死にたがりの私
作者/桜

―2章― 4
門が見えてきた。
足が震えてきた。
皆、私を見ている。
皆、私を嘲笑っている。
『何あれ?キモくない?』
『生きている価値ないよ、アイツ』
『あれゴミ以下?いや、ゴミ未満?』
『見ているだけで、気分悪くなってきた』
見ていない。
皆、私の事は見ていない。
現実から目を逸らしても、私への嘲笑は耳へ入り込んでくる。
「穂乃実、おはよぉ」
肩を叩かれた。
「今日も一緒に遊ぼうねぇ?」
私をいじめている人の1人。
――――――あぁ、もう無理だ。
私は、逃げた。
全てから逃げた。
いじめられるのは嫌だったけど、学校を無断で休んだ事はなかった。
けど、もう無理。
我慢の限界。
私の心の傷は、もう癒えない。
私は走った。
行き先も考えずに。
ただ、学校から逃げたかった。
私の心が休まる所など、ないのに。
全て、私を痛めつけるのに。

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