死にたがりの私

作者/桜

―5章― 9


担任は、気づいている筈なのに何も言わない。

少し良くなったって安心?

これなら死なないって事?

これなら自分は無事って事?

担任も人間だから仕方ないか。

皆、自分が大切だもんね。

皆の中に、私も入るけど。




私はいじめの被害者から加害者になり傍観者になった。

私は自分の立ち位置が分からなくなった。

加害者が良いのか、傍観者が良いのか。

いじめられる人の苦しみが分かるから、いじめたくない。

けれど、自分がいじめられたくないからいじめる。

矛盾している?してないよ?

自分を守るために人を苦しめるのは皆一緒。

無視だけなら良いのかな?

暴力とかじゃないから良いのかな?

これはいじめじゃなくて、ただ異端を排除しただけだから良いのかな?

いくらでもある。

自分を正当化する言葉が。

正当化してしまう言葉が。

こんなの良い訳だって分かってる。

だけど、そう思わなければいじめられない。

同じ人間を排除できない。

私は、加害者。

自分の身は自分で守らなければ。





いじめられるのは、蓮華が悪い。

蓮華が心を開かないから。

蓮華が私達を拒むから。

蓮華が異端者だから。

無限の言葉。

蓮華を悪者にする。

これで私は……?