死にたがりの私
作者/桜

―3章― 3
私を5人ぐらいの人が囲んでいる。
「何やろっかぁ?」
「いつもやってるのでいいんじゃない?」
「そうね、風呂場に連れてって、水責めでもしよっか」
皆に連れられ、風呂場で水責め。
こんな事をやっていて、楽しいの?
私をいじめて、楽しいの?
楽しいから笑ってる。
私は、天井を見つめたまま、表情を殺していた。
何故表情を殺すの?
私の全てを知られそうで怖いから?
知られる訳ないよね?
知られない。
皆に私の全てが分かる訳ない。
そんなの分かってるのに出来ない。
他人に表情を見せられない。
無理に殺している。
無理をしているから、限界が来たのかな?
もう耐えられなくなったのかな?
「あ、そうだ。穂乃実の服、脱がしてみない?」
リーダーの子が突然、そんな事を言いだした。
服を脱がす?
どうして?
「そして、その写真を裏サイトに投稿するの♪」
「面白そぉ♪」
「やろやろ!」
裏サイト。
どこの学校にもある、裏サイト。
裏サイトに、私の写真が……?
「じゃあ、さっそく♪」
皆が私の服を脱がしていく。
そして、携帯で写真を撮る音が聞こえてくる。
「アハハ……」
私は小さく笑った。
静かに涙を流しながら。

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