死にたがりの私
作者/桜

―3章― 4
「ねぇ、これどう?」
リーダーの子が携帯画面を私に見せる。
そこには、無残な私。
半裸の私。
惨めな私。
そして、笑っている私。
「結構上手く撮れたでしょ?じゃあ、裏サイトに投稿しよっか♪」
携帯を操る。
「あ、そうだ」
リーダーの子は、視線を携帯からはずし、私へ向けた。
「アンタがこないと、学校つまらないんだよねぇ?チャンスをあげる。アンタが学校へ来るなら、この写真を裏サイトに投稿するのを考えてあげる。ねぇ、来るよねぇ?」
学校へ行く?
行かなくれば、あの写真が裏サイトに?
どちらがいいの?
学校へ行って、またいじめられるの?
裏サイトに投稿されて、サイトでいじめられるの?
どちらにしても、いじめられるじゃない。
なら、どっちでもいい。
私は……、
「……行かない」
「は?今何て言った?」
聞こえている筈なのに、また聞き返す。
この時、私はどうなってもいいと思った。
どうせ死ぬから。
もう、私の人生は終わってしまうから。
だから最後に、楽しんでも罰は当たらないでしょ?
「行かないって言ったじゃない。聞こえないの?耳悪すぎぃ」
最後に、私は逆らった。
逆らったと言えるかな?
高慢な態度をとっただけで。
今だから出来た事。
前までは出来なかった。
さぁ、皆はどう反応するのかな?
予想通り、リーダーの子が顔を赤くさせて怒鳴った。
「何よ!その喋り方!アンタはアタシ達の奴隷なのよ!」
私は馬鹿にするような笑みを浮かべながら言った。
「何言ってんの?人間は平等よ?そんな事も分からないの?前、貴方私に言ったよね?『アンタゴミ以下じゃん』って。貴方こそゴミ以下なんじゃないの?自分の思い通りにならないと、すぐ怒る。そんな自己中だと嫌われるよ?あぁ、もう嫌われてるか」
バシッ
頬が痛い。
「何言ってんのよ!アンタが嫌われてるのよ!アタシはゴミ以下じゃない!アンタがゴミ以下なのよ!」
「アハハッ、図星だから怒ってる?まるで幼児みたい。貴方に脳みそある?もしかして、空っぽとか」
私は、皆より上に立った気がした。
私は、人を見下している。
「誰に言ってると思ってるの!」
「貴方に」
私は、リーダーの子の理性が切れた気がした。
後頭部に激痛。
酸素が入ってこない口。
リーダーの子の手が被さっている首。
「アンタ、アタシ達に逆らっていいと思ってるの?」
あぁ、首を絞められているんだ。
なら、このまま逆らわないでおこう。
このまま、私は死ねるかもしれないから。
私が望んだ死。
貴方が叶えてくれるのね?

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