複雑・ファジー小説
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- セカイ戦記
- 日時: 2016/05/17 18:57
- 名前: 彩都 (ID: lKhy8GBa)
ーーぼくは戦うーーこの汚れたセカイとーー
二作目の投稿です。
初めての方も知っている方も初めまして、彩都と申します。
気長に投稿します。
今回は歴史ファンタジー…かも…
という事で宜しく
登場人物
今作は先にキャラ紹介をさせていただきます。
主人公
トゥダ・リク 男
このセカイは名前に意味は無く、名字・名前や逆に名前・名字は無く、名字・名字、名前・名前となっている。
リクは名前・名前。
リーナ・ユリ 女
名前・名前。
妖精で回復の魔法を使う。
リクの仲間。
リヴェレット・モコ 女
名前・名前。
攻撃系の魔法を使う。
ユリは貧乳だが、モコは巨乳。
何時も箒に乗っている。
ショウ・コウ 男
名前・名前。
肉弾戦が得意な仲間。
魔法では倒せない存在には肉弾戦が良いとされている。
ジェネレッド・D 男
?・?
リクの仲間だが何者かは知らない。
敵かもしれない。
Dは物語の中心に近い。
サルウ°ァ・ティル 女
名前・名前。
名前の言い方は秘密。
大きな剣、真剣簪(かんざし)を使う。
大きさは約三メートル。
サワラビ・ユウ
名字・名前。
遙か遠く、キョクトウのニホンの人間。
彼も何者かは分かってない。
何時も一人で行動している。
薙刀の師範代を務めている。
μ
記号。
名前を持たず、施設で使われていた記号を使っている。
戦闘力は圧倒的に強いが、カロリーが切れるとすぐ戦闘不能になる。
白いジャージに白い肌、髪は無く、オールバックの様な角を生やしている。
用語解説
魔法
魔法は体内に眠る魔力を燃焼させて、魔法を扱う。
キンキなる魔法も存在する。
キンキなる魔法は使うと死んだり、植物人間になったりする。
存在
セカイ戦記における敵。
魔法で倒せる奴や肉弾戦でしか倒せない者もいる。
肉体の一部分が膨らんでいたりと『異形』の存在。
ゾンビの様に意志は持たず、人間を襲う。
セカイ
混沌としている。
その混沌のせいで存在が出来たと言われている。
舞台的に言えば、『北斗の拳』の世紀末ワールドに近いです。
存在が色んな所でばっこしている。
妖精
見える者もいれば見えない者もいる。
リク達のメンバーは見える奴が多い。
見えない者は眼鏡を使ったりする。
だが、眼鏡も法外な値段が多い。
傷の手当や回復が得意。
回復は魔法に当たるので、妖精は無意識に魔法を使っている事になる。
『リク…貴方は希望の仔…貴方は奇跡の仔…貴方は私と**の仔…お母さんが居なくても頑張るのよ…』
「お母さん!!」
そう言って、母さんは燃え盛るセカイから、燃えた。
跡形もなく、消えた。
セカイ戦記 序章 、『運命』の仔
俺はトゥダ・リク。
男、十六歳。
《ヤツラ》を始末する者。
《ヤツラ》とは、前々からこのセカイに現れた敵だ。
コイツ等のせいで俺は母を亡くした。
俺はコイツ等を駆逐する為に仲間を探している。
俺は仲間探しの為に故郷を捨てた。
そして俺は前へ一歩、踏み出した。
少し歩いて着いたのは、妖精の世界、フェアリアだ。
そこで俺は水浴びをしているビキニの女性を見つけた。
「おーい!妖精王に会いたい!道案内してくれ!」
ビキニの女性は羽を生やしてこちらに来た。
どうやら妖精らしいが、背は俺の胴体位だろう。
「貴方、妖精王に会いたいの?今は会えないわ、会うの止めたら?」
「俺は《ヤツラ》を駆逐する為に妖精王に力を借りに来たんだ、止める事は出来ない」
「分かったわ、じゃあ貴方の仲間になるから会うのは止めてくれない?回復も出来るから旅には最適よ」
「良いのか?」
「良いわよ、私の名前はリーナ・ユリ、宜しく」
「俺はリク、宜しく」
こうして、人間、リクと妖精、リーナの出会いだった。
「なぁ、リーナ、この水は人間でも飲めるのか?」
そう言って、リーナが浸かっていた水を一掬い、口に近づける。
「ダメッ!!!!!」
リーナの止めは既に遅し、もう口に含んで、喉を鳴らした後だった。
「ん?どうした?リーナの汗が入っているから、飲むなってか?大丈夫だろ…」
リーナは言う。
「いや、そうじゃなくて…人間は此処の水飲むと、人間には毒だからって…」
そう言うのと同じくして、リクは気絶する。
「リクッ!?」
リーナはビキニのまま、、リクを長老の所へ連れていった。
「んー、ユリ…」
長老は重い口を開いた。
・・・・・・・・・・・・
「こやつには毒その物が無い…これはどういう事じゃ?」
「えっ…?」
リーナは驚いた。
人間で泉の水を飲んだのは大抵、必ず死ぬ、最悪死ななくても毒の後遺症が残るのに…。
リーナにとって、この事は不思議で不思議で意味が分からなかった。
すると、リクが目覚めた。
「う…うーん…此処は…何処だ…?」
リクはすぐさま、リーナを見つけた。
「リーナ!此処は何処だ!?俺は何故此処に!?」
リクは慌てて周りを見やる。
「落ち着くのじゃ、少年」
と、長老が止める。
長老は、リクが倒れて此処に来た事、此処は妖精の村と長老である事を話した。
「全く信じられん話だが、俺が記憶を覚えていないんだ、リーナ有難う」
「良いよ、リクって見た目に反して軽いんだもん」
そういうリーナに驚くリク。
「お前さん知らんのか?妖精は小柄だが怪力だぞ?」
その事を聞いて驚く。
妖精は力が凄いんだ…。
リクは新たに情報を頭に叩き込んで、立ち上がる。
「良し、行くか」
長老はリクがすぐ立ち上がった事と同時に驚くが、どこかへ行く事にも驚く。
「待て、お前さん、今から何処へ行くのじゃ?」
長老が聞くと、すぐさま言った。
「隣町だよ」
「隣町には《ヤツラ》が要るのじゃぞ!!」
長老は止める。
それに対しリクは。
「大丈夫だよ、そいつ等は始末屋であるこの俺に任せな!
」
そう言う台詞に驚く長老。
まさか、《ヤツラ》を倒す力を持っているのか…。
そう思っていると、二人は出発していた。
長老の声は空しくも聞こえなくなった。
こうして、傷が回復したリクとリーナは旅を開始するのだった。
次の町は何処へ行くのか…それは誰も分からない…
序章終了 第一章へ続く…
セカイ戦記 第一章 運命の仔の戦闘
妖精の世界、フェアリアの隣、戦争の世界、バトランゲージは存続の危機に瀕していた。
バトル王宮最上階国王の部屋。
「ひいぃぃ!!まっ待て!話せば分かる!金ならたんまり有る!だから見逃してくれぇ!」
「…………」
バトランゲージ国王、マイルは謎の生命体と話していた。
生命体は体を包帯で巻かれている者やジリジリと追い詰める者も居た。
ただ、生命体には共通点が幾らか有った。
一つ目は全員、肌が腐敗した色になっていた、具体的に灰色。
二つ目は口を大きく広げ、涎を垂らしている事。
そして三つ目は…
喋らない事だ…
何故喋らないのか、各国で議論されるが、喉が使い物にならないが妥当とされてきた。
生命体の過去の姿は、人間だった。
数十年、数百年経っても、この生命体は存在してきた。
そして生命体はゾンビの様に感染する。
今もそんな生命体から避、難する人間の中に反旗を翻す存在も居た。
その名は『退治者』と呼ばれる事になった。
その人物は生命体を倒す程の力を持っていた。
そんなリクも『退治者』の一人だ。
そして『退治者』達は、生命体に名を付ける事にしたのだ。
その名は《ヤツラ》となったのだ。
※小説のレスを消さないで下さい。
消しても無駄なので。
何か気に食わないなら、書き込めば良いじゃないですか、何でそんな事が出来ないんですか?
他人様の小説を消して、ナニが満足ですか?
彩都の小説のレスを消す事に何の意味があるんですか?
出来ればそれを書き込めば、彩都も納得します、なので、消さないで下さい。
困るのはこの小説を読む読者様なので。
コピペしていますから、消しても無駄ですよ?
- Re: セカイ戦記 ( No.256 )
- 日時: 2017/06/26 21:00
- 名前: 彩都 (ID: ???)
「ふう、何とか鍵も返したし、後は病院に向かうだけか……」
リクはそう言って、欠伸をする、そして腹を擦って空腹度を考える、結構腹が減っているな、よし、一人でご飯を食べよう、そう思いながらモコと一緒に向かう。
「そういえば私が寝ている間、色々な事が起きたってあったけど……此処は何処なの?色々な存在が居るけど……?」
「あぁ、此処は『戦闘のセカイ』と言って、戦う奴等が多いセカイなんだって、そういう戦闘好きの為に『闘技場』が存在し、コウが優勝したからモコは治療を受ける事が出来たんだ」
「へぇぇ……それはどうやって受ける事が出来たの?」
「最初は『金が無いなら、『闘技場』で優勝すればいい、優勝賞金で支払って下さい』と言われたから俺とコウが出場し、俺はあっさり負けて、何とかコウが優勝した、そしてその優勝賞金でお前が助かった、と言う事だ、これからも≪ヤツラ≫なんかに負けずに頑張ってくれよぉ?」
リクがモコに言うと、モコは顔を赤らめながら反論する。
「あっ、あれは偶然!たまたまなんだからぁ!」
「へいへい、分かってますよっと」
「もぅ、リクったらぁ……」
頬を膨らませるモコに対し、リクは笑いながら前に進む。
「それにしても色々な出来事があったなぁ、Dと出会って戦って負けて……その敵討ちをコウがしてくれて……何気に俺は活躍する場面が無かったなぁ」
「そうかしら?リク、アンタ話に聞くとベスト8迄来ているらしいじゃないの?それって逆に考えたら、『このセカイで八番目以内に強い』って事よ?胸を張りなさいよ!」
「張る胸がねぇ、女じゃあるまいし」
「女だって、張りたくて胸を張っている訳じゃないわよ!?勝手に成長するんだからね!?」
モコが自分の胸を左手で押さえつけながら言うと、リクは顎に手を当てて発言する。
「うーん……髪の毛や爪みたいなもんだな、もしくは身長とか」
「あー、うん、もうそれでいいわ……」
リクの発言を聞いて、モコは静かに言い返す事を諦める、リクには『女の成長』が分からないのかしら?そう思いながらモコは頭を垂れる。
「そういえばユリーカのもう一つの人格について一言」
「んぁ?何なんだよ?俺は当事者じゃないから上手く説明出来んぞ?」
急にモコが思い出し、声を発す、モコの発言に対し、リクは静かに返答する。
「いや、あのね?ユリーカのもう一つの人格ってあったじゃない?あれって何が原因だったの?私は何も分からずに『解魔』してくれ!って言われたから手伝ったけど……」
「あぁ、あれね、あれは大まかに言えばユリーカが戦っている時に、対戦相手のカラードが、『人格を切り離す『魔法』』を使用したらしくて、その時に『普通のユリーカ』、『悪い人格のユリーカ』が分かれて出たんだと、そして『悪い人格のユリーカ』の方とコウは戦っていたから、『万全な状態じゃない』ユリーカだった訳、それにキレたコウは優勝した後、もう一度戦って、左手前腕部分を骨折したって事、分かったかな?」
「まぁ、ある程度はね……それにしてもそんな『魔法』自体存在する事が驚きねぇ……」
モコの発言を聞いて、リクは静かに頷く。
「あぁ、もしも俺がそんな『魔法』を食らっていたら……どうなっていたんだろうなぁ?」
「今よりも暴走してそう」
「いや、そりゃそうでしょうが……でも『悪い人格のリク』となる、どんな悪い人格なんだろうな?」
リクが顎に人差し指を当てながら考える、するとモコは悪戯心でニヤニヤしながら言う。
「もしかしてスカート捲りとかしたりするんじゃなぁい?もしくはリーナみたいなワンピースをビリビリに破って、露出狂にさせたり?」
「それはそれで恐いな……流石にそんな恐い人格には目覚めたく無いぜ……本当、戦わなくて済んだぜ……あの後、カラードは師匠に怒られたのかねぇ?」
「さぁ?カラードという存在は私は知らないし、その後も知らないしねぇ……知っているのは誰なんでしょうねぇ?」
「カラード本人にしか分からないってか……それはそれで面白いけれどな」
リクがケラケラ笑って歩く、すると自分達が通っている病院が目に入る。
「よし、何とか着いたな、ふぅ、案外長かった様に感じるが、モコと会話していたらすぐだったな」
「うん、そうだね、というか、リクと会話するのって久し振りな気がするんだよねぇ」
「ん?そうかぁ?まぁ、ずっとDと関わっていたからな、モコは」
「えへへ、D君弄るの面白かったです!」
「でしょうねぇ……夜中、悲鳴とか、朝にも聞こえてきたりしていたしなぁ……」
「えへへ、それはすみません」
モコはそう言って、頭を下げ、頭を撫でて謝る、そしてリクとモコは病院内に入り、病院の位置口の椅子に座り、一段落し、リクはモコに言う。
「あれっ?そういえば荷物は?」
「あぁ、私の部屋に入れてあるよ、どうせ一人だけじゃあ広いしねぇ」
「そ、そうか……自分の部屋に入っていると思ったぜ、有難う、モコ」
「流石にリクの病室は知らないからね……」
「あっ、そっか」
リクは荷物が置かれている場所をモコに聞いて安心する、さぁ、後は荷物を自分の病室に運ぶだけだな、そう思いながらリクは椅子に凭れながら休憩する──
- Re: セカイ戦記 ( No.257 )
- 日時: 2017/06/26 21:01
- 名前: 彩都 (ID: ???)
「さぁ、休憩も終わったし、荷物を運ぼうとするか」
リクはそう言って立ち上がり、モコの部屋へと向かう、次に戸を横に引いて、荷物を確認する、うん、ちゃんと運ばれてる、後は自室に運ぶだけか……リクはそう思い、荷物を掴んで、自分の病室へと運ぶ。
「うぅっ、結構重いんだなぁ……これを軽々持てるリーナという妖精は恐ろしいぜ……」
リクはそう呟いて、静かに自分の病室の戸を引き、荷物を置く、病室のベッドではリーナがすやすやと寝ている、あまり物音を立てずに行動しなくては……リクはそう思いながら残っている荷物を取りに行く。
リクはモコの病室に移動し、最後の荷物運びを行う、結構重いけど、慣れたら大丈夫だろう、リクはそう思いながら荷物を運ぶ──そして自分の病室に荷物を置いた瞬間、リーナが目覚めてしまった。
「あっ、リク、お早う……って、何この荷物!?」
「ん?あぁ、目覚めてしまったか……実は次の『セカイ』に行く為に寮から荷物を取りに来たんだよ、モコの箒に荷物を載せて、移動して来たんだ」
「成程……って、こんなに重い物を箒に載せて!?箒は折れなかったの!?」
「ん?箒は折れていないな、何とも頑丈な箒だこと」
「確かに頑丈ではあるが……モコの箒が折れなくて安心だよ」
「それは俺もだ、だけどもモコも乗っているし、相当頑丈な箒なんじゃないか?『魔法省』製のさ?」
「あぁ、確かにそれはあるよね……『魔法省』かぁ……」
リーナは虚空を見ながら『魔法省』の事を考える、『魔法省』に迎えば、もっと色々な『魔法』が使えるのかなぁ?だけども、覚えるのが大変そうだなぁ……そう思いながら溜息を吐く。
「私は『魔法省』に行きたくないなぁ」
「ん?何でだ?」
「だって、もしも『魔法』勧誘とかで、何日もその『セカイ』で縛られたら……と思うとね?此処の『セカイ』の様に、お金の種類が違うのなら、もっと居たくない」
「あ、アハハ……確かにな、だけど、そんな勧誘、俺が守ってやんよ!」
「流石リク、頼もしいねぇ!」
リクの言葉を聞いて、リーナはホッと、胸を撫で下ろす、そしてリーナはベッドから立ち上がって、体を伸ばす。
「うーん、寝過ぎも良くないなぁ……」
「お、おい……リーナよ、大丈夫なのか?階段から落ちたんだ、体の節々が痛む筈だろう?」
「ん?そんな事は無いよ?ニンゲンと体が違うからね」
「ふぅん?つまり自然治癒能力もニンゲンとは違い、桁違いに早いと?」
「んー?さぁ?そこはどうだろうねぇ?計った事が無いから分からないや」
「まぁ、計る事では無いだろう、他にも、『妖精図鑑』とか書籍を読めば、もっと分かるかもしれないな」
「それは有り得るかも……あぁ、でも、前に『妖精の『セカイ』』の自宅で料理を作ってたら、人差し指を斬った事があってね?その時は絆創膏貼って大体六時間で傷が完治したなぁ……」
「それは結構早いな、自分は料理をあまりした事がないから『指を切る』感覚が分からん」
「へぇ?それは珍しいねぇ」
「まぁな、全部御師匠様がやっていたし……」
リーナの料理の話をして、リクは自分の過去を少し思い出す、そしてリクは静かに話し始める。
「風呂入る時も何時も御師匠様と一緒だったな」
「へぇ……リクのお師匠様ってどんな人?」
「ん?あぁ、『雷神愚』の修行中は何時も厳しかったなぁ……何回大ダメージと骨折と脱臼、捻挫、打撲、気絶、失神を繰り返したか……」
リクの顔が段々と暗くなっていく、リーナは急いで話を切り替えようとする。
「で、でも、料理をするって事は、案外優しくない?」
「まぁ、家の中に入ったら、優しかったな……」
「ん?リクは御師匠様と同居してたって訳?お父さんやお母さんが御師匠様って事?」
「いや、違うな……俺に『雷神愚』を教えてくれたのが、御師匠様、唯一の家族である母が死んだ後、御師匠様が俺を拾って、『雷神愚』を教えてくれたんだ」
「へぇ……結構過酷な幼年時代を……」
リクの話を聞いて、リーナは泣きそうになる、だが、リクは右手を前に出して首を横に振る。
「いいや、過酷じゃないさ、俺の環境より、『生まれた直後に両親がいない』方がもっと過酷じゃないかな?そして『生まれた直後に両親が≪ヤツラ≫に襲われて、死ぬ』事が起きたらどうだ?前者よりもっと可哀想じゃないか?そんな事を俺はさせない為にいち早く≪ヤツラ≫を駆逐したいんだ」
「成程なぁ……ん?」
リクの話を聞いていて、リーナは少し不思議な感覚を覚えた、そしてリーナはその感覚をゆっくりと理解して、リクに聞く。
「あ、あのさぁ、リクぅ?」
「ん?何なんだ?」
「今迄の話に何か足りない要素を感じるんだけど?」
「足りない要素?それは何なんだ?」
リクの言葉を聞いて、もじもじしながらリーナは聞いた。
「え、えーと……今迄の話の中に『父親』が無いんだけど……?」
「…………」
リクは無言になって、静かに口を開いた。
「父親は……俺が生まれた後に交通事故で死んだらしい……母がそう言っていた……実際は離婚したとかそんなもんだろう……息子にそう言う話はしたくなかったのかもしれんな……」
リクがそう言うと、リーナは静かに謝る。
「ご、ゴメン……」
「いいよ、そもそも話していなかったからな」
「それは確かに……」
リーナが小声で言うと、リクが言う。
「でもまぁ、死んだ父も俺の事を天から見ていると思うぜ?母も一緒に見てると嬉しいんだがな……」
リクはそう言って、天空を見上げる──リクの表情はとても清々しかった、リーナはリクの表情に笑い、リクに言う。
「見てるよ、ずっと、リクの事を……」
リーナはそう言って笑顔になる、リクはそんな表情のリーナを見て、強く頷いて言う。
「あぁ、そうだな!」
リクはその後、もう一度虚空に向かって見つめる──天から両親が見ている事を願って──
- Re: セカイ戦記 ( No.258 )
- 日時: 2017/06/26 21:01
- 名前: 彩都 (ID: ???)
コウは一人、折れた左手を開いた本の上に置いて、重石代わりにしながら本を読んでいた。
「…………」
「ふむ、面白いかい?」
「あぁ、一応は」
隣のユリーカが発言する、コウは静かに返答し、読書を再開する。
ユリーカも適当に一冊、袋の中の本を手に取り、読み始める。
コウが読んでいるのは『戦闘術における指南と指導』という本である、コウは少し読んで、『文字が多くて、参考になる絵や画像が少ないな』と思いながら読むのを止めようかと思ったが、このページを読み終わったら止めようと思ったページで面白い部分を発見して、『こんな面白い部分があるのなら、全部読んだら、どれだけ面白いページに辿り着けるだろう?』と思い、読むのを止めずに読み続けている。
それに引き換え、ユリーカが手にしたのは、『シックスの冒険 オーバードライブ・ザ・ワールド』というバトル物の小説だった。
ユリーカが手にした『シックスの冒険』は、何と三巻で、一巻と二巻はもう読んで、脳内に入っているので、大丈夫だ。
そういえば、三巻発売されているのを知らなかったなぁ、と思いながらユリーカは『シックスの冒険』の三巻を読み始める。
その後、無言の状態が続き、コウの病室に流れる音は二人の呼吸音とページを捲る音だった。
そしてコウが『戦闘術における指南と指導』という本の第二章の部分で折れた左手を栞代わりにして本を閉じてから一息つく。
「…………って、何でお前が居るんだよユリーカぁ!?」
「うわぁっ、吃驚(びっくり)したぁ」
「吃驚するのは俺ぇ!何で人の本を勝手に読んでんだ!?いや、そこじゃない、自分!何でこの病室に居るんだよ!?あまりにも自然な導入部分だったから、そっけない態度を取ったけど!」
コウの怒鳴り声を聞いて、耳を両手で塞ぐユリーカ、その顔は完全に和んでいる表情であった。
「んんー?まぁ、暇だったし、来る場所といえば、もうコウ君の病室じゃね?って思って病室に来たら来たで、静かに読書しちゃってぇ?らしくないなぁ、と思いながら袋の中の本を適当に選んでコウ君と同じ読書にして、時間を潰していたんだけどぉ?」
「いや、それなら、この部屋から出て行って読書しろよ!一応此処は俺の病室!左腕が骨折している俺の病室!まぁ、左腕ももう引っ付いているみたいだし、もう少しで治るけれどさ……って、そうじゃない!その本は貸すから早く出て行ってくれよ!遊びで病室に来るんじゃない!」
「えぇー?良いじゃん、暇なんだしさぁ、少しは時間を潰させてよぉ、此処で?」
「無理だ、此処は俺の病室、そして読書中だ、静かにしたいから出て行け」
「良いじゃん、読書するって事はコウ君も相当暇って事だよね?」
「……極論そうなるな」
ユリーカの発言を聞いて、渋々頷くコウ、するとユリーカは手に持った『シックスの冒険』を袋の中に入れて、コウに言う。
「それなら遊ぼうよ?少しは外出て楽しんだ方が良いよぉ?」
「…………いや、朝に外出て、ブランドに怒られているんだが?」
「いいじゃんいいじゃん、どうせ怒られるだけだしぃ?」
「厭だな、俺は呑気にこの本を読みたいんだ、ユリーカの行動だけで時間を潰したくないからな」
「……ぶぅ」
コウの言葉を聞いて、ユリーカは頬を膨らませる、だがコウはそっぽを向いて、発言する。
「そんな顔をしてもダメなもんはダメだ!」
「いいじゃんいいじゃん!じゃあ親父に言っておくからさ!」
「信用出来ねぇから無理」
「えぇ……」
そう言うユリーカに対し、きっぱり断るコウ、そのコウを見て、静かにユリーカは口を、頬を膨らませて、椅子に座る、そして袋の中に投入した『シックスの冒険』を手に取り、読書を開始する。
「…………あの、人の話を聞いていたかな?此処で読むなって言っているんだよ!」
「いいじゃんか、どうせ静かに読書していたんだから、『コウ君がその本を閉じる迄』ね?」
「ぐっ……それは確かに!」
「ほぅら?反論してみなよ?どうせ『静かにしていたんだから此処で読書しても大丈夫』じゃない?」
「うぅー……!」
ユリーカの論破を聞いて、コウは静かに唸りながら大きな溜息を吐き、言い返す。
「あーもう、分かった分かった!この部屋で静かに読書しててもいい!だけどユリーカ!お前はその本を読み終わったら、即刻この病室を出る事、良いなぁ!?」
「えぇー!?そんなぁ……一冊だけかよぉ?」
「そりゃそうだろ?またこんな会話を繰り返す可能性があるからな」
「ちぇっ、バレてたか」
「えっ……?」
ユリーカの発言を聞いて、コウは少し青褪める、また会話する気だったのか!?コウはそう思いながら頭を垂れる、全く、ユリーカの奴、暇人過ぎるだろ!?コウはそう思いながら右手で顔を覆う、そんなコウに対し、ユリーカは『シックスの冒険』を再び読み始める──コウは静かに読んでいるユリーカを見て、『自分も読書を再開しないとな……』と思い、閉じていた『戦闘術における指南と指導』を読み始める──そして二人は静かに読書を楽しむ──
- Re: セカイ戦記 ( No.259 )
- 日時: 2017/06/26 21:02
- 名前: 彩都 (ID: ???)
「…………」
『戦闘術における指南と指導』を読み終えて、一段落つくコウ、まだまだユリーカは『シックスの冒険』を読んでいる、コウは机に『戦闘術における指南と指導』の本を置き、ユリーカに聞く。
「な、なぁ?ユリーカ?」
「ん?何だい?珍しいね、コウ君から話しかけてくるなんて?何時もは私なのに?」
「い、いや、たまには良いだろう?って、そうじゃなくて、その『シックスの冒険』?だっけ?それは面白いのか?結構熟読している様に見えるし……」
コウの言葉を聞いて、ユリーカは『シックスの冒険』から目を離し、コウに問いかける、するとコウは自分の疑問をユリーカに話す。
「ん?そうだねぇ、この本は第三巻だけど、第一巻、第二巻は『上・中・下』で分かれていて、とても面白いよ?──読んでみると今回の巻は短編集みたいな奴だったけど──丁度自分の部屋に第一巻、第二巻があるけど、読むかい?」
「へぇ、持っているのか、でも何で三巻は無いんだ?」
ユリーカの話を聞いて、コウは不思議に思う、するとユリーカは笑いながらコウに言う。
「だってこれ、先週発売されたばっかの新刊だもん、発売されているなんて知らなかったしさ?」
「成程、それは新刊だったのか」
コウは納得して、頭を掻く、そしてユリーカに言う。
「それじゃあその『シックスの冒険』の第一巻、第二巻を持ってきてくれるか?ユリーカの話を聞いて、少し気になったぜ」
「おっ、嬉しいねぇ、『シックサー』になってくれるとは」
「し、『シックサー』?何それ?」
急にユリーカの口から出た不思議な言葉に耳を疑うコウ、コウはユリーカの言葉を聞き返して、問う。
「ん?『シックサー』の事かい?『シックサー』は『シックスの冒険』シリーズの読者の事だよ、『『シックス』を読む者』という意味だね」
「は、はぁ……なんだ、その、『シックスの冒険』って奴は相当ファンが居そうだな……」
ユリーカの説明を受けて、コウは頬を掻く、そしてユリーカは今読んでいる『シックスの冒険』に栞を挟んで、病室を出る。
「それじゃあ『シックスの冒険』を持ってくるね!」
「おう!」
ユリーカの言葉を聞いて、コウは少し喜ぶ、『シックスの冒険』、一体どんな物語なのだろう?コウはそう思いながら『戦闘術における指南と指導』を袋の中に戻して、待機する。
「はい、持って来ました!」
ユリーカはそう言って『シックスの冒険 ミニマム・バトル・エリアーズ 第一巻 上・中・下』、『シックスの冒険 ラージ・カントリー・ウォーズ 第二巻 上・中・下』を持ってきて、コウの机に置く、コウは『シックスの冒険』の本の大きさに驚愕する。
それもその筈だ、『シックスの冒険』は『上・中・下、一冊一冊が10cm以上あった』からだ。
一冊一冊の分厚さを考えて、六冊で60cm以上……コウはどうせ200、300ページ程度の作品だろうと思っていたが、予想以上で驚愕する。
「おい、これ、鈍器じゃないか?」
「鈍器じゃないよ、これが『シックスの冒険』シリーズでは普通の分厚ささ」
「は、はぁ……!?」
ユリーカの話を聞いて、コウは驚愕する、い、一冊何日で読み終わるんだろう?コウはそう思いながら『シックスの冒険 ミニマム・バトル・エリアーズ 上』を読む事にする。
千里の道も一歩から、千ページの道も一ページから、そう思いながら一番最後のページ数を確認する。
この巻は合計2383ページだった、うへぇ、千ページの道もって思ったが、約二千四百ページの道も、だった、コウはそう思いながら頭を垂れる。
「最初は誰もが、『読めないよ!』って思うけど、何時の間にかこのシリーズの面白さに気付いて、寝る間も惜しんで読んでいるんだよねぇ」
「お、おぅ、そうなのか……」
コウはユリーカの話を聞いて、本に挟まれていた栞を手に取り、『シックスの冒険 ミニマム・バトル・エリアーズ 上』を読み始める、最初はカラーページから始まり、とても面白い雰囲気を放っていた、そしてカラーページを読み終え、次は白黒ページだ、本のタイトルの白黒ページを捲って現れるのは目次だった。
いや、目次の章の量が凄まじいな!?コウはそう思いながら冷や汗を掻く。
それもその筈、『目次の章は軽く百章を越えていた』からだ、そして一章一章のページ数は精々20ページ程度だった。
コウは唾を飲み込んで、『プロローグ 物語は全て突然始まる』を読み始める。
読んでいて、主人公の少年が『自宅のスラム街に』と書いていたからスラム街のの出身なのか、と思い、物語を読み進める。
すると主人公の少年はガキ大将にいきなりボコボコにされ、頭部から大量に出血していた。
だが、傷はすぐに治って、コウは驚愕する。
「な、何だこれ……何だか『シックスの冒険』の世界観に吸い込まれる感覚を覚えるぜ……!何と言えばいいだろう?『主人公になった気分』を感じる……!」
「でしょう?コウ君もそう言うと思ったよ」
ユリーカはそう言って、椅子に座って、栞を挟んだ『シックスの冒険』を再読し始める、そして二人は静かに『シックスの冒険』を読み進める──コウは段々と『シックスの冒険』に減り込んでいく──
- Re: セカイ戦記 ( No.260 )
- 日時: 2017/06/29 21:45
- 名前: 彩都 (ID: ???)
面白い、実に面白い、そう思いながらコウは『シックスの冒険 ミニマム・バトル・エリアーズ 上』を読む、そして第三章迄読み終えて、栞を挟んで、休憩する。
「どうだい?このまま読み進められそう?」
「うーん、面白いのは面白い、だけど、文章量がね……結構多くて読むのが大変だ、面白いんだけどな」
コウはそう言って、溜息を吐きながら首を鳴らす、確かに文章量は多いかも知れない、と思いながらユリーカは鼻で息をする。
「面白いのなら、嬉しいや、頑張って読み進めよう」
「お前なぁ……そう簡単に言うけど、結構頭の中に入る情報量は多いんだぞ……?分かっているのか?」
「分かっているさ、だからこその『頑張れ』なんだ」
「うーん……とりあえず、読み進めてみるわぁ」
コウはそう言って、また読み始める、ユリーカは読み終わったので、コウの病室を出る──
「暇だな」
「そうなの?」
「うん、とても暇」
「へぇ……私は暇じゃないね、ちゃんとダメージを回復させないと……」
「大変だなぁ、お前も……」
リクとリーナはそう言って、頭を垂れる、動けなくて頭を垂れるリーナ、暇過ぎて頭を垂れるリク。
そしてリクは静かに立ち上がって、病室を出ようとする。
「何処に行くのさ?」
「んー?そうだな、少しこのセカイを見てくるよ」
「ふぅん?それで暇を消費出来るなら、頑張って見てきて?」
「おぅ、分かった」
リクはそう言って病室を出る、病室に残るのはリーナただ一人だった──
「それにしても何処に行こうか?行く場所が見付からない……」
リクは病室の前でそう呟いて、頭を垂れる、無計画で外に出るのはまだしも、『何処に行く』事を考えていなかった、果たして何処に向かおうか?リクはそう思いながらまず病院を出る為に病院を出る──
「…………」
Dは欠伸をしながら寮でベッドに寝転がりながら欠伸した口に手を近付ける、暇だな、さぁ、どうするか?イマハ戦う気力も起きないし、腹も減っていない、どうしようか?やる事が無い、やる事がない、と言うのはとても苦しいんだな、と思いながらベッドから起き上がる、さぁ、どうするか?いいや、答えは簡単だ、ご飯を食べる、少しだけ早い晩飯を、と考えたが、まだ昼なので、晩飯には程遠い。
さ、流石に晩飯はキツかったな、と思い、Dは考える、どうするか?Dは仕方なく、ベッドにダイブして寝る事を考える、何処にも行く事を考えずに、何処かに行く事を面倒だと思い、Dは仕方なく寝る事にした──
「ふむ、やっぱり活発なセカイだなぁ、このセカイは……」
リクはそう呟きながら『セカイ』の中を歩いていた、すると肩と肩がぶつかって、リクはその場で尻餅をついてしまう。
「いてっ」
リクがそう言うと、肩がぶつかった存在は大きな声で『いてぇ!いてぇよぉ!』と叫ぶ、そして仲間の一人と思われる人物が、リクを指差して、怒鳴りつける。
「てめぇ!何ラージさんの肩にぶつかってんだ!?」
「ラージ?あぁ、あのデブの事か?」
リクが『ラージ』と聞いたので、自分にぶつかった相手を指差し、名を聞く、するとリクが指差した相手が起き上がり、リクに言う。
「あぁ、俺がラージだが?」
「ほう?ラージだけに見た目もラージってか?」
リクがそう言うと、ラージの仲間と思われる少年が笑う。
「ラージだけに見た目もラージって……ププッ!」
「なぁに笑ってんだ、このクソガキぃ!」
ラージは手に持っている棍棒を振り翳し、一気に少年の頭に下ろす、そして少年は棍棒によって血だらけになり、肉塊と化す。
「ふぅ、始末完了」
「は、はぁ……?あの少年はお前の仲間じゃなかったのか?」
「仲間?何だそれは?そんな物、この『棍棒』の前では全てが平伏す!だから仲間等要らぬ!コイツ等も俺の力にビビって手下になっているだけだ」
「…………つまり、お前の周りに居る奴は全て手下、と?」
「そうだが?」
「ふぅん……」
リクはラージの言葉を聞いて、その場を離れようとする、するとラージが言葉でリクの歩みを止める。
「おい、お前、謝れよ」
「謝る?何でさ?」
「何でさ、じゃないだろう?ぶつかったら謝る、それが世の中の常識だ」
「じゃあ逆に聞くが、『お前は俺に謝った』のか?」
リクの言葉を聞いて、ラージが鼻で笑って言い返す。
「何故謝る必要が?逆にお前が謝れよ、俺は強いんだぞ?全部全部この『棍棒が解決』して来たんだからな!」
「ふぅん……だから何だ、お前も謝らないと俺も謝らないが?お前、『ぶつかったら謝る』と言ったな?じゃあ『お前が謝らない、と言う事はお前の中では『ぶつかっても謝らない』のが世の中の常識』なのか?」
「あ゛ぁ゛っ!?なぁに、減らず口をぉぉぉ!お前等は黙って俺に従えぇぇぇ!」
ラージは怒鳴りながらリクに対し、血だらけの棍棒を振り翳し、リクの頭蓋にぶつける、だが、棍棒をぶつけても、リクの肉体は笑った少年と違い、血だらけにならず、体は壊れていなかった。
「これで満足か?」
リクはラージの棍棒を持ち上げて、欠伸をする、その姿を見て、ラージは恐怖し、その場で尻餅をつく、リクはそんなラージを見つめながら、『どうやって反撃しようか?』と考える、リクの反撃は何時するか、ラージには分からなかった──
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