最強次元師!!

作者/瑚雲 ◆6leuycUnLw



第012次元 人族代表



 「朝飯ってお前なぁ……」
 「どうしたの?返しなさいよ!」
 「……俺はどうすればいいんだレトヴェール」
 「知るかよ。お前の問題だろ」

 ロクがずんずんとシャラルに近づく。
 その顔は、半分笑顔で半分怒っているように見える。

 「……分かった。そこのキールアを返せば俺らを二人きりにさせてくれるんだろ?」
 「本当!?あっりがとう~!」
 「「え……」」

 レトとキールアは呆れ始めた。
 まぁロクはこんな性格だからしょうがないのだが。 
 「それじゃあごゆっくりー!」
 「あ、助けに来てくれて有難うね、レト」
 「あ、あぁ……」

 レトはあんまり嬉しそうではないようだ。

 「んじゃ俺も帰るかな」
 「待った。俺の話は終わってない」
 「俺の話は終わったし」 
 「いやいやいや!待てよちょっと」
 「……んで、何だ?また蛇梅隊を貶すつもりか?」
 「いや、人族代表についてだ」
 「!?」
 「お前も知ってるだろう?二年後の戦争の事くらい」
 「……あぁ、知ってる」
 
 戦争。
 千年に一度だけ、神族と人族が戦う戦争がある。
 その戦争に参加するのは神族六名と次元師全員のみ。
 そして、その戦争に、『人族代表』、『神族代表』というものがある。
 人族代表というのは、次元師の人族の中でたった一人だけ選ばれた存在。
 『人族代表決定戦』という企画で、人族代表の他に、『次元師代表』というのも決める。
 次元師代表は三名。人族代表が一名で、合計四名の次元師がこの戦争で代表者となる。
 
 「俺はその戦争で人族代表になる」
 「俺もだな」
 
 レトもシャラルも、いや、世界中の次元師が代表になりたいと思っている。
 全ての事の元凶、神族を倒すために……。
 神族代表も、いつかは決まる。
 二年後、
 たったあと二年で、世界大規模の大戦争が始まるのだ。