死にたがりの私

作者/桜

―3章― 1


私はその日から、学校へ行かなくなった。

学校へは行かないけど、風呂とかで部屋からは出る。

母と会う事もあったけど、母は何も言わなかった。

自殺するよりはマシだ、とか思ってるのかな?

姉が言っていた。

父母は、現実から目を逸らしている。

現実から目を逸らしても、何も変わらないのに。

それに、どんどん悪い方向へ進んでいってしまうのに。

今の私のように。


私は逃げたんだ。

現実から逃げたんだ。

全てから逃げたんだ。

もう、耐えきれなくて。

いじめに立ち向かう人もいるけど、そんなの私には無理。

そんな勇気はない。

もし立ち向かっても、もし逆らっても、何も変わらない事もある。

もっといじめが酷くなってしまう事もある。

そんなマイナス思考だから、勇気が出ないのかな?

そもそも、私に勇気はないのかな?

怖くて3階から飛び降りれない。

怖くて道路に飛び出せない。

怖くて人に逆らえない。

怖くて何も出来ない。

生きている事すら怖くて……。

私は何をしたかったの?

このまま学校へ行かないで、社会的に死ぬの?

それとも、もう、この世から消えてしまう?

私は、棚から日記帳を取り出した。

いつもは夜なのに、何か書きたくなった。

今の思いを心の中で溜めておくのは、もう限界だった。

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私は、逃げた。

何で逃げたのだろう?

それは怖いから。

何で生きているのだろう?

それは死ぬのが怖いから。

何で死にたいのだろう?

それは生きているのが怖いから。

私はどうすればいいの?

どうする事も出来ない。

独りぼっちの私に出来る事は何なの?

私には、何も出来ない。

ただ、呼吸をしている事しか。

何の役にもたたないガラクタ。

不良品。

お母さん、こんな私を産まないでよ。

何の役にもたたないよ?

お金がかかるだけだよ?

死にたいよ、死にたいよ。

私は、1人では死ねない。

1人では。

なら、2人では?3人では?4人では?

私は、死ねるの?

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日記帳を閉じる。

自問自答。

いつまでも答えの出ない、無意味な事。

でも、それは私に希望をくれた。

さぁ、探しに行かなくちゃ。

私は久しぶりに、家を出た。