死にたがりの私

作者/桜

―6章― 11


『蓮華は明日、1万円を持ってくるのか』

そんな話題で私達は盛り上がった。

本当の事を言うと、どうでもいい。

持ってくるか持ってこないか、なんて私には関係ない。

まぁ、持ってきたら、無くなるまで搾り取られる。

持ってこなかったら、もっといじめが酷くなる。

どっちも地獄だね。

「あ、もうすぐ昼休み、終わりそう」

クラスメイトの1人が言った。

『だるー』とか『嫌だー』とか言いながら、皆自分の席に戻る。

私も自分の席に戻る。

隣には、石像のように微動だにしない蓮華がいた。

蓮華は今、何を考えてるのかな?

明日のお金、どうしよう?

これからもいじめられるのかな?

それとも、死にたい?

まぁ、エスパーじゃないし分からないか。





『死にたいんなら、死ねばいい』

春菜に言った言葉。

蓮華にも言えるかな?