二次創作小説(新・総合)
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- 綴られし日々-作者とキャラの日常-
- 日時: 2022/11/28 20:05
- 名前: 柊 (ID: y98v9vkI)
ついに手を出してしまいました、日常系…!!
注意事項
・クロスオーバー
・クロスオーバーCPあり
・キャラ×オリキャラ、オリキャラ×キャラもあるかもしれない
・当方独自設定あり。矛盾することもあるかもしれない
・キャラ崩壊あり
・キャラの裸族化、不憫化などもあり
・作者が夢女子でもあるので夢っぽい要素(キャラ←←作者)が出てくる。テンションがおかしくなったら大変なことになるので注意
・時々シリアスもあり
・時々キャラ掴めてないかもしれない
・荒らしなどはご遠慮ください。
※スマブラに関して
原作をプレイしていないキャラクターが多々いるためキャラの設定が公式設定と矛盾する可能性大(一応調べます…)
こんな感じの注意事項で『大丈夫だ、問題ない』な方はどうぞお楽しみください!
そうでない方は注意してくださいませ。
タグ
スマブラ、刀剣乱舞、艦これ、アズールレーン、フラワーナイトガール、戦艦少女R、文豪とアルケミスト、しんけん!!、夢王国と眠れる100人の王子様、茜さすセカイでキミと詠う、オトメ勇者、フードファンタジー 、Fate/Grand Order、ポケットモンスター、ボーカロイド、Identity_V、ダンガンロンパシリーズ、School Days
目次
『始まりの158』 >>1-3
『魔法少女騒動〜少女とは言ってない〜』 >>6-9
『小さなお宿-前編-』 >>15-20
『小さなお宿-後編-』 >>21-28
『甘くて美味しい果実』 >>29-35
『うちの長曽祢さんがこんなにも可愛い!!〜ただの主張だ気にするな〜』 >>36-40
『虎と春』 >>46-57
『たまにはきちんと歓迎会を!』>>58-63
『信頼した結果-1-』 >>69-75
『信頼した結果-2-』 >>79-85
『信頼した結果-3-』 >>86-92
一振り目と二振り目の呼び方一覧 >>93
『桜よ、彼女を攫わないで』 >>94-96
『バグにも種類がありまして!?』 >>97-101
『恋に落ちないなんてできなくて』 >>105-111
『練習、裸族講座!』 >>112-116
『悪魔の城は崩れない』 >>121-126
『悪魔の城は崩れ始める』 >>136-140 ※140はおまけになります
『悪魔の城は崩壊す』 >>148-155
∟闇の御子の情報 >>156
『VS闇の御子』 >>160-163
∟厄除けの宝玉の情報 >>164
『赤ずきん☆ラグナス』 >>167-171 ※天悪さんとのコラボ!
『赤い花騎士と銀の騎士』 >>178-179
『私が教えるよ』 >>182-184
『コピペSS』 >>185-186
『癒しとカオスと歓迎会』 >>190-197
『六月の花嫁たち』 >>202-209
『七夕は奇跡に染まり』 >>214-217 ※天悪さんとのコラボ!
『お嬢様()な交流会』 >>221-224 ※天悪さん、琴葉姫さんとのコラボ!
『緊急特番()!刀剣乱舞の大盤振る舞い』 >>229-233
『忍び寄るは光の信者』 >>239-244
『南の島、砂浜騒動!?』 >>248-252
『子どもビーチは危険がいっぱい!〜王様は保護者〜』 >>259-263
『私たちは、きっと。』 >>270-274
『解き明かせ、真実! 1』 >>281-286 ※286はおまけです
『解き明かせ、真実! 2』 >>291-297
『解き明かせ、真実! 3』 >>300-304
『VS神殺しの蟲』 >>307-313
∟神殺しの蟲情報 >>314
『出会いは夢の中にて(第一印象は考えないものとする)』 >>317-321
『ちびノブのお仕事!』 >>324-328
『【柊「空を見上げて『バカな…早すぎる…』ってつぶやいたら」】 >>334-335
『新年は新ジャンルと共に!』 >>340-346
『甘い束縛』 >>352-353
『メンヘラマネジメント』 >>356-358
『にっかりファンタジーUDON』 >>362
『コピペSS、おかわり!』 >>363-365
『手を振り解かれ、手を取って。』 >>369-374
『それぞれの決意と忠義』 >>378-383
『扉問答』 >>390-394
∟ねこじぞーの情報 >>395
『水無月祭の出会い』 >>401-403
『コピペSS、もういっちょ!』 >>408-410
『Real or Dream』 >>411-417
『幼児化☆パニック!』 >>422-428
『似てない二人』 >>434-436
『凄惨なる宴』 >>441-446
『雪の別離』 >>449-452
『年末だ!コピペSS!』 >>453-455
『新たな邂逅』 >>458-462
『決戦前〜医師の罪〜』 >>465-468
『決戦前〜泥棒の偽善〜』 >>469-471
『決戦前〜弁護士の覚悟〜』 >>474-477
※477はおまけです
『決戦前〜庭師の想い〜』 >>480-483
『エイプリルフールで嘘予告SS』 >>486
『決戦前〜学生組の会議!〜』 >>487-489
『レオ・ベイカー奪還戦・1』 >>497-500
『レオ・ベイカー奪還戦・2』 >>504-507
『レオ・ベイカー奪還戦・終』 >>511-514
『やっとできるね! 歓迎会』 >>517-522
『異世界にて、恋に出会う』 >>525-527
『コピペSS、いつつめ!』 >>530-532
『オリキャラご紹介その1』 >>535
『いっそ『大嫌いだ』と思えたら』 >>536-543
※543はおまけです
『困りごとはきっかけ』 >>546-548
『本気になったのはどちらだったのか』 >>549-550
- Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.409 )
- 日時: 2021/08/09 20:10
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: bD140njr)
ロビー「羊が一匹…羊が二匹…」
リン「眠れないの?」
ロビー「うん…、でも眠くなってきたぁ……」
リン「狼が一匹…狼が二匹…」
ロビー「えっ」
リン「羊が二匹…羊が一匹…羊が0匹…」
ロビー「ねえ!!!可哀想だよ!!!やめてよ!!!!」
瑞希「激おこぷんぷん丸」←あざとい
暁(艦これ)「激おこぷんぷん丸」←可愛い
サムス「激おこぷんぷん丸」←危険
イドーラ「激おこぷんぷん丸」←世界の終わり
リシアンサス:オオカミさんはきっと寂しかったんです…。藁の家が吹き飛んだ時に小ブタさんたちが笑顔で『凄い肺活量です!』と拍手して近寄っていけばハッピーエンドになったはずです…!
志歩「DVDプレイヤーのディスクトレイが永遠に伸び続けるっていう悪夢を見た」
圭一:バスを待ってた時、男がものすごく凶悪な目つきで電話をしてて、正直怖かったんだけど、「うるさい」とか「黙れ」とか言ってるのにビクビクしてたら、その後に「俺だって水族館に行きたくて仕方なかったんだ!」とか言い出して三度見した。
雪風(艦これ):「咲いた♪咲いた♪チューリップの花が♪並んだ♪並んだ♪赤・白・黄色♪」は、花言葉にすると「告白→失恋→かなわぬ恋」だと大般若さんから聞いて、大般若さんもチューリップも見たくなくなりました。
エドガー:確かに夕立(艦これ)に絵心は全くないけど、鶏を描いてと言った時に足を4本つけた時は絵心以前の問題だと思ったよ。
ピンポーン
ルカ(第五)「誰だ?」
左右田「荷物か?」
ルカ(第五)「出てくる」
左右田「話し込んでたけど誰だったんだ?」
ルカ(第五)「宗教の勧誘」
左右田「宗教の勧誘」
ルカ(第五)「興味ないとやんわり断ったんだがしつこかったから『お前の信じる神に今すぐ会わせてやろうか』と言ったら帰ったぞ」
【もし同性から告白されたら】
小狐丸:「申し訳ありませんが…」←丁寧
ガンジ:「無理だ」←男らしい
冬弥:「気持ちだけもらっておく」←優しい
村雲:「雨さんが断るから…」
>>雨さんが断るから<<
ランタナ「ご飯だー!!」
エミヤ「待ちなさいランタナ、まずはこれだろう?」
胸の前で手を合わせるエミヤ
ランタナ「あ、そうだった!」
ランタナも手を合わせ
ランタナ「錬金術!!」
エミヤ「違う」
柊:下り坂を駆け下りて来たウィリアムとナワーブが「なあぁぁぁぁぁぁなわぁあーぶぅぅぅぅぅぅぅう!!」「なぁぁぁんだぁぁぁぁぁぁ!!!」と互いに叫び合い立ち止まれないまま走り去って行った。
アンゼリカ:絨毯にカレーをこぼした時、水で拭いてませんか?綺麗に落ちませんよね?これ驚く人が多いんですが、あえてブラックコーヒーで拭いてみてください。どうですか?落ちませんよね?余計汚れましたよね?OK、いいじゃないですかどうせ落ちないんですよ。踊って忘れましょう!ミュージックスタート!
ベロニカ:フフ…上の口ではそう言っても、右の人は正直ね…
柊:誰??????
【算数】レオさんは1個70円のりんごと1個30円のみかんを握り潰してこう言いました。
「次はお前がこうなる番だ」
- Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.410 )
- 日時: 2021/08/09 20:16
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: bD140njr)
長曽祢:唐突に主が手を叩いたから集合かと思い全員が集まったら「え?」という顔をされた。蚊を潰しただけだった。
ナワーブ:ソファで寝てたら、清霜(艦これ)と雪風(アズレン)の声。
雪風(アズレン)「ナワーブが寝てるからお医者さんごっこでもするのだ。先生急患なのだ。意識はないのだ!」
清霜「よし、司法解剖にします!黙祷!」
色々と飛ばし過ぎだ
鳴狐(にょた)「遠征から帰ってきたら誰も部屋に居なかったから「全く……いるんでしょ……? 気配で、バレバレ……」とちょっと低めのトーンで言ったら押し入れからマカロン(フーファン)とロビーが出てきてビックリした」
小狐丸「髪が白く長くもふもふで男でぬしさまに毛並みを整えてもらうのが大好きな刀剣男士の中で誰が好きですか?」
誠「
_(:3」 ∠)_ そろそろ起きるか
((└(:3」┌)┘)) よっ ほっ
_(:3」 ∠)_ ・・・
((ヾ(:3ノシヾ)シ)) よっ ほっ
_(:3」 ∠)_ ・・・
(:3[___] ダメな奴だな、おやすみ」
トレイシー:誰か進撃の巨人って知ってる?
マンドリカルド:村雲さん、震源地の巨人って知ってるッスか?
村雲:知らないなぁ…。あっ、苗木くん、信玄の巨塔って何?
苗木:信玄餅の巨峰…???
クーフーリン:伝言ゲームできねえのかお前らは
アキレア:アルトリア(剣オルタ)の『コーヒーに意識があったとしたら牛乳とどの程度混ざるまでコーヒーとしての意識を保てるのだろうな…?』っていう謎の発言が頭から離れねえ
ジョゼフ「ちっ…」
マシュ「舌打ちはよくありませんよ」
ジョゼフ「ちゅっ」
マシュ「よし、です!」
雪子「ねえ、私の作った料理、どうだったかな?」
穂波「私たち友達ですよ」
雪子「あの、料理の味を聞いているんだけど…食べたんだよね?」
穂波「食べました。それでも私たちは友達ですよ」
ウサギゴケ「風が強いの」
始皇帝「朕の方が強い」
半田「マッチいりませんかー」
圭一「ダメだ!もっと自分の商品をアピールするんだ!」
半田「マ、マッチいりませんか!?」
圭一「下向いてちゃ何も伝わらない!もっと大声で出して!!」
半田「マッチいりませんか!!!」
圭一「いらない!!!」
ライアスは激怒した。必ず、かの邪知暴虐のネロを除かねばならぬと決意した。いやぶっちゃけそこまで嫌なわけじゃないんだけど…なんていうか、うん、せめて一言ごめんって言ってほしいみたいなのがあった。
小竜:後ろから叫びながら追いかけてくる人がいて怖くて逃げた。
相手も本気で走ってきてヤバイと思って振り返ると
職質しようと必死な警官だった。
レオ「ピアソンの奴は何階から落としたら死んでくれるんだ?」
ハバネロ「貴方がエマさんのことで彼に怒りを覚えているのは知っているけれど流石に傷付くよ」
レオ「この前奴が三階から落ちたのに無傷だったから言ってるんだ」
ハバネロ「それは私も驚いたよ」
大般若「酔った勢いでグランツに『パンはパンでも食べられないポテトってゴーリラ?』と通信魔法使った」
澤永「一人でヒマだったから右目を押さえて左腕を突き上げて「っく...!うわぁぁぁああああ!」とかやってたら通りがかった輝々と目が合った。そこから不自然なラジオ体操に移行」
コメントOK
- Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.411 )
- 日時: 2021/08/26 21:58
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: 1T0V/L.3)
Real or Dream
──ねえ、『アリスドリーム』って知ってる?
──その名前のまま、アリスになれる夢なの! とっても素敵な夢で、夢の中で望んだことが現実でも叶っちゃうんだって!
──でも、気を付けて? 戻ってこられない人もいるんだって……。
「……はぁぁ……」
ノートンは憂鬱そうにため息を吐いた。原因はその手にある、可愛らしい女の子のぬいぐるみだ。
とある店でやっていたくじ引き。決められた金額ごとに一回引けるくじで、本来なら目もくれないはずのそれに、売れば高額になる品があったのだ。その品は買うだけでも相当高額。当たればとんでもない儲け。
そうしてノートンは一回分だけ、と買い込み、くじ引きができる券を貰ってその列に並んでいたのだが……よりにもよって、目の前でその品を当てられてしまったのである。しかも、最後の一つ。虚無状態で引いた賞品がこれだった。
いらない。心底いらない。首元の水色のリボンに付いている石が本物の宝石ならばそこだけ売れるかもしれないが、くじ引きの、それもぬいぐるみに付ける訳がないし、それ以前にこの石は黒ずんでいる。とても高値が付くとは思えない。
思い切りため息を吐き、屋敷に入っていく。部屋に戻るまでに談話室を横切るのだが、ふと目に入ったナワーブと……彼が頬を引き攣らせながら見ている、今自分の手元にあるぬいぐるみと同じもの(三つもある)を見て談話室へ入っていく。
「ナワーブ」
「ん、ノートンか……ってお前、それ」
「ナワーブも当たったんだ。目当ては……一等の肉かな」
「ぐっ」
やはり。一等は高級そうな肉で、ナワーブが好きそうだなとぼんやり思っていたのだ。……自分以上に引いたんだろうか。
「ほんと、ナワーブって食いしん坊だよね」
「いや違う。俺は食える時に食ってるだけで別に食いしん坊とかじゃなくてだな」
「つまみ食い常習犯が何言っても説得力ないよ」
「うぐっ!」
と言っても毎回バレて説教されたり、食べた分だけ減らされているが。
ぬいぐるみを見る。色こそ違うが、こちらも首元の水色のリボンに石が付いている。どうせ作り物だろうけど。
しかしどうしたものか。ぬいぐるみをどうしようかと悩んでいた時、談話室に誰かが入ってきた。
「こんにちは、ナワーブさん! ノートンさん!」
「ああ、ウッズさんか。こんにちは」
「こんにちはー!」
「こ、こんにちは……」
エマに加え、花騎士のリシアンサス、KAN-SENのユニコーンとプリンツ・オイゲン(アズレン)だった。リシアンサスとユニコーンならまだしも、そこにオイゲン(アズレン)が入るのは珍しい組み合わせだ。それについナワーブが珍しいな、と口に出した。
「エマから花の話を聞いて、少し興味が湧いたのよ。今日も話を聞きにきたら、この子たちとも会ったの。
ところで……二人とも、ずいぶん可愛らしいぬいぐるみを持ってるわね」
「あー……これ?」
「わ! 本当なの!」
「とっても可愛いですね!」
「うん、とっても可愛い……!」
エマ、リシアンサス、ユニコーンがキラキラと輝く目でぬいぐるみを見ている。つい少し吹き出して、ノートンはエマにぬいぐるみを渡す。
「これ、欲しいならあげる」
「えっ、いいの!? ありがとう、ノートンさん!」
「どういたしまして」
わぁあ、と感嘆の声をあげてぬいぐるみを見ている。それを羨ましそうに見ていたユニコーンとリシアンサスにはナワーブがそれぞれ一つずつ渡している。
「お前らにもやるよ。ほら、オイゲン(アズレン)も」
「わぁあ! いいんですか? ありがとうございますっ!」
「あ、ありがとう、ございます……!」
「あら、私にもくれるの? ふふ、ありがとうサベダー」
四人がそれぞれ抱きしめたり、見つめたりして喜んでいるのを見て、まあ悪くないと思いながら談話室を出て部屋に戻っていく。ナワーブもほぼ同時に出て、別の場所に行くようだった。
談話室には四人が残された。
「本当に可愛いぬいぐるみさんなの!」
「ユーちゃんに新しいお友達できて、嬉しい……!」
「私も貰えるとは思わなかったけれど……部屋に飾ろうかしら」
「そういえばこの子たち、まるで『アリス』みたいな服ですね!」
「ああ、何か見覚えがあると思ったら……この石も綺麗ね。多少、黒ずんでるのが残念だけれど」
「磨けば綺麗になりますかね?」
「うーん、どうだろう……」
──ようこそ、アリスたち。
- Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.412 )
- 日時: 2021/08/26 22:07
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: 1T0V/L.3)
「……ん」
ふと。エマは目を覚ました。数回瞬きをしてゆっくり起き上がる。目を擦り、また数回瞬きをして……やっと気が付いた。
「ここ……どこ……?」
周りを見渡す。そこはとても立派な部屋だった。センスの良い調度品、きっちりと並べられた本棚、綺麗に磨かれた床、うっとりしてしまうほど白い柱、大きなシャンデリアに、華美に、けれど上品に赤と金の絨毯。しかし、何故かどこか不気味に感じられる。
エマは、その部屋のソファに座らされていた。ふかふかなそのソファには、ところどころ小さくスペードやハートと言った、トランプで使われるマークが入っている。
エマの目の前のローテーブルを挟んだもう一つのソファには、リシアンサスとユニコーンがくったりと眠っていた。彼女たちの服装は水色と白のエプロンドレス。それはまるで『アリス』のようだった。
「リシアンサスさん! ユニコーンさん!」
「んん……」
「あれ……エマさん……?」
「どうしてお二人とも……あ、あれっ!?」
「こ、ここ、どこ!?」
リシアンサスとユニコーンが目を覚ました。少しだけ寝ぼけていたようだが、すぐにここが自室ではないことに気が付いたらしい。二人ともキョロキョロと部屋を見渡している。
体調が悪くない様子にホッとしつつ、二人に落ち着いてと声をかけた。
「す、すみません、エマさん……」
「エマさん、リシアンサスさん、その服……」
「えっ?」
服、と言われてエマは体を見下ろす。エマも二人と同じく『アリス』のような服を着ていたことにようやく気が付いた。
「ど、どうして……私、寝る時にはパジャマを着て……」
「な、何だか……怖いよ……」
ユニコーンが涙を浮かべ、ぬいぐるみのユーちゃんをぎゅっと抱きしめる。無理もない。普段通り眠ったはずなのに、目が覚めたら見たこともない部屋にいて、服が変えられている。それに恐怖を感じないはずがない。
立ち上がって隣に座り、そっと頭を抱き寄せる。エミリーにしてもらうと安心できることの一つで、そのまま彼女の頭を撫でた。反対からはリシアンサスも彼女の頭を撫でている。
「大丈夫、大丈夫。きっと大丈夫なの」
「そうですよ! 心配しないでください、ユニコーンさん!」
「エマさん……リシアンサスさん……うんっ」
安心したのか、笑顔を見せてくれたユニコーンにこちらも笑顔になる。
コンコン、とノックの音が部屋に転がってきた。びくりと震えた瞬間、こちらの返事も待たずに扉が勢いよく開かれた。
そこにいたのは、様々な可愛らしい動物や体がトランプの兵士たち。彼らは皆一様に陽気に楽器を鳴らして踊りながら、ようこそ、ようこそと口にしている。
「ようこそ、新しいアリス!」
「なんてめでたい日だろう!」
「さあアリス、今日はお祝いだよ!」
「たくさんのごちそうが待ってる!」
彼らは皆、三人を『アリス』と呼び、歓迎している。あまりにあり得ない光景に、ふとリシアンサスが口を開いた。
「もしかして、これって夢なんでしょうか?」
「夢……そっか、だから……」
「じゃ、じゃあユニコーンたち……今、アリスなの?」
「夢でもいいさ! お祝いしようアリス!」
「さあ行こう! 『王様』が待っているよ!」
王様、と聞いて三人は首を傾げた。本来なら『ハートの女王』のはずなのだが……しかしこれは夢と分かっている。それなら違いがあっても不思議じゃない。
三人は軽やかに、踊るように取られた手を引かれてどこかうきうきした気分で部屋を出て行く。なんて素敵な夢なんだろう。覚えていたら、エミリーに教えたいなんて思うくらいに。
「お祝いだ、お祝いだ!」
「とっても素敵なパーティだ!」
「さあ行こう、アリス!」
「アリス!」
「アリス!」
「世界の花嫁!」
どこか。
「んー!! んーっ!!」
ガシャンガシャン。
「んーっ、んー!!」
捕らえられた花嫁は、白いドレスを着せられて、拘束されていた……。
────────────────
「っあ゛ーもう!! 全然資料見つかんない!!」
と、柊が苛立ったように声を上げた。普段ならここまで苛立つこともないが今回は話が別なのである。
エマ、リシアンサス、ユニコーン、オイゲン(アズレン)が目を覚さない。そう聞いて、四人が本丸に担ぎ込まれた。四人は確かに眠っているだけだが、本当に何をしても目を覚さなかった。
御神刀等の面々に見てもらったところ、四人は【何か】に捉われて目を覚ませなくなっていると言うことだった。そこで思い出したのが最近、統治人たちの間で問題になっている目を覚さない人々のことだ。
マスターハンド、クレイジーハンドに聞いては見たものの、彼らも原因は分かっていないという。……正直、神々の分かっていないことが資料に残ってるとも思いづらいが、藁をも掴む気持ちで探していたのだ。
「ちょっといい?」
「ん? あー、姫鶴さんどうしたん?」
つい最近鍛刀された刀剣男士、姫鶴一文字が支給されたスマホを片手にひょこりと顔を覗かせた。
そのまま歩み寄ってきて、画面を見せてくる。
「もしかして、これじゃない?」
と、姫鶴が見せてきた画面を見れば『アリスドリーム』なる都市伝説のページだった。
内容はとてもシンプルで、アリスの姿になった夢を見るとその夢で望んだことが全て現実でも叶う、というものだった。……それと同時に、戻ってこられない人間もいる、と書かれている。
「四人がこれを見てるなら、目を覚さない理由もまあ納得できない?」
「た、しかに……でも、四人同時に?」
「それについて、俺も気になったからさ聞いてみたら、昨日ナワーブくんとノートンくんがぬいぐるみ渡したらしいんだよねぇ。
しかも。『ありす』っていう登場人物にそっくりらしい」
「それって!」
「とりあえず、持ってきてもらってるからそれを見てからかな。……間違っちゃいないと思うけど」
そういう姫鶴は、いつもはゆるりとした表情を少し引き締めていた。
- Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.413 )
- 日時: 2021/08/26 22:13
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: 1T0V/L.3)
数分後。ナワーブとノートンが持ってきたぬいぐるみを見て、ほとんどの刀剣男士が顔を顰めた。唯一姫鶴だけがうわあと笑いながらそれをつまみ上げた。
「こんなにかあいいのに、凄い禍々しいなぁ。……多分、取り込んだから調子乗ってるっぽいか」
「ぬいぐるみではなく、この石が本体だろうね」
「だが、これをこのまま破壊すれば……」
「間違いなく、取り込まれている彼女たちも死んでしまいますね」
石切丸、祢々切丸、太郎太刀の言葉にほとんどが何も言えなかった。特に、このぬいぐるみを渡してしまったナワーブとノートンは顔色が悪かった。
どうにかして取り込まれた四人を目覚めさせてこちらに戻すしかないが、その手立てが見つからない。全員が頭を抱えていた時、誰かが入ってきた。
「失礼します」
「信徒、か?」
入ってきたのは信徒と呼ばれる黒髪の少女だ。彼女はイドーラこと夢の魔女の信者であり、ゲームではサバイバーに直接手出しできないイドーラに変わって攻撃したりなどしている。
「魔女様より、お伝えすることがございます。サバイバー、エマ・ウッズさんを始めとする四人を取り戻す方法です」
「本当か!?」
「どうすればいい?」
「彼女たちを捕らえている夢に入り、彼女たちを取り戻せば良い、とのことです。相手が『夢』を使うのであれば、魔女様に軍配が上がりますが……魔女様が直接介入すれば夢の主もそれに抵抗するでしょう。その際、四人にどのような被害、影響が出るか分かりません。
よって、魔女様ではなく、誰かを送るという形で魔女様が力を貸す、と申されております」
その言葉に全員がなるほど、と頷く。イドーラ、夢の魔女と呼ばれる彼女なら、夢に出入りさせるのも難しくはないのだろう。
なら早速という時に、信徒は「ですが」と言った。
「魔女様が介入できるのはせいぜいそのくらい。相手の夢の中は、相手のフィールド。無事に済むかも分かりません。場合によっては、ミイラ取りがミイラになる結果になることだって充分考えられます。
あまりにも被害が大きくなれば、魔女様も強く介入するようですが、失敗した場合、四人だけの犠牲で済まないでしょう。
よく考えて、行くか行かないかを決めてください」
「俺は行くぞ」
「僕も。……ほとんど押し付けたようなもので危険だから行きません、っていうのも寝覚め悪いし……」
ナワーブとノートンが手を挙げる。
「じゃあ俺も行く。逸話的にも、少しは相性いいと思うし」
次に手を挙げたのは蛍丸だ。小柄な身体ではあるが大太刀であり、極めている彼なら戦力的にも問題はないだろう。逸話、というのは夢で刃毀れに蛍が集まり、目が覚めたら直っていた、というものだ。
「んー、じゃあ俺も行こうかな。俺も夢の逸話あるし、相性悪くないんじゃない?」
次にゆるりと手を挙げたのは姫鶴。磨り上げられる際に夢に姫が出てきて、磨り上げをしないでほしいと懇願した逸話だろう。現に、彼は夢について言及することも少なくない。
四人の立候補の後に石切丸、祢々切丸が手を挙げ、残りは失敗した際に控えていて欲しいということで六名で行くことになった。
イドーラが見えないがすでにその場にいるらしい。ナワーブが頼む、と言えば意識がふっと消え、その場に倒れるように眠ってしまった。
次に目を覚ましたのは、真っ白な部屋だった。ただ広い部屋には何もなく、二つの扉があるだけだ。一つは茶色の扉で『現』と書かれ、もう一つは豪華な装飾が施された『幻』と書かれた扉だ。
「ここは……」
「魔女様が創り出された空間です。現の扉をを潜れば夢から覚め、幻の扉を潜れば四人を捕らえている夢へ行けます」
「そうか……ってお前!?」
「何でいるの」
「? 着いていかないとは申し上げていませんが」
信徒は心底不思議そうに首を傾げている。それについ苦笑いが出てしまう。姫鶴だけ信徒ちゃんもかあいいね、と頭を撫でているが。
「……全員で行く? 俺としては、何人かここに残ってた方がいいと思うけど」
「ま、それが無難な気もするよね」
「では、ナワーブさんとノートンさんはここで……」
「待て。俺は行く。俺があのぬいぐるみを渡さなきゃ三人は捕らわれなかったんだ」
「僕も行くって。ウッズさんに渡したの僕だし」
「けれど……」
「いや。ここは行ってもらう方が良かろう。我と石切丸は身体が大きい。速さも、ここにいる四人より劣る。
だが、決して無理だけはするな」
「分かってる」
「さすがに無理するつもりはないよ」
「決まりましたか? ……魔女様より言伝です。この空間は最後の準備のための部屋でもあります。
武器を持たないナワーブ・サベダーさんとノートン・キャンベルさんはここで武器を思い浮かべてくだされば、出来うる限りの物を用意するとのことです」
イドーラの言伝を聞いたノートンがずいぶん気前のいいことで、と呟く。……正直、次のゲームでイドーラがハンターだった場合、彼女の気の済むまで嬲られそうな気もするが……この際、気にしてなどいられない。
二人が武器を思い浮かべる。するとガシャン、と音がして、そちらを振り返れば二人が思い浮かべていた武器があった。
「お前、それでいいのか」
「そっちこそ。メイン、そっちじゃないの?」
「ああ。だが、なるべく隠しておきたい」
「なるほどね。……OK。行こうか」
二人が武器を身に付けると、姫鶴、蛍丸、信徒も歩き出す。気を付けて、という石切丸の声に手を挙げて答えた。
───────────────
「美味しいの〜!」
「甘くて、幸せな気分になっちゃいます!」
「美味しいね、ユーちゃん」
三人は『お祝いのパーティ』でたくさんのご馳走やデザートを食べていた。周りはお祭り騒ぎでもはや誰もが主役であるはずの三人を見てはいないがご馳走もデザートも美味しくて気にならない。
ユニコーンが新しくデザートに手を伸ばす。その時、ユーちゃんが急に暴れ出して、逃げ出してしまった。
「あっ、ユーちゃん……!」
ユニコーンはデザートに伸ばしていた手を引っ込めてユーちゃんを追いかけた。それを見ていた二人も咄嗟に追いかける。お祭り騒ぎを背にしながら。
「あれ?」
「あれ?」
「おかしいな。おかしいな」
「アリスがいない。花嫁がいない」
「アリスがいない。アリスがいない。アリスがいない。アリスがいない」
「世界の花嫁が。王様の花嫁が」
「生贄が逃げたぞ」
「生贄を捕まえろ」
「アリス、花嫁、生贄!!」
「世界の生贄!!」
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