二次創作小説(新・総合)
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- 綴られし日々-作者とキャラの日常-
- 日時: 2022/11/28 20:05
- 名前: 柊 (ID: y98v9vkI)
ついに手を出してしまいました、日常系…!!
注意事項
・クロスオーバー
・クロスオーバーCPあり
・キャラ×オリキャラ、オリキャラ×キャラもあるかもしれない
・当方独自設定あり。矛盾することもあるかもしれない
・キャラ崩壊あり
・キャラの裸族化、不憫化などもあり
・作者が夢女子でもあるので夢っぽい要素(キャラ←←作者)が出てくる。テンションがおかしくなったら大変なことになるので注意
・時々シリアスもあり
・時々キャラ掴めてないかもしれない
・荒らしなどはご遠慮ください。
※スマブラに関して
原作をプレイしていないキャラクターが多々いるためキャラの設定が公式設定と矛盾する可能性大(一応調べます…)
こんな感じの注意事項で『大丈夫だ、問題ない』な方はどうぞお楽しみください!
そうでない方は注意してくださいませ。
タグ
スマブラ、刀剣乱舞、艦これ、アズールレーン、フラワーナイトガール、戦艦少女R、文豪とアルケミスト、しんけん!!、夢王国と眠れる100人の王子様、茜さすセカイでキミと詠う、オトメ勇者、フードファンタジー 、Fate/Grand Order、ポケットモンスター、ボーカロイド、Identity_V、ダンガンロンパシリーズ、School Days
目次
『始まりの158』 >>1-3
『魔法少女騒動〜少女とは言ってない〜』 >>6-9
『小さなお宿-前編-』 >>15-20
『小さなお宿-後編-』 >>21-28
『甘くて美味しい果実』 >>29-35
『うちの長曽祢さんがこんなにも可愛い!!〜ただの主張だ気にするな〜』 >>36-40
『虎と春』 >>46-57
『たまにはきちんと歓迎会を!』>>58-63
『信頼した結果-1-』 >>69-75
『信頼した結果-2-』 >>79-85
『信頼した結果-3-』 >>86-92
一振り目と二振り目の呼び方一覧 >>93
『桜よ、彼女を攫わないで』 >>94-96
『バグにも種類がありまして!?』 >>97-101
『恋に落ちないなんてできなくて』 >>105-111
『練習、裸族講座!』 >>112-116
『悪魔の城は崩れない』 >>121-126
『悪魔の城は崩れ始める』 >>136-140 ※140はおまけになります
『悪魔の城は崩壊す』 >>148-155
∟闇の御子の情報 >>156
『VS闇の御子』 >>160-163
∟厄除けの宝玉の情報 >>164
『赤ずきん☆ラグナス』 >>167-171 ※天悪さんとのコラボ!
『赤い花騎士と銀の騎士』 >>178-179
『私が教えるよ』 >>182-184
『コピペSS』 >>185-186
『癒しとカオスと歓迎会』 >>190-197
『六月の花嫁たち』 >>202-209
『七夕は奇跡に染まり』 >>214-217 ※天悪さんとのコラボ!
『お嬢様()な交流会』 >>221-224 ※天悪さん、琴葉姫さんとのコラボ!
『緊急特番()!刀剣乱舞の大盤振る舞い』 >>229-233
『忍び寄るは光の信者』 >>239-244
『南の島、砂浜騒動!?』 >>248-252
『子どもビーチは危険がいっぱい!〜王様は保護者〜』 >>259-263
『私たちは、きっと。』 >>270-274
『解き明かせ、真実! 1』 >>281-286 ※286はおまけです
『解き明かせ、真実! 2』 >>291-297
『解き明かせ、真実! 3』 >>300-304
『VS神殺しの蟲』 >>307-313
∟神殺しの蟲情報 >>314
『出会いは夢の中にて(第一印象は考えないものとする)』 >>317-321
『ちびノブのお仕事!』 >>324-328
『【柊「空を見上げて『バカな…早すぎる…』ってつぶやいたら」】 >>334-335
『新年は新ジャンルと共に!』 >>340-346
『甘い束縛』 >>352-353
『メンヘラマネジメント』 >>356-358
『にっかりファンタジーUDON』 >>362
『コピペSS、おかわり!』 >>363-365
『手を振り解かれ、手を取って。』 >>369-374
『それぞれの決意と忠義』 >>378-383
『扉問答』 >>390-394
∟ねこじぞーの情報 >>395
『水無月祭の出会い』 >>401-403
『コピペSS、もういっちょ!』 >>408-410
『Real or Dream』 >>411-417
『幼児化☆パニック!』 >>422-428
『似てない二人』 >>434-436
『凄惨なる宴』 >>441-446
『雪の別離』 >>449-452
『年末だ!コピペSS!』 >>453-455
『新たな邂逅』 >>458-462
『決戦前〜医師の罪〜』 >>465-468
『決戦前〜泥棒の偽善〜』 >>469-471
『決戦前〜弁護士の覚悟〜』 >>474-477
※477はおまけです
『決戦前〜庭師の想い〜』 >>480-483
『エイプリルフールで嘘予告SS』 >>486
『決戦前〜学生組の会議!〜』 >>487-489
『レオ・ベイカー奪還戦・1』 >>497-500
『レオ・ベイカー奪還戦・2』 >>504-507
『レオ・ベイカー奪還戦・終』 >>511-514
『やっとできるね! 歓迎会』 >>517-522
『異世界にて、恋に出会う』 >>525-527
『コピペSS、いつつめ!』 >>530-532
『オリキャラご紹介その1』 >>535
『いっそ『大嫌いだ』と思えたら』 >>536-543
※543はおまけです
『困りごとはきっかけ』 >>546-548
『本気になったのはどちらだったのか』 >>549-550
- Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.509 )
- 日時: 2022/06/20 19:53
- 名前: 月詠 (ID: 86FuzJA.)
こんにちは、板当て出来てない月詠です。
逃げるのに必死です、板当てタイミング合わない…
月詠「とりあえず先にニャル公への返事に返事すると……分かった、代わりにそちらのハスター様達にダブハンでのハンター購入アイテムの強壮剤と回復剤は一つずつ、加速剤を二つ送ることにする……ダブハンで唯一ハンター側で一度出れたけど買い物出来ず大量にポイントお持ち帰りになってしまった、うちのレオパパからのポイントで買ってから」(実話)
克己「買い物するより追いかけて殴るのに必死だったもんな、お前…」
月詠「あの時の相方さん、足引っ張ってごめんなさい。
さて、本編への感想にいきますと………待って、二体目の赤パペットとの入れ替わりって存在感奪われるけど攻撃しながら出来るの!?シリアス展開だって分かってるけど今初めて知った!先月にパペットの動かし方もやっと偶然知ったのに…」(実話)
克己「操作方法調べてからやれよ。
黒レオあれか、マグマみたいな感じのあれだったか……ライリーが死にかけたが、学生組が信号銃を撃ったおかげで助かったな」
月詠「信号銃三連発はキツい、それはキツい。でも通常のゲーム内同様に信号銃が効くのは良かったかも………効かないでそのままライリーが殺られた可能性も、すぐにタゲチェンして学生組が狙われた可能性も等しくあったし……ラックがアイテムを持ってると箱漁ったかと思ってしまう」
克己「まさか影が分裂するとは……何やったんだ、ダーズは………?ルカ達が描き終わってラック達と合流したが影が現れ……電流が僅かに効いている…?影って攻撃効くのか?」
月詠「分からないけど倒した板を割れるのは知ってる。にしても……エルゼというのに気をつけるか。ハザマ世界の神で、肉体になる人形を買い取られてるならマスターハンドやクレイジーハンドが何か伝えているだろうに、そういう描写なかったし…」
克己「(人外を疑ってかかるスタイルに入ったな)
あ、新たなラブフラグ。どこかで聞いた名前な気がするが」(ガンジとシルヴィー見ながら)
月詠「外は避難誘導がほぼ終わったけど、やっぱり襲撃が続いているか…いや、行列どんだけ?あ、黒髭だ。ブレない、さすが黒髭、ブレないな。サバキュアはちょっと気になる」
克己「そうこうしてたら金カム組が合流したな。とりあえず黒髭はステイ。しかし巨大化は負けフラグとは?」
月詠「ライダーって基本的に巨大化とは無縁気味だもんな、映画以外は。
エミリー達がレオを引きつけていたけど、まさかの『引き留める』まで………これ、レオが戻ってきてもしばらく安静になるんじゃ…苦しんでるのもそうだが、条件が整ってたとしても無理矢理にハンターの力を使われたり、なんらかの変な強化もされてるし…エマ……!」
克己「加護か……良かったと思ったが、まだ続くのか…。浮いている…尖った耳………当てはまる人外の種族が一つあるんだが」
月詠「奇遇だな、ウチもだ。違うこと祈ろう。
っ、柊さん!!」
克己「レオが……!」
以上で失礼しました
おまけ
麻琴「月詠、どうやったら最低でも柊殿のところのダーズの目玉貫き潰せると思う?」
月詠「魔除けのルーンを刻んだアイスピック、シンフォギア世界でのガングニール(とある哲学兵装持ち)のアームドギア(奏の)、軻遇突智神の焔を持つのやめなさい!最後のエマとレオのとこでお前の地雷スレスレを踏まれたってのは分かるけど!」
麻琴「殺されてないとはいえ、時間の問題の可能性がある!エマにはウチと同じ思いをさせたくねぇんだよォ!!」
月詠「誰かリュウガと窮奇呼んでー!精神分析してー!」
(最終的に麻琴は鎮静剤打たれた)
- Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.510 )
- 日時: 2022/07/04 20:09
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: 7Hzptsk2)
ペンシルヴァニア「Hey、コメント返信のコーナーだ」
大瑠璃音葉さん
コメントありがとうございます!
柊「はい、レオがまた…。
そうなんですよね。例え幸せを願っていてもそこにレオがいなければ…エマはきっと、本当の意味では幸せにはなれない。
これからどうなるのか、どうか見届けてくまさると幸いです!」
エマ「音葉さん、ありがとうなの。私…パパがいないなら、きっと幸せには…。絶対に…」
月詠さん
コメントありがとうございます!
柊「pixivでもフォローありがとうございました!」
ハスター「ふむ、確かに受け取ったぞ。…奴め」
謝必安
范無咎「(相当怒っているな、これは)」
柊「ダブハンでのハンター側の買い物難しいですよね…私もたまにやると終わるまで何も買ってないことがあります←
赤パペットのみ、入れ替わりながら攻撃が可能なんですよー。他にも直線上であること、障害物がないことと条件はありますが、今回は小説なので←
通称『居合い切り』と呼ばれてます。やり方はいろんな方が解説をアップされていますよ!」
圭一「間に合って本当に良かったぜ…」
ラック「箱も漁りましたし、幸運の小包も開けましたd(^_^o)
ダーズ、なんかレオさんをめちゃくちゃなパワーアップしてますよね…。あと、影に電流が効くのもこの小説だからになりますね。実際は効きません←」
柊「エルゼ様に関しましては…まあ後々←
さぁてどこでしょうね???(すっとぼけ)」
オムライス「限定グッズの行列は前日…何だったら三日前から始まっております故…!!」
八九「徹夜組、アウトー」
黒髭「サバキュアはその名の通り! サバサバで、きゅあきゅあ♡なんでつぞ♡
必殺技は腕に愛を込めて! さば折り☆シャイニングスプラッシュ!」
八九「物理なのか魔法なのかハッキリしろよ。ほら言われてんぞ、ステイ」
黒髭「拙者、海賊なんで。ステイとかないんで。
あーそういやそーね、ライダーって巨大化あんまないですな。戦隊モノだとラストで敵が巨大化するけどやられるオチなんですぞ」
八九「まさかその通りになるとは思わなかったけどな、少しテンション上がった」
柊「さて、彼の種族とは? お二人の予想は当たっているのか!?」←
エミリー「そうね、しばらくは安静でしょうね…。だからこそ、本当に解放できたと…思ったのに…」
柊「って、麻琴さーん!! めっちゃ荒れてらっしゃる…!!」
???「…ふむ」
柊「ん? 今何か…?」
改めまして、コメントありがとうございました!
それでは!
- Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.511 )
- 日時: 2022/07/04 21:06
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: 7Hzptsk2)
レオ・ベイカー争奪戦・終
どこが底なのか分からないほどの、闇。そこに、ふわりと落ちていったのは麦わら帽子だった。
「リサ」
「っ、う、うぅ〜っ!!」
黒い蔓に巻き付かれ、今まさにその底へ引き摺り込まれそうだったレオの腕を掴んでいたのは、エマだった。思い切り目を瞑り、強く強く力を込めて。けれど庭師をしているとは言え、体格差が大きすぎる二人。その上、この蔓はダーズの力によるものだ。
レオはエマの奮闘虚しく、少しずつ嬲るように底へと連れて行かれる。
「リサ、放しなさい。このままだと二人とも」
「いや、なの。絶対に、離さない!」
「リサ!」
「嫌!!」
ぽたり、とレオの顔に一粒の涙が落ちてきた。
「絶対に、絶対に嫌。離さない。だって、だってやっと! やっとパパが帰ってきてくれたのに! また、離れ離れになるの? そんなの、絶対に嫌!!」
「リサ……」
「く、ぅう……!」
ずるり、ずるりと確実に下がっていく身体。本当にこのままでは二人とも底へ連れて行かれてしまう。
離すんだ、レオがそう言うがそれを無視して、二つの手が増えた。
「なっ……?」
「ぐぅ……!」
「くっ……!!」
「ライリーさん、ノートンさん……!」
「リサ、絶対に離さないでやれ、俺もできる限り離さんから……!!」
「ねえ、さっきさ。ウッズさんに幸せになれって言ってたよね? その幸せに、アンタがいなきゃだめなんだって何で分からないんだよ!」
「……」
「そうやって、また勝手にいなくなって。それで幸せになれ? 自分勝手なのもいい加減にしろよ!!」
「ははっ、まあ、それは同意、だな!」
「はあ? あんたもだよライリーさん!」
「知ってるに決まってるだろ! 何のためにここまでやってると思ってんだ!」
軽く言い争ったがすぐにレオの手を引っ張ることに集中する。それでも、確実に下がっていく。
「誰か、手を貸してくれ!」
ライリーの声にウィリアムやカートが来て同じく手を引っ張る。さすがにもう上がってもおかしくはないのに、上がるどころかやはり下がっていく。
これ以上は増やせない。レオの左腕は蔓に巻き付かれていて上げることができない。
「パパ……!」
「もう、もうやめろ! このままだと……!!」
「だからって、諦めるわけには……!!」
その時だった。エマたちの後ろから淡く輝く何かが飛び、エマたちが掴んでいるレオの腕に絡みついた。それは、温かく輝く縄であった。
「えっ!?」
「それを掴んで!」
後ろからした声に思わず全員が振り向く。そこには、エルゼがいて。
エルゼの声に、飛び出して光の紐を掴んだのは司と類、そして彰人と冬弥だ。
「あ、あなたは……?」
「わたくしはエルゼ。女神とされるものです。そして、それはわたくしの力を使って作り上げた紐です。頑丈に作りましたから、そうそう切れることはありません。
皆さま! どうかこの方を助けるために力をお貸しください!」
次々と学生組の面々や戦っていたメンバーが縄を掴み、引っ張る。サバイバーたちもそれに続いた。
その甲斐もあってか、レオの体は持ち上がらないものの、これ以上下がることもなかった。それに思わずホッと息を吐きそうになるが安心はできない。ここからレオを引き上げない限りは。
ぞわり。寒気を感じる。思わず視線を前に向ければ、レオに巻き付いている黒い蔓に赤黒い爪が生えたものがいくつもいくつも登ってきていて。
赤黒い爪の生えた蔓が、縄を掴む者たちを襲おうとする。
「させないよ」
金の鎖が蔓を的確に貫いていく。この声で、この鎖を使うのはエルキドゥしかいない。鎖は貫くばかりではなく、複数の蔓を纏めて縛り上げもしている。
「女神エルゼ、何か案はないかな」
エルキドゥがエルゼにそう問う。
「……今、探っています。もう少し時間をいただけますか」
どこか突き放すような声に、短いとは言えエルゼと行動を共にした栗松たちは少し動揺した。が、その声で返されたエルキドゥ本人はそう、と大して動揺はしていないようだ。
とにかく、エルゼが何か見つけるまではレオを底へ引き摺り込ませないのがここにいる全員の役目だ。
「パパ、頑張って……!」
エマも縄を握り、改めて力を込める。
エルキドゥに加えて刀剣男士や真剣少女たちが刀で蔓を斬り伏せていく。それでも蔓は無尽蔵に溢れてくる。
「誰か! あっちに戻って何人か……いや! あっちに残ってる学生組以外は全員連れて来い!」
「俺が行きます!」
ライリーの言葉に風丸が駆けていく。他にも圭一や石丸、足の速さからか愛染、博多も共に駆けていった。
なるべく早く解決してくれればいいが。全員の体力が切れてしまう前に。そう願わずにはいられなかった。
- Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.512 )
- 日時: 2022/07/04 21:14
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: 7Hzptsk2)
扉の前。そこに穂波たちは着いていた。鯉登に抱えられていた穂波とガーディ以外は全員少し肩で息をしている。特に身体の弱いスプリングフィールド(R)は顔色が悪く、一番大きく息を吸ったり吐いたりして、軽く咳き込んでいた。
「っけほ、こほ」
「スフィー(R)大丈夫? あともう少しだけど、休む?」
「いいえ……大丈夫、です」
「そっか、じゃあ早く……」
「皆さん!!」
こちらを呼ぶ声に全員が振り向くと、風丸や他のメンバーが駆けてきていた。鯉登、月島を見て知らない人間がいたことに少し動揺したようだったが彼はすぐに口を開く。
「人手が欲しくて……このままだと、レオさんがまた連れていかれます!」
「えっ!?」
「何があった?」
「実は、レオさんを元に戻すこと自体は成功したんです。ただ……レオさんを連れて行こうと、黒い蔓が出てきて、それが力強いんです。
俺たちのほとんどが引っ張っても、レオさんを持ち上げられないくらい……だから!」
「分かった。スフィー(R)はみんなと一緒に他の人たち呼んできて、俺とジーグブルートが先に行くから!
こっちに来てるメンバーには向かいながら通信機使って連絡しとく!
「わ、分かり、ました」
未だ顔色の悪いスプリングフィールド(R)を気遣った判断に、ジーグブルートも特に反対はしなかった。二人はこちらです、と先導してくれる石丸と共にレオたちの元へと向かっていく。
それを見ていた鯉登は穂波に再び失礼と言いながら下ろす。そして踵を返した。
「我々も向かうぞ月島、礼は返さねばならん」
「はい、鯉登少尉」
「すまないが、お嬢さんのことを頼めるか」
「は、はい」
風丸が頷くと二人もシャルルヴィルたちを追いかけ、走り出す。
人手が欲しいと言っていた。なら二人程度でも行かないよりはマシだろう。
シャルルヴィルたちが見たのは、黒い沼に引き摺り込まれかけているレオ、そのレオを輝く縄で引っ張って連れていかれるのを阻止しているメンバーたち、そして、沼から次々と溢れる蔓との戦いであった。
シャルルヴィルとジーグブルートがレオを引っ張るために縄を握る。鯉登と月島もそれに続き、何本もある内の一つを握った。
「手伝おう!」
「っ悪い、頼……あっ!?」
鯉登の前にいた男が振り返る。その男は鯉登と月島を見てお前ら! と声を上げた。鯉登と月島も目を見開いた。
「なっ……貴様、杉元佐一(スギモトサイチ)!?」
「その前にいるのは、谷垣か?」
「つ、月島軍曹に鯉登少尉……? 何故ここに」
「手伝うのは構わねえが、足引っ張るなよ!」
「貴様を手伝うのではない、勘違いするな!」
「なんだと!?」
ぎゃあぎゃあと言い合う二人に離れたところから「そこ、喧嘩してないで!!」とシャルルヴィルから注意を受ける。それにどちらもお互いをギリギリまで睨み合いながらも力を入れることに集中し始めた。
──本当にこの二人、相性が悪いな。
ムッチリした男──谷垣源次郎(タニガキゲンジロウ)と月島はつい同じことを思いながら、手元に集中する。とにかく、彼を沼へ沈めないことだけを考えて。
その時だった。一人の少女……エルゼの声が見つけました、と響いたのは。
「その沼の中に、ダーズの力の結晶があります! 小さくも黒く、おぞましい力の結晶が……!
わたくしが援護します。あなたはそれを、鎖で撃ち抜いてください!!」
「分かっ……」
分かった。エルキドゥが答えようとした。だが沼から今まで以上の蔓が湧き、一気にエルキドゥに襲い掛かる。
エルキドゥはすぐに鎖で貫いたり避けたりしたが、とうとうその内の一本がエルキドゥの腹部を貫いた。
「っ……!」
「エルキドゥ!!」
「この、程度……!!」
隙を突き、蔓は次から次へとエルキドゥを襲った。例え消滅とまでは行かずとも、とてもではないがその結晶とやらを撃ち抜くことはできないだろう。
誰か代わりに、その声がエルゼのダメです、という声にかき消された。何故、とエルゼを見れば彼女もどこか悔しそうに顔を歪めている。
「あの結晶は、ダーズの力で守られている……あの結晶に攻撃を届けるには、生半可な力では届きません。わたくしと、彼の力で届くはずだった。単純な距離でも近くにあるようで、とても遠くにありますから。
これでは……もう……」
「そんな……」
「完全に方法がないわけではありません。
正確にあの結晶に当てることができ、なおかつ眩い光のような、そんな力を持つ攻撃ならばあるいは……」
「正確に……眩い、光……」
エルゼの言葉にハッと、オリヴァーがケンタッキー(R)とペンシルヴァニアを呼んだ。それにオリヴァーと同じく何かに気付いた者が多かった。
「二人とも、絶対高貴を使って心銃を!!」
「!!」
「ああ!!」
二人が縄を手放し、本体である銃を取り沼に近付いていく。当然、蔓はそれを好機と捉え、エルキドゥに集中していた三分の一程度を二人に向けた。
だがすぐにアブラナとむつみが二人の前に立ってアブラナはレイピアを、むつみは『歌仙兼定』を使って斬り捨てた。そうして、二人は沼の近くに立つ。見下ろし、目を凝らせばやっと見える程度のそれは禍々しい黒い、小さな真珠のようだった。
数回、息を深く吸い、大きく吐く。この一撃にかかっているのだから、緊張しないわけがない。
「ペンシルヴァニア」
「うん?」
「足、引っ張んじゃねーぞ」
「……ああ。必ず、成功させよう」
後ろで柊のケンタッキーがペンシルヴァニアの兄貴になんて口ききやがる! と騒いでいたが、ペンシルヴァニアは大丈夫と笑い、ケンタッキー(R)は無視していた。
「「……絶対高貴!」」
二人を、眩く気高い光が包む。絶対高貴は、古銃の貴銃士が使える奇跡の力。これならば、あるいは。
銃口を結晶へと向ける。たった一発の勝負。だが、ケンタッキー(R)とペンシルヴァニアならば。
心銃を発動し、引き金を引く。響きながらも乾いた音がする。光に包まれながら放たれた銃弾は真っ直ぐに、襲いくる蔓を物ともせず飛んでいく。
結晶に、届く。
パキ、と小さいはずのその音は確かにケンタッキー(R)たちに届いて。
ヒビが入っていく。結晶に成す術などない。パキン、と綺麗な音を立てて、結晶は粉々に割れて沼の底へと散っていった。蔓は苦しむように暴れ出す。しかし幸いにも誰にも当たることはなく、蔓はぐったりと萎れ、塵となって消える。
それとほぼ同時に、あっさりとレオを引き上げることができた。ただ、全員が力を入れっぱなしだったせいで勢いがついてしまい、殆どが転んだり尻餅をついたりしてしまっていた。
レオたちが沼を見る。沼も、風に吹かれて砂が飛んでいくように消えてしまった。
「……やった」
「終わった、の? 今度こそ、本当に……」
勝ったのだと、レオを今度こそ取り戻したのだと、全員が飲み込んだ瞬間。先ほどとは比にならないほどの、歓声が上がった。中には感極まって泣き出す者もいて。(ガンジだけ、いつの間にかいなくなっていたシルヴィーを探していたが。)
出会ってほんの少ししか経っていない杉元たちも、それがどれほど彼らにとって待ち望んでいたものなのかが分かって、自然と笑っていた。
「パパ……」
「行っておいでよ、ウッズさん」
「あのバカに、どれだけ心配かけたのか今度こそ分からせてやれ」
ノートンとライリーに背を優しく押され、エマは少しだけレオを見つめる。その視界は、すぐに歪んでしまって。
「パパ……パパぁ!」
今度こそ、泣きじゃくってレオに抱きついた。声を上げて、泣いた。バカ、と震える声で言った。ぽす、ぽす、と叩いた。それを、レオも泣きながら、微笑みながら受け入れていて。
二人は、やっと再会できた。
- Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.513 )
- 日時: 2022/07/04 21:35
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: 7Hzptsk2)
とある場所。フェセクは作戦が失敗したと聞いて少しばかり喜んでいた。表には出さなかったが。
そうだ、あんなひどい作戦失敗してしまえばいい。人のことを言える義理ではないと分かっていながらも、そう思ってしまう。
「おや、フェセク。何やらご機嫌ですね」
「っ!!」
体を大きく震わせて勢いよく振り向く。この組織のリーダー的存在で、『ハーフエルフ』のクリフォードが優しく笑いながらどうしました、と聞きながらこちらへ歩み寄っていた。その側によく連れている黒猫の姿はない。
そういえば、最近黒猫の姿を見ない気がするが、まずは目の前のクリフォードに何か反応を返さねば。
「え、えと。実は長いことやっていた実験がやっと成功しかけまして」
「そうでしたか。こちらの作戦は失敗に終わりましたが、おめでとうございます。ヒナコやウィリディスもさぞや喜んだでしょう」
「は、ははは……」
「ところで」
一歩、クリフォードが近づいてくる。
「この作戦を、マスターハンド側に流した『裏切り者』がいたんです」
「っ、そ、うなんです、か」
「ええ。フェセク、心当たりはありませんか?」
その一言に、心臓が大きく跳ねる。もしこれがバレていたら……どうなるのか、分かりはしない。ただ、とてもではないが無事で済むとは思えない。
なんとか知らないと返せば少し様子を伺うように見つめられる。一瞬であるはずのそれは、非常に長く感じられた。
するとクリフォードはそうですか、と笑った。
「心当たりがないのであれば、それで構わないです。それに……ああ、帰ってきたようですね」
荒い足音が聞こえる。クリフォード様、と叫ぶような声に弾かれるようにそちらを見れば、息を切らせた黒猫が……血塗れで立っていた。
「く、ろねこ!? どうしっ……お前、血が」
フェセクの心配する声など聞こえていないように、黒猫は足をもつれさせ、転びながらもクリフォードに必死な形相で縋りついた。
「クリフォード様、クリフォード様、貴方様に言われた通り、命を果たして参りました、鴉は、鴉は」
「ふふ、落ち着きなさい。『どのような命令を果たしてきたのか』、きちんと報告しなくては、ね?」
「っ……あ……」
顔を青ざめさせ、ガタガタと震え始める黒猫。異様なものを感じたフェセクは一度落ち着かせてからでいいだろうと提案しようとしたが、それよりも先に黒猫が口を開いた。
「あっ……う……く、クリフォード様の、ご命令通り……指示された村や街、計……五つ……全て……
滅ぼして、参りました……」
「は……?」
今、なんと。思わず口を挟むよりも先に、黒猫は震えた声で続けた。涙を浮かべながら。
「住民たちは……すっ、全て、殺害、いたしました……。老人……子ども、赤ん坊に至るまで……すべ、て……」
「ふふ、素晴らしいですよ黒猫。これで作戦失敗よる損失はゼロ……いいえ、むしろプラスにさえなりました。ありがとう、下がって休みなさい」
「そ、れよりも、鴉、鴉は」
「ああ、彼は無事ですよ。あなたはきちんと仕事をこなしてくれた。鴉の待遇改善は考えましょう。そして、『しばらくの彼の命の保障』もしましょう」
「っ! ありがとう、ございます……!」
今のやりとりで何があったのか、分かってしまった。
作戦を流したことを、事前に知られてしまっていた。ただ、犯人まで分かってはいなかったのか、どうかまでは分からない。それでもこの作戦の代わりに……黒猫が、いくつもの村や町を滅ぼすことになってしまった。
彼と仲の良い鴉の待遇改善ももちろんあっただろう。だが、何より鴉を人質に取られた。だから、黒猫は嫌でもその命令を実行するしかなかったのだ。
おぼつかない足取りで去っていく黒猫の背中を見送る。ふふ、とクリフォードの笑い声が耳に入った。
「独りよがり、というのは恐ろしいですね? 『裏切り者』のせいで、黒猫はあんな命令をこなさなくてはならなかったんですから……」
ねえ、フェセク?
その声が、まるで自分を責め立てているようで。声にならない声を何とかして出そうと口を動かす。餌を求める魚のようで、側からみれば滑稽に見えることだろう。
「クリフォード」
少年のような、それでも少し低い声が聞こえる。この声は。後ろを向けば、乱雑に切られたような黒髪に、赤い瞳、そして白眼になる部分が『黒い』青年がいた。
その青年は目だけで人ではないと分かるのに、それを確信づけるかのように背から黒いモヤで出来たような触手が生えていた。
クリフォードが彼を見たとほぼ同時に微笑みながらこれはこれは、と言いながら恭しくお辞儀した。
「人の身でいかがなさいました、『ダーズ』様」
ダーズ。それが、彼の名である。
「いいや、お前が何やら楽しそうな声をしていたので、気になった。それだけだ」
「そうでしたか。いえ、私も特に楽しいことがあったわけではないのですよ、ふふふ」
「そうか。……もう一つ。謝らねばならないことがあった」
「謝ること、ですか?」
「ああ。レオ・ベイカーをあちらの手に戻してしまった。まだ必要だったろうに」
本当に申し訳なさそうに目を伏せるダーズ。それにクリフォードは珍しくきょとりと呆けていた。
「……おや。お気になさらずとも。それどころか、私は貴方がまだレオ・ベイカーを必要なのかと思っておりましたが」
「む……そうだったのか。ならば、余計なことをしたようだな。すまない」
「いえいえ。……ならばこちらの損害はほとんどないようなものですね」
「そのようだ。黒猫もよくやってくれた。奴が屠った魂が我の中にあるのが分かる。クリフォード」
「はい」
「鴉、と言ったか。奴の待遇を改善せよ。まともな食事をやれ。寝具がないようであれば、多少くれてやれ。体の調子が悪いのであれば、多少まともな治療をしてやって構わない。
必要であれば、奴の願いを一つ叶えてやっても構わない」
「承知いたしまたした、ダーズ様」
「ああ。フェセク」
「っはい」
「いつもご苦労。ウィリディス、ヒナコにも伝えておいてくれ。
クリフォードもそうだが、お前たちの働きが充分と判断した場合、我がこの世界を支配できようができまいが、必ずやお前たちの望みを叶えよう。働きには、対価で応える」
そう告げるだけ告げて、ダーズは去っていった。いつの間にか呼吸を止めていたのか、ぶは、と吹き出すように酸素を求める。
ダーズのことは、正直苦手だった。表情も声色もほとんど変わらず、何を考えているのか本当に分からないから。まだウィリディスやクリフォードの方が分かる。
「さて、私は行きますか。ではフェセク、ご機嫌よう」
「は、はい……」
クリフォードが去る。……。
「俺の、せいで……」
黒猫が、余計な心の傷を作ってしまった。軽率な行動のせいで……。
フェセクはしばらくその場に立ち続け、ゆっくりと離れていった。
─────────────
さて、少し時間は遡り。ショッピングモールではまだみんな喜びに浸っていた。誠もその内の一人である。
「やったね、伊藤クン、前原クン!」
「はい!」
「ああ!」
行動を共にしていた苗木、圭一と喜びを分かち合う。離れたところでは親友の澤永や、この世界に来て親交を持った花村が喜び合っていた。
別のところに視線を向ければ、八九と十手がこのショッピングモールのオーナーであるグリーズを縛っていた。どうやらあのオーナー、テンプレート通りと言わんばかりに十手の足にしがみついてこれまたテンプレート通りなことを言ってお縄になっているようだった。遠くからでも八九の「テンプレかましてんじゃねえ」という声が聞こえてくる。
喜びが支配していた脳に少しばかり余裕が戻る。ふと、この状況なら女の子に抱きついても許されるのではないか、と考えてしまった。
目に入ったのは花騎士のハゼ。ウフソーという埴輪を持つ可愛らしい花騎士だ。
そそ、とハゼに近づいていく。よく見ると隣には見たことがない少女──アシリパが立っていた。よし、一緒に抱きつこう。
そう思った瞬間、口を塞がれて男数人がかりであっという間に全員から引き離され、人気のない場所まで連れてこられてしまった。
「むぐ! んー!!」
「名前は、何だったか。ええと……そうだ、誠」
「!!」
この声は。聞きたくなかった声に弾かれるように顔を上げる。そこにいたのは……実の父親である、沢越止であった。
「ぷは! おや、じ……?」
「ああ。久しぶりだな」
「……」
黙って睨みつける。そうすればわざとらしく肩をすくめる。まるで、ワガママを言う幼子に対するような態度に少し苛立った。
「そんな顔をしないでほしいな。久しぶりの再会だと言うのに」
「俺は、会いたくもなかったけどな」
「ははは、ずいぶんと嫌われているようだ」
「当たり前だろ! あんたみたいな奴と血が繋がってることが俺はっ」
「嫌だ、という割には私に似ているけれど?」
「は……ど、こが!」
「複数の女子との、身体の関係を持つところだ」
ひゅ、と喉が鳴った。薄々感付いていながら、その快楽に無理やり見て見ぬフリをしてきたそれが、よりにもよって大嫌いな父親から、真正面から突き付けられる。
「いいんだ、誠。それは正しいことなんだ。子は、将来また子を産む。そうして人間は成り立つ。だから、たとえ実の子に手を出そうと別に間違ったことじゃないのさ」
「っ、やめ、ろ!!」
「それに、私はそんなことを説教しに来たんじゃない。お前に一つ、提案しに来たんだ」
「提案……?」
「確か……そう。桂言葉、西園寺世界、清浦刹那……彼女たちを、私たちに売ってくれ」
「っ!?」
理解ができなかった。言葉たちを、売る? 混乱している誠に追い討ちをかけるように止は続けた。
「そうだ、彼女らと仲良くしている罪木蜜柑という少女も付けてくれていい。楽しめそうな身体をしているからな。当然、その分の追加も支払おう。
そして……お前も混ざるといい」
「な……」
何を言っているか、理解できない。いや、『したくない』。けれど嫌でも理解ができてしまう。
俯く。心臓の音がやけに大きく聞こえた。
「まあ、突然言われても困惑するだけだろう。答えはまた後日聞きに来るとしよう。どうすれば得なのか、分かるだろうけれど」
そう言って止はいつの間にか出来ていた黒い穴へと入っていく。抑えていた男たちもそこへ入っていった。
残されたのは、中途半端に手を上げた誠のみだった。
2022/07/04 加筆修正
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