最強次元師!!

作者/瑚雲 ◆6leuycUnLw



第108次元 本当の真実



 (ふぁー……、やっぱ寝れないやぁ……)

 大きく欠伸しながら洗面所に向かったのは黄緑の少女。
 もう夜中の0時をまわっているというのに、昼遊び、昼寝したせいで眠れないという事態が発生。
 ロクが自室に戻ろうとした時、隣の部屋から声が聞こえた。
 そこはレトの部屋だった。

 (レト……?あ、キールアの声も聞こえる)

 少し覗いてみると、そこにはキールアとレトが何か話しているように見えた。
 ロクがそー……っと開けようとした時、

 「……やっぱ、全部話すべきかなぁ、ロクに」
 
 (ッ!?、あ、あたしッ!?)

 なんと、話しているのはロクの事だった。
 ロクは入るにも入れなくなり、壁にもたれ座り込んだ。

 「分かんない……、でも、やっぱ皆薄々気付いてるんじゃない?」
 「まぁな、ロクってほら、他の次元師と違うし」
 「うん、普通の人間が持つ元力を超えてるって聞いたし」
 
 (げ・・、元力……?)

 「それに、あの首飾りも少し怪しい」
 「あぁ、かなり怪しいんだ。あれ、千年前のフェリーの日記の鍵だったんだ」
 「嘘……、何で!?」
 「分かんない。コールド副班が持ってた本に鍵かかってて、その鍵穴が似てたからさしたらビンゴ」
 「そっか……、やっぱそうなのかなぁ……」
 
 (あの首飾り……?あぁ、あたしがレトと義兄妹になった時からつけてるあれか……)

 ロクは2人の話に違和感を覚え、その場から動けずにいた。

 「多分、本人に言ったら立ち直れないよなー……」
 「当たり前だよ、今まで信じてたのに、いきなり裏切られるなんてね……」
 「でも、多分もう限界なんだ」
 「え?」
 「多分……、気付かれてる、と思う……」
 「そんな事ないってッ!!まだ……、大丈夫だと……思う……」
 「俺……、本当に兄として最低かもな」

 (何なの……?あたしが何なの……?)

 ロクは動かない自分の体を必死に動かして自室に戻ろうとした。
 だが、自分の意思じゃ体はどうしても動かない。

 (動け……、動いてあたしの体ッ!!!)

 「やっぱり……、あいつは……」

 (何で……!?聞きたくない……、頭が痛い……何で痛いのッ!?)


 『あたしは……、この世の人間のためになら死ぬ事だって惜しまない―――――――ッ!!!』


 (――――――――――――――ッ!?
  
         誰……、誰の言葉なのッ!?)

 「信じ……、られないよね」
 「あぁ、本当……」

 (聞きたくないッ!!頭が、頭が壊れる……、何でこんなに痛いのッ!!?)

 
 「あいつが――――――――――――――――――――――――――――、神族だなんて」