都 (ID: SqYHSRj5)
「…………」
彼女もまた、無言で床に伏していた、彼女の名はまだなく──いや、忘れているだけだが──『巨大な胸を持つ存在』としか言われていない。
そんな彼女だが、流石にこうやって床に伏しているだけではとても暇だった、なので、脱出を図ろうとするが、そもそもとして、拘束がとてもきついので、脱出も、体を動かす事も出来なかった。
「…………」
静かに溜息を吐き、自分は一体どうすれば良いのだろうか……?等と言った一抹の不安を覚える、とまぁ、私があのガキに襲われなきゃ良いが……『巨大な胸を持つ存在』はそう考えて、もう一度溜息を吐いた。
あのガキとは『リク』の事である、リクは未だに『巨大な胸を持つ存在』に喧嘩を売る程、『巨大な胸を持つ存在』にイライラしていた。
だが、お互い入院しているので、あまり体は動かせないが。
そんな事を思っていた所、自分の病室をノックし、侵入する者が現れる、それはブランドだった。
ブランドはカルテを持ち、静かに椅子に座ってカルテを確認する、『巨大な胸を持つ存在』は暇を持て余し、ブランドに話しかける。
「お、おい?仮面の男よ?話をしようじゃないか?」
「そんな事をしている暇はありませんね、こっちはカルテの確認で忙しいので」
「……じゃあ何故此処に来た?」
「そんなの簡単じゃないですか、『貴方をリク選手から護る』為です、未だ床に伏せているリク選手、何時か動き出して貴方を攻撃するかもしれない、それを阻止する為です、それ以外に理由は無いです、更に貴方を護っている間、暇なので、カルテでも確認して、時間を潰しているんです、だから忙しいんです、私だって仕事をしている身、そんな簡単に会話を出来る、とは思わないようにしておいて下さい?」
「…………」
完全にブランドの言葉で圧倒されてしまう『巨大な胸を持つ存在』、そして『巨大な胸を持つ存在』は静かに溜息を吐いて、ブランドに言う。
「……はぁ、全く、お前は色々と面倒な事をしているんだなぁ、私は患者なんだ、もう少しは絡んでも良いんじゃないのか?」
「ダメです、公私混同してはダメですし」
「そんな事を言うなよ?本当はこんな仕事をしたくは無い、そうだろう?違うのか?」
問い詰める『巨大な胸を持つ存在』に対し、ブランドは少しだけイラッとする、何なのこの≪ヤツラ≫?普通の≪ヤツラ≫とは違う、とは思っているが、何か色々と違うくないか?ブランドはそう思いながら静かに溜息を吐き、立ち上がり、カルテを椅子の上に置いて、『巨大な胸を持つ存在』に近づいて、見下げて言う。
「……はぁ、貴方という存在は……」
ブランドはそう言って、『巨大な胸を持つ存在』の片腕を掴み、『気』を使用し、指先に『気』を溜め、『巨大な胸を持つ存在』の腕を簡単にへし折った、折ったのは右腕の手首付近だ、だが、『骨を折った』にも関わらず、『巨大な胸を持つ存在』は悲鳴も上げずにぽけぇ、としている。
「……お前は何をしているんだ?」
「……えっ?」
『巨大な胸を持つ存在』の出来事を見、ブランドは驚愕してしまう、ど、どういう事なのだろうか……?もしかしてこの人には『痛覚が存在しない』のか……?い、いやいや、待て待て待て待て、可笑しいだろう?幾ら≪ヤツラ≫でも『痛覚が無い』というのは、色々と可笑しい、それなら『痛覚を感じ取る神経を失った』と同レベルの出来事だぞ!?ブランドは衝撃を受けながら静かに唾を飲み込む、そしてブランドは『巨大な胸を持つ存在』に言う。
「え、えーと、腕、痛くないんですか?」
と、申す、だが、『巨大な胸を持つ存在』は首を傾げながら発言する。
「ん?いや、別に痛くは無いが?」
「…………」
そう、か……そうかそうか、痛くないのか……それなら色々と可笑しい気がするが、『私達の領域では分からない事が起きている』という事も有り得るしな……ブランドはそう思い、静かに溜息を吐き、椅子の所に戻って、カルテを持ち上げ、椅子に座る、すると『巨大な胸を持つ存在』は椅子に座るブランドを見、言葉を発す。
「おい、お前は一体何をしたんだよぉ?教えてくれよぉ?」
「い、いえ、何でもないです、えぇ……」
ブランドはそう言って、会話のシャットダウンを行う、い、一体どう言う事なのでしょうか?≪ヤツラ≫には『痛覚が存在しない』のでしょうか?まぁ、元々死人ですし、『痛覚が存在しない』可能性も拭えなくは無いですしね……それにしても≪ヤツラ≫とは不思議ですねぇ……個人的に≪ヤツラ≫を調べるのも良いかもしれませんねぇ、って、その前に目の前の仕事を行わなくては……ブランドはそう考えて、目の前の仕事であるカルテを確認する、っと、そういえば、コウ選手の事も調べておかないとですね、左腕の骨折はどうなっているのやら?折れていたのに、この『巨乳の人』と戦うから左腕の骨折がもっと酷くなっているかもしれませんしねぇ……あぁ、今日も忙しいですねぇ、ブランドはそう思いながら立ち上がり、『巨大な胸を持つ存在』に言う。
「それでは、定期回診の時間なので、今は離れます」
「あぁ、分かった」
『巨大な胸を持つ存在』の発言を聞いて、ブランドは『巨大な胸を持つ存在』の病室を離れる、さぁ、コウ選手、リク選手達の体の事も調べないとなぁ、さぁ、今日も忙しくなりそうだな、ブランドはそう考えて、少しだけ歩くスピードを速める──
- Re: セカイ戦記 ( No.303 )
- 日時: 2017/11/27 21:40
- 名前: 彩都 (ID: AQILp0xC)
まずブランドはコウの部屋に向かって、コウを確認しようとした、だが、コウの部屋に向かい、戸を引くと、中には誰も居らず、本が机の上に置かれているだけで、部屋の中はもぬけの殻だった、では一体何処に居るのか?と考え、ブランドは次にリーナの部屋に向かった、リーナの部屋にも誰も居らず、最終的には、リク、Dの部屋に居るかもしれない、と考えた、そして二人の部屋に向かい、戸を引く、すると其処には四人が無言で本を読んで居たり、寝転んでいる部屋になっていた。
「…………」
まさかの場所と空間にブランドは無言になりながら立ち眩みをする、すると本を読んでいたリーナがブランドに気が付いた。
「あっ、ブランドさんだ!」
「えっ?あぁ、そうですよ、私がブランドです」
ブランドは何故か自己紹介をしてしまう、そして、リーナに言う。
「それでは、回診に来たので、体の状態を教えて下さい?」
「えっ?体の状態?別に平気だよ、痛みも鈍痛も、鋭痛もないよ?それがどうかしたの?」
「…………」
妖精、恐るべし、ブランドはそう思いながらリーナに言う。
「そ、そうですか、それなら良いのです……えーと、コウ選手?」
「ん?何です?」
「体の検査をしに来ました、腕を、左手を見せてくれませんか?」
ブランドに言われ、コウは右腕で左腕の服を捲ってブランドに見せる、そしてブランドがコウの左腕を掴んで確認する。
「ふむ……罅は残っているようですが、繋がっているので、ほぼほぼ完治しているでしょう……このまま数日、早ければ二日で完全に完治するでしょうね」
「おう、そうか、それは嬉しいぜ!リク達と新しく加入したDと共に旅が出来るのか……!」
そう言うコウを見て、微笑ましく感じるブランド、そして寝転がっているDに近づいてブランドは言う。
「D選手、起きて下さい?」
「起きているが?」
Dはそう言って、ゆっくりと立ち上がる、そしてブランドがDの体を触って言う。
「痛い所があれば、言って下さいね?」
「えっ?いや、まだ全身が痛いんだけど?空気が、お前の指が触れている部分が痛い」
「それ、ほぼ全身じゃないですか!?」
Dの発言を受け、ブランドはツッコミを入れてしまう、そしてDが言う。
「ははっ、まぁ、事実だしぃ?『痛い所があれば言って下さい』と言ったのは何処のどいつだよ?」
「…………それは私です」
ブランドは意気消沈して、Dに言い返す、まぁ、これでD選手も完了した、と言う事で良いでしょう、それでは次──いや、最後か──のリク選手ですね、ブランドはそう思い、寝転がっているリクに言う。
「リク選手ぅ?起きてますかぁ?」
「…………」
無言返答、ブランドははぁ、と溜息を吐いて、陸に近づいて、顔を覗く、するとリクはすやすやと寝ていた、寝てる……ブランドはそう思い、リクを揺らして起こす。
「お、起きて下さい?」
「……ん?今何時?」
「今はまだ朝の十一時ですよ?」
「そ、そうか……で、ブランドは何しに来たんだ?」
「え、えーと、定期回診です、リク選手の肉体を調べに来ました」
「ふーん……」
「だから起きて欲しいんです、体ごと」
「……面倒」
リクは寝ながら体を伸ばし、ゆっくりと起き上がる、そしてブランドが服の上から体を押して、痛みを確認する。
「リク選手、痛い所はありますかぁ?」
「んー?別にぃ?」
「ふむ、起きたてだから神経がまだ目覚めていないんですかねぇ……?まぁ、良いです、とりあえず、押しては反応を確認すれば良いので」
ブランドはそう言って、リクの体をゆっくりと押して行く、すると特定の部分を押した瞬間に『あぎゃあ!?』と大声を出す。
「うわっと……ど、どうしたんですかリク選手?」
「そ、その部分は触れるな……!とても痛い!」
「へっ?痛い……そうですか、分かりました……」
ブランドは大声を出したリクに呆気を取られる、そしてリクはブランドに押された部分を擦る、リクが押された部分、そこは『背中』だった。
背中がとても痛い、と……とりあえずメモしておきましょうかねぇ……?ブランドはそう思いながら、片手でポケットの中のカルテを取り、リクの項目に『背中が痛い』と書き込んでおく、そしてブランドがリクに言う。
「えー、他に痛い所は……?」
「ん?背中以外ないなぁ……背中以外の神経は死んでしまったのかもしれないな」
「何か洒落にならないのでそれは止めていただけますかねぇ?」
「おっ?そう?それはすまないな」
ブランドはリクのカルテに書き込みを終え、静かに溜息を吐く、そしてリクに言う。
「ふむ、これ以上触るのも叫ばれるのも厭なので、今回はこれ位にしておきます」
「それ、完全に悪役の台詞じゃないか!」
「えっ?そうですか?まぁ、そんな事はどうでもいいです、それでは今日の回診はこれで終了です、ご協力誠に有難う御座います、それでは」
ブランドはそう言って、リク、Dの病室から離れる、リクは『やっと終わった……』と思い、安堵していた、そしてコウ、リーナは読書を再開する──DはDで、寝転がって、睡眠をとろうとしていた──
- Re: セカイ戦記 ( No.304 )
- 日時: 2017/11/30 22:08
- 名前: 彩都 (ID: Mu5Txw/v)
「ふぅ……何とか終了しました……」
ブランドはそう言って、廊下を歩きながら呟く、手には何人かのカルテがある、後はこのカルテを確認する、という過程だけ……中々に面倒だ、ブランドはそう思いながら、近くにある椅子に座り込む。
今日も大変、昨日も大変、明日も大変、明後日も、明々後日も……毎日毎日忙しい、何時になったらこの忙しい時間も消えるんでしょうか?自分が死んだら?……それはそれで、厭ですね……生きている内に忙しい時間が消えれば良いですが……ブランドはそう考えて、静かに深呼吸をし始める。
色々と大変だ、もう寝ていたい……ブランドはそう思ったりもした、だが逆にブランドはまだ立ち上がらねばならない、それはブランドが医者だからだ、医者だからこそ、目の前の患者に手を差し伸ばさねばならない。
それは厭でも、立ち上がらねば、ならない。
そしてブランドはあまりの疲れで、椅子に寝転がって、寝てしまった、それは永遠の眠りと似て非なるものだった──
「……ん?」
ふと、気が付くと、自宅だった、それも何年も前、いや、何十年も前の『実家』である、そして気が付くと、兄であるブレンドが椅子に座って本を読んでいる。
「あれっ……兄さん?此処に何で兄さんが……?」
静かにブレンドに言うと、ブレンドは『アホかよ』と言いたげな雰囲気でブランドに言う。
「はぁ?そりゃ此処が俺の家だからだろうが?それはお前にも言えるぜ?」
「へっ?」
少し不思議そうに言う自分ことブランド、ブランドは起き上がって、鏡を確認すべく、洗面台へと向かう、すると自分の顔を見て、ブランドは驚愕する。
「一体何なんだよ……?って、えぇっ!?」
驚いてブランドは尻餅をつく、そして自分の両手を見て確認する、『気』を出す事が出来ない……!ど、どういう事だ……?ブランドはそう思い、ゆっくりと立ち上がって、鏡を確認する、何度見ても同じ結果……!何度見ても変わりが無い……!ブランドはそう思いながら両頬を叩いて、顔を確認する、だが、何も変わらない。
「嘘だろ……!?どういう事だよ……!?」
ブランドは驚愕しながら、三度目の顔を確認する、ブランドは何故驚愕したのか?そんなの簡単だ、それは『少年時代に顔が戻っている』からだ、体も、身長も、何もかも、『コドク村』に行く前の格好だった。
「…………」
い、一体何が起きている……?ブランドはそう思いながら、外に出て、周りを確認する、周りは昔の町のまんま!何も変わっていない!……でも、自分が家出する時にはもう……ブランドはそう思い、静かに家の路地裏に向かって、ブツブツと呟きながら顎に手を当てて考える。
此処は過去のセカイ、という考えで良いよな?じゃあ『大人の意識だけが少年時代に戻った』、と言う事なのだろうか……?だが、それはあまりにも可笑しい、あまりにも異常の事ではないだろうか?一体此処は……『夢』なのか、もしくは『時戻り』系の能力なのか……?ブランドはそう思いながら、頭を抱える、すると聞き慣れた声が聞こえた。
「おぅい?ブランドぉ?どうしたんだおめぇ?」
「そうですよぉ?そんなに頭を抱えて……?」
「ど、どうしたのブランド君……?」
そう言って、ブランドの前に三人組の男女が現れる、最初の人物はエルミス・ラーシ、町一番のガキ大将で、優しい、だが太っている。
二番目はリーシェ・フラグラ、メガネをかけた小柄な少年、何時もエルミスと共に行動している。
最後の三番目はリネ・アルモ、自分、エルミス、リーシェと幼馴染みの少女、でもどうして此処に……?ブランドがそう思っていると、エルミスが言う。
「おぅ!そういえば、お前、『コドク村』に行きてぇんだろ?俺達が先に見学してやろうか?」
『コドク村』、ブランドにとっては、今から先の未来、たった一人の兄、『ブレンド』を失ってしまう場所!その三人が『コドク村』に行くって?巫山戯るな!ブランドはそう思い、エルミスの襟首を掴んで叫ぶ。
「『コドク村』には行くなって!危険な怪物が住んでいるらしいしさぁ!や、やっぱり俺、その話を信じちゃって……怖気ついたーなんて……」
結構適当な事を話すブランドにエルミスが『ガッハッハッ!』と笑って言う。
「何だよブランドぉ?怖気ついたぁ?なぁに言ってんだ!俺はあのエルミス様だぞぉ!この町のガキ大将だぞ!?そんなんで怖気ついて、大人になれるかってんだ!」
「そ、そうですよぉ!何事も探検ですよ!探検!ブランド君が行かないのなら、僕達三人で向かいますよ!」
「そうよ、ブランド君の意気地なし……ラーシ君、フラグラ君の三人で行くから!」
「えぇっ……」
彼等は知らない、『人が居なくなる』という恐怖を……!ブランドはそう思いながら三人を諭す。
「な、何で行くんだ?だって怖い怪物が居るかもしれないんだぞ!?それなのに行くって……自殺行為も甚だしいぞ!?」
「何だよブランド?『はだはだしい』とか難しい言葉使いやがって……」
「『はなはだしい』、ですよエルミス君……」
ブランドの言葉に言い間違えるエルミス、そんなエルミスに対し、リーシェが訂正を入れる。
「そ、そんな事はどうでもいいだろリーシェ!その前に俺達は『コドク村』に行くって話をしているんだ!」
「そ、そうですよね……で、言いたい事はそれだけですかブランド君?」
「えっ……あぁ……」
防ぐ事が出来なかった……コイツ等も死ぬ……ブランドはそう思いながら頭を垂れる──コイツ等も『コドク村』の恐怖を味わえば、大丈夫か……ブランドはそう思い、静かにその場から離れる──そんなブランドをリネは見続けていた──
- Re: セカイ戦記 ( No.305 )
- 日時: 2017/12/04 21:29
- 名前: 彩都 (ID: vnwOaJ75)
「…………」
あれから軽く一時間が経った、自分はリュックを背負ったエルミス、リーシェ、リネを町から見送って、家の中で静かに待機していた。
もしもあの時、自分も着いて行って、危険な所を回避出来た、という可能性もあった……!でも、そんな事をしたら、エルミス達から殴られるしな……ブランドはそう思い、ホットミルクを飲みながら、内心不安感で一杯だった。
『コドク村』で死なないかな?『コドク村』で怪我をしないか?ドキドキしながら静かに溜息を吐く。
「……はぁー」
心配しても無駄だ、待たないとダメなんだ、ブランドは少し歯痒く感じる、すると悲鳴を上げながら外が騒がしくなる。
「……ん?何だこの騒ぎは……?何だろう、胸騒ぎがするぞ……!」
ブランドは焦る心を落ち着かせて、急いで家を出る、すると、町の真ん中にリュックの上からぐったりとしたリーシェを背負うエルミスが居た、そして隣には片足を引き摺るリネが。
「やっぱり……!」
心配は的中した、ブランドはそう思い、三人の前に来て、叫ぶ。
「ど、どうしたんだ!?」
「へ、変なスライム野郎がリーシェを飲み込んで……そしてリネも……その飛沫に足を当てて……変なんだよ!リネもリーシェもぐったりとしていて……!」
「馬鹿!それは毒だ!毒を受けてぐったりとしているんだよ!」
ブランドはそう叫んで、走って薬草を探す、だがこの町のそんな薬草なんかある筈がない……『薬草が無いのならどうすればいい』のか……?ブランドはそう考えて、イライラしながら、自宅へと戻って、毒を吐き出させる為に色々と材料を探す、するとブレンドがブランドに言う。
「んー?どうしたんだお前?」
「リーシェ、リネが重症だから薬を探してんだよ!」
「へぇ……薬ねぇ、何があったんだ?」
「『コドク村』で怪我して、膿が出てきた」
「へぇ……そりゃヤバいわなぁ」
「あぁ、だから毒を吐き出させる為にも薬を探してんだよ!少し黙ってろ!」
確か毒を出す方法はこの家にあったか!?ブランドは医者としての知識をフル活用して材料を探す、するとブレンドがブランドに言う。
「おい、ちょっと待て?」
「ん?何だよ兄貴?」
「お前……『リーシェとリネが重症だから薬を探している』と言ったよな?それで『『コドク村』で怪我して膿が出てきた』、と」
「あぁ、それがどうかしたのか!?」
「それなのに、次の言葉、『毒を吐き出させる』と言ったな?それはどういう事だ?」
「えっ……?」
……しまった!失言してしまった!つい医者の自分に戻って『兄貴』、『毒』の事を漏らしてしまった!しまった……完全にヤバい……もしもこの事がバレたら、自分の精神が大人と少年時代に戻ってしまった可能性がバレてしまう!い、今は隠しておかないと!ブランドはそう思い、ブレンドに言う。
「あぁ、そうだよ!『コドク村』の『毒』の影響で膿が出ている!そう言う事だ!だから少し黙っていてくれないか?」
ブランドは必死に手を動かし、口も動かす、そして何とか道具を手に入れ、外へ駆ける。
「急がないと……毒が周って何分が経っている?それも思慮しておかないと……!」
ブランドは急いで川の辺(ほとり)へと向かい、蓬(よもぎ)、どくだみを手に入れ、家から持ってきた擂り鉢の中に投入し、擂粉木(すりこぎ)を使って、蓬(よもぎ)、どくだみを摺って行く、そして近くの川で水を擂り鉢の中に入れる──この川の水はとても綺麗で、よく飲まれるので、大丈夫だ──そして摺りながら家から持ってきた、砂糖、蜂蜜を擂り鉢の中に投入し、小さな子でも飲めるように甘くする、そして急いでリーシェ、リネの前に戻り、エルミスに言う。
「この毒を受けて何分が経った?」
「た、多分十分程……?」
「分かった……」
この薬で効くかは分からない、でも投与すれば分かる!ブランドはそう考えて、リーシェ、リネに擂り鉢の薬を口の中に流し込む、これで毒が消える筈……!ブランドはその場で一気に息を吐いて、汗を拭う、これで治れば良い……ブランドはそう思い、二人を自宅のベッドに案内した──
そして数時間が経ち、ベッドからゆっくりと立ち上がるリーシェ、リネ。
二人はご飯を食べ、何とか元気を取り戻した、近くにはエルミス、エルミスの両親、リーシェ、リネの両親が居た、な、何とか助かった……結構ガバガバな解毒薬だが、何とか役に立ったぜ……そう思っていると、リーシェが言う。
「す、すみません、君の言う事を信じなくて……」
「私も……」
「良いんだよ、二人が回復して……」
回復しても……君達二人は……そう思いながら、安堵した、その瞬間だった、視界がぐらつき、ブランドは倒れた。
な、何なんだ……?頭が痛い……!い、いや、それ以前かもしれない……!何なんだ……?ブランドがそう思っていると、視界は段々と暗くなり、最後は真っ暗になった──
「……はっ!?」
ブランドはその場で起きて、頭を抱える、そして手を確認、ほっ、良かった、少年じゃない、仮面も被っている……何なんだあの現実味帯びた出来事は……ブランドはそう思い、リーシェ、リネの事を思い出す、でもあの時、自分は医者の知識とかが無かった……だから、二人はあのまま……いや、今はそんな事を思い出しても意味が無いな、ブランドはそう考えて、立ち上がってから背伸びをする、さぁ、今さっき寝たから、仕事を頑張らねば……そう思いながらブランドは歩き始める──リーシェ、リネの事を思い出しながら──
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