二次創作小説(新・総合)
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- 綴られし日々-作者とキャラの日常-
- 日時: 2022/11/28 20:05
- 名前: 柊 (ID: y98v9vkI)
ついに手を出してしまいました、日常系…!!
注意事項
・クロスオーバー
・クロスオーバーCPあり
・キャラ×オリキャラ、オリキャラ×キャラもあるかもしれない
・当方独自設定あり。矛盾することもあるかもしれない
・キャラ崩壊あり
・キャラの裸族化、不憫化などもあり
・作者が夢女子でもあるので夢っぽい要素(キャラ←←作者)が出てくる。テンションがおかしくなったら大変なことになるので注意
・時々シリアスもあり
・時々キャラ掴めてないかもしれない
・荒らしなどはご遠慮ください。
※スマブラに関して
原作をプレイしていないキャラクターが多々いるためキャラの設定が公式設定と矛盾する可能性大(一応調べます…)
こんな感じの注意事項で『大丈夫だ、問題ない』な方はどうぞお楽しみください!
そうでない方は注意してくださいませ。
タグ
スマブラ、刀剣乱舞、艦これ、アズールレーン、フラワーナイトガール、戦艦少女R、文豪とアルケミスト、しんけん!!、夢王国と眠れる100人の王子様、茜さすセカイでキミと詠う、オトメ勇者、フードファンタジー 、Fate/Grand Order、ポケットモンスター、ボーカロイド、Identity_V、ダンガンロンパシリーズ、School Days
目次
『始まりの158』 >>1-3
『魔法少女騒動〜少女とは言ってない〜』 >>6-9
『小さなお宿-前編-』 >>15-20
『小さなお宿-後編-』 >>21-28
『甘くて美味しい果実』 >>29-35
『うちの長曽祢さんがこんなにも可愛い!!〜ただの主張だ気にするな〜』 >>36-40
『虎と春』 >>46-57
『たまにはきちんと歓迎会を!』>>58-63
『信頼した結果-1-』 >>69-75
『信頼した結果-2-』 >>79-85
『信頼した結果-3-』 >>86-92
一振り目と二振り目の呼び方一覧 >>93
『桜よ、彼女を攫わないで』 >>94-96
『バグにも種類がありまして!?』 >>97-101
『恋に落ちないなんてできなくて』 >>105-111
『練習、裸族講座!』 >>112-116
『悪魔の城は崩れない』 >>121-126
『悪魔の城は崩れ始める』 >>136-140 ※140はおまけになります
『悪魔の城は崩壊す』 >>148-155
∟闇の御子の情報 >>156
『VS闇の御子』 >>160-163
∟厄除けの宝玉の情報 >>164
『赤ずきん☆ラグナス』 >>167-171 ※天悪さんとのコラボ!
『赤い花騎士と銀の騎士』 >>178-179
『私が教えるよ』 >>182-184
『コピペSS』 >>185-186
『癒しとカオスと歓迎会』 >>190-197
『六月の花嫁たち』 >>202-209
『七夕は奇跡に染まり』 >>214-217 ※天悪さんとのコラボ!
『お嬢様()な交流会』 >>221-224 ※天悪さん、琴葉姫さんとのコラボ!
『緊急特番()!刀剣乱舞の大盤振る舞い』 >>229-233
『忍び寄るは光の信者』 >>239-244
『南の島、砂浜騒動!?』 >>248-252
『子どもビーチは危険がいっぱい!〜王様は保護者〜』 >>259-263
『私たちは、きっと。』 >>270-274
『解き明かせ、真実! 1』 >>281-286 ※286はおまけです
『解き明かせ、真実! 2』 >>291-297
『解き明かせ、真実! 3』 >>300-304
『VS神殺しの蟲』 >>307-313
∟神殺しの蟲情報 >>314
『出会いは夢の中にて(第一印象は考えないものとする)』 >>317-321
『ちびノブのお仕事!』 >>324-328
『【柊「空を見上げて『バカな…早すぎる…』ってつぶやいたら」】 >>334-335
『新年は新ジャンルと共に!』 >>340-346
『甘い束縛』 >>352-353
『メンヘラマネジメント』 >>356-358
『にっかりファンタジーUDON』 >>362
『コピペSS、おかわり!』 >>363-365
『手を振り解かれ、手を取って。』 >>369-374
『それぞれの決意と忠義』 >>378-383
『扉問答』 >>390-394
∟ねこじぞーの情報 >>395
『水無月祭の出会い』 >>401-403
『コピペSS、もういっちょ!』 >>408-410
『Real or Dream』 >>411-417
『幼児化☆パニック!』 >>422-428
『似てない二人』 >>434-436
『凄惨なる宴』 >>441-446
『雪の別離』 >>449-452
『年末だ!コピペSS!』 >>453-455
『新たな邂逅』 >>458-462
『決戦前〜医師の罪〜』 >>465-468
『決戦前〜泥棒の偽善〜』 >>469-471
『決戦前〜弁護士の覚悟〜』 >>474-477
※477はおまけです
『決戦前〜庭師の想い〜』 >>480-483
『エイプリルフールで嘘予告SS』 >>486
『決戦前〜学生組の会議!〜』 >>487-489
『レオ・ベイカー奪還戦・1』 >>497-500
『レオ・ベイカー奪還戦・2』 >>504-507
『レオ・ベイカー奪還戦・終』 >>511-514
『やっとできるね! 歓迎会』 >>517-522
『異世界にて、恋に出会う』 >>525-527
『コピペSS、いつつめ!』 >>530-532
『オリキャラご紹介その1』 >>535
『いっそ『大嫌いだ』と思えたら』 >>536-543
※543はおまけです
『困りごとはきっかけ』 >>546-548
『本気になったのはどちらだったのか』 >>549-550
- Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.484 )
- 日時: 2022/03/21 23:19
- 名前: 月詠 (ID: 86FuzJA.)
こんばんは、月詠です
月詠「エマが何で三人を恨みきれなくなる理由を思い出し、話しましたね……そして前に進めるように…良かった…」
克己「読んでてリアルに泣きそうになった月詠はここだ」
月詠「やめろ。そして羽生の言う奇跡……『詩音』が主人公の話やコミックアンソロジーしか読んだことないですが、なんとなく察しました。そっかぁ……ここの彼ら彼女らは、そっかぁ…」
克己「最後の最後にラックが不穏になったな」
短くてすみません、以上で失礼しました
- Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.485 )
- 日時: 2022/04/01 23:15
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: gh05Z88y)
羽入「コメント返信なのです」
月詠さん
コメントありがとうございます!
エマ「ありがとうなの、月詠さん! エマ、いっぱい迷惑も心配もかけたけど…もう大丈夫!」
柊「泣きそうになっていただけた…だと…!? 嬉しい…!!」
エマ「ちょっと感激している柊さんを置いておいて、ハンカチどうぞなの〜」
( ・∇・)つ【ハンカチ】
羽入「ふふ、そうなのです。奇跡は、信じることで起きるのです♪」
柊「詩音が主役っていうと…多分『目明し編』ですかね? それと繋がる『綿流し編』はどっちかっていうと圭一のはずなんで…ちょうど私が『ひぐらしのなく頃に』を知ったきっかけの二つですね←」
ラック「あはは、不穏ですかね?」
柊「(不穏にしたかったなどと供述しており←)」
それでは!
- Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.486 )
- 日時: 2022/04/01 23:22
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: gh05Z88y)
エイプリルフールで嘘予告SS
こんのすけ「皆さま、私は柊本丸に所属するこんのすけにございます。
主様より、一つの映像(という名の文章)をお届けに参りました。では、早速……ぽちっとな」
ザ──ザザ、ザ──
──Si vous me demandez quels sont vos péchés, je vous répondrai : « C’est ce que je suis ici maintenant. ≫
Oh, oui, mon saint. S’il vous plaît, s’il vous plaît, s’il vous plaît──
「フランスに戻る?」
「うん、最近フランスで通り魔事件が発生しているらしくて……少し心配だし、僕たちなら何か役に立てないかと思って」
千銃士Rの世界、フランスにてそれは始まりを告げる──。
「ふふ、この国を楽しみましょう! ヴィヴ・ラ・フランス!」
「違う世界の、同じ国。どんな違いがあるのか、それとも、全く似通っているのか、少し気になるね」
煌びやかな国。しかし──。
「嗚呼、何と醜いことか。やはり、この国は滅びるべきだったのだ」
復讐の黒き炎が、襲い来る。
「ジル、彼女は……」
「ええ、間違いはないでしょう。──アレは、私です」
それぞれの思い、信念が交錯する。
「私が、私がやらなきゃいけない……!!」
「それが、私のためだと言うのであれば……」
「絶対、絶対にそんなことはないはずなんです!!」
「彼女、泣いてるように見えるんだ……」
「それは、罪でしかない」
「嗚呼! 嗚呼! 我が聖女よ、どうか、どうか──」
「貴女に、罰を与えましょう」
「貴女に、赦しを与えましょう」
「「どうか──」」
復讐の悪鬼編、近日公開予定。
「我が名は、ジル・ド・レェ!! 聖女の復讐を、成す者だ!!」
──────────────
デデンデンデデン
デデンデンデデン
柊「April fool」(I'll be Backのノリで」
こんのすけ「何やってんですか貴女は」
柊「絶賛シリアス中だけどノリたかった、エイプリルフールに」
こんのすけ「アホですか???」
柊「こんのすけが冷たい」
こんのすけ「当たり前です。はー、全く。こんな嘘予告しちゃって」
柊「あ、それなんだけどさ。今日のこの嘘、
嘘予告ってのが嘘」
こんのすけ「は???」
柊「だからこれガチ予告だよ☆ 近日とかは嘘になるかもしれんし、出てきたセリフは使わない可能性もある」
こんのすけ「何やってんですか貴女はーっ!!!!!」
コメントOK☆
- Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.487 )
- 日時: 2022/04/21 21:29
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: n/98eUHM)
※サラッと新ジャンルのキャラが登場しています
※一部変更点あり。
決戦前〜学生組の会議!〜
広い会議室。そこでは大きなホワイトボードやスクリーンがあり、椅子などがいくつもある。そこに集まったのは柊サイドの学生組と類される少年少女たちであった。柊サイドの全体から見れば少ないが、それでもちょっとした部屋では収まらない人数だ。
全員の前に立っているのが、悠と司、その側には機械等を操作するために類が控えていた。
「では! 『レオさん奪還』に向けた、我々学生組の作戦会議を開始する!」
「意見がある人は、挙手を頼む。まずは……一番確認しておきたいことだ。
俺たちペルソナ組と真剣少女以外で当日レオさん奪還に参加していいと言われた奴らはいるか?」
……しん。手が挙がらない。まあ無理もないか、と司が呟く。
「は、はい、少しだけ……」
「花里、発言を頼む」
「そのー、私たちはアドバイスが欲しいな、ってたまたま会ったエルメさんたちに意見を聞いたんですが……」
──────────────
みのりと遥は、『千銃士R』の世界に来ていた。目的は、フィルクレヴァート士官学校にいる貴銃士かオリヴァー、ラウレンツ、玖龍、そのうちの誰かにレオ奪還の作戦について手伝えることがないかアドバイスを貰いに来たのだ。不思議なことにこちらが日本語であちらが英語でも、日本語に聞こえており、あちらもあちらで日本語が英語に聞こえているようで会話には何ら問題はなかった。
現地の人々に貴銃士の何人かはよく街に来ていると聞いて、誰かと会えないか街を見ながら待っていたのである。効率はかなり悪かったのは分かっていたが、士官学校ともなれば出入りは厳しい。そしてみのりと遥は彼らの連絡先を知らない。だからこうするしかなかった。
「あっ、あの人!」
「確か……ドイツのエルメさん、だったかな。オリヴァーさんも一緒だ」
「良かった〜! 早速聞きに行こう、遥ちゃん!」
「うん。行こうか」
幸いにもオリヴァーとエルメが立ち話しているのを見つけて二人はエルメたちに近づいて行った。
「こんにちは!」
「? あ、貴方たちは確か……MORE MORE JUMP、でしたか。その……花里みのりさんと、桐谷遥さん、でしたよね?」
「はい、そうです」
「知り合いかい?」
「知り合い、というよりほら、ハザマセカイ、だったかな。そこで繋がっている世界の一つに住んでる人たちだよ」
「ああ、なるほど。なら、俺も自己紹介しないとね。俺はDG3。コードネームはエルメ。
どうぞよろしく」
にっこりと微笑んでくれるエルメに二人は少しホッとしながら会釈する。何だかんだ、緊張はしていたから。
「ところで、二人は俺たちに何か用があったの?」
「ああ、その……」
「今度の、レオさん奪還の作戦で私たちに何かお手伝いできることはありませんか?」
「えっ?」
「戦えないけど、何かできることがあればしたいんです」
みのりと遥は二人をまっすぐに見ながら言う。エルメは真顔になり、けれどすぐに微笑んだ。が、オリヴァーは少し困ったような顔をしている。
それに疑問を抱き、首を傾げそうになった時にそうだね、とエルメが口を開いた。
「君たちにできるのは、一つかな」
「なんですか?」
「何でもしますよ!」
「そう。なら話は早いね。できることは──戦場に来ないことだ」
「え……」
「エルメ!」
オリヴァーが悲鳴のように彼の名を呼ぶ。それを無視してエルメは続けた。
「戦えないと分かっているなら、はっきり言って足手まといにしかならない。最初からそういう任務だと言うなら何も言わないけれど、そうでないならば来ない方が俺たちもやりやすいし、君たちにとっても安全なんだ。
じゃあマスター。俺はこれで。Bis bald」
───────────────
「……ぐっさりとは来るが……まあ、真正面から行ってイエスの答えは返ってこないのは分かっていたことだな。
こちらの人々は俺たちに少し甘いと言うか、過保護な面があるからな」
「天馬クンたちは仕方ないと思うけど……」
苗木の言葉に頷く者多数。そうか? と首を傾げるのは当事者たちばかりである。
プロセカ組(−モモジャン、ビビバス)とひぐらし組は他のメンバーとは違い、突然ハザマセカイに飛ばされてきた。そのせいで色々と大変だったと聞く。元々学生組には甘いメンバー揃いではあったが、彼らが来てからはよりその甘さと過保護さが増した気はする。
悠が話を戻そう、と言い、類に頼んでスクリーンに地図を映し出してもらう。その地図には二十二ヶ所ほどバツ印が記されている。
「このバツ印が、魔力の塊。ここに陣を描き、最上階で待機する柊さんの陣の完成を補助するらしい。
これらは全部サバイバーの人たちが描くとのことだから、あまり気にしなくても……」
「少しいいですか」
と、手を挙げたのは風丸一郎太だ。司が発言を許可する! と言えば彼は今感じた『違和感』について話し出した。
「何かおかしくありませんか?」
「おかしいとは?」
「魔力の塊がどう出来上がるのかまでは分からない。でも、ショッピングモールに、それも二十二ヶ所も出来上がるものなんでしょうか」
「……確かに、言われてみればそうだな」
「あ、そういえば一つ気になったことがあるんですけど……」
次に手を挙げたのは土門飛鳥。発言の許可を貰ってから取り出したのは一枚の紙だ。それを類の元まで持っていき、今度はそれが映し出された。内容を見る限り、ネットのブログのようだ。
これは? と悠が聞けば妙なブログなのだと土門は答えた。そして彼は、そのブログを読み上げ始める。
「『話題のショッピングモールに行ったけど、何人かの店員の態度が妙だね。ずっと心ここに在らず、みたいな感じでロボットでもまだマシな態度を取ると思う。だからもう来たくはないと思っているのに何故かここに足が向く。
気が付けばこのショッピングモールに来ててなんだか気味が悪い。何かしててもふっと意識が途切れて、ハッとした時にはここの前にいるんだ。何なんだろう、これ』
……何度かこんな内容がこのブログにあって。コメントだとツンデレだとか言われてるんですけど、何か関係してそうじゃないですか? これと魔力の塊ってやつ」
「……まさかわざと埋め込んだとか? お客さん集めるために?」
「は、はいっ!!」
今度はえむが手を挙げる。発言の許可を貰い、彼女は口を開く。
「そのことについて、お兄ちゃんがね……」
───────────────
「ん〜……」
鳳家のリビング。そこでえむがにらめっこしていたのはシューニリアショッピングモールの施設案内などの資料であった。今度の作戦はえむも絶対に成功させたいものだった。だから何か手伝いができればと情報を集めることにしたのである。
が、得られる情報はどうしても一般向けのものばかり。これにはえむも悩んでしまった。
「おいえむ、さっきから何百面相してるんだ」
「わぁあっ!? しょ、晶介お兄ちゃん!? か、帰ってたの!?」
「ああ、少し資料を取りにな」
背後から話しかけてきたのは、えむの兄の一人である鳳晶介。鳳グループにて一番目の兄である鳳慶介のサポートを勤めている。一時期ギクシャクしていたこともあったが、今では昔のように仲良くやれていた。
晶介はえむの手元にある資料を見て思わず、と言ったように眉間にシワを寄せた。
「どうしたの?」
「そこに行くのか?」
「えっ、あ、う、うん! お友達と買い物しよって……どうしたの?」
「平気だとは思うが……気を付けろよ。そこ、少しばかり変だからな」
「変?」
「ああ。一度俺と兄貴も視察で行ったことがあるんだが、なんだか妙に頭がぼんやりしてな。その時はたまたま体調不良を訴えた部下がいたから帰ったんだが、その時に出された条件とか考えるとどうしても良い条件だと思えないのに、何でだかその時は良い条件だなんて思っててな……。
ま、テンション上がって、変な物を売りつけられるなよってことだ」
そう言って晶介はえむの頭を撫でた。
───────────────
「その話を聞く限りでは……本当に集客目的で魔力の塊、あるいはそう見られる何かを埋め込んだということか……?」
「一体、どうしてそうしようとしたのか……いや、そもそもどうしてそんなことを思いついたんだろう」
「少し、いいですか?」
「直斗、話してくれ」
「ありがとうございます。僕は、鳳さんに頼まれてシューニリアショッピングモール、そしてその周辺の調査を行いました。
その結果……オーナーであるグリーズ・アルド氏がダーズ側と関わりがある可能性が浮上したんです」
- Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.488 )
- 日時: 2022/04/21 21:22
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: n/98eUHM)
直斗のその言葉に会議室がざわつく。無理もない。ダーズ側が関わっている、と聞いて平静を保てる者は少なかった。
「直斗、それはどういう……」
「この写真を見てください。最低でも、僕らペルソナ組なら分かります」
そう言って直斗は席を立ち、類に写真を渡す。類がそれを見て写真が映し出される。
「この人って!!」
りせの声に、遥が知ってるの? と聞けばりせは頷き、写真を指差しながら叫ぶように言った。
「この人、前に瑠璃溝隠って呼ばれてた……ダーズ側の人だよ!」
「!!」
写真には、裏口らしき場所でこそこそと人目を憚るように何かを取引している瑠璃溝隠とオーナーらしき男が写っていた。
「もし普通の買い物に来ているだけならばここまで人目を気にする必要はない。それだけでなく、火事でもないのに時折『黒いモヤ』が確認されているそうです」
「黒いモヤ……ってことは、本当に……」
「……グリーズ氏がこのショッピングモールを作る際、あまりの無茶な要求に出資や出店を断られ続けていました。それが……ある一人の出資者が現れたことにより出資、出店の申し出が続出したと。一人が出資したからと次から次へと現れることなんて考えにくい。
この出資者も調べれば、存在しない人物であったことが判明しました。
もしこれがダーズ側の人間であったなら……魔力の塊があるのはダーズ側の指示か何かだと考えられます」
直斗が発言を終わると、その場を支配したのは沈黙。小さなはずの花陽の呟きが聞き取れてしまうほどに、その場はしんと静まっていたのだ。
「そ、それって……作戦、邪魔されちゃうんじゃ……」
花陽の言葉に、またも沈黙が下りる。よりにもよって、オーナーが敵に着いている。そうなれば、作戦がうまくいかないのは明白だ。
しかし、そうとも限らないよ、と類が口を開いた。
「そうとも限らないって……なんでそう言えるの?」
「簡単な話さ。そのオーナーは『自分だけは被害を被らない』と考えているはずだよ」
「え?」
「柊さんの話や、ネットでの評判を見るに結構横暴な人間らしいからね。そういう人間ほど、そんな計画を伝えられても『自分には関係ない』と考えられてしまうものだよ。そんな確証がどこにもないにも関わらず、ね。
さて、そんな人間が突然大量殺人の現場に放り投げられたらどうなるかな?」
「えっと……映画とかなら、自分だけ逃げるとか、近くにいた主人公とかに金ならやるから自分だけ助けてくれとか言うかな」
「あー、で、結局真っ先にやられるか後で散々な目に遭うかだよな」
一之瀬の答えに陽介が付け足す。しかし、今のやりとりでピンと来たのは多かったらしい。その答えを絵里が話した。
「邪魔をする指示を出す余裕も理由もないということね」
「そういうことです。その上でこの作戦にはオーナーに何のメリットもない。無理やりな出資や出店をしていたのだからわざわざそれら全てを無に返すような真似はしないでしょう。
だからこの際、オーナーのことは気にしないでも問題ないかと。
それでも敵側の人間が関わっているというのは見過ごせないですが……少なからず、このために魔力の塊をわざわざ仕込ませたとも考えられますし」
少しだけホッとした空気が流れる。完全に安心できるわけではないが、それでもだ。
すると、突然完二があっ!? と声を上げる。
「どうした、巽」
「そういや、柊さんたちがなんかここのオーナーに協力しろって言ってたのに断られたとか言ってなかったスか?」
「ああ、そういえば……ああっ!?」
「断ってたの信じてねえのもあるけど、ダーズ側だったからッスよ! くっそ、キュッとシメてやっか……!!」
この作戦を決行するため、柊たちはオーナーにその日の営業は休むように頼んでいた。しかしオーナーはそれを断り続けた。「馬鹿馬鹿しい」「これ以上言うなら営業妨害で訴える」と。とは言え、この事情を知らない面々は全員歯痒いけれど仕方ないと言っていたが……こうして事情を知ってしまえば呆れと怒りしか湧いてこない。
柊たちは一般客の避難込みで作戦を立てていたようだったから、話は再び「何を手伝うか」というものに戻った。
「あ、あのぉ、いいかなぁ?」
「不二咲、発言を頼む」
「う、うん。ありがとう、鳴上くん……。あのね、一つだけ、心配なことがあって……」
「もしかして、ルカ(第五)のことか?」
左右田に頷く不二咲。二人以外は首を傾げていた。少し悩んでいたようだが、不二咲は実は、と続ける。
「ルカさん、たまに、なんだけど……記憶が曖昧な時があるんだぁ」
「記憶が曖昧?」
「そう。俺たちのことは覚えてても簡単な……説明をちょっとすれば誰でもできそうなことができなくなったりとか」
「食べ物のことを覚えてなかったり、ひどい時だと……ボクらのことを、忘れちゃったり……。
もしもっ、考えたくはないんだけど、もしもそれが作戦の日になっちゃったら……」
不二咲は俯いてその先は言わなかった。けれど誰もが分かる。もし、その症状が作戦当日に出てしまえば作戦に大きな支障が出る可能性がある。
次に手を挙げたのは言葉だった。発言を、と促された彼女はそれの対策を口にした。
「大きな紙に陣を描いて、ポイント近くに待機していてはどうでしょうか?」
「近くに待機?」
「はい。紙を渡すだけでは、途中で落としてしまうかもしれませんから。ただ、待機する人は危険に晒されてしまいますが……」
「だが、良い案だ! 採用してもいいと思うが、鳴上はどうだ?」
「……そうだな。ただ、待機は隠れながらした方がいい。なるべく足の速いメンバーに行ってほしいな」
それをきっかけに少しずつではあるが、学生組の作戦が決まっていく。
もちろん、彼らが結局戦えないことは変えられない。だから全員『決して無理をしない』と決めて。
「よし、こんなところだな!」
「他に何か意見がある人は?」
「あっ、はい!」
みのりが再び手を挙げる。発言の許可を貰った彼女は今度は意気揚々と話し始めた。
「行かない人は、パーティーの準備はどうかな!?」
「「「パーティー?」」」
「あ、確かにオリヴァーさんが……」
──────────────
「ごめんなさい、エルメが……」
「あ、き、気にしないでください!」
「そうですよ。それに……多分、オリヴァーさんも同意見じゃないんですか?」
遥が少しだけ眉を下げながら言うと、オリヴァーは目を逸らす。
いくら歳が近くても士官学校の生徒として、そして貴銃士たちのマスターとして戦いに身を投じる彼が分からないはずがない。
「……その……はい。エルメの言う通り、皆さんの安全を確保しつつ、僕らが動きやすくするには来てもらわない方がいい。あなたたちの誰かが人質に取られたらそれだけで動けなくなってしまう可能性もありますから。
でも、皆さんが手伝いたいという気持ちも分かるんです」
だからこそ、彼は言葉を選んでいたのだろう。が、それも虚しくエルメが伝えてしまった。ストレートに。
二人ともどこかで分かってはいたが、やはり面と向かって言われてしまうとショックは受けてしまうもので。あまり気にさせないようにしようとしていたが上手くはいかなかったらしい。オリヴァーは少しオロオロとしている。
が、少ししてあ、と声を溢し、柔らかく微笑んだ。
「あの、お二人や皆さんが手伝えることがありましたよ!」
「えっ!?」
「ほ、本当ですか?」
「ええ。あちらでは何回もパーティーができなかったと聞きます。僕たちの歓迎のパーティーまで開いてくれる予定だったとも。
レオさんの件で、全部できていないということも、聞いています」
「あ、確かに……」
それぞれの世界で年末年始やイベントをしていたが、大きな会場でのパーティーはやっていない。レオの件でそんな雰囲気ではなかったし全員何も言わなかった。
しかし、それが手伝いと何の関係があるのだろう。首を傾げそうになる二人に、オリヴァーは今度はいたずらっ子のような笑みを浮かべて言った。
「だから、皆さんでパーティーの準備をしてみては如何でしょう?」
「パーティーの準備?」
「はい。どの国でもそうですが、イギリスですと年末年始は大切な人たちと賑やかに過ごすんです。日本では、静かに、のようですが……それでも、大切なパーティーが開けなかった。
なら、レオさん奪還祝いも兼ねてパーティーを開いたら、皆さん喜んでくれると思います。これも立派な『手伝い』かと!」
オリヴァーの言うことに二人ともぽかんとしてしまう。けれどみのりは少しずつパァ、と顔を明るくしてそれだぁ! と、オリヴァーの手を両手で握った。
「えっ」
「それです! ありがとうございます、オリヴァーさん!」
みのりが満面の笑みを浮かべる。と、同時にオリヴァーの顔は一気に赤く染まった。
「え、あ、そ、そのっ、ど、どういたしましてっ……」
「あ、あの、もし、レオさんが奪還できなかったら……?」
遥が思わず聞く。それは当然でもある。レオを確実に取り戻せるとは限らないのだから。
けれどオリヴァーは顔を引き締めた。
「大丈夫。みんないます。僕の貴銃士も、柊さんの貴銃士……だけじゃない。たくさん僕たちには、味方がいます。
必ず、取り戻せます。いいえ、取り戻してみせます」
だから、とオリヴァーはまた柔らかく微笑んだ。
「皆さん、僕たちを信じて待っていてくれますか?」
「……はいっ!」
──────────────
「なるほど……見方を変えればそれも手伝いだな!」
「じゃあ、参加しないメンバーは全員でパーティーの準備をしよう。前に使った会場を、マスターハンドさんたちの許可を貰って使わせてもらって……」
今度はパーティーに関する話を決めていく。まだ、この先どうなるか分からない。それでも、きっと大丈夫と、みのりはそっと目を伏せた。
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