死にたがりの私
作者/桜

―2章― 3
「いってきます」
私は微笑みながら言った。
………。
返ってこない声。
そんな事分かっているのに、何故言葉を発したの?
それは、私のいつもしている事だから。
いつも笑って学校へ行っているから。
家族を心配させないように。
ねぇ、心配って何?
迷惑と同じ意味?
心配させるのは、迷惑かけるのと同じ意味?
同じ意味。
だから私は隠しているんだ。
いじめられている事を。
でも、隠していたとは言えた?
今までの事を振り返って。
隠していたと、堂々と言える?
私は、隠していない。
隠しているつもりで、隠していなかった。
助けて欲しかった。
きっと、気づいてくれると思っていた。
淡い希望を持っていた。
甘い期待をしていた。
人生は上手くいかないモノ。
そうなって欲しい、と思うほどならない。
そうならないで欲しい、と思うほどなる。
私は何をやっていた?
何を家族に求めていた?
救い?愛?慰め?
私は、何を求めていたの?
救って欲しかった。
愛して欲しかった。
慰めて欲しかった。
全てを求めていた。
だからかな?
欲張りな私に天罰を。
――――母は、私を助けてはくれない。
私は、我にかえった。
もう、行かなくては。
地獄へ。
夢も希望も無い地獄へ。
私は家を出て、学校へ向かった。

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