死にたがりの私

作者/桜

―2章― 6


ふと空を見上げると、暗くなっていた。

携帯で時間を確認すると、20時。

まぁ、怒られないしいいか。

母も父も、今日はいないし。

でも、いつまでもこんな場所にいても意味はない。

私は薄汚れた床から立ち上がり、軋む階段をおりる。

雲1つない、星が光る空。

私の心と正反対。

十数分か歩いたら、家に着いた。

意外に近い所だった。

あの場所は落ち着く。

人が少ないから。

また今度、行こうかな?

その時まで、私が生きていれば。

ガチャ

ドアを開け、家の中へ入る。

母がリビングから出てくる気配はない。

飲み会か。

私は自分の部屋に入り、鞄をベッドに投げ捨てる。

その衝撃で、鞄から携帯が飛び出た。

携帯が震えている。

誰からだろう?

携帯を開き、メールを確認する。

「……え?」

今日だけで何十件も来ていた。

全て、私をいじめている人。

そのメールの一部。

『おいおい、逃げんなよぉ(笑)』

『逃げるなんて弱虫ww』

『今日の分のお金、明日貰うからねぇ?』

『逃げられないよ、私達からは』

『アンタに仲間なんていないよ』

ガタッ……

携帯を床に落としてしまった。

拾いたいけれど、体が動かない。

頭の中で渦巻く言葉。

『アンタに仲間なんていないよ』

仲間。

……いる。

いないわけがない。

じゃあ、誰?

父?母?

あれは仲間と言える?

……言えない。

じゃあ、残りは?

残り?

父、母以外……、




―――――――――姉。





私は、自分の部屋を飛び出した。