死にたがりの私
作者/桜

―4章― 9
休み時間になると、クラスメイト達が私の机に集まってきた。
次々に質問されたけど、私は1つ1つ丁寧に答えた。
数えきれないくらい質問された頃、この質問をされた。
『ねぇ九重さん。何で転校してきたの?』
『いじめられたから』と答えられる訳がない。
私はこの質問をいつかされると予感していた。
前から用意していた答え。
『お父さんの転勤で』
クラスメイト達は少しも疑う事はなく、次の質問に移った。
休み時間が終わりそうな頃。
蓮華が警告してきた。
「坂本 春菜(さかもと はるな)には関わらない方がいいよ」
蓮華がある子を指差す。
1人で席に座り本を読んでいる、気の弱そうな子。
「アイツ、いじめられてるから」
蓮華が笑いながら言った。
「私もいじめてるけど、穂乃実もどう?てか、クラス全員でいじめてる」
やっぱり、いじめはなくならないのね。
なら、いじめる側にまわるしかない。
「うん、そうする♪」
私は微笑みを浮かべながら言った。
引きつっていないか、心配になったけど。
「うん、じゃあ放課後に♪」
蓮華は楽しげにそう言い、次の授業の準備を始めた。

PR
小説大会受賞作品
スポンサード リンク