二次創作小説(新・総合)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 綴られし日々-作者とキャラの日常-
- 日時: 2022/11/28 20:05
- 名前: 柊 (ID: y98v9vkI)
ついに手を出してしまいました、日常系…!!
注意事項
・クロスオーバー
・クロスオーバーCPあり
・キャラ×オリキャラ、オリキャラ×キャラもあるかもしれない
・当方独自設定あり。矛盾することもあるかもしれない
・キャラ崩壊あり
・キャラの裸族化、不憫化などもあり
・作者が夢女子でもあるので夢っぽい要素(キャラ←←作者)が出てくる。テンションがおかしくなったら大変なことになるので注意
・時々シリアスもあり
・時々キャラ掴めてないかもしれない
・荒らしなどはご遠慮ください。
※スマブラに関して
原作をプレイしていないキャラクターが多々いるためキャラの設定が公式設定と矛盾する可能性大(一応調べます…)
こんな感じの注意事項で『大丈夫だ、問題ない』な方はどうぞお楽しみください!
そうでない方は注意してくださいませ。
タグ
スマブラ、刀剣乱舞、艦これ、アズールレーン、フラワーナイトガール、戦艦少女R、文豪とアルケミスト、しんけん!!、夢王国と眠れる100人の王子様、茜さすセカイでキミと詠う、オトメ勇者、フードファンタジー 、Fate/Grand Order、ポケットモンスター、ボーカロイド、Identity_V、ダンガンロンパシリーズ、School Days
目次
『始まりの158』 >>1-3
『魔法少女騒動〜少女とは言ってない〜』 >>6-9
『小さなお宿-前編-』 >>15-20
『小さなお宿-後編-』 >>21-28
『甘くて美味しい果実』 >>29-35
『うちの長曽祢さんがこんなにも可愛い!!〜ただの主張だ気にするな〜』 >>36-40
『虎と春』 >>46-57
『たまにはきちんと歓迎会を!』>>58-63
『信頼した結果-1-』 >>69-75
『信頼した結果-2-』 >>79-85
『信頼した結果-3-』 >>86-92
一振り目と二振り目の呼び方一覧 >>93
『桜よ、彼女を攫わないで』 >>94-96
『バグにも種類がありまして!?』 >>97-101
『恋に落ちないなんてできなくて』 >>105-111
『練習、裸族講座!』 >>112-116
『悪魔の城は崩れない』 >>121-126
『悪魔の城は崩れ始める』 >>136-140 ※140はおまけになります
『悪魔の城は崩壊す』 >>148-155
∟闇の御子の情報 >>156
『VS闇の御子』 >>160-163
∟厄除けの宝玉の情報 >>164
『赤ずきん☆ラグナス』 >>167-171 ※天悪さんとのコラボ!
『赤い花騎士と銀の騎士』 >>178-179
『私が教えるよ』 >>182-184
『コピペSS』 >>185-186
『癒しとカオスと歓迎会』 >>190-197
『六月の花嫁たち』 >>202-209
『七夕は奇跡に染まり』 >>214-217 ※天悪さんとのコラボ!
『お嬢様()な交流会』 >>221-224 ※天悪さん、琴葉姫さんとのコラボ!
『緊急特番()!刀剣乱舞の大盤振る舞い』 >>229-233
『忍び寄るは光の信者』 >>239-244
『南の島、砂浜騒動!?』 >>248-252
『子どもビーチは危険がいっぱい!〜王様は保護者〜』 >>259-263
『私たちは、きっと。』 >>270-274
『解き明かせ、真実! 1』 >>281-286 ※286はおまけです
『解き明かせ、真実! 2』 >>291-297
『解き明かせ、真実! 3』 >>300-304
『VS神殺しの蟲』 >>307-313
∟神殺しの蟲情報 >>314
『出会いは夢の中にて(第一印象は考えないものとする)』 >>317-321
『ちびノブのお仕事!』 >>324-328
『【柊「空を見上げて『バカな…早すぎる…』ってつぶやいたら」】 >>334-335
『新年は新ジャンルと共に!』 >>340-346
『甘い束縛』 >>352-353
『メンヘラマネジメント』 >>356-358
『にっかりファンタジーUDON』 >>362
『コピペSS、おかわり!』 >>363-365
『手を振り解かれ、手を取って。』 >>369-374
『それぞれの決意と忠義』 >>378-383
『扉問答』 >>390-394
∟ねこじぞーの情報 >>395
『水無月祭の出会い』 >>401-403
『コピペSS、もういっちょ!』 >>408-410
『Real or Dream』 >>411-417
『幼児化☆パニック!』 >>422-428
『似てない二人』 >>434-436
『凄惨なる宴』 >>441-446
『雪の別離』 >>449-452
『年末だ!コピペSS!』 >>453-455
『新たな邂逅』 >>458-462
『決戦前〜医師の罪〜』 >>465-468
『決戦前〜泥棒の偽善〜』 >>469-471
『決戦前〜弁護士の覚悟〜』 >>474-477
※477はおまけです
『決戦前〜庭師の想い〜』 >>480-483
『エイプリルフールで嘘予告SS』 >>486
『決戦前〜学生組の会議!〜』 >>487-489
『レオ・ベイカー奪還戦・1』 >>497-500
『レオ・ベイカー奪還戦・2』 >>504-507
『レオ・ベイカー奪還戦・終』 >>511-514
『やっとできるね! 歓迎会』 >>517-522
『異世界にて、恋に出会う』 >>525-527
『コピペSS、いつつめ!』 >>530-532
『オリキャラご紹介その1』 >>535
『いっそ『大嫌いだ』と思えたら』 >>536-543
※543はおまけです
『困りごとはきっかけ』 >>546-548
『本気になったのはどちらだったのか』 >>549-550
- Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.109 )
- 日時: 2020/04/04 13:16
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: PF4eFA6h)
そして、一ヶ月後。ミクは仕立てられたドレスを来て高級ホテル【ハイルング】に来ていた。ほんのり緑のような白いドレスに、緑のリボンがあしらわれている。
「わあ……! ここで、合ってるよね」
「合ってますよ」
「ひゃあ!?」
後ろから声をかけられ、びっくりしながら振り向く。そこには、衣装【命の翻弄者】のような格好をしたイソップがいて。いつものマスクはなく、きゅ、と一文字に結ばれた口元が見えている。
「はぁあ……僕が言い出したことではありますが、憂鬱だ……。何が悲しくて、人混みに飛び込まないといけないんでしょうね……」
「え、ええ、と、や、やっぱり、帰る?」
「いや……行きましょう」
そう言ってイソップは歩き出した。慌てて追いかける途中でふと思い出す。
今日は、待ってないと。
バジラとのデートで待ち合わせると、いつも最低二十分は待ち、最悪一時間半待ったこともある。……こうして考えれば、この時から分かったことなのに。恋は盲目とはよく言うなと思ってしまう。
「初音さん」
「っあ、ごめ、ぼーっと、して……」
「? どうかしました?」
顔を上げれば、そこには手を差し出しているイソップがいて。何故、と考えていると、ん、と手をもっと差し出してくる。
「手を繋ぎましょう。先ほどからぼうっとしているので、いざと言う時助けやすいです」
「あ、ありがとう……」
きゅ、と繋がれた手は細くありながらも男性らしい。それについドキリとしてしまう。
イソップはまるで何でもないようにホテルへ入り、警備員に招待状を見せて会場に入る。
「そ、そういえば、今日はなんでダンスパーティーに……」
「……あれ、話してませんっけ?」
「話してないよ!?」
「あ、すみません……。目的は」
イソップの視線の先を追って、目を見開く。鼓動は早くなっていく。嫌な意味で。
「バジラ、くん」
バジラは複数の女性を侍らせて楽しそうに談笑している。その中に、あの時の女性もいた。
何故、何故と考えているとイソップが続きを話し出す。
「あの男を、ダンスでぎゃふんと言わせます」
「え……!?」
「どうやらあの人、ダンスパーティーに現れては女性を口説いて何股もするそうです。しかもダンスで注目集めて。……はあ、全く。どこでもうるさいですね」
「…………」
「初音さん。少し、ドリンクでも貰いましょうか」
イソップが近くに来たボーイに声をかけ、ドリンクを二人分受け取る。その内一つをミクに渡した。
ミクが一口それを飲む。少しだけ、落ち着けるような気がした。
「そういえば、初音さん、今日薄くメイクしてますか?」
「あっ、う、うん。MEIKO姉やルカさんがパーティーなんだから、って」
「へえ」
「へ、変かな」
「いいえ。初音さん元がいいのでしなくてもいいとは思いますが、パーティーですからね。少しでもしていた方がいいでしょう」
元がいい。そこについまたドキッとしてしまう。顔が熱い。
「初音さん? 顔赤いですけど、どうしました? 熱でもあります?」
「うっ、ううん! 大丈夫、大丈夫!」
ドリンクを一気にあおる。こうでもしないと顔が熱いままだ。
「おい、ミク」
びくりと身体が震える。振り向きたくない。けれど振り向かなければ。
恐る恐る振り向けば、不機嫌そうなバジラとミクをニヤニヤしながら見ている女たちがいる。
「バジラ、くん」
「お前、よくもあんなメッセージ送ってきたな。優しくしてやったからって勘違いしてんじゃねえの?」
「メッセージ……?」
「ああ、それ僕ですけど。そもそも何ですかあなたたち。邪魔なので離れていただけます?
あとそちらの女性たち、香水キツいです。化粧品の匂いがすごいです。鼻曲がります。付けすぎもよくありませんよ」
唐突なイソップの言葉にバジラも女性たちも、それどころかミクもぽかんとした。
「な、なんだてめ」
「うるさいです。ここ、パーティー会場ですよ。確かに騒ぐのもいいですが騒ぎ過ぎはよくありません。摘み出されますよ」
暗に、これ以上騒ぐようなら警備員に摘み出してもらうという言葉にバジラはぐっと黙り込んだ。女性たちはイソップにこき下ろされたのが気に食わないのか彼を睨んでいる。
「何よ、地味男のくせして。バジラにそんな口聞いていいと思ってるの?」
「思っていますがどういうことです」
「バジラって、すっごい会社の社長さんの息子なの。あんたなんてすぐに捻り潰せるのよ?」
「そうですか。恋人の父親の権力でそこまで胸を張れるのすごいですね。僕は真似できそうにありません」
「!!」
「用件はそれだけですか? それでは僕らはダンスまでゆっくりしたいので」
と、そう言ってイソップはミクを連れてそそくさと離れていく。会場はそれなりに広く、人混みに紛れれば姿は見えなくなった。
「す、すごいね、イソップく」
「っはぁああ〜〜〜緊張した、緊張したというか無理。もう無理帰りたい。なんでいきなり絡んでくるんですか意味が分からない。帰りたい。帰って一人でぼーっとしたい。むしろ納棺の仕事していたい。故人の相手していたい。なんで僕ここにいるんだろう」
「イソップくん?」
「あ、すみません。取り乱しました」
「取り乱したの???」
「はい」
イソップの姿についふ、と笑ってしまう。先ほどの嫌な鼓動などどこかに行ってしまった。
二人は、ダンスが始まるまで穏やかに話していた。
- Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.110 )
- 日時: 2020/04/04 13:21
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: PF4eFA6h)
曲が流れ始める。周りは女性を誘う男性ばかり。
「ああ、始まりましたね。……では」
す、とイソップが手を差し出して、ほんの少しだけではあるが微笑んだ。
「僕と踊っていただけますか?」
最初からそのつもりだったのに。それなのに、胸がきゅうと締め付けられる。ドキドキする。
こんな簡単に、好きな人を変えていいはずがないのに。なのに、好きになっていってしまう。
「はい……」
ドキドキしながら手を取り、ダンスを始める。こんなに近いと心臓の音が聞こえてしまう気がして、優雅な音楽に感謝した。
「(あ、まつ毛、長い。肌も綺麗)」
そんなことにまで気付いて、もっとドキドキして。まるで夢の中にいるみたいで。
もしも、本当に夢なら、このままがいい。このまま、ずっと彼と。
ドン、と後ろから衝撃を受け、転んでしまう。イソップまで巻き込んで。
「あらぁ、ごめんなさぁい? いるなんて気付かなかったわ、地味過ぎて」
「だよなぁ、不釣り合いにも程があるっての」
バジラと、あの女性だった。周りからもくすくす、という笑い声が聞こえる。バジラの周りに侍っていた女性たちと、その取り巻きのようだ。
また、嫌な鼓動が始まる。汗がつぅと流れる。
初音さん、というイソップの声が聞こえて辛うじて立ち上がるがそこからはダメダメだった。イソップの足を踏んでしまったり、ステップを間違えてしまったり。
その度に聞こえる笑い声が、ミクの心を容赦なく傷つけていく。
「初音さん、落ち着いて」
「ごめ、ごめんなさい、イソップくん、迷惑かけて、恥かかせちゃって、ごめんなさい」
イソップの顔が見られない。視界がにじむ。
「初音さん」
「ごめんなさい、ごめんなさい、私、私」
「ミクさん!」
イソップの珍しく張り上げた声に、初めて下の名前を呼ばれて顔を上げた。イソップの目が、ミクを見ている。
「……周りなんて気にしないでください。大丈夫です」
「でも、私、イソップくんにまで」
「別に、こんなの恥じゃありません。安心してください、ミクさん」
「だけどっ」
「ミクさん」
名前を呼ばれ、手が離れる。その手は、頬に添えられて。
「大丈夫です。安心してください。貴女は、この会場にいる女性の中で
一番、可愛らしくて美しいです」
──ドキッ
「え……」
「周りなんて気にしないでいいんです。だから、今は僕だけを見ていてください」
「っ……!!」
ああなんて忙しない心臓だろう。今は甘い鼓動が支配している。
まるで告白のような言葉に、まるで少女マンガのような場面。ミクが叶わないと思いながらもいいな、なんて思っていた場面。
こんなの。
「(恋しないなんて、無理だよ)」
足取りが軽くなる。いつの間にか、二人はパーティーの主役にまでなっていて。バジラとその取り巻き以外はほう、と簡単のため息を吐き、二人に見惚れていた。
音楽が終わる。会場中から拍手が起こる。その内の一組の男女が二人に歩み寄ってきた。
「素晴らしい!」
「まるで絵画のようだわ!」
「お褒めいただき、ありがとうございます。ですが、まるで主役を奪ってしまったようで」
「構わないさ! 素晴らしかったよ、ミスター・カール!」
「可愛らしい恋人の方もね」
「こっ……!!」
「残念ながら、恋人ではないんです」
「あら、そうなの?」
「ええ」
「あ、あの、イソップくん、この二人は」
「ああ、このお二方は」
「ミク」
甘い声。振り向けば、微笑んでいるバジラがいる。
「すごく綺麗だったよ」
「……ありがとう」
「ミク、その……俺たち、やり直せないかな」
「え?」
「今のミク見て、やっと分かった。目が覚めた。俺にはミクが必要なんだ。ミクしか見えない」
「ちょっと、バジラ!?」
あの女性が近づいてくるがバジラは迷惑そうに顔を歪めている。が、バジラに対して会場中が冷めた目で見ていることに気付いていないらしい。
バジラは片膝を付いて手を差し出す。これもまるで少女マンガのようだ。けれど。
「ミク、どうかこの手を取って欲しい。ミクも、俺が必要だろ? 俺しか、見えてないだろ?」
「……ふざけないでよ!!」
ミクの大声にバジラはへ? と間抜けな声を出して目を丸くしている。
何が目が覚めた、だ。何が必要だ、だ。そんなの、全部嘘に決まっている。
「あんなに酷いこと言って、なんでそんなので許されると思ってるの? 私は、もうあなたなんて大っ嫌い!!」
「なっ!?」
「二度と私の前に現れないで!! 仕事だって、一緒になったら断るから!!」
「ま、待って、ミク!!」
「いや当たり前ですよね。本当になんで許されると思ったんです?
そもそも彼女に近づいたのも身体目当てでしょう? えーと、なんでしたっけ。あのメッセージ。一回やらせてくれるなら本命にしてやるでしたっけ。
興味なかったんで覚えてないんですけど」
「!? な、な、なんでっ、なんでお前がそれをっ」
「……つまり、本当にそんなメッセージを送ってたんだね。……最っ低!!」
「…………ちょっと、バジラ。どういうことよ。
確かにあんたが女の子に手を出してるのは知ってたけど、本命に? 私を馬鹿にしてんの!?
もう頭きた、別れる!!」
「なっ!? ちょ、ちょっとま……!!」
「いやなんであなたまで被害者みたいに振る舞ってるんですか。被害者はミクさんでしょう。
えーと……あ、思い出した。あなた、まあ、二週間くらいに一度、男九人女あなただけのパーティー(意味深)開いてるらしいですね」
「!? ちょ、ちょ……」
「はあ!? お前っ、浮気してたのかよ!」
「えええ、あなたが言います……?
あ、ダールマンご夫妻。そろそろこの二人摘み出すことをお勧めします」
イソップがそう言えば夫の方がもうするところだよ、と言い、二人はぎゃあぎゃあ言い合いをしながら会場……どころか、ホテルから摘み出されるらしい。
「あ、結局このお二人……」
「ああ、そういえば途中でしたね。このお二方はダールマンご夫妻。夫のフォルクハルト・ダールマンさんとその妻のマヌエラ・ダールマンさんです。このダンスパーティーの主催で、ここ、ハイルングのオーナーなんです」
「ええええ!?」
「挨拶が遅れて申し訳ない。フォルクハルト・ダールマンだ。よろしく頼むよ」
「マヌエラ・ダールマンです」
優雅だと思ってしまうほどのお辞儀に、ミクを慌ててお辞儀して挨拶を返す。
「あああ、は、ははは、初音ミクでしゅっ!!」
「思い切り噛みましたね」
「言わないで……!」
いきなりこんな高級ホテルのオーナーと会うとか思いもしない。それどころか、イソップがそんな大物と知り合いなんて誰が想像するだろう。
ダールマン夫妻は微笑ましそうにミクを見ている。
「ミスター・カールには、父の葬儀で世話になってね」
「お義父様を、とても綺麗にしていただいて……本当に、まだ生きているようだったわ」
「そうだったんですね……」
葬儀のことを思い出しているのだろうか、二人とも涙を滲ませていた。
イソップは何でもないような顔をしている。けれど、これが彼の仕事の結果なのだ。
後に聞くことになるが、バジラ含め取り巻き、バジラと共にミクを嵌めたり嘲笑った女性たちは今後ハイルングを含めたダールマン夫妻が経営するホテルから出入り禁止を食らったらしい。とは言え、ダールマン夫妻が経営しているホテルはほとんどが高級ホテル。贅沢さえしなければお互いに関わることもないだろう。一部、一般人向けのホテルも経営しているが困ることもないはずだ。
……バジラたちが「高級ホテルじゃなければ泊まりたくない」と言っていることは、ミクたちは知らなかった。
- Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.111 )
- 日時: 2020/04/04 13:26
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: PF4eFA6h)
帰り道。マンションボカロ近くを歩いていたミクとイソップは、お互いに黙って歩いていた。沈黙なのに、気まずいと思わない。
が、ふと思い出したことがある。
「そういえば、イソップくんはどうしてバジラ……さんたちをぎゃふんと言わせたかったの?」
「ああ。それも言ってなかったですね。あの人……あー、あの女性もそうなんですけど、墓地で猿みたいにうるさくて」
「え? 猿?」
「ええ」
「きーきーって騒いでたってこと?」
「……まあ、そういうことにしておいてください。
何度も何度もあるものでしたから、ダールマン夫妻も墓地の所有者の方も故人が休めないと僕に相談してきたんです。正直、僕に相談されても、とは思っていたんですが僕としても故人が安らかに眠るのを邪魔されるのが腹ただしかったんです」
「……じゃあ、私をパーティーに連れて行ってくれたのは」
「……完全にこちらのわがままですね。軽蔑しました?」
「ううん。だって私のわがままも叶えてくれたんだもん」
「そうですか。怒りそうなものですけどね」
「いいの! あ、もう大丈夫だよ。送ってくれてありがとう!」
「いいえ。では、良い夢を」
イソップが頭を下げて帰っていく。少しだけ惜しい気持ちを押し殺して、まるで夢みたいな経験、そして、新しい恋と共にミクも歩いていく。
「イソップくーん!!」
「えええほんとなんで僕懐かれたんですかやめて来ないで来ないで陽キャこわい近付かないでぇえええええ」
ミクに追いかけられながらイソップはそう叫んでいた。ただでさえ職場で人付き合いを若干強制されているのに仕事じゃない時までミクに会うことは社交恐怖なイソップにとっては厳し過ぎた。
そんなコントみたいなやりとりを、ナワーブ・サベダーとウィリアム・エリスは呆れた目で見ていた。
「別にいいじゃねーかよイソップ」
「可愛い女の子に好かれること以外で欲しいものあんのかよー」
「ロッカーと板と窓枠くださいぃいいいいいい!!」
「「本格的にハンター扱いかよ」」
「えへへー、イソップくん大好きだよー!」
「好かれるのはいいですし僕も嫌いじゃないですけどお願いだから今日は来ないでくださいぃいいいいいいいいいい!!!!」
でもミクのアプローチは続く。程よく、根気よく続く。
果たして、生者嫌いの彼にミクの想いがきちんと届いて結ばれる日は来るのだろうか。
コメントOK
- Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.112 )
- 日時: 2020/04/06 16:46
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: PF4eFA6h)
※裸族注意報※
※今回セリフの前に名前を入れます。
練習、裸族講座!
ある日のこと。三日月宗近と鶯丸は縁側で茶を飲んでいた。ぽかぽかしてきた今日この頃、庭で咲き誇る桜を見ながら熱い茶を飲むと心がとても落ち着いてくる。これに茶菓子もあれば最高だ。
鶯丸「時に、三日月」
三日月「うん?」
鶯丸「……高雄殿の様子はどうだ」
鶯丸の問いに、三日月はつい固まってしまう。
高雄。高雄型重巡洋艦の艦娘にして、三日月が愛おしいと想い続ける女性だ。彼女は様々な鎮守府を転々とした。その理由は、彼女を見ると何故かそこの提督が狂ったように……否、狂ってしまった。
ある提督は高雄以外いらないと他の艦娘を沈め続けた。
ある提督は高雄を他の者に見せたくないと監禁した。
ある提督は高雄に愛を証明すると他の艦娘を虐げた。
そんな提督の元にばかり配属され続け、とうとう心を壊した高雄は逃げ出し、偶然柊の鎮守府にいた第一艦隊の翔鶴に助けられた。そのまま彼女は柊の鎮守府に異動となったものの、そのせいで男性恐怖症になってしまっていて。三日月も避けられていたのだが、彼女が拉致されたのを三日月が助けてから高雄に依存されていた。
彼女に恋愛感情はなく、三日月を崇拝していると言っていい。そして、三日月は自分を『恋愛対象』として見ないと思い込んでいる。だから安心していられると。
だがその高雄の考えとは逆で、三日月は一目見た時から高雄に惹かれていた。三日月は悩み、悩み続け……彼女が克服できるまでは、高雄に恋をしない数少ない男として振る舞うことにしたのだ。高雄を、傷つけたくないから。
せめて顔だけでも、と三日月はよく高雄の元に通っていた。
三日月「……まだダメなようだ。無理もない」
鶯丸「そうか。……恋をしてほしいとは言わないが、早く良くなるといいな」
三日月「うむ……」
♪やらないか
な ん で だ よ 。
今の空気、どう考えてもシリアスの流れだった。まああれは作者自身予想外の出だしだったのだが。
突然流れた音楽に、二振りは首を傾げる。そして。
「「「「さく裸族ーーーーーーーーー!!!!!!!」」」」
桜の木の中から、桜色の全身タイツを身につけた裸族が現れた(爆)。
無駄にスタイリッシュに着地を決めた裸族は三日月と鶯丸に近づいてくる。
花村「やあ今日はいい裸日和だね、三日月さん! 鶯丸さん!」
三日月「うむ、今日は暖かくて良き日だな」
鶯丸「こんな日の茶は最高だな」
全く動じない二振りはほのぼのと裸族と話し出す。動じて。
芭蕉「三日月さん、鶯丸さん、頼みがあるんだ」
三日月「? 頼みとはなんだ、芭蕉殿」
花村「裸族には、『裸族講座』というイベントがあるんだ。その名の通り、他の世界の裸族を招き、裸族技を教えたりするとても大切な交流なんだよ」
鶯丸「ほう」
太子「だが我々柊サイドの裸族は!! まだまだ未熟!! とても裸族講座を開くほどの実力もない……けれどせめて練習をしたいんだ!!」
裸族太郎「だから、三日月さん! 鶯丸さん! その生徒役をしてもらえないだろうか!?」
誠「正直、イケメンに、それもそんじょそこらのイケメンが裸足で逃げ出しそうな顔面国宝二人に頼むのは釈だが……」
澤永「ぶっちゃけ俺たちも今すぐ裸足で逃げ出したい」
クマ吉「下手な人に頼むと柊さんから鉄槌(という名の弓乱舞)食らいそうなんだよね」
裸族たちが頭を下げる。はっきり言って、とてもとても下らない願いである。
しかし、今頭を下げている相手は刀剣男士でも一位二位を争うほどのマイペース。(柊独断)二振りはにこにこと笑みを浮かべた。
三日月「良いぞ」
鶯丸「何だか面白そうだからな、良いぞ」
「「「「やったー!!」」」」
断 っ て 。
そんな願いも届かず、裸族たちによる、裸族講座(練習)が幕を開けた……ちなみにかなり短い。当たり前だね。
- Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.113 )
- 日時: 2020/04/06 16:51
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: PF4eFA6h)
Q、裸族になったきっかけは?
花村「僕は……実家の花村食堂が、悪い奴らに目をつけられちゃってね……」
なんでそんなクソ重い展開になってるの??? ねえなんで???
三日月「それは……さぞや大変だったろう」
花村「うん、毎日来ては注文した料理に大声で文句を付けて、改善したとしてもまたいちゃもんさ。ネットとかで悪評まで流されてしまって……」
鶯丸「それは許しがたいな」
太子「うんうん」
芭蕉「私たちも話を聞いて腹が立ったよ!」
花村「店は客足が遠のいて、もうダメだって思った時だった……」
○回想○
花村「ううう……どうすれば、どうすればいいんだ! あいつらを、どうにかしないと……!」
花村は部屋の床をダン、と叩いた。この店だけは、奪われたくなかった。けれどこのままでは間違いなくあいつらに店は奪われる。
とうとう母親は倒れてしまって、今日はクラスメイトと後輩たちが店を守るために来てくれていたがそれもおそらく問題の先延ばしになるだけ。
花村「どうしたら……!!」
『次は裸族の皆さんです、どうぞ!!』
テレビから一瞬耳を疑う単語が聞こえ、花村は顔を上げた。テレビに映るのは褌一枚で好き放題に踊っている裸族の姿。
花村「え、え……なんだいこれ……!?」
『素晴らしい舞をありがとうございます! 裸族の皆さんは動きのキレが素晴らしいですね!』
『ありがとうございます、俺たち裸族は何も身に付けないことにより、全身の神経を研ぎ澄ませ、己の最大限の力を発揮する……そう、服という鎧を捨てるのです!!』
花村「!! 服という……鎧を……!!」
花村は己の体を見下ろす。その体は、服に覆われていた。
ぐっ、と服を握る。
花村「そうか、僕は……覚悟が足りなかったんだ!!」
瞬間、花村の服は弾け飛んだ。しかし花村はそれを気にせず、立ち上がる。外から、またあいつらの声が聞こえた。
彼は、外へ飛び出していった。
日向(弾丸2)はクラスメイト、後輩たちと男たちと睨み合っていた。男たちは何と、大神や弐大と同じほどの体格の男を何人も雇ってきていたのだ。それで遅れを取るとは思わないが、他のメンバー……特に女子が人質に取られては手出しができなくなってしまう。
男1「だからよぉ、子どもの出る幕じゃねえんだよ」
男2「そうそう、ガキは帰っておねんねしてな!」
左右田「ふふふ、ふざけんなよっ!! お前たちが訳わかんねーこと言って花村から家奪おうとしてんのに黙って見過ごせって言うのかy」
ボス「あ゛!?」
左右田「ひっ!!」
左右田が情けない悲鳴を上げるが、彼にしては頑張って意見した方だ。それにその意見にはほとんどが同意だ。
どうする、と日向(弾丸2)が頭を回転させようとした時だった。
花村「そこまでだよ!!」
日向(弾丸2)「はなむ、ら」
朝比奈「きゃああああ!?」
小泉「な、なんて格好してるのよ!!」
振り向いたらクラスメイトが全裸で立っていた。何を言っているのか分からねーと思うが俺も分からない、状態の日向(弾丸2)は固まっていた。
不二咲「お、大和田くん、見えないよぉ……?」
大和田「……いや、見なくていい!」
ソニア「田中さん、何故目を塞がれるのですか? あっ、もしや『だーれだ?』という遊びですね! 負けませんよ!」
田中「もうそれで良いから見るな」
日向(弾丸2)「は、花村……?」
男3「おいなんだおめえ、すっぽんぽんとか、笑わせにきたのか?」
花村「……おいで、遊んであげるよ!!」
花村は今までにない動きで男たちを翻弄、圧倒していく。
蝶のように舞い、蜂のように刺す。ただし蝶にも蜂にもキレられてもおかしくはない。そんな花村の動き(以上に姿)についに男たちは耐えきれず、逃げ出した。
花村「やった……やったよみんな! 僕は、僕は!!」
日向(弾丸2)「それはいいけど服を着ろぉおおおおおお!!!」
花村「げふんぬ!!!!!」
日向(弾丸2)からのチョップは、すごく痛かった。
○回想終了○
花村「それから僕は裸族なんだ! ただ、そのあと何故か日向くん(弾丸2)に叱られてね……」
裸族太郎「ううっ、なんて良い話なんだ……!」
太子「妹子に仕事しろコールされたくないからと裸族になった私が恥ずかしい……」
芭蕉「曽良くんに殴られたくないからと裸族になった私も恥ずかしい……」
その前に裸族は裸で人前に出ることを恥ずかしがった方がいい。絶対に。
誠「俺はモテたいからだ!」
澤永「俺もモテたくて裸族になったんだ!」
クマ吉「僕はモテたいのもあるけどリア充撲滅したくてね」
この三人は少しくらい取り繕うべきである。
花村「さあ理由はこんなところにして、次は太子さんと芭蕉さんの『逆だいしゅきホールドハリケーン』だよ!!」
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112