二次創作小説(新・総合)
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- 綴られし日々-作者とキャラの日常-
- 日時: 2022/11/28 20:05
- 名前: 柊 (ID: y98v9vkI)
ついに手を出してしまいました、日常系…!!
注意事項
・クロスオーバー
・クロスオーバーCPあり
・キャラ×オリキャラ、オリキャラ×キャラもあるかもしれない
・当方独自設定あり。矛盾することもあるかもしれない
・キャラ崩壊あり
・キャラの裸族化、不憫化などもあり
・作者が夢女子でもあるので夢っぽい要素(キャラ←←作者)が出てくる。テンションがおかしくなったら大変なことになるので注意
・時々シリアスもあり
・時々キャラ掴めてないかもしれない
・荒らしなどはご遠慮ください。
※スマブラに関して
原作をプレイしていないキャラクターが多々いるためキャラの設定が公式設定と矛盾する可能性大(一応調べます…)
こんな感じの注意事項で『大丈夫だ、問題ない』な方はどうぞお楽しみください!
そうでない方は注意してくださいませ。
タグ
スマブラ、刀剣乱舞、艦これ、アズールレーン、フラワーナイトガール、戦艦少女R、文豪とアルケミスト、しんけん!!、夢王国と眠れる100人の王子様、茜さすセカイでキミと詠う、オトメ勇者、フードファンタジー 、Fate/Grand Order、ポケットモンスター、ボーカロイド、Identity_V、ダンガンロンパシリーズ、School Days
目次
『始まりの158』 >>1-3
『魔法少女騒動〜少女とは言ってない〜』 >>6-9
『小さなお宿-前編-』 >>15-20
『小さなお宿-後編-』 >>21-28
『甘くて美味しい果実』 >>29-35
『うちの長曽祢さんがこんなにも可愛い!!〜ただの主張だ気にするな〜』 >>36-40
『虎と春』 >>46-57
『たまにはきちんと歓迎会を!』>>58-63
『信頼した結果-1-』 >>69-75
『信頼した結果-2-』 >>79-85
『信頼した結果-3-』 >>86-92
一振り目と二振り目の呼び方一覧 >>93
『桜よ、彼女を攫わないで』 >>94-96
『バグにも種類がありまして!?』 >>97-101
『恋に落ちないなんてできなくて』 >>105-111
『練習、裸族講座!』 >>112-116
『悪魔の城は崩れない』 >>121-126
『悪魔の城は崩れ始める』 >>136-140 ※140はおまけになります
『悪魔の城は崩壊す』 >>148-155
∟闇の御子の情報 >>156
『VS闇の御子』 >>160-163
∟厄除けの宝玉の情報 >>164
『赤ずきん☆ラグナス』 >>167-171 ※天悪さんとのコラボ!
『赤い花騎士と銀の騎士』 >>178-179
『私が教えるよ』 >>182-184
『コピペSS』 >>185-186
『癒しとカオスと歓迎会』 >>190-197
『六月の花嫁たち』 >>202-209
『七夕は奇跡に染まり』 >>214-217 ※天悪さんとのコラボ!
『お嬢様()な交流会』 >>221-224 ※天悪さん、琴葉姫さんとのコラボ!
『緊急特番()!刀剣乱舞の大盤振る舞い』 >>229-233
『忍び寄るは光の信者』 >>239-244
『南の島、砂浜騒動!?』 >>248-252
『子どもビーチは危険がいっぱい!〜王様は保護者〜』 >>259-263
『私たちは、きっと。』 >>270-274
『解き明かせ、真実! 1』 >>281-286 ※286はおまけです
『解き明かせ、真実! 2』 >>291-297
『解き明かせ、真実! 3』 >>300-304
『VS神殺しの蟲』 >>307-313
∟神殺しの蟲情報 >>314
『出会いは夢の中にて(第一印象は考えないものとする)』 >>317-321
『ちびノブのお仕事!』 >>324-328
『【柊「空を見上げて『バカな…早すぎる…』ってつぶやいたら」】 >>334-335
『新年は新ジャンルと共に!』 >>340-346
『甘い束縛』 >>352-353
『メンヘラマネジメント』 >>356-358
『にっかりファンタジーUDON』 >>362
『コピペSS、おかわり!』 >>363-365
『手を振り解かれ、手を取って。』 >>369-374
『それぞれの決意と忠義』 >>378-383
『扉問答』 >>390-394
∟ねこじぞーの情報 >>395
『水無月祭の出会い』 >>401-403
『コピペSS、もういっちょ!』 >>408-410
『Real or Dream』 >>411-417
『幼児化☆パニック!』 >>422-428
『似てない二人』 >>434-436
『凄惨なる宴』 >>441-446
『雪の別離』 >>449-452
『年末だ!コピペSS!』 >>453-455
『新たな邂逅』 >>458-462
『決戦前〜医師の罪〜』 >>465-468
『決戦前〜泥棒の偽善〜』 >>469-471
『決戦前〜弁護士の覚悟〜』 >>474-477
※477はおまけです
『決戦前〜庭師の想い〜』 >>480-483
『エイプリルフールで嘘予告SS』 >>486
『決戦前〜学生組の会議!〜』 >>487-489
『レオ・ベイカー奪還戦・1』 >>497-500
『レオ・ベイカー奪還戦・2』 >>504-507
『レオ・ベイカー奪還戦・終』 >>511-514
『やっとできるね! 歓迎会』 >>517-522
『異世界にて、恋に出会う』 >>525-527
『コピペSS、いつつめ!』 >>530-532
『オリキャラご紹介その1』 >>535
『いっそ『大嫌いだ』と思えたら』 >>536-543
※543はおまけです
『困りごとはきっかけ』 >>546-548
『本気になったのはどちらだったのか』 >>549-550
- Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.389 )
- 日時: 2021/05/10 08:01
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: bD140njr)
マンドリカルド「コメント返信、っす」
月詠さん
コメントありがとうございます!
柊「どっちも何気にえぐいwww 解呪条件もきつめですねwww」
ナワーブ「狙いはまさしくそれだな。二対二だから一対一に持ち込めば俺はともかく、ヒイラギもある程度余裕で戦えるだろう」
柊「よく考えればこっちサイド、軽率に知らん奴からもらった薬使う人多いですね、管理がガバガバすぎる←」
今剣「いま、あちらのぼくはめをさましていませんが……月詠さまたちのおきづかいを、きっとよろこんでくれるとおもいます」
柊「(ただしその分、弟切草に被害が出る。どうでもいいけど)」
リッパー「あの時、あの男に気付かれずに近づけるのは私かジョゼフさんしかいなかったのですが私の方が足が速く、また霧の刃で遠距離から攻撃もできて安全と踏みましてね。
お褒めいただき、光栄ですよ」
柊「消毒液とイチゴタルト、ショートケーキ、アップルパイにアップルティーありがとうございます……ゆっくり食べさせていただきます……」
ナワーブ「俺は刃数的に参加できない催しだが、自分の減刑のためだけに動いたやつらがどうするかだな……。しばらく葛藤する様でも思い浮かべておこう。
……そうだな。ダーズ側としか分かっていないが……」
柊「この時点でわりとやべーやつなの丸分かりですよね←」
桜木霊歌さん
こちらでは初めまして、コメントありがとうございます!
柊「勝ちました! イェーイ!←
クリフォードに関しましては今のところ『ダーズ側』、『黒猫を従者にしている?』のみの情報ですかね←」
リッパー「少なすぎませんかねぇ……」
柊「仕方ない仕方ない」
ナワーブ「霊歌さんの言う通りだな。奴らは面白半分、行きすぎた正義感半分でやっていたんだろうがそれで追い詰められる奴だって多くいる。今回、ヒイラギは運良く周りが助けてくれたからいいがそうでなければ……な。
誠意の示し方は人それぞれかもしれんが、少なからず今回助かろうとした奴らにはないな」
柊「いちごタルトありがとうございます! いちごタルトいっぱいじゃん、やったぜ」
ナワーブ「お前甘いの好きだしな」
葉月さん
コメントありがとうございます! 大丈夫ですよ〜!
柊「まあ確かにそうなんですよね。ある意味自業自得」
ナワーブ「誹謗中傷に関わった奴らも全員大なり小なり罰を受けている。酷い奴はしばらく監査付きだそうだ。
……そうか? ……いいや。葉月さんが言ってくれるならそうなのかもな。……こんな俺だが、あいつらを責任を持って引っ張っていくつもりだ」
柊「何だったら遺伝子滅べばいいなーって( ˙-˙ )スンッ」
ナワーブ「見てるだけでわりと痛いからやめろ」
リッパー「え? 悶絶する様子が面白かったですよ?」
ナワーブ「お ま え」
柊「今回ばかりは長曽祢さんに甘えちゃいました←
ハーブティーもありがとうございます。いちごタルトやアップルパイと一緒にゆっくり楽しませていただきますね」
琴葉姫さん
コメントありがとうございます!
柊「開始早々殺意MAXなお二人」
ナワーブ「褒めてもらえてありがたいな。……俺はともかく、柊が狙われると思ったからな。一対一に持ち込んだ方が有利に事を運べると判断した」
柊「当サイドは初めて会った怪しさ満点の人からもらった薬でも飲んじゃうガバガバ危機管理です←」
ナワーブ「ガバガバすぎるな。
そして琴葉姫さんとマールーシャが……落ち着け←」
柊「ドーピングコンソメスープ懐かしいですね←
ヒェエ……めっちゃ褒めてくれますやん……照れるぅ……」
今剣「あちらのぼくは、しゅぎょうへいかなかったからこそ、よけいにくちをだせなかったのだとおもいます。あるじさまへのざいあくかん。
それに……ぼくもおなじじょうきょうになったら、おなじせんたくをするとおもいます。
おそらくですが、山姥切長義さんのうつくしさにくるってしまったのかもしれませんね。三日月にくるうみたいに……」
ナワーブ「危険、と言ってもあの時にできることなんざそれくらいだったしな。それに俺は頑丈な方なんで無理ではないだろうとおも」
リッパー「それで左肩、右足やられててはねぇ?(笑)」
ナワーブ「は??????」
柊「ちなみに鼻歌はマジでゲーム上でしてますよ←」
リッパー「マールーシャさん、お褒めいただき光栄です。レディ琴葉姫も、ありがとうございます」
柊「金的はわりと最初の段階で決まっていたり←
(ありがとうございます……今回はそうします……←)」
ナワーブ「ま、中には粛々とそれを受け入れたり、刀剣男士に自ら話して厳しい説教を受けた奴もいたらしい。そういう奴らは基本的に軽い罰になったようだが、あいつらはそこそこ重い罰になったようだ。
……俺なんかが良い主になれるかどうか分からんが、努力はするさ。
……カッコいい……あー、その……ありがとう(小声&赤面)」
柊「ヤベー人です←
そしてこれからの展開がTwitter通りになるか分かりません(予定外のところに着地することが多い奴)←」
天悪さん
コメントありがとうございます! お気になさらず! むしろご自分を大切にしてください←
クリスマスベゴニア「可愛いと言っていただけて、とっても嬉しいのです!
おしりたんてい(表)さまも、ありがとうございます!」
亀甲「……ここだけの話、あのりぼんはクリスマスベゴニアさんのために用意したりぼんなんだ。いきなり縄だと怖いかもしれないからね。
どうせやるならば、お互いに楽しいと思えないと、ね。
僕はそこに愛さえあれば、どんな愛だって受け入れるよ。痛くても、痛くなくても。……まあ、痛い方が……フフッ(小声)」
クリスマスベゴニア「? 亀甲さま?」
亀甲「ああ、何でもないよクリスマスベゴニアさん」
クリスマスベゴニア「はいっ! 天悪さまもありがとうございます、わたくしは亀甲さまと一緒なら……どんな世界にだって堕ちてもいいと思っているのです。
だから、亀甲さまの隣にいること。それが、わたくしの幸せなのです!」
青江「ニコーミ・ウ・ドーン軍団……許せないよねぇ。如月(艦これ)さんにまで手を出すなんて……まあこれエイプリルフールなんだけどね(しれっ)」
如月(艦これ)「うふふ、ラグナス(表)さんと青江さんならきっと讃岐うどんが守れるわね」
アヴィケブロン「……バナナみたいな髪だろうか?」
立香「(言われてみればそう見える……)」
長谷部「お前らの好きな人と言ったら金剛!!」
立香「恥ずかしげなさすぎませんか!?」
ビーフステーキ「なんだと……!? 魚だったのか……!!」
六花「大丈夫大丈夫、ちょっぴりだけオゥェップ」
マシュ「ちょっぴりではなさそうです!!」
武蔵(艦これ)「かっこいい、か。ありがたいな。サトシ(表)よ、良ければ一緒に鍛えるか?」
マンドリカルド「(止めた方がいいのは分かってるのに、サトシ(表)なら大丈夫な気がして……!!)」
ハスター「ふむ、全て言うが良い。全て聞き流してやろう」
ジョゼフ「あくまで聞き流すんだね」
柊「絶妙に合ってるのがまた何とも言い難いですよね←」
圭一「なるほど……つまり水戸黄門の格さんと助さんはそういう役割だったんだな……!!」
彰人「ちげぇと思うぞ」
鶴丸「一期に聞いたところ、『すとろーを箸のように使えば食べられるかと思い……できなければすぷーんに入れようかと』とのこと。
ちょっと厳しいと思ったが、あえてつっこまないでおいたぞ」
加州「何となく覚えてたんだよね、それだけ……うん……」
一期「所持金ギリギリだったもので……(´・ω・`)」
薬研「ついでに言うとその財布、間違えて持っていった俺の財布なんだぜ」
一期「すまなかった……(´・ω・`)」
村雲、マンドリカルド(こくこくこくこく)←同意の頷き
光忠「せめてっ……せめてあんな名前にはしないであげてね!?」
葉隠「的は射てるべ」
ナワーブ「なあ?」
光忠「いろいろ問題だけどね!?」
瑞希「でしょでしょー? まあボクにはいないんだけどさ。……サタン(表)さん、アルル(表)さんから否定されてるよー?」
苗木「うん……なんとか誘導して、バニラエッセンスを買わせたよ……」
いたる「んー、ちがうー?」
苗木「うん……ちょっと、間違えちゃったね……」
KAITO「ユリーカ(裏)さんはエスパーなのかな……? めーちゃんやミクたちが毛布かけてくれたりしたんだ」
ルイージ「起きた後、改めてコーヒーも淹れ直したよ」
柊「そのコメント見てから調べたところ、まだ食霊のムニエルはいませんでしたね……FGOムニエルは、天使だった……???」
杏「落ち着いて、違うから!」
誠「いいぜ!! ところでシャミ子(表)、可愛いなぁ……俺といっp」
柊「自 主 規 制」(ラリアット)
誠「グボぉっ!」
柊「実はイソミク意識しました←」
陸奥守「おまん……」
ムニエル(FGO)「ヒャッホォオオオオオオ譲ってもダメだったか……!!」
ストレプトカーパス「語呂はいいね!?」
柊「ほんとそれな。でも邪道ではありますね!」
ストレプトカーパス「時刻表アタックもそうだけど時刻表使う意味ないじゃないか!?」
ベオウルフ「おっ、じゃあ拳で語るか?」
柊「相手人間ですベオウルフさん!!(焦)」
苗木「(でも正直、渡り合えそうな気はするなぁ……)」
葉隠「なるほど、ミュウミュウだべか!!」
ノートン「終わりを加速させないで」
桑名「何かあれば僕が相談に乗るよぉ。とりあえずまずはこれを読んでみてね」(初心者向け畑マニュアルを渡す)
豪炎寺「本格的に勧めないでください」
悟史「ぎっ、銀行強盗!?」
円堂「商人としてかぁ……! 凄いですね、文録(表)さん!」
類「円堂くん、そこではないと思うよ」
えむ「えっ、そうなの!? 大発見だね!!」
司「ヘビがドラゴンに進化するわけないだろう!!!!」
獅子王「別の日に言ったら現代っぽかったから多分言い間違え……いやどうなんだ……???」
むつみ「あらあら、ここにも勘違いなさった子が一人……ふふ、可愛らしいですね」
織田(文アル)「むつみはん、面白そうな顔せんといてな???」
マイク「まあでもわりと圭一は似合う気がするよ、原作的な意味で←」
柊「メタい」
大包平「当然だ。この!! 俺が!!! 宝石より劣るはずはない!!!!
そちらのルルー(裏)も、同様の価値があるということか……面白い!!!!!!」
鶯丸「いや本当にな」(笑いを堪えて小刻みに震えてる)
南泉「そっちはそっちでお疲れだ……にゃ。こっちは悪意が全くねえ分、にゃあ……」
柊「マ ジ で す か」
染岡「あーそれも言ってたなあいつ……人生で役に立つことのない知識なのに頭から離れねえ……」
ルキノ「できるんじゃないのか? 知らないが」
花村(弾丸2)「そ、そこで失敗さえしなければ大丈夫だよ! ……た、多分」
ルキノ「カッコいいだろうか????」
柊「多分←」
トレイシー「大丈夫だよ! かちゅぜ、かつぜちゅ、きゃちゅ……か! つ! ぜ! つ! が悪くても生きていける!!」
ルカ(第五)「おー頑張った頑張った」
陽介「グリズリーではねーよ!? グリズリー(表)さんでもねーよ!?」
和泉守(にょた)「そうそう! 後、霜柱とかで遊ぶこともねえよな!!」(そわそわ)
和泉守「ほんと女の俺は末っ子気質だな」
和泉「少し複雑だ……」
ノートン「別にいいんじゃない? 望むだけ望んだって罰は当たらないよ。….きっとね」
一期「おお、素晴らしいですな!」
ジョーカー(第五)「多分こいつらにしか分からんだろうな……」
御手杵「ちなみに全員同じ駅から乗ったんだぜ!(`・ω・´)」
ピアソン「さ、さすがに、金額はバラバラだったが」
完二「御手杵さんが一円足らずだったのは思わずテンション上がったぜ」
KAITO「本当にね……思わずね……」
皆様、コメントありがとうございました!
それでは!
- Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.390 )
- 日時: 2021/05/13 21:00
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: Vy4rdxnQ)
扉問答
「じゃあまた明日ね!」
「うん!」
小豆沢こはねは杏に手を振り、家路に着く。すっかり遅くなってしまって、空はもう真っ黒だ。一応連絡はしてあるが、あまり遅いと両親に心配させてしまう。
自然と早足になりながら、こはねは歩いていた。すると、曲がり角からよろよろとした男性が出てきてお互いに避ける暇もなくぶつかってしまう。こはねも男性も尻餅をついてしまった。
「いたた……」
すぐに謝ろうと顔を上げる。男性も顔を上げていて、彼が先に口を開いた。
「す、すみません! ボーッとしていて……大丈夫ですか?」
「い、いえ、こちらこそごめんなさいっ」
「いえいえ」
「いえいえいえ」
お互いに頭を下げる。日本人にはごく稀によくある光景である。適当なところでお互い切り上げ、本当にすみません、と口にしてからその場を後にした。
少し離れた頃だろうか。こはねは突然ぐらりと眩暈を覚えた。どうしたのだろう、そう思いながら一度立ち止まる。だが眩暈は回復するどころか酷くなっていく。とうとう立っていられないほどになり、こはねは座り込んだ。
目の前がぽつ、ぽつと黒くなっていく。こはねはそれに対抗する術を持たず、可能性の意識はそこで途切れた。
こはねと少し離れた彼はふぅとため息を吐いて肩を揉んだ。
ここ最近、妙に肩が重い。ありとあらゆる原因を疑い、ありとあらゆる場所へ赴いた。しかしどこでも原因不明と言った結果しか出ず、友人たちの伝でかなり評判のいい医者にかかっても困った顔で何の異常も見られないと言われたのだ。
娘、息子や妻にも心配をかけて、仕事にも身が入らない。そのせいでさっき、小柄な少女にもぶつかってしまって。困ったとまたため息を吐いた時だった。
「……あれ?」
肩を回す。肩が軽い。あれだけ自分を悩ませていた肩の重さはいつの間にかすっかり消えていた。
一体何故、と首を傾げるがそれ以上に久々の軽さで気分も軽くなっていく。まるで体が軽くなったように、彼は少し早足で帰路に着いていく。
こはねがどうなっているかなんて、彼は知らないままに。
- Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.391 )
- 日時: 2021/05/13 21:06
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: Vy4rdxnQ)
「っん……」
ゆっくりと目を開く。辺りを見渡し、ここは、と呟いた。
三人と別れたところまでは覚えている。けれど……道を歩いていたら人とぶつかり、その後の記憶がない。
今分かること、それは。
「ここ、どこなんだろう……?」
自分はどこかに連れ去られてしまったということだけだった。今いるのはがらんとした広い広い家のような場所。ような、というのはいくつかの柱と何かが乗った小さな机以外は、何なら部屋も見当たらない。とにかく広い部屋なのだ。
引き戸越しに見える外はすでに暗く、月明かりだけがその部屋を照らしていた。そのせいで奥は暗く、この状況も加えて恐怖を煽る。
ここはどこなのか、お父さんとお母さんが心配してしまう、など考えているとコンコン、と引き戸が音を立てた。
「もし、もし。そこのお人。私は旅の者です。
どうかどうか、この戸をお開けになり、私を泊めてはいただけませんか」
……いつものこはねなら、何の疑いもなく開けてしまうだろう。開けなくても、「私はここの家の人間じゃありません」と素直に打ち明けていたかもしれない。けれど、今のこはねはそんな余裕はなかった。顔は今にも倒れそうなほど青くなり、引き戸を見ている。
そう。『影すらない引き戸』を。
「っ……!!」
「開けてください。開けてください。開けてください開けてください開けてくださいください開けてください開けて開けて開けて開けてあけてあけてててあけあけあひあひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひはひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ」
「ひっ……!!」
「あな口惜しや、口惜しや……」
どこか笑っているようなその声と同時に、一度だけドン! と大きな音を立て、それはいなくなったようだ。
早く逃げなくてはと思うのに、体は震えて力は出ず、それ以上にまだ『あれ』が外にいたらと思うと、出ようと言う気にはなれなかった。
結局、その日、こはねは長い間震え続け、気絶するように眠って意識が途絶えたのは、外がほんのり明るくなってからだった。
『人間』が、自分の縄張りで倒れている。これで何度目だろう。全く、人間は理解し難い。軽い気持ちで自ら危険な目に遭おうとするのだから。そのくせ、実際危険な目に遭うと怯え、泣き喚きながら助けてくれと叫ぶのだ。そろそろいい加減、人間は学ぶべきである。
倒れている人間を叩く。しかし起きやしない。何だったら噛んでやろうか。そう思って口を開く。
「ダメだよ。その子は好きでここに来たわけじゃないんだ」
声がする。なんて言っているかは分からないが、この声は少し前にここに『置き去られた』人間である。口を軽く塞がれたので、多分噛むなということなんだろう。
この人間に免じて、倒れている人間を噛むのはやめてやった。有り難く思って欲しい。
「ありがとう」
起きてる方の人間が微笑む。オボーサマといたから分かる。これは威嚇じゃなくて優しい気持ちなのだ。
しかし、この人間……ややこしくなってきた。元からいた人間を白い人間、ここで寝てる人間はどうやら人間の雌らしいので人間の雌としよう。人間の雌は目を覚ます気配が全くない。よく見ると顔色が悪いようにも感じた。
そして、『何だか悪いものがぐるぐると人間の雌を取り巻いている』。これは嫌いだ。何となく思う。
「……何か食べさせてあげなくちゃ。頼める?」
白い人間が前足を差し出してくる。その不思議な形の前足にこちらも前足を乗せてやる。ちょっとだけ、桃色の花びらが舞った。
「ありがとう。……『あれ』に気付かれてなければいいんだけど……。
キミはこの子の側にいてあげて。今は昼間だから、『彼ら』は彼女を害することはできないと思うけど、念のために」
とんとんと人間の雌の側を軽く叩く。多分、この人間の雌の側にいてほしいということなんだろう。数回外を案内してやってから、人間がここにやって来ると必ずこうだ。散歩の気分だったと言うのに。
仕方ない。いてやろう。一声鳴けば白い人間は笑った。
白い人間が出て行く。人間の雌の側で丸くなる。散歩日和なのに散歩には行けないが、昼寝日和でもあるので昼寝しよう。それくらいは許されるべきである。
- Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.392 )
- 日時: 2021/05/13 21:11
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: Vy4rdxnQ)
ふと。こはねは目を覚ました。ずいぶんと長いこと気を失っていたらしい。外はもう黒に染まりつつあった。
「あ……!」
すぐに帰らなくては。そう思って跳ねるように起きる。
「に゛っ!!」
「え!?」
思わぬ声にそちらを見る。そこにいたのは……。
「しゃーっ!!」
「ね、猫……?」
こちらに思い切り怒っている、白い猫であった。白い猫は赤い前掛けをしていて、何だか丸っこい。怒っているせいで毛が逆立っているのもあるだろうが、元々丸いようだ。
……もしかして、自分が気を失っている間に側で寝ていたのだろうか。
「ご、ごめんね、いきなり起き上がって……」
「にゃーっ!!」
「ご、ごめんね、ごめんね……!!」
しばらく猫に謝っていると、気が済んだのか猫はその場に丸まった。外を見る。……あのやりとりで完全に陽は落ちてしまったらしい。暗い中、外に出る気にもなれない。
すぐに帰らなくてはいけないというのは理解しているが……昨夜のことを思い出す。もし『あれ』と出会ってしまったら。そうなったらどうなるか分からない。
ぶるりと体を震わせ、体を抱える。そもそも、昨日は偶然助かっただけかもしれない。今日は入ってくるかもしれない。そんな不安が次々とこはねを襲う。じわりと涙が滲む。
ふわりとした感覚。驚いてそちらを向けば、猫が頭をぐりぐりと押し付けている。
「……慰めてくれてるの……?」
「にゃあ」
「ふふ……ありがとう、白猫さん」
猫の頭を撫でる。少しだけほっとした。そして……漸く気が付いた。少し離れたところに、何かがある。
恐る恐る近づいてみれば、それは複数個の桃。その側には手紙と、短刀が。
『よかったら、食べてください。貴方を害する物は入っていません。』
たったそれだけの手紙。正直、この状況では怪しく見える。でも……何故かこはねはこの手紙の主を疑う気にはなれなかった。
少し悩むこはねの背中を押すかのように、こはねのお腹が控えめに鳴る。……そういえば何も食べていないのだった。勇気を出して桃を一つ取る。甘い香りがこはねを誘う。
皮を剥き、一口齧った。甘い果汁と果肉がこはねの口内に広がる。心なしか、体も軽くなったように思える。あっという間に一つを食べ終え、もう一つ、もう一つと食べれば桃は無くなった。
どうせなら眠れればよかったけれど、流石にそれは叶わない。しばらく猫と戯れる。と言っても一方的に撫でているだけだが……猫はそれを受け入れていた。猫に癒されながら、眠気を待っていた。
──コンコン。
「えっ?」
「すみません、警察です。こちらに行方不明者がいるとの情報があって来ました。開けていただけますか?」
「!!」
警察。きっと両親たちが探してくれたんだ。そう考え、こはねはすぐに立ち上がろうとした。
カタリ。そんな音がして、不思議とそちらへ視線が移る。
あの短刀が、一人でに震えていたのだ。
「ひっ!?」
「大丈夫ですか? 早く開けてください」
「っは」
「ふしゃーっ!!」
「え……?」
猫が外に向かって威嚇し始めた。短刀も震えて、こはねは混乱しきっていた。だから引き戸を開けることもなかったのだが……ふと、気が付く。
……中の騒動は聞こえているはず。引き戸だって、鍵はかかっていない。なのに、どうして入ってこないのだろう。仕切りに、開けて欲しいと言うだけだ。
「……」
ぞわりと、寒気が体を駆け巡る。まさか、もしかして。
「ひ、ひひ」
「!!」
「ひひひひひひヒひひひひひヒヒひひひひひひヒひヒヒひ……ああ、ああ……!! あな口惜しや……!!」
「っ!!」
「忌々しい、忌々しいぃいいいいいいいいいいいイイイいいイいいいいいい……!!」
ガリ、ガリと引っ掻くような音が聞こえる。こはねは動けない。
「次こそ、次こそ喰ろうてやろうぞ、小娘ぇええええ……!!」
「〜っ!!」
そんな恨みがましい声が聞こえて。こはねは、意識を手放した。
こはねが目を覚ますと、外はすでに暗くなっている。そんな日が何日も続いた。食料は目が覚めると置いてある複数個の桃のみ。そして夜にはあの何かが様々な人間を騙って引き戸の向こうから声をかけてきた。
ある日は友人、ある日は親戚、ある日は親。何度も騙されかけ、その度にあの短刀が震え、猫が威嚇してくれたから気付けた。最初は怖がってしまったけれど、今ではあの短刀が震える時、猫が威嚇する時は外にいるのは得体の知れない何かなのだと分かっていた。だから夜になれば短刀を持ち、猫が側にいてくれることで安心していた。
けれど心の奥に根を張った恐怖はそう簡単に拭える物ではない。今日も恐怖と不安に震えながらその時を待つしかなかった。
「こはね」
「……えっ……?」
この声は。引き戸を見る。その影は、こはねの親友とも相棒とも呼べる少女。
「こはね、いるの!?」
「……杏ちゃん……?」
「良かった、無事!? ねえ、すぐに開けて!! こはね!!」
「っ……杏、ちゃ……」
立ち上がり、吸い込まれるように引き戸へ手を伸ばして……。
「しゃーっ!!」
「えっ?」
猫が、今までにないほど引き戸の向こうの影に威嚇していて、短刀も同じように今までにないほど震えている。ダメだと。絶対に行ってはいけないと言っているように感じられた。
どうして、と考えているとまた声がした。
「こはね? どうしたの? ねえ、早く開けて」
ふと、違和感に気が付いた。こちらに、開けさせようとしている。まるで、あれ、みたいで。
「……あ、杏、ちゃん。わ、私、今、足を怪我してて。だから、開けてほしいな」
「……小豆沢」
「!!」
今度は彰人。影も二つに増えた。
「そんなに距離はないはずだろ? 大丈夫だって、開けてくれ」
「っ……」
「小豆沢」
今度は、冬弥。影が三つに増える。
「小豆沢。開けてくれ」
「開けて、こはね」
「開けてくれ、小豆沢」
「開けて」
「開けて」
「開けて」
「開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けて開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろ開けろぉお゛オ゛おおお゛おぉおおおおおお!!!!!!!!!」
「っ……!!」
「しゃーっ!! しゃーっ!!」
「忌々しいっ、忌々しイ猫めが!! 忌々しい忌々しい忌々シい!! おのれ、おのレおのれ!! いずれそノ小娘を貴様の目の前で喰ろうてやる……!!」
恐ろしい声に、こはねは震えるしかできない。猫は声に対して威嚇をやめなかった。こはねを守るように、ずっと威嚇を続けていた。
そして、こはねは今回も抗えずに、気を失ってしまった。
- Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.393 )
- 日時: 2021/05/13 21:16
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: Vy4rdxnQ)
あれから一体、何日過ぎただろう。目を覚ますのは決まって夜に近い夕暮れ。食料は誰かが採ってきてくれる桃のみで、夜になれば『あれ』に怯えてばかり。
こはねの精神はもう限界に近づいていた。誰も来てくれない。誰も気付いていないのだろうか。こんなことならいっそ……そんな思いが渦巻いていく。その思いに拍車をかけたのが、猫がぐったりとしてきたことだ。今のこはねには猫を撫で、少しだけ労ってやることしかできない。それが、辛かった。
その日も、また夕暮れに目が覚める。桃も少なくなってきた。今日もまた耐えなくてはならない、そう思って涙が浮かぶ。
「…………!」
「…………!」
何やら、声が聞こえる。けれどあの声ではない。
「…………ね…………こは…………!!」
自分の名前。この声は。またあれが騙そうとしているのかもしれない。……でも、時間が早すぎる。
足元に何かが触れる。見れば、猫が頭を押しつけている。まるで、大丈夫、行って、と言うように。短刀も、震えてはいない。
「こは……!! こはねーっ!!」
「小豆沢、どこだ!?」
「いたら返事をしてくれ、小豆沢!」
「!! 杏ちゃん……東雲くん……青柳くん……!」
三人の声が、はっきり聞こえる。けれど、少しずつまた遠ざかってしまう。
ここで勇気を出さなければ、二度と会えないかもしれない。こはねは、口を開いた。
「杏ちゃんっ、東雲くんっ、青柳くんっ……!!
ここだよーっ……!!」
「!! こはねっ……!?」
足音が近づいてくる。三つの影が、駆け寄ってくる。
引き戸が、開かれる。
「こはねっ!!」
「杏ちゃん……」
目の前にいる、三人の少年少女。それは間違いなく、こはねのチームメイトで……。
立ち上がる。ふらふらと歩み寄る。それを、杏が抱きしめながら支えてくれた。
「こはね……!!」
「杏、ちゃんっ……!!」
「良かった、良かった、生きてて……!! 本当にっ……良かったぁ……!!」
「っ、杏ちゃ、杏ちゃんっ……!!」
その温もりに、とうとう涙が溢れる。彰人と冬弥も安心したように微笑んでいた。後ろに黒いスーツの男たちがいたが、誰も気にせずに再会を喜んだ。
「ぐすっ……さ、帰ろ、こはね! こはねのお父さんとお母さんも心配してるし!」
「うんっ……あ、でも待って、猫さんが……」
「猫?」
一度杏から離れて、ぐったりとし続けている猫を抱え、短刀を持つ。
「この子たちが、ずっと守ってくれてたの……」
「そっか……じゃあ帰ったら、動物病院にも連れて行こっか」
「うん!」
「……? 小豆沢、その猫は……」
冬弥が何かを言いかけた時だった。
「あはははハハはははははハハハはハハはははははははは!!」
「っ!?」
「な、なんだ!?」
「あ、ああ!」
全員の視線が、こはねの見ている方向へ向かう。
そこには、人間の手足が生えている黒い『何か』がいた。手足は痩せ細り、爪は伸びており、その黒いモヤには裂けた口とぎょろりとした目がいくつもある。蜘蛛のように木にぶら下がった『それ』はいくつかの目でこはねを嬉しそうに、いくつかの目で猫を忌々しそうに睨んでいた。
「ようやく!! ようやく喰らえる!! あア、ああ、なんと美味そウな!!」
「ひっ……!!」
「な、何あれ……」
「皆さん、お下がりを!」
黒いスーツの男たちが札を構える。しかし『それ』は気にすることもなく、男たちをあっさり返り討ちにしてこはねたちに勢いよく迫ってきた。その裂けた口が大きく開かれる。
「こはね!!」
「小豆沢!!」
杏がこはねの前に、その杏の前に彰人と冬弥が立ち塞がる。
こはねの腕の中にいた猫が暴れ出した。猫はこはねの腕の中から飛び出し、『それ』に噛み付いた。
「ぐォっ!?」
「フーッ!!」
「くっ……忌々しイぞ、猫めがァああ!!」
『それ』の腕が猫を殴り飛ばす。に゛っ、と短い悲鳴を上げて猫が地面へ叩きつけられた。
「猫さん!!」
「シね、猫め!!」
足が上げられる。彰人と冬弥が駆け出すが、間に合わない。
──ごめんね。
「っ!? あぁぁっ!?」
「こはねっ!?」
力が急速に抜けていく。膝から崩れ落ちる。それとほぼ同時に、桜の花弁が、一つ。花弁が、目も開けられないほどの光を放った。
「ぎぃいイいいいいイイいいイいいいいっ!?」
「えっ!?」
やっと目を開けられるようになった頃に、目を開ければ。猫と足が斬られた『怪異』の間に立つ、一人の少年。
こはねたちは、彼のことを知っている。
「実体が出てきたなら、もうこっちのものだよ」
彼は。
刀剣男士、日向正宗。
「な、ァ゛ッ、き、さま、刀の、付喪カぁッ!」
「ああ。……今まで、この子の霊力で一時的にしか顕現できなかったけれど……今は違う。
僕は、君を倒せる力がある」
「ホザけぇえエエええええエえエエえ!!」
怪異が彼に飛びかかる。危ないと思わず口に出た。
けれどむしろ彼も飛び込み……怪異の懐への潜り込んだ。
「懐に飛び込めば、こっちのもの!!」
一閃。怪異が斬られる。しかし日向は何度も斬りつける。逃しはしない、ここで仕留めると言わんばかりに。
怪異が逃げようとしてもそちらに回り込む。終始、有利に立ち回っていた。
「ぎ、ィい、」
「これで、終わらせる!」
また一閃。それがトドメとなり、怪異は消え去った。
ふぅ、と一息吐いた彼は本体を鞘に収め、こはねたちの方へ振り返り、微笑んだ。
「もう大丈夫だよ」
そう聞いた途端、杏もへたり込んでしまった。冬弥が猫を抱えてくる。
「良かっ、た……」
「猫がだいぶ弱っているな。……早く病院へ連れて行ってやりたいが……雑種なんだろうか……」
「まあこんなところにいるくらいだし、雑種だろ」
「……なるほど。雑種にもいろいろ種類があるのは知っていたが、尻尾が二つある種類もいるのか」
「は? いや、尻尾が二つ……?」
思わず全員が猫を見る。……確かに、尻尾が二本生えている。いつもは暗かったからよく分からなかった。
「わぁ……珍しい猫さんだったんだね」
「だな」
「いや珍しい以前の問題だろ!!」
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