死にたがりの私
作者/桜

―5章― 8
いつものように、学校へ行った。
何も変わらない教室。
何も変わらない皆。
クラスメイトが1人、減っただけで。
私はこっそり、隣に座っている蓮華を見た。
恐怖に染まっている顔。
何回も見た、この顔。
いつ、殴られるのか。
いつ、蹴られるのか。
いつ、いじめられるのか。
そんな恐怖に怯えている顔。
・・・いつ、いじめられるのか?
もう、いじめている。
言葉じゃない。暴力じゃない。
――――――――――――――――ただ、存在を消した。
このクラスには、蓮華という人はいないかの様に振る舞う皆。
蓮華が声をかけても振り向かない。
蓮華がミスをしても笑わない。
蓮華が何をしても反応しない。
教室には、蓮華はいない。

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