最強次元師!!

作者/瑚雲 ◆6leuycUnLw



第067次元 千年に続く魔人Ⅱ



 「な・・・、なんだこれ・・・」
 「広い・・・、センターより広い・・・」

 ロクとレトが着いたのは、セルガドウラのいる古代遺跡のある『ガイルン』という村。
 和風というか、ものすごく古そうな家が建てられている。
 見てて飽きない光景に2人が見入っている。
 小さな子供が駆け、
 綺麗な噴水が時間毎に噴出し、
 お年寄りを助ける女性もいる。
 この豊かな環境に、何故セルガドウラが存在するのか分からなくなる。

 「すげぇ・・・」
 「豊かだぁ・・・」
 「レイチェルとどっちか豊か分かんねぇな」
 「多分レイチェルじゃない?」
 「まぁ田舎だもんな」
 「・・・ってじゃなくて!、この依頼人を探さないと!」
 「あぁ、そうだったな」

 ロクは依頼書を片手に探し始めた。
 名前はヒュウド・エイテル、という老人だそうだ。
 この村の村長らしい。

 「あのー・・・」
 「村長さんはいらっしゃいますか?」

 三角屋根のような稿で作った小さな家に入っていった。
 とりあえず聞いてみる事にしたのだろう。

 「はい、村長なら泉にいますよ」
 「泉?」
 「この山の頂上です。村長はいつもそこにいます」
 「でもあんまり下りてこないんです。まぁ孤独な人だから」 
 「わ、分かりました」
 「ありがとうございます」

 レトとロクは一礼しその家を後にした。
 孤独な村長。
 そう呼ばれた人を求め、山の頂上を目指す。
 以外に高い山で、急な道もある。
 綺麗な緑色の木々がレトとロクを大きく見下ろし、覆いかぶさっている。
 木々の中から零れる光を受け、ロクとレトは必死に登り続ける。
 
 ついに、頂上の近くまでやってきた。

 「はぁ・・・はぁ・・・」
 「つ・・・・、疲・・・、れた・・・」
 「一旦休むか?」
 「いや、進もう」
 「だな」

 近くにあった太く、しっかりした木に掴まりながら歩いていった。
 時に滑りそうになり、
 時に落ちそうにもなった。
 大きな鳥が宙を舞い、生き物達が鳴き続ける。
 この豊かな環境は、疲れた体を癒してくれた。
 
 そして、遂に頂上へと着いた。
 もう日は暮れそうになり、空が濃い橙色に染まってきた。
 その夕日の照り返しを受け、松葉杖をついて立っている老人が見えた。
 老人はゆっくりとこちらに振り向き、もう何年も切ってないであろう長い武将髭を右手で触った。

 「・・・・よく辿り着いたな、旅人よ」