最強次元師!!

作者/瑚雲 ◆6leuycUnLw



第017次元 英雄大六師



 レトとロクはお昼ご飯を食べた後、自分の家へと行った。
 もしかしたら分かる事があるかもしれない、と小さな希望を抱いて。

 「だーめだ。全ッ然分からん」
 「もう~!お父さんの本なら何か分かるかと思ったのになぁ~」
 「あの糞親父に期待した俺がバカだった」
 「……ねぇ、レトはお父さんを見た事あるの?」

 ロクがふいにレトに聞く。 
 レトは、下にあった本を睨み、こう言った。

 「あぁ、あるよ」
 「え!?どんな人?」
 「背が高くて、眼鏡かけてて金髪で、俺みたいな髪型だった、かな」
 「へぇ~。性格的には?」

 レトは、その質問で、表情を変えた。
 
 「母さんと俺を捨てた、最低最悪の糞親父だ」
 「え……」
 「俺が三歳の時にあいつは出て行った。俺と母さんを残して」
 「そんな……」
 「それっきり帰ってこなかったし、連絡もなかったし、遂には母さんの葬式にも現れなかったんだ」
 「お父さんって、次元師……?」
 「あぁ、母さんはかっこいいって言ってたけど、俺は憎かっただけだったし」

 フィードラス・エポール。
 それがレトの語る糞親父の本名。
 あたりでも有名な次元師だったのだが、レトが三歳になった時に姿を消した。
 それからフィードラス・エポールの消息を知る者はいなかった。

 「親父は科学者だった。次元師について、すごく研究してた」
 「だから、こんなに本があるんだ……」
 「まぁだから俺はいつかあいつを見つけて殴り飛ばしたい」
 「はは……」
 
 レトとロクは話を中断し、ひたすら本を読み続けた。
 でも、すでにもう三時間以上が経った。
  
 「休憩、しない?」
 「お前本読むスピード遅すぎだろ」
 「レト、本当に本好きだよね……」
 
 レトの横にはもう天井までいきそうなくらい多くの本が積み重なれていた。
 その本の厚さはおよそ4㎝。
 レトが読書好きなだけある。

 「あ、俺眼鏡とってくるわ」
 「いってら~」

 レトが自分の部屋に戻っていった。
 そして、飾られた写真を見つめた。

 (俺は親父なんか、大嫌いだ……)

 そう心の中で呟いた。
 いつかまた、会う日がくるのだろうか。
 それとも、もう二度と会う事はないのか。

 「レトッ!あったよ!良い本があった!」
 「何だと!?今行く!」

 レトが急いで階段を下り、お父さんの部屋にいった。
 
 「これ、見て……」
 「なんだよ、これ……」
 
 ロクが見つけたのは、次元技について書かれた古い本だった。 
 それを、レトが読み上げる。
 
 『英雄大六師が再び現世に戻る時、その六人に選ばれた者達が、次の英雄になろう』

 「これって……?」
 「次の、英雄……?」

 英雄大六師。
 その言葉がロクとレトの胸に刻まれた。
 これからの戦いで最も重要となれる言葉。
 それが、
 『英雄大六師』だった。