死にたがりの私

作者/桜

―1章― 4


家に着いた。

「ただいま」

「おかえり~、穂乃実」

母が、リビングから出てきた。

「あら、何があったの!?」

母の視線の先、私の制服。

泥だらけ。

泥水を何回もかけられたから。

「あはは~、転んじゃって」

私は、無理に笑った。

「そう、洗っておくから着替えてね」

「は~い」

母に心配させないため。

家族に迷惑をかけないため。

いじめられている事を隠さなくては。


私は自分の部屋に入り、鍵をかけた。

それまで浮かべていた、笑顔が消えた。