Ultima Fabura―終焉へ向かう物語―

Aerith ◆E6jWURZ/tw     作



第六話  救出    prologue



なぁ、古き戦友よ。
なぜ私達は互いにぶつかり合う?
喪失感はなぜこんなにも私の心を蝕むのだ?
おまえが私を拒んだあの時から・・・


  *             *


血の色なんて嫌いだ。
だから夕陽も、この目も嫌いだ。
だったら、嫌いな血はこの手でみんな消し去ってやればいい。
紅い花は散らせばいい。


  *             *


裏切り者の烙印は常にあの小娘に。
とうとう我らが主はそいつを手に入れるってワケだねぇ?
んで、ボクちんたちの支配する闇の世界が巡ってくるんだ?
楽しみだな~っ!早く見て見たいよ、闇に呑まれる人々の恐怖に駆られた顔を。


  *             *


時が満ちたか・・・。
まだ死を知らぬ若造が、わしらを拒みに・・・つまり、死を欲しに来たる時が。
あの記憶を失くした小娘はまだ居ぬのか。
仕方が無い。死という安息をもたらしてやるとしよう


  *             *


冷たい悠久のときを経て、再び目覚めた世界に――
破滅の光はすぐそこに。
なれば俺は、再び生きてその光を拡大させるとしようか。
再度眠ること、俺自らがその道を選ぶことにだけはなりたくないものだ。