最強次元師!!

作者/瑚雲 ◆6leuycUnLw



第015次元 双斬とレトの出会い



 「俺が始めて双斬に会ったのは、町の中だったな」
 「うん、その時のレトの顔、可愛かったなぁ~」
 「黙れ」
 「ごめんごめん……。でも、本当にあの時は僕も必死だったんだよ?」

 
 「レトを傷つけるのは、僕が決して許さない_______ッ!!」


 「そう言ってくれたよな?双斬」
 「うん、そう言った」
 

 「お前、は……?」
 「僕の名前は双斬。君の力であり君のパートナーだッ!」
 「俺の、力……?」
 「さぁ行くよレト。叫んでッ!『第三次元発動』って!」
 「え……?」
 「早くッ!!」 
 「分かったよ。言えば良いんだろう?言えば」
 「うん」
 
 「第三次元発動_______ッ!」
 (!?……。自然に言葉が浮かんで……)
 「八斬切りーーーーーーーッッ!!」
 (何だこれ!?俺、何持って……)
 「ぐああああぁぁぁぁーーッッ!!」
 「や、った、の、か……?」
 「うん、レトの勝利だぁッ!」
 「お、覚えてろーーーーーッッ!」
 (これは……?)
 「君は次元師だ。生まれながらにして元力を持つ者」
 「俺が、次元師……?」
 「そう、君は、次元師なんだ_______」


 「懐かしいよなー……」
 「うん、もうあれから長い付き合いになるよねー」
 「もうそんなに経つのか」
 
 レトと双斬が丘で寝っ転がっていると、大きな声がした。

 「レトヴェール……エポール……」
 「!?」
 「レトッ!後ろ!!」
 「遅ぇんだよ!!」

 後ろに振り返ったらレトはもうとっくに体を大きな爪で貫かれていた。
 
 「ぐあぁぁああぁッ!」
 「レト!!」

 元魔だ。
 しかも融合物体という。
 
 「お前!レトに何をするッ!!」
 「俺は元魔だ……。次元師の命を喰らうのは当然だろう……?」
 「だ、黙れえええぇぇぇッ!!」

 双斬が叫びながら元魔の元に走っていった。
 元力も使えない、ただの精霊が。

 「力も持たない精霊が俺に勝てるわけねぇだろうがッ!!」
 
 元魔は大きな足で双斬の腹を思いっきり蹴った。
 
 「ぐああッ!」
 「双斬、無茶すんじゃねぇ!」
 「レ、ト……」
 「これで終わりだあああぁぁぁ!!」
 (やばい……このままじゃ……!)

 双斬が目を開けると、そこには思いも寄らぬ光景が双斬の目に映った。
 なんとレトが、血だらけになって双斬の前で仁王立ちしていたのだ。

 「大、丈夫か……双、斬……」
 「レトッ!!」
 「バカなやろうだなぁ……。そんな精霊を庇うなんてよ」

 すると、双斬は顔を下に落として、うつむきながら元魔の方に行く。

 「さない……」
 「なんだ?聞こえね……」
 「お前だけは絶対許さないッッ!!」
 
 双斬の目が真っ赤な赤色に輝く。
 その怒りに満ちた顔は、誰の背筋も凍らせる。

 「よくも、よくもレトを……」
 「まぁいい、さぁ、かかってこいチビ!!」
 「お前だけは、許さない」

 そして、双斬がレトの前に来て、さっきまでのまぬけさを殺気に変えた。

 「レトを傷つけたお前だけは絶対に、絶ッ対に許さないッッ!!」