二次創作小説(新・総合)

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綴られし日々-作者とキャラの日常-
日時: 2022/11/28 20:05
名前: 柊 (ID: y98v9vkI)

ついに手を出してしまいました、日常系…!!

注意事項
・クロスオーバー
・クロスオーバーCPあり
・キャラ×オリキャラ、オリキャラ×キャラもあるかもしれない
・当方独自設定あり。矛盾することもあるかもしれない
・キャラ崩壊あり
・キャラの裸族化、不憫化などもあり
・作者が夢女子でもあるので夢っぽい要素(キャラ←←作者)が出てくる。テンションがおかしくなったら大変なことになるので注意
・時々シリアスもあり
・時々キャラ掴めてないかもしれない
・荒らしなどはご遠慮ください。

※スマブラに関して
原作をプレイしていないキャラクターが多々いるためキャラの設定が公式設定と矛盾する可能性大(一応調べます…)

こんな感じの注意事項で『大丈夫だ、問題ない』な方はどうぞお楽しみください!
そうでない方は注意してくださいませ。

タグ
スマブラ、刀剣乱舞、艦これ、アズールレーン、フラワーナイトガール、戦艦少女R、文豪とアルケミスト、しんけん!!、夢王国と眠れる100人の王子様、茜さすセカイでキミと詠う、オトメ勇者、フードファンタジー 、Fate/Grand Order、ポケットモンスター、ボーカロイド、Identity_V、ダンガンロンパシリーズ、School Days

目次
『始まりの158』 >>1-3
『魔法少女騒動〜少女とは言ってない〜』 >>6-9
『小さなお宿-前編-』 >>15-20
『小さなお宿-後編-』 >>21-28
『甘くて美味しい果実』 >>29-35
『うちの長曽祢さんがこんなにも可愛い!!〜ただの主張だ気にするな〜』 >>36-40
『虎と春』 >>46-57
『たまにはきちんと歓迎会を!』>>58-63
『信頼した結果-1-』 >>69-75
『信頼した結果-2-』 >>79-85
『信頼した結果-3-』 >>86-92
一振り目と二振り目の呼び方一覧 >>93
『桜よ、彼女を攫わないで』 >>94-96
『バグにも種類がありまして!?』 >>97-101
『恋に落ちないなんてできなくて』 >>105-111
『練習、裸族講座!』 >>112-116
『悪魔の城は崩れない』 >>121-126
『悪魔の城は崩れ始める』 >>136-140 ※140はおまけになります
『悪魔の城は崩壊す』 >>148-155
∟闇の御子の情報 >>156
『VS闇の御子』 >>160-163
∟厄除けの宝玉の情報 >>164
『赤ずきん☆ラグナス』 >>167-171 ※天悪さんとのコラボ!
『赤い花騎士と銀の騎士』 >>178-179
『私が教えるよ』 >>182-184
『コピペSS』 >>185-186
『癒しとカオスと歓迎会』 >>190-197
『六月の花嫁たち』 >>202-209
『七夕は奇跡に染まり』 >>214-217 ※天悪さんとのコラボ!
『お嬢様()な交流会』 >>221-224 ※天悪さん、琴葉姫さんとのコラボ!
『緊急特番()!刀剣乱舞の大盤振る舞い』 >>229-233
『忍び寄るは光の信者』 >>239-244
『南の島、砂浜騒動!?』 >>248-252
『子どもビーチは危険がいっぱい!〜王様は保護者〜』 >>259-263
『私たちは、きっと。』 >>270-274
『解き明かせ、真実! 1』 >>281-286 ※286はおまけです
『解き明かせ、真実! 2』 >>291-297
『解き明かせ、真実! 3』 >>300-304
『VS神殺しの蟲』 >>307-313
∟神殺しの蟲情報 >>314
『出会いは夢の中にて(第一印象は考えないものとする)』 >>317-321
『ちびノブのお仕事!』 >>324-328
『【柊「空を見上げて『バカな…早すぎる…』ってつぶやいたら」】 >>334-335
『新年は新ジャンルと共に!』 >>340-346
『甘い束縛』 >>352-353
『メンヘラマネジメント』 >>356-358
『にっかりファンタジーUDON』 >>362
『コピペSS、おかわり!』 >>363-365
『手を振り解かれ、手を取って。』 >>369-374
『それぞれの決意と忠義』 >>378-383
『扉問答』 >>390-394
∟ねこじぞーの情報 >>395
『水無月祭の出会い』 >>401-403
『コピペSS、もういっちょ!』 >>408-410
『Real or Dream』 >>411-417
『幼児化☆パニック!』 >>422-428
『似てない二人』 >>434-436
『凄惨なる宴』 >>441-446
『雪の別離わかれ>>449-452
『年末だ!コピペSS!』 >>453-455
『新たな邂逅』 >>458-462
『決戦前〜医師の罪〜』 >>465-468
『決戦前〜泥棒の偽善〜』 >>469-471
『決戦前〜弁護士の覚悟〜』 >>474-477
※477はおまけです
『決戦前〜庭師の想い〜』 >>480-483
『エイプリルフールで嘘予告SS』 >>486
『決戦前〜学生組の会議!〜』 >>487-489
『レオ・ベイカー奪還戦・1』 >>497-500
『レオ・ベイカー奪還戦・2』 >>504-507
『レオ・ベイカー奪還戦・終』 >>511-514
『やっとできるね! 歓迎会』 >>517-522
『異世界にて、恋に出会う』 >>525-527
『コピペSS、いつつめ!』 >>530-532
『オリキャラご紹介その1』 >>535
『いっそ『大嫌いだ』と思えたら』 >>536-543
※543はおまけです
『困りごとはきっかけ』 >>546-548
『本気になったのはどちらだったのか』 >>549-550

Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.289 )
日時: 2020/11/03 20:00
名前: 琴葉姫 (ID: ZgrHCz15)

お久しぶりです琴葉姫です!!!
中々コメントに来られなくてすみません…今回も書かせていただきます!

・私たちは、きっと

琴葉姫「刹那って、私の好きなYouTuberさんのスクールデイズの推しですね…まぁここら辺は複雑なところですな…でもサクラさんと罪木ちゃんのおかげで仲良く映画観ることになりましたね。Y・S・S(やっぱりサクラさんはすごい)!」

アーサー「YKSみたいに言うな」

琴葉姫「スプラッタ映画は私マジで無理なので観てたら一生トラウマに残りそう(小並感)」

アーサー「それ敢えて言う必要あった???そして全員の観たい映画を観終えたな」

琴葉姫「犬の奴滅茶苦茶気になったゾ←
そして沢越お前ワレェ!!!」

アーサー「急にどうした。まぁ因縁(?)の相手ではあるが。しかもダーズ側とか…」

有基「サクラねーちゃんがピンチの時に颯爽と駆けつけるウメてんてーかっこいいっす!やっぱり流石我がブロッサムヒル最強の花騎士!(ドヤ顔)」

琴葉姫「Y・S・U・S(やっぱりサクラさんとウメてんてーはすごい)!」

アーサー「もうそこに関しては突っ込まないからな…」

琴葉姫「そしてLI○Eでは刹那ちゃん達が仲良く恋愛トークしてるの良き…浦言と物世とソハ罪が正式にくっつく日が楽しみだけど、Twitterネタ見る限り…」

有基「それはネタバレだからお口チャックっすよ(・x・)」

琴葉姫「せやな( ˘x˘ )」←



・解き明かせ、真実! 1

琴葉姫「お前らμ'sに何しとんじゃワレェ!!!(ブチギレ)」

中野(姫プラ)「これは…μ's側に僕達みたいな大人…言うなれば顧問みたいな存在がいなかったのもそうなる原因だったのかな。しっかり調べて彼女達を守る大人って言うのが彼女達にはいなかったから…」

井伏(姫プラ)「俺達もアイドル達を守るためにこういうのは見極めないとな…」

敦(文アル・姫プラ)「うちは男性しかいませんが、小さい方々もいますし起こらないって決めつけも危ないですからね…」

泡鳴(姫プラ)「ま、あんな奴ら宇宙の帝王である俺様にかかれば一網打尽だけどな!」

敦(文アル・姫プラ)「暴力はよくありませんよ…(汗)」

琴葉姫「お頭や江派、ペルソナ組が彼女達を守ろうとしてくれるのは心強いな。そして桑名君×かよちんと松井さん×凛ちゃんとお頭×えりち美味しいです^p^(クズ)」

中野(姫プラ)「そのせいで大変なことにはなってるけど…(ジト目)」

井伏(姫プラ)「その上μ'sと口論していたスタッフの一人が殺害され、矛先は彼女達に向けられた…」

敦(文アル・姫プラ)「しかもなにやら結界のようなものが施されていて、警察の方々が来られないし島に閉じ込められる状況とは…中々厳しいですね…」

琴葉姫「やっぱりアイドルが恋愛スキャンダルに遭うと色々と…そうだよね…(目を逸らし)」←

泡鳴(姫プラ)「あー!?でもあの女も何か怪しいだろ!」

中野(姫プラ)「それは確かに…どうにもμ'sがやったと信じて疑ってないのは、なんだか気になるし…嫌な人だなとは思うけど」

井伏(姫プラ)「しかも、例の写真はどう考えてもあの瞬間を待ち構えていたとしか思えん。星空さんが急に背中を押されたということは、そういうことだろう」

琴葉姫「みんな頑張れ…!犯人を突き止めてμ'sの潔白を証明してください…!」

泡鳴(姫プラ)「そして更に出た被害者」

琴葉姫「やばいなぁ…(震え声)でもおまけの福岡一文字に癒されました(*´ω`*)」

中野(姫プラ)「そうかもしれないけどその顔文字は流行らない(辛辣)」



今回も色々と支離滅裂な感想すみませんでした(汗)
μ'sやお頭たちがどうなるか、とても気になります…!次回も楽しみにしています!
それでは(・ω・)ノシ

Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.290 )
日時: 2020/11/09 22:36
名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: PF4eFA6h)

雪子「コメント返信です」

月詠さん
いつもコメントありがとうございます!
柊「そりゃ怒りますよね、私もおこです!」
直斗「今回、島に医者はいますが専門ではないので……死亡推定時刻が長すぎて、アリバイを捜すのは難しそうです」
豊前「それに多分夜だからな、目撃者も少ねえと思う。あの女、本当になんであんなにみゅーずの奴らを犯人にしたがるんだか……」
松井「そっか、その可能性もあるのか……何にせよ、犯人を早急に見つけないと」
南泉「オマケのあれは解せねえ、にゃ」
柊「推理も歓迎ですよー!」

葉月さん
いつもコメントありがとうございます!
柊「歩く死神はいないはずなんですけどねぇ…←」
直斗「柊さん、探偵を歩く死神呼びはやめてください。
確かに現状、一番動機があるのは彼女たちではあります。ですが、それだけで決めつけるのは悪手ですからね。
なので葉月さん、あなたが手を汚す必要はありませんよ。でもそこまで怒ってくれてありがとうございます」
山鳥毛「ああ、皆で協力して必ず犯人を見つけ出そう。
……オマケに関しては、つい……いやはや、お恥ずかしい限りだ」
柊「※山伏たちもいくつかの旅館などでNGを出された模様です←」

琴葉姫さん
わー!二話分のコメントありがとうございます!
コメントはご自分のタイミングで書き込んでくださって大丈夫ですよ!
柊「YouTuberさんの推しなんですね! 刹那はアニメだとちょっとアレだったみたいですが基本的に良い子ですからね!」
罪木「わわわ、私、夢でも見てるんですかぁ!? み、皆さんにっ、皆さんにほ、ほほほ、褒めてもらえてるなんてぇえ!?」
サクラ「あら、やっと分かってくれたみたいね♪ 私も褒めてもらえて嬉しいわぁ」
柊「スプラッタ映画分かりみです(°_°)
犬のやつは……子犬の冒険、みたいな???」
長谷部「ご覧ください、全く考えていなかった主です」
柊「やめーや!! ダーズ側しかねえなと思いまして←」
ウメ「ふふ、褒められるのは嬉しいな」
サクラ「ウメちゃんってすごいのよ〜」
柊「正直早くくっつけたい欲もあります←おい」

柊「ほんまそれな←」
直斗「メタ的に言うとやったの貴方でしょうが!!」
柊「せやな!!」
りせ「そうだね……μ'sのみんなには顧問やマネージャーっていういざと言うときに守ってくれる大人がいなかったから……ううん、ご両親はいるだろうけど……」
柊「桑名×花陽、松井×凛、山鳥毛×絵里美味しく頂いてくださりありがとうございます!!←」
悠「いろいろと分からないことがあっても、みんなとなら乗り越えられる。乗り越えてみせる」
篭手切「確かに、何故あそこまで頑なに彼女らを犯人にしようとするのか分かりませんね……事件を解決すれば、その理由も分かるでしょうか……」
松井「ああ、間違いなく狙っていただろうね。……絶対に、見つけてみせる」
日光「オマケに関してはまさか現世の温泉等は刺青があると入れないとは……次に行く時は主に幻視の札等でも用意してもらうとしよう」
柊「ん? 日光さん私多分干からびるよ???」

コメントありがとうございました!
あ、あと推理してコメントで書き込んでくださってもOKですよ!

Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.291 )
日時: 2020/11/09 22:48
名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: PF4eFA6h)

※場面、視点がコロコロ変わります。

解き明かせ、真実! 2
 第二の事件が起きてしまった。その事実に誰もが愕然とする。被害者はスタッフの一人の小賀だ。
 食事のために一度レストランに集まった客の顔は見て分かるほどに青ざめていた。無理もない、二日続けて殺人が起こったのだから。
 直斗が小賀の部屋の状況を整理しようとメモを取り出した時だった。
「どうせまたあんたたちでしょ!? とっとと白状しなさいよ!!」
 ……はぁ、と息を吐いてしまったのは仕方ない。またあの女性が、μ'sの面々が犯人だと決めつけているのだから。
「違います! 私たちは彼を殺してなんて」
「ふん、私知ってるのよ? そこの女が昨日、あの男に言い寄られてたの見たんだもの!」
「え?」
 全員が希に視線を向ける。一体いつ、言い寄られたというのか。
「希、どういうこと?」
「……一度、お風呂から上がってみんなと戻る前に忘れ物したって言うて、一人で戻ったやん? その時に……味方してやるから、部屋に来いって」
「なっ……!」
「言い寄られて迷惑して、カッとなったんでしょ。今回は言い逃れできないわね」
「それはどうでしょうか。東條さんは、確かに少し時間はかかりましたが大して遅れずに……五分ほどで部屋に戻りました。一度小賀さんの部屋に行っているならばもっと時間がかかってもおかしくありませんし、返り血なども付いていなかった。
もし返り血を処理していたらもっと時間がかかってもおかしくはありませんよ」
「っな、何よ、あんたこんな殺人犯の肩持つわけ!?」
「あなたこそ、何故そこまで彼女たちを犯人にしたがるんですか?」
「っ!!」
 直斗が言い返せば女性は悔しそうにぐっと黙って離れていった。しかしスタッフたちがほんの少しの隙を付いて接触してくるというのであれば一切一人にする時間を無くさなくては。場合によっては入浴も部屋にある風呂を使ってもらうしかないだろう。
 その時だ。あの、と声をかけられたのは。
 そちらを見ると気まずそうな顔をしたスタッフの一人が。名札には『宮代みやしろ』と書かれている。
「何か?」
「その、小賀さんのことなんですけど。小賀さん、東條希さんにすごく執着していたんです。別のスタッフとも度々彼女関連で揉め事を起こしていて……」
「え?」
「……俺も、ここに来て初めてあのこと聞いたんです。だけど俺は下っ端みたいなものだから、意見できなくて……どうかお願いします、彼女たちの無実を証明してください」
 目の前の宮代を直斗はじっと見つめる。やがて、直斗は彼に対してしっかりと頷いた。
「必ず、無実を証明してみせます」








 まず、篭手切、松井、悠が第一の事件の被害者である谷林の部屋に来ていた。念のため、彼の遺体はその部屋で寝かされている。
「鳴上はあまり遺体を見ないようにしてくれ。私と松井さんでそちらを調べる。部屋を調べてくれないか」
「分かった」
 悠はなるべく遺体を見ないように部屋を調べる。部屋はほとんど片付けていないと聞いているが、全くと言っていいほど荒らされていない。強いて言えば座っていた椅子とその前のテーブルが少しずれているくらいか。
 ただテーブルの上には開けっ放しだったタバコが散らばっており、テーブルクロスにはすでに拭かれてはいるようだがワインが溢れていたらしい。すっかりシミになっている。
 次に見たのはクローゼット。そこにあるのは谷林が仕事で着ていた上着だけだ。そう思い、閉めようとして下を見るとそこにはしまったにしては乱雑に置かれた紺色のネクタイが見つかった。紺色のネクタイはよく見ると猫の柄が描かれている。
 疑問に思い、手に取ろうとして直斗に言われたことを思い出す。そうだ、手袋をしなければ。ポケットから手袋を取り出し、今度こそネクタイを取る。
「……これは」
 一見すると不自然な点はないが、両端にシワができている。
「篭手切、松井。何か分かったか?」
「……首の骨が折れてる。相当な力入れないと無理だ」
「窒息か、それとも脊椎の骨折によって神経が傷ついたことによるものか……詳しく調べられる者がいれば分かるとは思うが……どちらかは今の段階では分からないな」
「そうか……こっちは凶器が見つかった」
 そう言いながら二振りにネクタイを見せる。それから渡された袋にネクタイを入れた。
「もう少し探してみよう」
 松井が言った通り、全員で部屋を探してみる。突然、篭手切があ、と声を上げた。
「こんな所に、ぼたん……?」
 篭手切が拾い上げたのは不思議な模様が描かれた白いボタン。引きちぎれたものらしく、糸が付いたままのそれは、椅子から少し離れたところに転がっていた。
 それも袋に入れてさらに部屋を探す。しかし、そこからは何も見つからず、仕方なく引き上げた。
「結局分かったのは凶器と、首を絞められて殺されたってことだけか……」
「いいや、まだ一つあるよ」
「その一つとは、なんですか松井さん?
「谷林さんの首の骨は折られてた。相当力がなければ無理なはず。となれば……少なからず、犯人は女性ではない」
「!! それならば、みゅーずの皆さんの無実が」
「いや、まだだ。確かにそうかもしれない。だけど複数で殺したと言われればそれまでだ」
「そ、そうか……」
「とにかく、これを白鐘さんに伝えに行こう」
「ああ」
「はい!」

Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.292 )
日時: 2020/11/09 22:56
名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: PF4eFA6h)

 直斗、山鳥毛、日光は小賀の部屋に来た。朝、ここを開けた時とは違い、今はむわりとした熱気はなくなっていた。小賀の部屋はまだ何にも手を付けられておらず、遺体もそのままだ。
「私たちが遺体を調べよう。白鐘は部屋の捜査を」
「分かりました」
 各々が捜査を進める。一番最初に目についたのは不自然に倒れた椅子。ただ倒れているだけならばあまり気にならないが、テーブルから明らかに離れすぎていたし、それは遺体のすぐ近くにあったのだ。話すために椅子を持ってきたにしてはずいぶん中途半端な位置だとも思う。
 しかし、部屋にある違和感や証拠は特に見つからない。捜査は切り上げて直斗たちも一度戻ることにした。
「お二人とも、遺体について何か分かりましたか?」
「いいや、やはり刺されたのだろうと言うことしか」
「……少し傷口に違和感があったな」
「え?」
「そのまま真っ直ぐ刺したにしては、傷口が広がっていた。と言うよりはおそらく少し曲がっている」
「曲がっている?」
「最初は真っ直ぐに刺したというのに、刺したまま横に傾けたようだ」
 確かにおかしい。即死だったかそうでないかまでは分からずともそうする意味は何なのか?
 情報が少ない以上、それが何を意味するのか分からない。しかし、何となくではあるがそれが事件の真相の鍵を握っている気がしてならなかった。








 次に全員で行ったのは聞き込みだ。とは言え、全ておそらくは夜の犯行。それも夜中であったら目撃者も少ないだろう。アリバイも基本的に全員で行動していたがどうせ『全員で口裏を合わせているに決まっている』と決めつけられるのがオチだ。
 そのため、先に事件があったであろう時間帯を絞ることが目的となり、スタッフに聞き込みするメンバーと客や従業員に聞き込みするメンバーに分かれた。
 スタッフに聞き込みをすることになった悠と松井はまず、秋本という女性スタッフに聞き込みをすることになった。
「その日の夜は打ち合わせがあって、谷林さんが部屋に戻られたのは……確か、十時くらいだったと思います」
「十時……その後に戻ったのは?」
「その後は少し全員で最終確認をしたので、十時半くらいには全員部屋に戻りました」
「では犯行時刻は十時半以降……ということですか」
「……まさかここで殺されるとは思いませんでしたが、いつか殺されるとは思っていましたよ」
「? それは一体……?」
「谷林さん、気に入った女性スタッフや女性アイドルにセクハラしたりしてたんです。……中には、無理やり一夜を過ごすように強要された人もいたらしくて」
「……非道な人間だったんだね」
「それだけじゃなく、気に入らないスタッフにはパワハラとか、嫌がらせもしていたんです。谷林さん、警察や議員に知り合いがいるらしくて、みんな強気に出られなくて……でも、恨まれても仕方ない人でしょう?」
 そう言って秋本ははぁ、と息を吐いた。この合宿に関わるスタッフの大半は、嫌ってますよと付け足して。
「……ところで、小賀さんの時は?」
「小賀さんの時は……他のスタッフは分かりませんが、私は宇治さんというスタッフと夜遅くまで話してて……あ、そういえば、小賀さん何か重そうに運んでいた気がします」
「何か?」
「ちらっと見ただけなので、何かまでは分かりませんでしたが……形と大きさから、多分箱だと思います。白い布で包まれてたみたいなので、はっきりとは分かりませんが……」
「箱、か……。ありがとうございました。また何か聞きに来ることがあるかもしれませんが……」
「大丈夫ですよ。分かる範囲でなら何でもお答えしますので、頑張ってください」
 秋本が部屋に戻り、すぐ近くの、秋本と話していたという女性スタッフの宇治にも似たような質問を投げれば、秋本とほとんど似たような答えが返ってくる。
 だが、一つだけ違った答えがあった。
「小賀さん、何かぶつぶつ呟いていたんです。後悔させてやる、って言ってたような」
「後悔……?」
「あ、私耳が良い方で聞こえたんです。それに私の方が小賀さんにほんの少しですけど近かったので、秋本さんには聞こえてないと思います」
 それだけではあったが大きな収穫ではある。後悔、というのは多分だが希に対してだ。……小賀が運んでいた箱。その箱が一体何なのかが分かればその意味が分かるのだろうか?

Re: 綴られし日々-作者とキャラの日常- ( No.293 )
日時: 2020/11/09 23:02
名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: PF4eFA6h)

 陽介は部屋にいるμ'sたちの分の飲み物を買いに自販機へ来ていた。なるべく外に出ないようにとの配慮だ。
 預かったお金を確認し、自販機に入れようとした時だった。
「もしもし、そこのお兄さん」
「はい?」
 陽介がそちらを見ると褐色肌に黒い髪、赤の瞳をした、ゾッとするほどの美形の男が立っていた。褐色肌で黒い髪の知り合い、バーソロミューよりも美形だと思わせ……それでいてどこか恐ろしさを感じさせる。
「確かあの灰色の髪のお兄さんの隣に良くいるお兄さんですよね?」
「あ、は、はい。どうしました?」
「実はね、あの小賀さんについて一つ提供できる情報があって。探していたんですが見つからないなぁと思っていたところにお兄さんを見つけたんですよ〜。
あっ、申し遅れました。私、成海頼人なるみよりとと申します」
 そう名乗った成海頼人はにこにこと笑っている。人懐っこそうな笑顔。なのにどこか恐ろしいのだ。
「そ、れで、情報、って?」
「ええ。小賀さんなんですけど、あの人何かを部屋に持ち込んでから一切部屋から出て来てないんですよ〜」
「え?」
「もちろん、誰も入っていません。どうしてなんでしょうかね?
あ、私は単純に気になってしばらく……つい朝方まで見てしまったんですよ〜」
 ……気になったからと朝方まで見ているものだろうか? 陽介は成海に不信感を抱いていた。
 が、それには成海も気付いていたらしく「突然こんな話されても怪しいですよねぇ〜」と頷いていた。
「ですが事実なんです。私の身の潔白を証明するためにも、監視カメラの映像でも見に行きませんか?」
「監視カメラ? でも、それって容易く見せてもらえるようなもんじゃ……」
「まあまあ。もしダメでも行ってみるだけしましょうよ」
 そう言って成海は陽介の背を押して歩いていく。人の少ないフロントまで連れ出され、成海はフロントの従業員に話しかけた。
「すみません、昨夜の小賀さんの部屋の前の監視カメラの映像を見せていただきたいのですが」
「え? ええ、と、すみません、確かに緊急事態ではありますが、そういうのは私の一存では何とも……」
 と、従業員が言いかけて成海の目を見た瞬間、ビクンと体が大きく震えた。陽介が首を傾げると、従業員の目はとろりと蕩けた。
「もう一度聞きますね? 昨夜の小賀さんの部屋の前の監視カメラ。その映像を見せてください」
「はい。どうぞこちらへ」
「!?」
 あっさりと従業員は立ち上がり、奥の部屋まで成海と陽介を案内する。その目はどこか焦点があっていないように思え、その原因であろう成海がより一層不気味に見えた。
 監視カメラの映像を記録しているパソコンの前まで来ると、従業員は慣れた手つきで操作し、小賀が部屋に戻ってからを映し出した。成海が小賀の部屋の近くにいるのも映されている。
 流石に何時間にも渡る映像をただ見ていることはできず、倍速したり、少しずつ飛ばして見たが確かに成海は朝の四時頃までそこにいた。一応その後も見てみたが小賀は部屋から出てきておらず、また、部屋に入っていくのも朝起こしに行ったスタッフしかいない。そしてその直後に響いた悲鳴は、そのスタッフが犯人ではないと物語っていた。
「ね? これで信じてもらえますよね?」
「……あの。これって谷林さんの部屋の前も残ってたりしますか?」
「はい。残っています」
「? どうしたんですか?」
「もしかしたら、何か映ってるかもしれない。そうじゃなくても外から侵入した可能性だってある。それで外の監視カメラの映像も見れば」
「無理だと思いますよ? 流石に犯人だってそれを分かっているでしょうし」
「それでも! それでも見ないよりはっ」
「いけない人ですねぇ」
 成海の手が肩に置かれる。成海の顔が耳に近付いたのが分かる。
「ダメ、ですよ?」

 ぞわ り。

 陽介は慌てて振り払おうとして、止まる。振り払って振り向いたら、ダメだと本能が告げる。
「もう一度言いますよ?」
「っ、いい、もう、見ない……」
「おや、案外聞き分けがいい人でしたね」
 成海が離れる。その時に気付いたが自分は息を止めていたらしい。ぶは、と息を吐き出し、その肺に酸素を入れていく。
 ようやく振り向けばにっこりと成海は笑っていた。
「ほら、それに貴方、誰かにジュースでも買うんじゃないですか? これ以上時間のロスはいけません」
「あ、ああ……」
 陽介は半ば逃げるようにその場を去る。振り返りもせず。だから気付かなかった。
 スタッフがいなくなった小賀の部屋の前。監視カメラを見ながら、目を細め、口を三日月のように歪めた、ゾッとするような笑みを浮かべた成海が映っていたことなど。
『命拾いしましたね』
 監視カメラに映る成海の口が確実にそう動いたことなど、気付くことはなかった。


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