二次創作小説(新・総合)

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綴られし日々-作者とキャラの日常-
日時: 2022/11/28 20:05
名前: 柊 (ID: y98v9vkI)

ついに手を出してしまいました、日常系…!!

注意事項
・クロスオーバー
・クロスオーバーCPあり
・キャラ×オリキャラ、オリキャラ×キャラもあるかもしれない
・当方独自設定あり。矛盾することもあるかもしれない
・キャラ崩壊あり
・キャラの裸族化、不憫化などもあり
・作者が夢女子でもあるので夢っぽい要素(キャラ←←作者)が出てくる。テンションがおかしくなったら大変なことになるので注意
・時々シリアスもあり
・時々キャラ掴めてないかもしれない
・荒らしなどはご遠慮ください。

※スマブラに関して
原作をプレイしていないキャラクターが多々いるためキャラの設定が公式設定と矛盾する可能性大(一応調べます…)

こんな感じの注意事項で『大丈夫だ、問題ない』な方はどうぞお楽しみください!
そうでない方は注意してくださいませ。

タグ
スマブラ、刀剣乱舞、艦これ、アズールレーン、フラワーナイトガール、戦艦少女R、文豪とアルケミスト、しんけん!!、夢王国と眠れる100人の王子様、茜さすセカイでキミと詠う、オトメ勇者、フードファンタジー 、Fate/Grand Order、ポケットモンスター、ボーカロイド、Identity_V、ダンガンロンパシリーズ、School Days

目次
『始まりの158』 >>1-3
『魔法少女騒動〜少女とは言ってない〜』 >>6-9
『小さなお宿-前編-』 >>15-20
『小さなお宿-後編-』 >>21-28
『甘くて美味しい果実』 >>29-35
『うちの長曽祢さんがこんなにも可愛い!!〜ただの主張だ気にするな〜』 >>36-40
『虎と春』 >>46-57
『たまにはきちんと歓迎会を!』>>58-63
『信頼した結果-1-』 >>69-75
『信頼した結果-2-』 >>79-85
『信頼した結果-3-』 >>86-92
一振り目と二振り目の呼び方一覧 >>93
『桜よ、彼女を攫わないで』 >>94-96
『バグにも種類がありまして!?』 >>97-101
『恋に落ちないなんてできなくて』 >>105-111
『練習、裸族講座!』 >>112-116
『悪魔の城は崩れない』 >>121-126
『悪魔の城は崩れ始める』 >>136-140 ※140はおまけになります
『悪魔の城は崩壊す』 >>148-155
∟闇の御子の情報 >>156
『VS闇の御子』 >>160-163
∟厄除けの宝玉の情報 >>164
『赤ずきん☆ラグナス』 >>167-171 ※天悪さんとのコラボ!
『赤い花騎士と銀の騎士』 >>178-179
『私が教えるよ』 >>182-184
『コピペSS』 >>185-186
『癒しとカオスと歓迎会』 >>190-197
『六月の花嫁たち』 >>202-209
『七夕は奇跡に染まり』 >>214-217 ※天悪さんとのコラボ!
『お嬢様()な交流会』 >>221-224 ※天悪さん、琴葉姫さんとのコラボ!
『緊急特番()!刀剣乱舞の大盤振る舞い』 >>229-233
『忍び寄るは光の信者』 >>239-244
『南の島、砂浜騒動!?』 >>248-252
『子どもビーチは危険がいっぱい!〜王様は保護者〜』 >>259-263
『私たちは、きっと。』 >>270-274
『解き明かせ、真実! 1』 >>281-286 ※286はおまけです
『解き明かせ、真実! 2』 >>291-297
『解き明かせ、真実! 3』 >>300-304
『VS神殺しの蟲』 >>307-313
∟神殺しの蟲情報 >>314
『出会いは夢の中にて(第一印象は考えないものとする)』 >>317-321
『ちびノブのお仕事!』 >>324-328
『【柊「空を見上げて『バカな…早すぎる…』ってつぶやいたら」】 >>334-335
『新年は新ジャンルと共に!』 >>340-346
『甘い束縛』 >>352-353
『メンヘラマネジメント』 >>356-358
『にっかりファンタジーUDON』 >>362
『コピペSS、おかわり!』 >>363-365
『手を振り解かれ、手を取って。』 >>369-374
『それぞれの決意と忠義』 >>378-383
『扉問答』 >>390-394
∟ねこじぞーの情報 >>395
『水無月祭の出会い』 >>401-403
『コピペSS、もういっちょ!』 >>408-410
『Real or Dream』 >>411-417
『幼児化☆パニック!』 >>422-428
『似てない二人』 >>434-436
『凄惨なる宴』 >>441-446
『雪の別離わかれ>>449-452
『年末だ!コピペSS!』 >>453-455
『新たな邂逅』 >>458-462
『決戦前〜医師の罪〜』 >>465-468
『決戦前〜泥棒の偽善〜』 >>469-471
『決戦前〜弁護士の覚悟〜』 >>474-477
※477はおまけです
『決戦前〜庭師の想い〜』 >>480-483
『エイプリルフールで嘘予告SS』 >>486
『決戦前〜学生組の会議!〜』 >>487-489
『レオ・ベイカー奪還戦・1』 >>497-500
『レオ・ベイカー奪還戦・2』 >>504-507
『レオ・ベイカー奪還戦・終』 >>511-514
『やっとできるね! 歓迎会』 >>517-522
『異世界にて、恋に出会う』 >>525-527
『コピペSS、いつつめ!』 >>530-532
『オリキャラご紹介その1』 >>535
『いっそ『大嫌いだ』と思えたら』 >>536-543
※543はおまけです
『困りごとはきっかけ』 >>546-548
『本気になったのはどちらだったのか』 >>549-550

Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.449 )
日時: 2021/12/10 00:57
名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: bD140njr)

雪の別離わかれ
 ──レオの思い出。第五人格内にて複数あるマップの一つだ。
 燃える前の工場、いくつか飾り付けられたモミの木に、プレゼント。その名前の通り、レオの思い出を元に作られたらしいここは、一年中雪が降り積もっていた。不思議なことに、その雪はずっと一定の量しか積もらないが。
 そのマップに、レオはいた。一つの石に腰掛けて。時々考え事や頭を冷やしたい時には、ここは彼にとって最適な場所だ。しんと静まり、刺すような寒さが、燃えた彼にとっては心地よく感じられる。それに……確かにあった美しく楽しい日々が、少しだけ心を落ち着かせてくれる。
 あと数週間後に迫った、愛娘、リサの誕生日。親である自分たちが振り回し、不幸にしてしまったリサ。そのリサと奇跡的に再会できた時は本当に嬉しかった。……ただ、最初の頃は彼女をリサと認識できずにハンターとして殴ってしまったことが本当に苦しかったが。
 それでも、今までの分、レオは今更でも構わない。リサに愛情を注ぐと決めた。
 誕生日もその一つ。クリスマスに近いために毎年クリスマスプレゼントと誕生日プレゼントを用意して。今年もそうするつもりだ。
 何をあげよう。去年はいい香りのするハンドクリームと、花束をプレゼントした。花はプレゼントするつもりではいるが、来年の春に向けて新しい麦わら帽子をいくつか用意しようか。
 いいや、最近リサはノートン・キャンベルという青年と仲睦まじい。父親として思うところはあるが、それでもクリーチャー・ピアソンだとか、ライリーのような男に引っ掛かるよりは余程いい。ともかく、そうとなればもっとファッションやメイクにも興味が出ていてもおかしくはない。
 ならばメイク道具だろうかと思ったが、レオには縁の無いもので、良し悪しなど分かるはずもなく。
 ウィラ・ナイエルやマルガレータ・ツェレ、ハンターならばマリーや美智子が詳しいだろうか。一度話を聞いてみるのも悪くないだろう。
 ……こんなに悩んでいるのに、体が冷え始めているのに、心は穏やかで温かい。
 このまま、復讐心を忘れられたら、どれだけ。
「復讐心を忘れるなど、してはいけませんよ」
「!?」
 咄嗟に振り向く。そこには緑の髪をした優男と暗い顔をした黒い猫耳と猫のしっぽが生えた少年がいる。
 一体いつの間にいたのだろうか。いや、そもそも何故ここに。
 困惑しながらも警戒を怠らないレオに優男はくすくす、と笑う。
「初めまして、レオ・ベイカー様。私はクリフォード・レイノルズと申します。
こちらは黒猫。以後お見知りおきを」
 クリフォード・レイノルズと名乗った優男は恭しく、そしてどこか芝居掛かったようにお辞儀をする。
「私は、『ダーズ』様の元で畏れ多くも様々な仕事をさせていただいております」
「!! ダーズだと……?」
 ダーズ。それは今、柊たちが敵対している者の一人の名前。だとすれば彼らは敵ということになる。
 念のためにとそばに置いてあったサメを象った武器を手に取った。
「さて、話を戻しますが……復讐心を忘れてはいけません。
だって、そうでしょう?
『貴方の家族は、一人の男の手によってズタズタに引き裂かれた』」
 その瞬間、頭に鋭い痛みが走った。思わず呻き、膝をついてしまう。
「『貴方はそんな男が憎くて、そして自分よりもその男を選び、娘をも捨てた元妻が憎くて、酒に溺れた』」
 クリフォードが言葉を紡ぐ。脳内に、惨めでどうしようもない、過去が蘇ってくる。
「『そう、家の物も、娘の宝物まで売っ払って酒に溺れて、結局は焼身自殺を図り』」
「が、ぁあ!!」
「『ああ、実際は放火でしたか? 何にせよ、貴方は死に損ねた』」
「ぐぁ、あ゛」

 痛い、いたい、あたまがわれそうなほどに

 にくい、にくい、あいつが

「『そんな貴方を奮い立たせていたのは』」

 にくい

「『復讐心そのものなのだから』」

 憎い

 憎い

 憎い

「ぎっ、ガ、ァ!!」

 やめて、く

 憎、い

 いや、だ

 にく、い

 り、

 にくい、憎いぃいいいい

 さ

 憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて

「り、さ、ぎ、ァ゛」
「なるほど……貴方を繋ぎ止めてしまっているのはその存在ですか……。
ちょうどいいみたいですし、その『楔』は、
















壊してしまいましょうか」

Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.450 )
日時: 2022/02/03 17:59
名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: VhCiudjX)

「パパー!」
 エマはレオを探しに、このマップまでやって来ていた。クリスマスに飾るリース、それの飾り付けを相談したいと思っていたのだが見当たらず、近くにいたエミリーに聞けばレオはここに行ったと聞いたのだ。
 どの辺にいるかは分かっている。モミの木の近くに彼は必ずいる。
 その予想通り、レオはモミの木の近くに立っていた。
「あっ、パパ!」
 彼に走り寄る。しかし……彼がこちらを見た瞬間、その足は止まってしまう。
 何だか、おかしい。
 目が、どこかおかしい。武器を手に、ゆらりゆらりと歩み寄ってくる。
 思わず一歩、二歩と後ずさるがレオも一歩、二歩と歩み寄って。
「リ、サ」
「パパ……?」
 ぐらり、ゆらり、ぐらり、ゆらり。距離は縮まっていく。
「リ、サァ」
「パ、パ」
「に、ゲ」
 武器が、振り上げられる。それを、見ていることしかできなくて。
「にゲ、ろ」
 ひゅ、と、音がして。
「ニげ、ろ、リ、サァア……!!」
 もう、避けられなくて。



「パパ」



──ゴッ……!!










 気が付けば、娘は倒れていた。彼女の周りの雪はリサの血で汚れていて。
 じわりじわりと白にが滲んで、広がって。
「これは、貴方がやったことですよ」
「あ、ア……!!」
「可哀想に。彼女、叫んでいましたよ。パパ、パパと」
「ああ、あ、アア゛……!!」
「ふふふ、これで父親? 笑えますね」
「アアア゛!!」
 何故。何故!!
 ああ、ああ!!
 なぜどうしてなんでいやだこんなのうそだリサすまないああやりたかったわけじゃないなのにどうしててがとまらなくていやだうそだリサごめんこんなこんなこんなあ、ああ、あああ

ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああありああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああさあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああありあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああさあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

「ア゛、ア゛ア゛ア゛」
「さて、いい具合になりましたね。黒猫。近くに置いておいた瑠璃溝隠を回収しなさい」
「……はい」
 くろい、やみ。そこへ、おしこまれ、た。


















「……おい、おい。聞こえてるか」
「……」
 ほんの少し聞こえる、知らない声。ぼやけた視界で誰か分からないが、なんとか答えようと、できる限りで頷いてみせる。
「いいか、お前の親父はこれから、ダーズの力を強化するために、殺戮の道具として使われる。
……そんなの嫌だろ。だから、止める方法を教える。手に握らせておくから、絶対に離すな」
 手が開かれ、何か紙を握らされる。それを何とか強く握ればよし、と声が聞こえた。
「決行日は…………。シューニリアショッピングモールで行われる……だ。人が集まりやすい場所で大暴れさせるつもりだ。
……俺ができんのはここまでだから、しくじるなよ」
 そう言って声が、足音が離れていく。それとほぼ同時に、聞き慣れた声が聞こえた気がした。

Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.451 )
日時: 2021/12/10 01:10
名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: bD140njr)

「……ん」
「リサ、気が付いた?」
「……エミリー……?」
「戻ってこないのを心配して、ノートンさんが様子を見に行ったら倒れてたって……良かったわ、目を覚まして」
「……あ……パパ!!」
 勢いよく起き上がる。バランスを崩してしまったが、エミリーに支えられる。けれどそんな場合ではない。
「ねえエミリー、パパ、パパは!?」
「レオさん? 見てないわ……どうしたの?」
「……パパ……パパ、パパが!!」
「ど、どうしたの? 落ち着いて、リサ」
「ぐすっ、嘘、パパ、パパぁっ!!」
「リサ、リサ!?」
 嘘だ。だってパパは、優しいパパに戻ってくれた。だから、だから!
 自分を殴っただなんて、そんなの、悪い夢だ!!
「パパ、パパァッ!!」
「リサ、落ち着いて、リサっ!」
「どうしたの……ウッズさん?」
「ひっく、ぐす、やだぁ、パパぁ……!!」
「どうしたの、落ち着いてウッズさん。ダイアー先生、一体何が?」
「それが、急に混乱してしまって……レオさんに何かあったみたいなんだけれど……」
 手が誰かに握られる。見れば、ノートンがいて。
「ウッズさん、落ち着いて話せる?」
「の、とん、さ……」
「ゆっくりでいいから」
 その声に少し落ち着いて、話し出す。でも、思い出すとどうしても悲しくて、どうして、と問わずにはいられなくて。
 すぐに涙がボロボロ溢れる。
「そんな、レオさんが……?」
「エマも、エマも、信じ、たく、ない、でも、でもぉ……!」
「……なら、あの紙は」
「紙?」
「……少し、外に出ようダイアー先生。ウッズさん、誰かに紅茶持ってきてもらうように頼むから、少し待てる?」
 頷けば、ノートンはエミリーと部屋を出て行った。
 静かな部屋に一人。そうしていると涙がまた溢れてくる。
 どうして、どうしてあんなことになってしまったんだろう。……パパも、泣いていた。
「パパ……どうして……?」

















 気まずい、そう思いながらも湯気が緩やかに立ち、良い香りを漂わせている紅茶を片手にある部屋に入る。
 そこにいたのはエマ。……レオ関連で混乱していたらしい。無理もない。ある程度元に戻っていた彼に殴られ、気絶させられたのだから。正直、それで自分に来させるのはどうかと思ったがまあ仕方ないとして。
「おい、エマ・ウッズ」
「……ライリーさん」
「紅茶を持ってきてやったぞ」
 サイドテーブルに置く。けれどエマはありがとう、と小さく言うだけで紅茶に手を付けようとはしない。
 ……沈黙が、その場を支配する。
「……なんだ、その……」
「……」
「……こ、今回は……災難だったとして、考えておけばいい」
 そうだ、災難。そう考えればいいのだ。……レオは復讐者としてハンターとなった。そのせいで、彼女は無用な被害を被ったのだ。
「……災難?」
「そう、そうだ。何せあいつは『復讐者』なんだからな。そのせいで意識が……」
「……わね……」
「?」
「よくも……よくもそんなことが言えるわね!!」
 エマがベッドから飛び起きて、自分に飛びかかってくる。咄嗟に下がっても避け切れず、そのまま床に押し倒された。ガシャン、とカップが割れた音がした。
 頭をぶつけて思わず呻くが、頬に落ちた冷たい何かに目を開く。
 怒りで顔を染めたエマが、涙を溢しながら自分を睨みつけ、平手で頬を叩いた。
「ぐっ!!」
「パパを、私たちを狂わせた張本人のくせに!! パパを復讐者にしたのは貴方じゃない!!」
「っ!? お前、まさか」
「なんで、なんでママだったの!? なんでママを奪ったの!? ねえっ!!
なんで、なんで私たちを壊したの!? ねえ!!
なんで、なんでよ!!」
 そう問いながらも何度も頬を叩いてくる。メガネは吹っ飛び、口の中に鉄の味が広がり始めた。
「が、あっ」
「許せないのに、許せないのに!!
貴方も!! 『ジョーンズ先生』も!! ひどいおじさんも!! ママも、パパも!! みんなみんな、心の底から恨めればいいのにっ!!
……どうして。どうして、優しくしてくれたの!! どうして、優しくしたの!?
どうして……! そのせいで、そのせいで……恨みたくても、恨み切れなくて……!!
いつまでも苦しいの!! 救われないのに!!
優しく、なんて、してほしくなかった……!!
恨ませてよ、恨ませてよ貴方たちのこと、ううぅ……!!」
「……リサ、なのか……」
「なんでよぉ……なんでぇ……返して、返してよ……うわぁあん……!」
「……」
「ねえ、すごい音し……えっ、ど、どうしたの!?」
 トレイシーの声をきっかけに、サバイバーたちが集まってくる。女性サバイバーたちがエマを支えながら彼女をベッドへ戻す。自分には男性サバイバーが寄ってきて支えられ、部屋を出ていく。
 そのまま別の部屋で手当てをされた。だが、脳内にはずっとエマの泣き顔がこびりついていた。

Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.452 )
日時: 2021/12/10 01:21
名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: bD140njr)

「大変だったみたいだね」
「……ノートン・キャンベルか」
 夜。眠れずに水を飲みに出たライリーの後ろから話しかけてきたのはノートンだった。
 頬すごいねなんて何でもないように言う彼に少しばかり苛立ちを覚える。
「何の用だ」
「ちょっとね。たまたま近くにいたもんだから、少しウッズさんが叫んでたの聞こえたんだ」
「……」
「何があったの?」
「……それ、は」
 言うのを躊躇ってしまう。自分でも分かっているのだ。あれは、とても誉められたことではない。むしろ軽蔑されても仕方ないとさえ思う。
 だが。どうにも自分も冷静ではないらしい。ぽつり、ぽつりと口から溢れてしまう。
 エマ・ウッズ……否、リサ・ベイカーから母を、レオ・ベイカーから妻を奪い、彼にほぼ未来のない投資をさせたことを。
 ふぅん、とノートンから声が漏れる。目を見なくても分かる。どうせ、自分を軽蔑しているのだ。
「そんなことしてまで、他人の妻が欲しかったんだ」
「っ……仕方、なかったんだ……!!」
「何が仕方なかったわけ?」
 言葉に詰まる。仕方ないとは思うのだ。だって。



 あれほどまでに、燃えるような恋をしたのは初めてだった。
 レオと知り合い、初めてマーシャ・ベイカーと会った時。微笑みながら初めまして、と挨拶してくれた彼女に、一目惚れした。そんなのは初めてだった。いや、もしかするとあれが初恋だったのかもしれないとすら思う。
 既婚者の、それも子どもがいる女性に恋をして。どうしようもなく、彼女を欲した。どうしてもその隣にいるのが、自分でありたいと願った。
 夫婦仲が悪化していたのもあって、ライリーがマーシャと距離を縮めるのは容易だった。当時、リサには少し嫌われていたがそれでもマーシャと距離を縮められれば問題などなくて。
 結果的に、ライリーはマーシャと駆け落ちすることに成功したのだ。その時に、リサを連れて来たかったら連れて来てもいいとは言った。
 けれど、マーシャは一人で来て。驚きはしたが、ライリーは『あれほど大切にしていた娘にも勝ったのだ』という仄暗い喜びしか見出していなくて。
 仕方なかった、仕方なかったと言い訳しながらも、ここに来てからずっと、ずっと。
「その罪が自分を苛ませてたと?」
「……」
「本当は誰かに責めて欲しかったの? それを」
「……」
 そう、だったのかもしれない。こうして話したのは、彼に責めて欲しかったのかもしれない。
 そうすれば、少しは。
「ああ、図星かな。だとしたら……良かったよ、あんたのその望みを、僕が叶える形にならなくてさ」
「は?」
 やっと顔を上げる。
 そこにいるノートンは、無表情で自分を見ていて。
「それを、ウッズさんが怒るならまだしも、他の奴が責めてあんたの救いになってしまうなら、責めてなんかやらない。
正直、今にでもあんたを殺してやりたいくらいだけど、そうしてやらない」
 滲む怒りに、思わず後ずさる。
「あんたを、救ってなんかやらない」
「っ……」
「……じゃあね。今まで通りにはするから、安心してよ。ライリーさん」
 ノートンが去っていく。行き場のない手はしばし止まって……そして、だらりと垂れ下がった。
「……はは」
 乾いた笑いが溢れる。
 後悔なんかしないと思っていたのに。……いいや、今でも、マーシャを手に入れたのは間違いではないと思っている。マーシャを殺したエミリーを、許してもない。
 だが……どうしようもない感情が、渦巻いて。
 どうすれば良かったんだ、そんな弱音が、廊下に虚しく消えていった。

コメントOK

Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.453 )
日時: 2021/12/30 19:42
名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: HLTL9ZJI)

※お茶濁し的なコピペSS、いつも通り一人称の改変、キャラ崩壊などがあります
※本編に先駆けて『千銃士R』、及びオリジナルキャラクターが出てきます。
※千銃士、千銃士Rに共に出ており、同名の別個体となる貴銃士に関しては名前の後ろに(千銃士)、(R)と明記しております。

年末だ!コピペSS!

エカチェリーナ「ひまだったので見知らぬカップルの男性にむかって
「なんなのですかその女は!もうしりません〜!」とかわいらしくラッピングした手作りチョコをなげつけ泣きながら走り去るあそびを考えついたのですが、皆から止められてしまいました〜」


アイビー「我が伴侶候補、定められし蜜を盗み、食したのを認めるかしら?」(訳:おやつを盗み食いしたのを認めますか?)
御手杵「俺食ってねえよぉ!」
アイビー「アリバイはある?」
御手杵「アリバイ?」
アイビー「つまり犯行時刻に我が伴侶候補、貴方を見た者は居るか、ということよ」
御手杵「いや、運が良いことに、誰も見てなかった」


川広「……酔っ払った兼さん(和泉の方)が泣きながら「実は俺と国広は血が繋がってねえんだよぉぉぉ……」と言ってきた時は一瞬ショックを受けましたが、よく考えれば当然でした」


イソップ:【速報】僕、ミクさん、ジョージ(千銃士R)さん、御手杵さんでファーストフード店に来ているのですが、ついさっき御手杵さんが振っていたシャカシャカチキンが袋から飛び出して床に落ち、ちょうど席に戻ってきたジョージさんに踏まれて釈迦釈迦チキンになりました


八九「RPGで主人公の名前を『おつかれ』にしたせいで王様には「おお よくぞきた おつかれ」ってすごいラフな感じで言われるし助けた姫には「ああっ ありがとうございました おつかれさま」って超脈なしみたいな態度とられる」


鬼道「悠さんへの電話が1日繋がらなかったので彼への留守番電話にひたすら円周率を吹き込んでいたら夕方になっていた」


トレイシー「カズイチと喧嘩してむしゃくしゃしたからカズイチの飲みかけのコーラの中身を醤油と交換してたら夕方になってた」


ライク・ツー「夏。花火を見ている時「たまや〜」「かぎや〜」と周りが叫ぶ中、「硝酸バリウム!」「炭酸ストロンチウム!」と花火の炎色反応を見て金属の名前を叫ぶ朝尊バカバカがいた」


半田「二人三脚という文字を見た後に百人一首という言葉を見るとなぜかすごく怖い」


圭一「泊まりの時に誠と互いの寝言のうるささについて軽く口論になったから昨晩録音しながら寝たら
オレ『このままだと全滅しちまう…!』
誠『ブルーベリー食べてるから大丈夫だ!♪ブルベリアイッ!』
オレ『アイッ!』
という全く身に覚えが無い会話が録れてた。ヤバい。どっちもうるさい」


鶴丸:人狼ゲームで、GMの俺が言った「それじゃ、人狼のやつは目を開けろー」の言葉に自然と「分かりました」と返事した一期は俺の知る人狼下手くそ選手権不動の一位


加州のツイート『つぶやく内容がちょっと苦手なフォロワーさんをミートにしちゃった😣💦』
那珂「そうなんだね〜……。…………? ……ん??」


いたる「いたるね、むずかしいことばしってるの!」
八九「どんな言葉だよ?」
いたる「ちきゅーおんだんか!」
八九「へえ、難しいな。意味は分かるか?」
いたる「んー、やりかたはわかるんだけど……」
八九「ラスボスか?」


アルトリア「闇鍋と言ったってバブを入れる者がいるとは思わないでしょう!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


アークロイヤル(アズレン):「お前は見られている」が宗教
「見られていなくても」が道徳
「どう見ているか」が哲学
「見えているものは何か」が科学
「見えるようにする」が数学
「見ることが出来たら」が文学
「見えていることにする」が統計学
「オレを見ろ」が大包平


リッパー:ジョゼフさんに「もしもし私ですが!」と電話をしたら「リッパーなのは分かるけれどその態度が気に入らない」と言われて切られました


響(艦これ):今剣くんがお医者さんごっこをしているのだけど、ぬいぐるみの患者相手に「さあ、おくすりのんでくださいね! これをのむとすぐにげんきになって『ぷーる』でもあそべますしとてもしあわせなきぶんになります!」と絶対にヤバい感じのおくすりを勧めている


川広:……ガラテアさん、「TNP」とは一体何の略ですか……?
ガラテア:「たのしい なかまが ぽぽぽぽーん」よ


【大切な人が泣いていたら】
強引に自分の胸に押さえつけるのが大倶利伽羅
泣き止むまで傍にいてくれるのが十手
わざとおどけて笑顔にしてくれるのがマイク
泣かせた奴を一家総出で締めにいくのが一文字派


司:昨日大きな蜘蛛が突然現れて悲鳴をあげたとき、出た声が「うわぁ!!」でもなく「キャア!」でもなく「うぇい!」だった


柊:ベロベロに泥酔した蜂須賀が「俺の!!!どーなっつが!!!食べられないというのか??!?えぇ!?!!?」と言いながら隣に座ってる長曽祢さんの口にひとつひとつちぎったポンデリングを次々詰め込んでいる様を見せられている


穂波:「包丁を使わない!アップルパイのレシピ」というのがあったから、それはすごいと思って見てみたら、さり気なく素手でリンゴを粉砕することが前提になっていて、誰向けのレシピなんだろうと思ったら長門(艦これ)さんが実践してた


宍戸:寝そう…(寝言)


寧々:ドイツに来ていて、えむから散歩中に迷子になったっていう電話が来て、ジーグブルートさんの言う通りに電話をスピーカーフォンにして会話をした。
ジーグブルートさん「周りに何がある?」
えむ「え、えっと…真上に、太陽があるよ…(´;ω;)」
ジーグブルートさん「……よし、ドイツまで絞れたぞ!」
すごく優しかった


圭一「負けないこと 投げ出さないこと 逃げ出さないこと 信じ抜くこと だめになりそうなとき それが1番大事だ!」
スプリングフィールド(R)「ど…どれですか…!?」


リン「シーフードのシーフーって何?」
ロビンフッド「逆に聞くけどドドリアって何だよ」


朝尊「おっと、それ以上僕に近付いたら軽快な音楽と共に玉が転がり始め、どみのに衝突してパタパタ倒れ、そのどみのに押されたみにかーが斜面を滑り天秤の上に乗って掲げられた反対側の腕が爆弾の起爆すいっちに当たって君達全員ボンッだ」
ケンタッキー(R)(見たい…)
一之瀬(見たい…)


加州「アヒル口の元祖って何なんだろうね」
六花「アヒルじゃないの?」


トレイシー「電子マネーのEdyって、日本円(En)ドル(Doru)ユーロ(Yuro)の頭文字をとったものなんだって!」
左右田「ユーロ(euro)、ドル(dollar)、円(yen)だろ」
ルカ(第五)「間違っているのに間違っていないのがすごいな、これ」


マリー(第五)「時計とカレンダーと体重計は優しい嘘を覚えてほしいものね」


三日月(艦これ)「たった今帰ってきたカトラリー(千銃士)さんの報告によりますと、三日月おじいさまが十字路で突っ込んできた車をジャンプで避け、ボンネットを踏み越え、着地も決め、買ったケーキさえ一切崩さず、「けぇきは無事だぞ」と何事もなかったかのように言ってきたらしいです」


ピアソン:お、俺はユッケが食べられないんだ…>< だ、だって食中毒を起こしたら俺が死んじゃうじゃないか…><
エマ:ユッケ1つくださいなの


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