二次創作小説(新・総合)
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- 綴られし日々-作者とキャラの日常-
- 日時: 2022/11/28 20:05
- 名前: 柊 (ID: y98v9vkI)
ついに手を出してしまいました、日常系…!!
注意事項
・クロスオーバー
・クロスオーバーCPあり
・キャラ×オリキャラ、オリキャラ×キャラもあるかもしれない
・当方独自設定あり。矛盾することもあるかもしれない
・キャラ崩壊あり
・キャラの裸族化、不憫化などもあり
・作者が夢女子でもあるので夢っぽい要素(キャラ←←作者)が出てくる。テンションがおかしくなったら大変なことになるので注意
・時々シリアスもあり
・時々キャラ掴めてないかもしれない
・荒らしなどはご遠慮ください。
※スマブラに関して
原作をプレイしていないキャラクターが多々いるためキャラの設定が公式設定と矛盾する可能性大(一応調べます…)
こんな感じの注意事項で『大丈夫だ、問題ない』な方はどうぞお楽しみください!
そうでない方は注意してくださいませ。
タグ
スマブラ、刀剣乱舞、艦これ、アズールレーン、フラワーナイトガール、戦艦少女R、文豪とアルケミスト、しんけん!!、夢王国と眠れる100人の王子様、茜さすセカイでキミと詠う、オトメ勇者、フードファンタジー 、Fate/Grand Order、ポケットモンスター、ボーカロイド、Identity_V、ダンガンロンパシリーズ、School Days
目次
『始まりの158』 >>1-3
『魔法少女騒動〜少女とは言ってない〜』 >>6-9
『小さなお宿-前編-』 >>15-20
『小さなお宿-後編-』 >>21-28
『甘くて美味しい果実』 >>29-35
『うちの長曽祢さんがこんなにも可愛い!!〜ただの主張だ気にするな〜』 >>36-40
『虎と春』 >>46-57
『たまにはきちんと歓迎会を!』>>58-63
『信頼した結果-1-』 >>69-75
『信頼した結果-2-』 >>79-85
『信頼した結果-3-』 >>86-92
一振り目と二振り目の呼び方一覧 >>93
『桜よ、彼女を攫わないで』 >>94-96
『バグにも種類がありまして!?』 >>97-101
『恋に落ちないなんてできなくて』 >>105-111
『練習、裸族講座!』 >>112-116
『悪魔の城は崩れない』 >>121-126
『悪魔の城は崩れ始める』 >>136-140 ※140はおまけになります
『悪魔の城は崩壊す』 >>148-155
∟闇の御子の情報 >>156
『VS闇の御子』 >>160-163
∟厄除けの宝玉の情報 >>164
『赤ずきん☆ラグナス』 >>167-171 ※天悪さんとのコラボ!
『赤い花騎士と銀の騎士』 >>178-179
『私が教えるよ』 >>182-184
『コピペSS』 >>185-186
『癒しとカオスと歓迎会』 >>190-197
『六月の花嫁たち』 >>202-209
『七夕は奇跡に染まり』 >>214-217 ※天悪さんとのコラボ!
『お嬢様()な交流会』 >>221-224 ※天悪さん、琴葉姫さんとのコラボ!
『緊急特番()!刀剣乱舞の大盤振る舞い』 >>229-233
『忍び寄るは光の信者』 >>239-244
『南の島、砂浜騒動!?』 >>248-252
『子どもビーチは危険がいっぱい!〜王様は保護者〜』 >>259-263
『私たちは、きっと。』 >>270-274
『解き明かせ、真実! 1』 >>281-286 ※286はおまけです
『解き明かせ、真実! 2』 >>291-297
『解き明かせ、真実! 3』 >>300-304
『VS神殺しの蟲』 >>307-313
∟神殺しの蟲情報 >>314
『出会いは夢の中にて(第一印象は考えないものとする)』 >>317-321
『ちびノブのお仕事!』 >>324-328
『【柊「空を見上げて『バカな…早すぎる…』ってつぶやいたら」】 >>334-335
『新年は新ジャンルと共に!』 >>340-346
『甘い束縛』 >>352-353
『メンヘラマネジメント』 >>356-358
『にっかりファンタジーUDON』 >>362
『コピペSS、おかわり!』 >>363-365
『手を振り解かれ、手を取って。』 >>369-374
『それぞれの決意と忠義』 >>378-383
『扉問答』 >>390-394
∟ねこじぞーの情報 >>395
『水無月祭の出会い』 >>401-403
『コピペSS、もういっちょ!』 >>408-410
『Real or Dream』 >>411-417
『幼児化☆パニック!』 >>422-428
『似てない二人』 >>434-436
『凄惨なる宴』 >>441-446
『雪の別離』 >>449-452
『年末だ!コピペSS!』 >>453-455
『新たな邂逅』 >>458-462
『決戦前〜医師の罪〜』 >>465-468
『決戦前〜泥棒の偽善〜』 >>469-471
『決戦前〜弁護士の覚悟〜』 >>474-477
※477はおまけです
『決戦前〜庭師の想い〜』 >>480-483
『エイプリルフールで嘘予告SS』 >>486
『決戦前〜学生組の会議!〜』 >>487-489
『レオ・ベイカー奪還戦・1』 >>497-500
『レオ・ベイカー奪還戦・2』 >>504-507
『レオ・ベイカー奪還戦・終』 >>511-514
『やっとできるね! 歓迎会』 >>517-522
『異世界にて、恋に出会う』 >>525-527
『コピペSS、いつつめ!』 >>530-532
『オリキャラご紹介その1』 >>535
『いっそ『大嫌いだ』と思えたら』 >>536-543
※543はおまけです
『困りごとはきっかけ』 >>546-548
『本気になったのはどちらだったのか』 >>549-550
- Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.534 )
- 日時: 2022/09/19 09:19
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: aVnYacR3)
マイク「コメント返信だよ☆」
月詠さん
コメントありがとうございます!
柊「隠者カッコいいけど私には扱えないようでした(訳:初めてと言えどボロ負けしました)←
でもいずれ入手したいですね…!
今回はコピペです、わりと好きでして←」
月島「……なるほど。参考にさせてもらっても良いでしょうか?」
ジョゼフ(今にも笑いそうな顔をしている)
リッパー(そういやこの人(ジョゼフ)もやってなかったか? と思い出している)
シャスポー(R)「また真面目に見られなくなるような情報が…!!」
左右田「メイドと、冥土、な…。もうちょい別の言い方すりゃ良かった」
柊「なぞかけは書いてた私もほっこりしていました←」
八九「マリカ、ほんとそれな? 前々から思ってはいたけどよ、オムライス実はゲーム苦手じゃね?」
オムライス「あーあー聞こえませんぞー!!」
ルカ(第五)「ぐすっ…あそぶ…。あと解体していいだろうか…」
左右田「俺も悪かったから泣き止め! あと解体しようとすんな!」
浦島「えっ? そうかなぁ?」
ジークブルート「渋滞してるんだよ情報が」
完二「…そっすよね! ビタミンを摂る目的っスよね!」
朝尊「(たまたま焼きあがった+好奇心とは絶対に言えないね)ああ、そうだとも」
完二「ちょっと今なんか引っかかったんスけど」
信徒「…てへぺろ?」(首傾げ)
柊「誤魔化されない誤魔化されない」
謝必安「なるほど…参考になります。ありがとうございます。使う時が来たら必ず活かしてみせますよ」
リッパー「いや活かさないでくださいね」
十手「ははは…せっかく作ってくれたんだし、その好意を無碍にするわけにもいかないと思ってね」
ナワーブ「…俺の反応が一番分かるのか←」
イライ「うん、何だか分かる気がするよ」
ナワーブ「解せん」
イライ「解して???」
鯉登「キェ…十手とほぼ同意見だが…顔に出てしまう…」
杉元「少しでも良いところあるんなら、そこから改善もできるかもしれねえからな」
姫鶴「嘘はいけないって、よくけんけんたちにも言うし」
杉元「それとこれとは別じゃねえか?」
花村「違うんだよ! 冗談だったんだよ! ジョーク! それはそれとしてあの顔のカトラリー(R)くんも可愛かったよ!!」
カトラリー(R)「僕はともかくミカエルには絶対近づかないで」
花村「どうして!?」
カート「結構美味しいよ?」
和泉守「そういう問題じゃねえ!」
ライリー「(今回ばかりは同意だ…)」
鯰尾「呼ばれた気がした!」
骨喰「兄弟のことではない」
鯰尾「そっか」
司「そ、そう言われたらそう見えてきたぞ…!!」
柊「ああ、ありましたね。(某地獄先生で知った)今頃ポマードってほとんど聞かないし、べっこう飴一択ですかねー」
杉元「そういう問題か?」
柊「あいつは晴れ男、間違いない(確信)(今年の乱舞祭視聴した結果)(江水でも光の戦士でした)」
イライ「あ、あはは…疲れと、変なスイッチが入ってしまって…。アニマルセラピーを受けつつ、頂いたものもありがたく使わせていただきます」
十手「すごく驚いたよ…!」
柊(ダッシュで月詠さんを追いかける)(顔面から転ける)
陸奥守(アルバム受け取る)(中身確認)(月詠さんにサムズアップしつつ丁寧にしまう)
杏「そうなんだ! 何で頭冷やすといいんだろうね?」
冬弥「それはな…」(冬弥の解説中)
杏(理解できずにスペキャ顔)
柊「ゴリラのレクイエム前にやりましたね…←」
寧々「デジタル…ゴリラ…」
薬研「何か間違ってたか、まあ分かりゃいいだろ!」
寧々「いい…の…???」
コメントありがとうございました!
それでは!
- Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.535 )
- 日時: 2022/09/19 19:44
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: aVnYacR3)
柊「今回は小説ではなく、オリキャラの紹介となります。これからよく登場する四人のみの紹介です。実はエルゼ……様以外まともに容姿とか紹介してないのにやっと気付きました←」
陸奥守「今回紹介するんはオリヴァー殿、ラウレンツ殿、玖龍殿、エルゼ様ぜよー!」
※『千銃士R』プロローグのネタバレあり!
【オリキャラご紹介その1】
オリヴァー・ウェッジウッド
男
18歳
国籍:イギリス
真面目で礼儀正しく、自分が召銃した貴銃士以外には基本敬語を使う。目的のためなら多少自分が傷ついても構わない。優しすぎるが故に少し軍人になるには向いていない面もある。
短い金髪に黄緑色の瞳をしており、とても整った顔立ちをしている。
身長は175cm。
両親と撮った写真をペンダントのロケットに入れて常に身に付けている。
左手には赤い薔薇の傷がある。
両親はかつてレジスタンスに所属しており、世界帝軍に殺されている。その後、とある人物によって孤児院に入り、支援を受けつつフィルクレヴァート士官学校へ入学した。
そこで親友となるヴィヴィアン・リントンロッジと出会うが、三年生になった頃に彼女はアウトレイジャーに殺されてしまう。その際に触れたアリノミウム結晶によって自身の愛銃であったUL96A1──マークスを召銃する。マークスによってアウトレイジャーは退けられ、マークス、そしてその場に居合わせていたクラスメイトのラウレンツ・バルシュミーデ、篠雨玖龍共々『カサリステ』に所属することになった。
優等生だが特に狙撃に関する事柄の成績が良い。実際、狙撃も上手い。
士官学校では女子生徒に人気が高く、一部ではその見た目から『王子』と呼ばれているほど。
時々、両親のことを夢で見ることがあったが最近ではそこにヴィヴィアンも加わった。
「初めまして、フィルクレヴァート士官学校士官候補生、オリヴァー・ウェッジウッドと申します」
「マークス、お疲れ様」
「……もしも、あの時……レジスタンスの貴銃士が来てくれたら……父さんと母さんは、死なずに済んだのかな……」
「狙撃ポイントに移動します、迅速に行動を!」
ラウレンツ・バルシュミーデ
男
18歳
国籍:ドイツ
かなり真面目でストイック。堅物と言われるほど。他人にも自分にも厳しい。特に家族に対しては厳しいというか、嫌っている。ただし、あくまで『親の世代』は。オリヴァーとは反対で、戦いは犠牲無くして勝てないと考えている。
薄い茶色の髪に、青緑色の目をしている。整った顔立ちだが、しかめ面ばかりのせいか眉間に少し皺がある。
少しジト目気味。
身長は179cm。
士官候補生オリキャラ三人組の中では最も筋肉が付いている。
オリヴァーのクラスメイトでルームメイト。元々オリヴァーも規則正しい生活をしていたからかそこまで問題は起きなかったが、もしルームメイトがオリヴァーではなく、なおかつ不真面目な士官候補生だった場合、生活を正す気満々だった。
貴銃士に対し、尊敬はしているが物怖じはしない。敬意も払うが、意見や注意はしっかりする。この姿勢はカールやドライゼ、エルメも気に入っている様子。ただその性格からか八九には苦手意識を持たれている。
オリヴァーとは結構仲が良い。
後輩に怖がられることも多々あるが、一部女子からは「男らしくて素敵」と人気がある。顔も良いので余計に。
長期休暇があっても滅多に家には帰らず、手紙のやり取りも兄弟としか行っていないようだ。
ヴィヴィアンの死に立ち会い、カサリステに所属することになる。
「自分は、フィルクレヴァート士官学校士官候補生、ラウレンツ・バルシュミーデと申します」
「あまり前に出過ぎるな!! 俺たちの役目は死ぬことじゃない!!」
「リントンロッジ候補生は、一体何をしていたんだ……」
「家族とはあまり折り合いが良くなくてな。情けない話だが、逃げているようなものだ」
篠雨 玖龍
男
18歳
国籍:日本
内向的で自虐的な面が目立つ。また、かなり諦観。面倒くさがりでよく引きこもっている。ゲームなど夢中になれるものにしか必死になれない。戦いなどに関してはあまり想像ができないが、目の前で死なれるのは寝覚めが悪くなりそうとは思っている。
黒い少しボサついた短髪に黒い瞳をしている。整った顔立ちだが、左目には医療用の眼帯を常にしている。
身長は171cm。
目の下には少しクマがある。
オリヴァーのクラスメイト。ルームメイトは早々に中途退学し、一人部屋になっている。それを良いことに外出時によく漫画やゲームを買ってきては消灯時間ギリギリまで遊んでいることが多く、真面目な候補生たちからはあまり良く思われていない。
日本人なのにわざわざイギリスの士官学校に来ていると噂になり、上級生からはやたら絡まれ、嫌味を言われていた。とは言え、ほとんど無意味だが。食堂でメニューが分からずに困っていたところをオリヴァーとラウレンツに助けられた。
貴銃士に対しては特に何もない。これは日本に世界帝の支配が比較的届いていなかったため。
フィルクレヴァート士官学校唯一の日本人ということもあってか物珍しさで声をかけられることは多い。ただし話が合う八九とは仲が良い。
また、一部女子からはよく見ていると所作など細かい仕草がとても綺麗だと人気を集めている。
長期休暇でも実家のある日本に帰らない。本人曰く「帰ったところで誰も喜びやしない」とのことで、ラウレンツ同様、家族との折り合いは悪いらしい。
ヴィヴィアンの死に立ち会い、カサリステに所属することになる。
時折、鋭すぎる予測をして周りを驚かせていることがあるがその時は決まって嫌そうな顔をしている。また、その『鋭すぎる予測』は決まって放置していれば悪い結果になっている事ばかり。
「……篠雨玖龍。まあ、よろしく」
「あ゛ーくっそ、マジありえねえ! 何だよこの難易度、開発チームちゃんとテストしたのかよ!」
「……迂回するぞ。なんでって? いいから。死ぬかもしれないよりいいだろ」
「……家族、ね。誰も俺のことなんか、好いちゃいないさ」
エルゼ
女
年齢不詳、ただし確実に六百年以上は生きている
種族:元人間の神
お淑やかで人を愛し、慈悲深い性格……は表向きだけ。実際は高慢で我儘、そして少し?ナルシスト。見た目が良いことを自覚済み。
主にショタが好きでショタを見ると清楚を装いぺろりと食べよう(意味深)とする。これでも昔よりは自制心が働いている方である。
ショタ以外どうでもいい、と言うような態度だが、目の前にいる困っている人や助けを求める人を放っておけないお人好しな面があり、それを指摘され、真正面から褒められると大慌てで照れながら否定しようとする。
美しい金髪のボブショート。瞳は宝石のようなブルー。
目がぱっちりしており、可愛らしさと女神にふさわしい美しさを兼ね備えた非常に整った顔をしている。関節は球体。
身長は157cm。
とある村にて、『エルゼー聖教』と呼ばれる団体から女神として崇められている。
神の怒りとされる雷をその身に受け止めて怒りを鎮め、村を救ったとされるシスターだった。彼女の死に悲しんだ村人たちが創造神マスターハンドに願い、世界で一番美しい球体関節人形を作り上げ、魂を人形へ入れて女神として崇め、大切に扱った。
……というのが表向きの神話。実際には毎日のように村の幼い少年たちを追いかけ回していたところ、たまたま落ちた雷に当たって死んだだけである。
ところがこれですら暴走を止めるに至らず、むしろ魂だけになったせいで余計に暴走したエルゼを止めてほしいと願われたマスターハンドとクレイジーハンドが人形を作り上げ、その人形に魂を封印した。やっと暴走は収まったが、「なんかこのままにしとくとまた暴走しそうだし、こんな話、他の村に伝わるのはちょっと……」という満場一致の意見から一応女神として扱われ、神格を得た。
女神となった後も暴走は続く。不定期に封印を解いては脱走し、目を付けたショタをペロリと行こうとして清楚に振る舞い、いい頃合いとなったらペロリと行く……前に何故かいつもミズチのせいで見つかってしまう。そのため、ミズチが嫌い。
代々エルゼー聖教の司祭となる『デイモン家』の始まりとされる『クレイグ・エルゼー・デイモン』を大司祭にまで押し上げたらしいが……。
「わたくしはエルゼ。女神とされる者です。どうかよろしくお願いしますね?」
「ふふふ、子どもたちが元気に遊ぶ姿は良いですね。……ええ、本当(じゅるり)」
「っはー!! なんでまたバレんのよ!! あの蛇女、絶対わざと見つけに来てるわよね!?」
「はいはい、わたくし改めあたしはエルゼ。女神よ、敬いなさい讃えなさいショタペロペロさせなさい!!」
コメントOK
- Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.536 )
- 日時: 2022/09/26 21:01
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: cXmcbA9E)
※今回は仲違いや関係悪化の描写がございます、ご注意ください。
※作中に登場する『悪夢の影』の描写がおかしいかもしれません、その時は「まあこれ二次創作だしな…」と流していただけると幸いです。流したらいけないけど←
※途中がかなり胸糞悪い展開になると思います、どうかご注意ください。
いっそ『大嫌いだ』と思えたら
とあるショッピングモール 。そこに不二咲千尋は左右田和一、トレイシー・レズニック、ルカ・バルサーと共に来ていた。
フードコートでどかりと座り、大きなため息を吐いた左右田とぐったりと机に伏せているトレイシーに不二咲はつい苦笑いしてしまう。
「あーもう! バルク人使い荒いよ!!」
「本当にそれな! いや、まあ、あれだと来るのも厳しいけどよぉ……!!」
彼らの側には大量のパーツ等が入った袋。細かい物だが、基本鉄等でできたそれはとても重い。持てないほどではないのだが。一番多く持っていた左右田にとってはある意味地獄だったろうに。……とは言え自ら持つと言っていたのだが。
「でも……」
「おう……」
「「あの店めちゃくちゃ品揃えいい……!!」」
「なんでバルクあんな店知ってるの!? それでなんでボクらに教えてくれなかったの!?」
「手に入りにくいようなパーツがめちゃくちゃあって、何だよあの店っ!! 宝の山じゃねえか!!」
「カズイチ、帰ったらバルク問い詰めよう!!」
「おう!!」
絶対話さないような気もするが、多分この二人は食い下がって聞き出す気もする。ほどほどにしてあげてね、と言ったがどうなることか。
なんだかんだ言って、バルクは二人に甘いから教えるかもしれない。そう考えていると四人分の飲み物と軽くつまめるポテトなどを買ってきたルカ(第五)が戻ってくる。
「カズイチはコーラ、トレイシーはアイスティー、チヒロはココアで間違いなかったか?」
「はい、ありがとうございます、ルカさん」
「サンキュー、ルカ!」
「ありがと!」
「ま、これくらいはな。カズイチ、やはり帰りはもう少し持つぞ? 結構厳しいだろう?」
「いや、平気だって」
「しかしなぁ……」
いくら何でも年下である左右田に持たせっぱなし、というのも良心が痛むのだろう。しばらく持つ、平気だと言うやりとりが続く。
「あれ? 不二咲さんたち?」
「あ、小豆沢さん」
声のした方を見れば、こはねが日向(こは)とナワーブ、切長、切国とこちらに歩いてきていた。刀剣男士の面々はそれぞれ現代に合わせた服を着ており、本体である刀には何か札が貼ってある。周りを見てもそれを気にするような人はおらず、刀を見えなくする札なのかもしれない。
五人の手にも少しずつ荷物があり、ナワーブは両手に飲み物と食べ物が乗ったトレーを持っている。
……結構な量である。
「不二咲さんたちもお買い物?」
「うん。バルクさんに頼まれて来たんだぁ」
「うげ。あいつ今度は何作る気だよ……」
「さあ? でもさあ、行った店の品揃えすっごく良くて……帰ったらカズイチと一緒にバルク問い詰めるつもり」
「待ってくれ、それ私も行っていいか」
「いいぜ」
「よし」
「ほどほどにするんだよ?」
切長の言葉にテキトーに返す三人に彼は苦笑いを浮かべた。多分、ほどほどにはならないなと思っているんだろうし、実際ならなそうだ。
たまたま空いていた隣の席に五人が座り、時折話しながら休憩する。そんな時だった。
「やー!!」
小さな女の子の声がして、思わず誰もがそちらに視線を向けた。そこには弟らしい小さな男の子を、おそらくは六歳くらいだろうか? それほどに小さい女の子が庇うように抱きしめて、泣きながら目の前にしゃがみ込む男を見ていた。
「ほら、お父さんを困らせないでくれよ」
「やー!! お父さんじゃないもん!!」
「またそんなこと言って〜」
なんだ、小さな子どもが駄々を捏ねているのか。そう判断したのだろう。ほとんどはすぐに我関せずと話に戻ったり、やりとりをどこか微笑ましそうに眺めていた。
しかし、子どもはどこか困ったように、そして怯えながら周りを見渡している。
不二咲はそれに違和感を感じた。具体的に説明はできないが、放っておいたら取り返しのつかないことになる。そんな不安が胸中を過った。
「ごめん、ちょっと手伝ってきても良いかな?」
「うん、いいよ日向くん」
ありがとう、と日向(こは)が席を外す。思わず不二咲も立ち上がって共に歩み寄っていく。
「すみません、何かお手伝いしましょうか?」
「えっ?」
男はきょとんとした顔で日向(こは)を見上げた。すぐに笑顔で大丈夫ですよ、と答えたが。子どもたちはじっと、どこか縋るような目でこちらを見ている。
「可愛らしいお子さんですね」
「はは、ありがとうございます」
「ふふ、ところで、この子たちの……」
「あ、あの!」
急にした声にびくりと体を震わせてそちらを見る。そこにいたのは、紛れもなく刀剣男士の五虎退だ。
五虎退は怯えながらも男を真っ直ぐに見つめ、真剣な顔をしている。
「どうしたのかな?」
「……そ、その……あの、その子たち、なんですが」
「うん」
「……ほ、本当に、
あなたの子どもですか……?」
その一言に周りはざわついた。中には「何を言っているんだ」と言う目で五虎退を見る者もいる。
ちらりと男を見た。……頬をひくつかせている。
「い、いきなり何を言うんだ、失礼な」
「で、では! そ、その子たちの名前、分かりますよね……!?」
「え……」
途端に男は狼狽え、視線をあちこちに彷徨わせている。そこでようやく、誰もが異常さに気が付いたようだった。
左右田たちもそれに気付いたらしく、こちらをじっと見ている。
「そ、その、あ、ああ、分かりますよ!
彩芽に佐和子、そうだろう!?」
「ちがう!! わたしたちそんな名前じゃないもん!! ようことあやかだもん!!」
決定的な一言に周りがざわつく。左右田とルカ(第五)もこちらへ向かってきて、遠くから姉弟の名前を呼ぶ本当の両親らしき男女も駆け寄ってきている。
「っ!! く、くそっ!!」
男は逃げ出した。それを左右田とルカ(第五)、切長、切国が追う。少し遅れて日向(こは)とどこかの本丸の五虎退も追った。
男が向かったのは出入り口の一つ。目の前には駐車場へ入ったり、呼び出されたタクシーが止まるための車道があった。そこをちょうど出ようとしていたベビーカーを押す、妊婦の姿を男が捉えるとニヤリと笑って妊婦を押し退けた。
「きゃあっ!!」
「オラっ!!」
ベビーカーが押される。その勢いで時折揺れながらベビーカーは外へ出てしまう。
「なっ!!」
「やべえぞ、外っ……!!」
大きな揺れで目を覚ましたのか、ベビーカーに乗っていた赤ん坊が大声で泣き始める。しかしその先に人はおらず、ベビーカーは止まらない。
何台かの車が車道を通っていく。もしこのまま車が通れば、当然赤ん坊の命はないだろう。
左右田とルカ(第五)が無理やりスピードを上げる。途中、乗り越えやすそうな台があったのを見つけたルカ(第五)はそれを乗り越えてこっそりと『窓割れ理論』によりさらにスピードを上げた。
「カズイチ! 私が前から止めるからカズイチは後ろからベビーカーを掴んでくれ!」
「は!? 普通逆じゃっ」
「どうこう言ってる暇はないぞ!!」
「あああもう分かったよチクショウ!!」
ベビーカーが車道に迫っていく。速度は先ほどよりマシで、少しずつルカ(第五)たちも追いついている。
右を見れば、車が一台入ってきていた。とても止まれるような距離ではない。止まれても本当にギリギリだろう。車の運転手もこちらとベビーカーに気付いたようで、ギョッとした顔で急ブレーキを踏んでいる。
何とかルカ(第五)が前に飛び出てベビーカーを止め、ほぼ同時に左右田が後ろを掴んで完全に止めた。車道に出る寸前に、ベビーカーも車も止まっていた。
「「せ、せぇーふ……!!」」
一気に気の抜けた二人は赤ん坊の泣き声を気にすることもなくぐったりと力を抜いた。車の運転手が出てきて大丈夫ですか!? と聞かれてどうにか頷いていたが。
後ろではあの混乱に乗じて逃げようとしたらしい男は切長と切国、そしてナワーブに取り押さえられて警備員に引き渡されていた。このまま警察行きだろう。
二人がベビーカーを妊婦に返せば彼女は涙を流しながら二人に何度も何度も頭を下げた。それに気にしないでほしいと告げながら、やっと泣き止んだ赤ん坊に小さく手を振ると赤ん坊は二人の真似をしてその紅葉のような手を振るような仕草を見せた。
- Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.537 )
- 日時: 2022/09/26 21:04
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: cXmcbA9E)
彼らがフードコート前に戻ると、不二咲に頭を下げていた姉弟の両親が彼らに気づいた。彼らにもありがとうございます、と頭を下げられ、大層なことはしていない、と返す。それでも何度も何度も頭を下げ、子どもたちも不二咲と日向(こは)、五虎退にありがとう、と笑顔を見せながら言った。
しばらくして一家が離れると、遠くから五虎退、とどこかの本丸の五虎退を呼ぶ声がした。
そちらを見ると、二十歳前後と思わしき青年が駆け寄ってきていた。五虎退が彼を主様、と呼ぶのを見て、彼が五虎退の本丸の審神者なのだと分かる。
「聞いたよ。誘拐を防いだんだってね。すごいね、五虎退」
「え、えへへ……」
褒められ、照れ臭そうにする五虎退。青年はナワーブたちを見てあ、と声を上げたと思えば頭を下げた。
「初めまして、同じ審神者……ですよね?」
「ああ」
「良かった。私は忍冬。五虎退の主です。刀剣男士の手前、審神者名で名乗る無礼をお許しください」
「……?」
刀剣男士の手前、という言葉が引っかかる。何か不都合でもあるのだろうか。
あの? と心配そうな忍冬の声にナワーブはハッと我に戻り、自己紹介を返した。
「あ、と。俺はナワーブ・サベダー。審神者名は猟犬だ」
「私は小豆沢こはねです。審神者名は浜簪って言います」
何の躊躇いもなく本名を名乗る二人に忍冬は少しきょとりとして……しかし特に何も言うこともなくよろしくお願いします、と頭を下げる。
そちらの方々は? と聞かれ、それぞれが自己紹介をすると彼は優しく笑ってまたよろしくお願いしますね、と返した。
「五虎退と共にいてくださり、ありがとうございました。何かお礼でもできれば良いのですが……」
「そんなに気にしなくて大丈夫だよ。それに、キミの荷物を見る限りもうそろそろ帰るところだったんじゃないか?」
どこか冷たく切長が言えば、その冷たさに気付かない忍冬ははい、と返した。
「……礼はいらない。主がいる、と言うのであれば、話は別だが……」
「いいや、俺も構わない。他の奴らは?」
ナワーブがそう聞けば満場一致で謝礼は不要、と答えた。少し忍冬は気にしているようだったからか、ナワーブがまたいつか会えた時にでもしてくれればいい、と返せばやっと納得してくれたようだ。
もう一度ありがとうございました、と言って、彼は五虎退と帰るために背を向ける。そんな彼に追従し、五虎退も背を向けた。
「……ご、五虎退くん!」
「は、はい?」
「……あ……え、と。また、ねぇ!」
そう言って笑顔で手を振る不二咲。
「! はい……また、です!」
彼はにっこりと笑って手を振り返した。そんな五虎退を見て、忍冬もふわりと微笑む。しばらく手を振り合い、二人が見えなくなると全員が今度こそフードコートへ戻っていく。
ポテト冷めちゃったかな、コーラの炭酸抜けてんだろうなぁ、と話し合う面々とは裏腹に、不二咲はどこか浮かない顔をしている。どうしてかは分からない。それでも、何故か五虎退にとって彼はあまり良い主ではないように思えてしまったのだ。
あんなに優しそうな人なのに。どうして。そう考える不二咲に切長が声をかけた。
「さっきの五虎退とその審神者のことかい?」
「えっ、あ……」
言い当てられてこくりと頷いた。そういえば、先ほど切長はどこか忍冬に冷たい目を向けていたように思う。いや、思い返せば切長だけではない。切国もどこか睨むような目をしていた。
どうして、とそれを問う前に彼は口を開いた。
「確かに彼は良い人間だ。おそらく本丸の刀剣男士ともある程度、上手くはやれているんだろう」
「じゃあ……」
「だが、それまでなんだ」
「え?」
「良い人間は、決してイコール良い審神者ではない」
「……?」
「難しかったかな?」
「う、うん……」
「彼は、きっと近しい人間に騙されたことがないんだろうね」
そう言って、切長は少し困ったように笑っていた。その答えを、不二咲は数日後に思い知ることになる。
「本当にすごいね、五虎退。すぐに見抜いたんだろう?」
忍冬と五虎退は、紅く染まりつつある時の政府の施設への道を歩いていた。和やかに話す二人は、何の問題もない審神者と刀剣男士に見える。
「は、はい……み、見抜いた、と言っても、なんとなく、ですけど……」
「それでもすごいよ。これ、みんなに教えようか」
「そ、そんな、大したことじゃ……」
「ううん。五虎退はすごいってみんなにもっと知ってもらおうよ。もちろん、みんな言われなくたって分かっているとは思うけど……五虎退がもっとみんなに褒めてもらって、自信をつけてほしいんだ」
忍冬がそう言うと、五虎退は少しだけ顔を明るくした。だが……
「きっといつか、五虎退も自信を持てるよ。長曽祢みたく、ね。
『贋作でも、立派なんだ』って」
その言葉を聞いた瞬間、五虎退の喜びは全て消えてしまった。悲しそうに、それでも無理やり微笑んで、はい、と答えるのが精一杯だった。
- Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.538 )
- 日時: 2022/09/26 21:11
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: cXmcbA9E)
それから数日後。不二咲はトレイシー、ルカ(第五)たちの元へ向かうために希望ヶ峰学園を出ようとしていたところだった。
「あれ?」
校門に、誰かがいる。よく見れば、それは五虎退であった。何故ここに、と思うが足元にいる子虎たちを見て彼が柊本丸にいる五虎退ではないと気が付く。柊本丸の五虎退は極、虎は成体に近い。だとすると彼は一体、と思った矢先、五虎退と目が合う。
五虎退は目を見開き、次にはうるりとその目に涙を滲ませ、駆け寄ってきたと思えばぎゅっと不二咲に抱きついてきた。
「え、えええ!?」
「う、うう、ひっく……」
「え、と、ど、どうしたの? どうして泣いてるの?」
「ぐすっ、うぇえん……」
「う、うぅ、な、泣かない、でぇ……何だか、ボクも……ううぅ」
思わずもらい泣きをしてしまう不二咲。しばらく二人で泣いているとたまたま通りかかった石丸清多夏と大和田紋土が大慌てで駆け寄ってきて話を聞こうとするも五虎退は泣き続け、結局何人も集まってちょっとした騒動となってしまったのだった。
─────────────
柊本丸に連れられ、やっと落ち着いた二人は客間で柊とその担当である東雲を待っていた。この五虎退は以前ショッピングモールで出会ったあの五虎退で、不二咲との僅かな縁を辿って希望ヶ峰学園までやって来たらしい。五虎退が自分の本丸を飛び出して来たのは、数日前のことだったようだが。
そして五虎退が飛び出したその日に忍冬から時の政府に五虎退の捜索願いが出されていた。忍冬はすでに五虎退が誘拐されたものと考えており、五虎退を心配する傍ら、犯人に強い憤りを覚えているらしい。
ちらりと隣に座る五虎退を見る。自分と同じく目を赤く腫らした彼は時折ぐす、と鼻を鳴らしていた。
「あ、あの、五虎退くん」
「は、はい」
「だ、大丈夫だよ、忍冬さん優しい人だから、きっと話せば分かってもらえると思うんだぁ」
「……多分、ダメだと思います」
「えっ?」
どうして、と聞く前に柊と東雲、陸奥守が困った顔で入ってきた。
「あっ、ど、どうでしたか?」
「……それが」
「今回は、今までの審神者とは違って少し厄介なことになっていまして」
「え? な、何か問題が?」
「ええ。……相手の忍冬は善良かつ優良な審神者です。始めた時期を考えても成績も上々で、近いうちに見習いを受け入れさせても良い、という話も持ち上がっているほどなんです。
ただ……刀剣男士との関係は、決して良好とは言い難いのです」
「えっ!?」
あんなに良い人なのに、と思いながら五虎退を見る。五虎退もどこか分かっていたのか、少し悲しげに目を伏せて一回だけ頷いた。
あれほど仲が良さそうに見えたのに、そうではないなんて。そう思いながらも不二咲は話の続きを聞くために改めて三人に向き直った。
「忍冬殿は、思い込みが激しゅうて。それでも親しい人間を疑わん純粋さを持っちゅう。忍冬殿かつて送られた研修先の審神者の影響でいくつか刀剣男士に対して間違うた知識を植え付けられちょるんじゃ」
「間違った知識?」
「代表例ですと、『本名を知られると刀剣男士に神隠しされる』ですかね。できなくはありませんが……それはあくまで双方合意の上で成り立つこと。そうでないならば、本霊より分霊に神罰が下る、とのことです」
不二咲はふと思い出す。そういえばあの日、忍冬は『刀剣男士の前だから』と本名を名乗ることはなかった。ナワーブはそれに何か引っ掛かっていた様子を見せていたが、そういうことだったのか。
では、あらぬ疑いをかけられているせいで仲は良くないのだろうか。そう思って聞けば東雲はいいえ、と首を横に振った。
「忍冬本人も『私の刀剣男士がするとは思えない。ただ、他の刀剣男士は分からないから、念のため』と話していました。
刀剣男士との諍いを生んでしまっているのが……彼は、刀剣男士『五虎退』を、『贋作』だと思い込んでいることなのです」
驚きで声すら出ない。贋作、というのは偽物だと言うこと。しかし五虎退が贋作という話は聞いたことがない。
今度は柊が口を開いた。
「全員が五虎退は贋作じゃない、と言っているんだけどそれよりも前に親交があった研修先の審神者がまさしくその思考の持ち主だったんだよ。ただ、そこの審神者も忍冬さんも五虎退が贋作でも良い刀剣男士、良い刀だと話しているから強く言えなくて、五虎退と厚藤四郎が出陣していた際に五虎退をちょっぴり揶揄うような発言で余計にその考えが根付いたみたいで……。
贋作に関しては長曽祢さんって言う前例もあったし、その上、他の審神者とはわざわざそんな話しない。したとしても相手にその考えを押し付けたりしないから余計に発見が遅れたんだ」
「じゃ、じゃあ……五虎退くんは」
「……はい。僕は、顕現してからずっと、主様に『贋作』として見られて来ました」
「!!」
五虎退は悲しそうに顔を伏せ、そのままぽつぽつと話し始める。
「最初は、きっとちょっとした勘違い、誤解だって思っていました。いいえ、今でもそうだと思っているんです。だけど、みんなで言っても主様は困ったように笑って、『心配しなくても、私は五虎退が贋作だからと差別しないよ』とだけ仰るんです。
……いつか、誤解は解けるって信じてました。でも……もう……限界、でした……」
五虎退の手の甲に涙がこぼれ落ちる。……どれだけ辛かっただろう。主張を怒りや侮蔑を込めて否定されるのではなく、ただただ優しさで否定されてしまう。前者であれば、いっそ彼も嫌い切れたろうに。
「それに、今回の件はもう一つ問題があるのです」
「もう一つ……?」
「忍冬の本丸には、『冷遇』などの行為が一切見られないことです」
「え……?」
「確かに五虎退への発言は彼を傷つけるものだけど……それ以外は全く問題がない。むしろそれを除けばさっきも言ったように善良かつ優良。政府の大部分は重い罰は与えなくて良いだろう、五虎退とのこともよく話し合えばお互い分かり合えるって人が多いんだよ。
だから、以前……山切とか、ナワーブのところの長義の時とは違って表立って「返さない」と言えば今回は『他本丸からの刀剣男士の奪取』と見做される可能性が高いんだ」
「そ、そんな!」
冷遇自体はないかもしれない。それでも五虎退が思わず飛び出してしまうほど傷ついているのに。確かに話し合えば忍冬のことだから、きっといずれは分かってくれるだろう。だけど、それまでに五虎退や刀剣男士たちはどれだけ傷つくだろう。
せめて一度離して、忍冬に考え直す時間を与えられないのだろうか。
「とにかく、明日忍冬さんがこっちに見える。その時にちーたんも同席してもらえないかな? 一応はちーたんを訪ねたわけだから……」
「は、はい!」
「安心しぃ、きっと話せば分かり合えるきに」
陸奥守が背を優しくさすってくれる。だが、五虎退の表情が晴れることはなく。
どうか、話し合いが無事に終わりますように。思わず、そう願ってしまった。
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