二次創作小説(新・総合)
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- きらびやかな日常
- 日時: 2021/07/03 22:15
- 名前: 桜木 霊歌 (ID: xIyfMsXL)
優衣「タイトルコールです。」
ソニック「作者のネタ切れが原因で打ちきりになった日常が復活したぜ!」
エミー「料理対決や小話とかいろんなお話があるわよ!」
作「未熟者の作者だが宜しく頼む。」
オリキャラ紹介
>>718、>>722、>>747、>>782、>>796
世界観
>>751
優の特務司書生活
優が特務司書になりました 『失くし物探し駅』 著者:桜木霊歌 >>754-759
奇襲作戦!『歯車仕掛けのヴィーゲンリート』ヲ浄化セヨ! >>789-793
在りし日の記憶
Welcome to the Villains' world >>769-781
- Welcome to the Villains' world ( No.770 )
- 日時: 2021/05/23 09:10
- 名前: 桜木霊歌 (ID: Fa9NiHx5)
優が目にした光景は、まさに地獄絵図と言っても過言ではなかった。
窓も壁も何もかもが壊され、かなり重厚そうな鏡ですら、形を残して無惨に割られている。
優「嘘・・・!?何!?何なのこれ!?」
周りは赤い鮮血や青い炎で覆われ、周りには優と年がそう変わらないであろう青年や少年たちの姿があり、全員が変わった黒いフード付きのローブを羽織っている。
全員が体の要所要所から血を流しており、赤、黄色、白、臙脂、紫、青、黄緑の宝石のつけられたペン状の杖を持っており、何か上空を見上げている。
優「何か・・・いるの・・・!?」
上を見ると、そこには黒猫のような恐ろしい魔獣がおり、耳や口から青い炎を吹き出している。
周りの炎はこの魔獣が原因だろう。
周りにいる少年たちはこの魔獣を止めようとし、無謀にも突き進んでいく。
ある者は魔獣の爪に抉られて引き裂かれて殺され、ある者は魔獣の吹き出す青い炎で焼死し、ある者はそのまま魔獣に食い殺されていく。
優「ヤダ・・・ヤダよぉ・・・夢なら早く醒めてよぉ!」
しかし、そんな優の願いも虚しく、夢は醒めることはない。
そして、最後に残った赤髪の少年とライオンの獣人の男性、銀髪の眼鏡の青年と白髪でターバンを巻いた少年、金髪の美しい青年に青い炎の髪を持つ青年、黒髪の長髪に黒い大きな角を生やした男性の持っていた杖につけられてた宝石は、彼らが魔法を使っていくごとにどんどん黒く染まっていく。
それを見て、優にはふと嫌な予感が頭をよぎった。
このままだと某魔法少女アニメのような展開になるのではないか、という最悪な展開が・・・
優(このままこの宝石が濁りきったら、良くないことが起きる気がする・・・!止めないと!)「駄目です!これ以上魔法を使わないで!今すぐ逃げて!」
そう言っても、優の声が彼らに届いた様子はない。
どうやら、夢を見ている自分と夢の住民である彼らには声が届かないようだ。
そして優の願い虚しく、彼らの持つ杖につけられた宝石は黒く濁り切る。
濁り切ると同時に、衝撃波が発生して優は軽く吹き飛ばされる。
そして、再び彼らの方に目を向けると、そこにいた7人の姿は変わり果てていた。
肌が白かった者達は病的なまでに色白くなり、肌が黒かった者達は病的なまでに色黒くなる。
瞳はまるで何も映さないような濁った色に変化し、目元にはまるで海外のお葬式で見かける黒いレースのようなメイクが施されている。
彼らが着ていた服も全く別の物へと変化していたが、更にそれ以上に目を引いたのは、インク壺のような頭部を持つツギハギの化け物・・・どちらかというと、化身に近い・・・が後ろに付き従うようにいることだ。
そして、彼らはお互いや魔獣も含めて同士討ちに近いような状態になっている。
いや、完全に同士討ちにしかなっていなかった。
どれだけ優が呼びかけても、彼らは止まる気配はなかった。
むしろ、どんどん状況が悪化しているようにしか感じられなかった。
そして、ようやくその状況が収まったのは、彼らが黒い石に成り果てた時だった。
まるでブラックオニキスや黒水晶のように美しい光を放つ黒い石が、ゴロリゴロリと8つ転がっていた。
だが、周りにいた人物達の死体は魔獣に食い殺された者達の死体以外は全てそのままだった。
だが、変わり果てた姿になって同士討ちをした7人と魔獣の死体はどこにもなかった。
・・・まるで、『この黒い石が彼らの亡骸だ』・・・とでも言うかのように・・・
感想まだです
- Welcome to the Villains' world ( No.771 )
- 日時: 2021/05/23 09:15
- 名前: 桜木霊歌 (ID: 8JrAMFre)
優「はっ・・・!?」
思わず飛び起きてしまった優は、ふと周りを見る。
いつもの部屋、いつものベッドの上・・・安心すべきはずなのに、安心できない。
心音が優の心を揺さぶり続ける。
優「・・・何だったの、今の夢・・・!?」
あんなにひどい悪夢を見たのは、優にとっては久しぶりだった。
1秒でも早く冷静になりたくて、深呼吸をしている。
焦りすぎてラマーズ法になっていないかな?なんて的はずれなことを考えてしまっているが、これでも冷静になりたくて現実逃避してしまっているのだ。
優「・・・」(こういう時はやっぱり・・・あの人に聞くべきだよね・・・)
そして優は持っていた『空白の書』を開き、母親が作った『渡りの栞』を挟みこむ。
すると同時に、優の視界を光が包み込んだ。
・
目を開けるとそこは、植物や木の実がすべて楽器の形をしている不思議な森に来ていた。
それを見て、優は今いる場所が『音の森』であることを理解した。
優「・・・音の森かぁ・・・とりあえず、まずは森から出ないと・・・」
???「優!創造主様のご子孫が、ここで何をしているのかな?」
優「この声・・・!?」
ふと後ろを見ると、二対の金色の瞳が優を見ていた。
白髪のショートボブで右目を前髪で隠し、黒いケープの留め金と黒いミニハットの飾りにはト音記号があしらわれている。
もう一人は黒髪のショートボブで左目を前髪で隠し、白いケープの留め金と白いミニハットの飾りにはヘ音記号があしらわれている。
優「ロディ君にレンス君・・・!?まさかこんな所でフ・レーズ兄弟に会えるなんて・・・」
ロディ「ここは僕らの住処であり仕事場だからね。」
レンス「そういうお前は、何でこんな所にいるんだよ?」
優「霊歌さんに会いに来たんだけど、たまたまここに飛ばされちゃっただけなんだ。」
ロディ「じゃあ出口まで案内するよ!ついてきて!」
フ・レーズ兄弟の道案内で音の森から出てきた優は、そのまま霊歌の家へと向かう。
ピンポーン…
霊歌『はい?どちら様でしょうか?』
優「霊歌さん、僕です!優です!少し相談があるので、お話いいですか?」
その優の言葉を聞いた霊歌は、普段の声色とは異なる真面目な声で「どうぞ」と言って家の中へと招き入れた。
ミニジョゼフは突然の来客に驚きつつも、優にも懐いているためニコニコとしている。
霊歌「所で、お話ってなんなの?」
優「実は・・・」
優は先日見た悪夢について霊歌に話した。
どこか現実味を帯びていたこと、どうしても他人事には思えないという個人的な想いも忘れてはいなかったが・・・
霊歌「なるほどなるほどぉ・・・私個人の予想だけどね、もしかしたら・・・その夢が優を誘っているのかも」
優「僕を誘ってる・・・?」
霊歌「そう。アドバイスになるかどうかは怪しいけれど、その誘い、受けてみるのはどうなのかな?」
優「・・・!はい!」
そうして元の世界に戻った優だが、どうやって夢の誘いを受ければいいんだ、なんて考えてしまう。
それに、誘われているのはあくまで推論というだけなのだ。
信憑性にはかけてしまうし、仮にそうだとしても、どうやって夢の誘いを受ければいいんだ・・・という考えが頭をよぎってしまう。
優(あ、そういえばいつもの小説、新刊出たんだっけ?買いに行こっと)
スマホと財布、そして暇潰し用の本(どう考えても暇潰しの量じゃない)を携え、優はのんびりとバス停でバスを待っていた。
だがしかし、中々バスが来ないし、何なら霧が出てきて気味が悪い。
ふと前を見ると、そこには真っ黒な馬と馬車が優の目の前に鎮座していた。
思わず驚いた優だが、疑問すら挟む余裕もなくそのまま気を失った。
感想まだです
- Welcome to the Villains' world ( No.772 )
- 日時: 2021/05/23 09:20
- 名前: 桜木霊歌 (ID: Fa9NiHx5)
そして目を醒ますと、優は何故か四角い箱の中にいた。
形はなんというか、西洋によくありそうな棺桶の形であり、ガッチリと蓋をされていることが分かる。
優(待って?僕何で棺桶の中なんかにいるの・・・?)
とりあえず、ここから出ないと何も始まらない。
これでも優は勉強のみならず運動も大得意で、スポーツテストも上位の成績であり、ナックルズや金太郎などの力持ちの登場人物に仕込まれているのだ。
ガッチリと蓋をされていようが、そんな登場人物に仕込まれている為か、少し力を入れれば簡単に蓋が外れる。
そして目に入った光景は、優が入っていた物と同じデザインの棺桶が大量に空中に浮かぶ部屋だった。
優「何この部屋・・・?趣味悪いなぁ・・・」
???「ぎえー!?何で起きてるんだゾ!?」
優「え!?」
思わず驚いて後ろを見ると何もいない。
気の所為かな?、なんて考えつつ下を見るとそこには黒猫のような狸のような魔獣が二足歩行でそこにいた。
黒に近いグレーの毛並みに青い瞳、裾がボロボロになった白黒のストライプのリボンを首輪のようにつけ、尻尾は悪魔が持つ槍のような三叉の尻尾だ。
・・・ただし、外見はどこか夢に出てきた魔獣をデフォルメさせたようなものだった。
本来ならば猫が喋ることや二足歩行したことに驚くべきなのだろうが、優は御伽学園や家にいる、友人と遊ぶとき以外は常に『語り部』の想区に住んでいる。
だからこそ・・・悲しくなるほどにそういった存在への耐性は強かったし、何なら似たような性質の登場人物に長靴をはいた猫(通称『猫先生』)がいる。
その為、優はとても冷静だった。
優「え・・・っと・・・君のお名前は?」
???→グリム「俺様はグリム様なんだゾ!おいお前!その服をさっさと俺様に寄越すんだゾ!」
優「服って言われても、僕が着てるのは私服だし、こんな所で全裸になったら公衆わいせつ罪で捕まる・・・ってえ?」
そう言われて、優は思わず自分の着ていた服を見ると同時に絶句した。
何故なら着ていた服は棺桶に入れられるまで着ていた白いシャツと赤いネクタイに灰色のベスト、黒いスラックスに黒いローファーではなく、夢で見た青年たちが着ていた黒と紫、ゴールドを基調にしたフード付きローブだったからである。
優「待ってなにこれ!?僕いつの間に着替えされられたの!!?」
グリム「さっさと寄越すんだゾー!ふなー!!!」
優「わわっ!?」
グリムが痺れを切らしたようで、優に向けて青い炎を吹き付けるが、直線上の軌道であり優には簡単に躱すことができた。
いや、そもそも優は戦闘ですらも創造主である霊歌直々に完璧なまでに仕込まれている為、この程度は余裕で躱す事ができる。
流石に狭い部屋では分が悪いと感じた優は部屋を飛び出し、グリムも優を追いかける。
そして、炎を吹き出されては躱し炎を吹き出されては躱しの繰り返しだ。
・・・そしてその内、優の方も完全に痺れを切らした。
優「・・・てよ・・・」
グリム「ふな!?何なんだゾ!?」
優「いい加減にしてよ!『蜘蛛の糸』!」
グリム「ぶな!?」
優が物語呪文を唱えると、何処からともなく蜘蛛の糸が現れてグリムの動きを封じ込める。
優「本当にいい加減にして!そもそもここは何処なの!?」
グリム「おめー知らねぇのか!?」
優「知らないから聞いてるんでしょう!?」
???「おやおや、こんな所にいたんですね?」
優「え?」
優に話しかけてきたのは黒い仮面に黒いベストと黒い羽のジャケットを羽織り、シルクハットを被っている怪しさ満点の人物だった。
先程までのこともあり、優は警戒しながら男を見る。
優「・・・どなたでしょうか?」
???→学園長「失礼。私はこのナイトレイブンカレッジの学園長であるディア・クロウリーと申します」
優「あ、どうもクロウリーさん。僕は優です。時ノ小路優」
学園長「中々変わった名前ですねぇ・・・とりあえず、鏡の間へ行きましょう。全くどれだけせっかちなんですか。自分で扉を開けてしまう新入生なんて、前代未聞です!さあ、入学式は始まってますよ!」
優「え・・・?え・・・!?」
扉と言われても、入学式と言われても、新入生と言われても何も分からない。
言われるがまま、グリムを抱えたままクロウリーという学園長についていくことになった。
感想まだです
- Welcome to the Villains' world ( No.773 )
- 日時: 2021/05/23 09:25
- 名前: 桜木霊歌 (ID: Fa9NiHx5)
そして連れてこられた部屋は、優の夢に出てきた部屋だった。
そして、一際大きな古そうな鏡の前には5人立っており、その近くには1つのタブレットが浮かんでいる。
間違いなく、彼らも優の夢に出てきた人物で間違いない。
彼らは何かを話しているようだが、その事実に気がついた優はそれどころではない。
周りをキョロキョロと見回し、こころなしか焦ってしまっている。
グリム「お前、何キョロキョロしてるんだゾ?」
優「あ、気遣ってもらってごめん・・・ちょっと、ね?」
学園長「優くんでしたね?この闇の鏡に向かって自分の名前を言ってください。闇の鏡があなたの魂の形に一番相応しい寮を選んでくれますよ」
さっきからこの学園長を名乗る男は自分の話を無視しているような気がする。
というか、優はここに入学したいなんて言ってないし、何なら御伽学園中等部に通っている為すぐにでもこの推薦を蹴りたい。
優「僕は優です。時ノ小路優です。」
トキノコウジ?珍しい名前だな?いやでもユウって言ってたし、トキノコウジが名字じゃね?なんか極東の国って感じの見た目だし
周りからの声を聞き、となるとここは外国か?という考えが浮かぶ。
その最中、鏡がこう言った。
闇の鏡「この者は然るべき規則を守る厳格の精神、諦めることなき不屈の精神、海よりも深き慈悲の精神、冷静に周りを判断できる熟慮の精神、全てをやり抜き努力を惜しまぬ奮励の精神、知識を蓄え未来へ活かす勤勉の精神、誇りを持って強く生きる高尚の精神・・・それら全てを持ち合わせている!」
その闇の鏡と呼ばれる鏡の言葉に、周りからはざわめきの声が溢れる。
その一方で、優は全く意味を理解する事ができず、頭に?を浮かべている。
闇の鏡「よってこの者は全ての魂の形を持ち、どの形も相応しくない!」
学園長「何ですって?」
全く意味が分からず首を傾げる優に対して、周りはざわめいている。
ただ、唯一分かった点は自分はここでは異分子という事だけだった。
優「えーと、つまりどういう事ですか?」
学園長「優くん。君はこの学校に通うことはできません。魔力の無い者をこの学園に通わせる事はできないのです」
グリム「でもこいつ、さっきどっからか糸出して俺様のこと捕まえたんだゾ?それなのに通えねぇのか?」
学園長「はい?それはどういうことなんです?」
優「まあ、別にいいや。はい、次はグリムの番だよ」
優がグリムにそう声をかけ、闇の鏡と面向かう位置に抱き上げる。
先程の様子から、優はグリムがこのナイトレイブンカレッジに通いたがっている事を見抜いたのだ。
グリム「ふな!?いいのか!?」
優「うん!僕そもそもこの学校に通いたいだなんて一言も言ってなかったし」
学園長「いえ、それは無理な話「何ですか?グリムみたいな子は人の世に混じって勉強するな、とでも言いたいんですか?」うっ・・・」
学園長の言葉を軽くいなし、グリムは意気揚々と自分の名前を鏡に向けて高らかに名乗ったが、結果は優と同じ適性なし。
しかも、『この者の魂は分からぬ。よって相応しい魂の形は無い!』と言われてしまったので、優の腕の中でメソメソと泣いてしまっていた。
ちなみに優はそんなグリムの頭を聖母のように優しく撫でている。
学園長「とりあえず、闇の鏡にあなたの故郷を言ってください。そうすれば、あなたは帰れるはずです」
優「帰れるんでしょうか・・・帰れない未来が見えた気がします・・・」
そう思いながらも、故郷である御伽市の事を頭に思い浮かべる。
闇の鏡「この者のあるべき場所は、この世界のどこにも存在しない。無である」
学園長「何ですって?」
慌てふためく学園長に対し、優は『嫌な予感が的中してしまった・・・』とどこか冷静かつ諦め気味に対処していた。
色んな事に巻き込まれるんだもん。一度帰れないくらいなんてこと無いよ。
学園長「闇の鏡が知らないことがあるなんて・・・君、どこから来たんです?」
優「日本の東京都郊外にある御伽市という町です。そこで生まれ育ちました」
学園長「聞いたことがないですねぇ・・・とりあえず、寮長たちは寮生の引率をお願いします。優くん、少し調べ物のためについてきてください」
優「・・・分かりました。あと、僕が元々着ていた服と持っていた財布とスマホ、そして暇つぶしの為に読もうと思っていた本は何処に行ったんですか!?」
学園長「え?」
感想まだです
- Welcome to the Villains' world ( No.774 )
- 日時: 2021/05/23 09:30
- 名前: 桜木霊歌 (ID: Fa9NiHx5)
どういう仕組みかわからないが、新入生たちの着ていた服や持ってきていた荷物は先程の部屋の棺桶の中に収納されているらしい。
私服と本とスマホと財布を回収して着替えたあと、優が学園長とグリムと共に訪れたのは図書室だった。
否、これは図書館といっても過言ではなかった。
自分の学校の図書室と負けず劣らずの広さだろう。
学園長「どの資料にも載っていない・・・」
優「何となく、そんな気はしていました。というか、僕異世界出身ですし」
学園長・グリム「え?」
めちゃくちゃすごいことをまるで『今日トーストにバター塗って食べた』とでも言わんばかりの様子で言い放つ優に、二人は思わず絶句した。
優「とりあえず、ここは一体どこなんですか?僕何も知らずにここに連れて来られたのですが?」
学園長「ここはツイステッドワンダーランド。そして、この学園は魔法師養成学校ナイトレイブンカレッジです。」
優「そうなんですね。だからグリムはこの学校に入りたかったんだ」
グリム「そうなんだゾ!俺様は大魔法師になる為に生まれてきたんだゾ!」
グリムは思いっきし優に懐いている。
それは当然かもしれない。出会いは最悪としか言えなかったが、あんなに優しくしてくれたのだ。
完全に優に甘えている。
学園長「では、身分証明書はありますか?」
優「友達と遊びに行く際にカラオケや遊園地に行くってなったときの為に、生徒手帳は常に持っていますよ」
そう言って、優はいつも持ち歩いている御伽学園中等部の生徒手帳を見せた。
そこには優の写真や家の住所、連絡先の他、メールアドレスや両親の電話番号もご丁寧に全て書かれていた。
学園長「それは良かった!ご両親に連絡・・・って異世界に通じるかどうか分からないじゃないですか!かと言って魔法の使えない者をこの学園に置いておくわけには行きませんし・・・」
優「蜘蛛の糸!」
その言葉を聞いた優は素早く蜘蛛の糸の魔法を発動させ、学園長を捕縛した。
そういえばさっきグリムが『どこからか糸を出して動きを捕縛した』と言っていた。
恐らくこういうことだったのだろう。
グリム「この学校の名前読めねぇんだゾ・・・」
優「しりつおとぎがくえんちゅうとうぶって読むんだよ」
グリム「ちゅうとうぶってなんなんだゾ?」
優「ここ多分外国に近いから、わかりやすく言うとミドルスクールだよ。ミドルスクールの3年生。僕の通ってる学校はエレメンタリースクール、ミドルスクール、ハイスクール、ユニバーサルシティが1つになってるんだ」
グリムとそんな話をしていると、何かを考えていたらしい学園長が優に話しかけてくる。
学園長「優くん、今はまだ君を元の世界にかえす事はできませんが、しばらくは学園の敷地内に使われていない建物があったはずです。そこを宿にするのはいかがですか?」
優は直感的に嫌な予感を感じた。
使われていないという事は、衛生面は大丈夫なんだろうかと考えてながらついていくと、そこは案の定ボロ小屋だった。
ボロッ・・・という効果音がついてもおかしくないくらいに老朽化した建物に正直『趣がある』なんて言葉程度じゃ済まされない。
最早廃墟だ。廃墟マニアが好みそうな物件だ。
早速部屋の中に入ってみると、埃が雪のように積もっており、喘息持ちやホコリアレルギーを持つ相手はきついだろう。
もしも優が喘息を患っていたり、ホコリアレルギーを発症していたら、学園長はどうするつもりだったんだろうか・・・
グリム「このままじゃ俺様白くなるんだゾ・・・」
優「そうならないように、お掃除しようか・・・」
グリムと優は二人で雑巾がけをしたり、箒で床を掃いたりしている。
優「よしお水は・・・うわ錆びてるし鉄くさ!?学園長に交換してもらわないと・・・」
グリム「優ー!なんか絵画の後ろから変な手紙を見つけたんだゾ!」
優「何々・・・うわ、ラブレターじゃん!これ取っといてあげるべきかな?燃やすべきかな?破り捨てるべきかな?」
何だかんだ二人で協力しながらオンボロの建物の掃除をしている最中だった。
ゴーストA「あの〜・・・」
ゴーストB「そろそろ出てきてもいいですかね〜・・・?」
ゴーストC「ずっとスタンバっているのしんどいんですけど〜」
優「わ!?」
グリム「ふなー!?ゴーストなんだゾー!!?」
魔法の世界だ。そりゃ幽霊がいても不思議じゃない。
でも『語り部』の想区にも幽霊がいるのだ(良き例として小百合や幽々子)。
だからこそ、優は常に冷静だった
優「あ、お待たせしてしまってごめんなさいねゴーストさん」
ゴーストA「え?え?」
怖がられるかと思っていたが、そんなことはなくむしろずっと冷静な優に、ゴーストたちはどこかタジタジになった。
優「あ、ポルターガイストとか魂抜くとかの困った過度なイタズラはやめてくださいね?同じ建物で暮らすルームメイトととして楽しく暮らしたいので、よろしくおねがいします!」
ゴーストB・ゴーストC・グリム「え?え?」
物語の世界で暮らしていると、ほんとに慣れっこになるんだな・・・
ちなみに一瞬で仲良くなったゴーストたちを見て学園長が驚いたのは別の話・・・
感想OKです!
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