死にたがりの私
作者/桜

―4章― 5
毎日毎日、私達は亜美をいじめた。
前の私のように怯える亜美。
亜美を取り囲む皆。
皆、笑って亜美をいじめている。
私も楽しくないけど笑う。
いじめられるのは嫌だから。
皆に合わせておけば大丈夫。
もう、苦しみたくない。
皆、笑う。
惨めな亜美を見ながら笑う。
何が面白いの?
何故笑うの?
そんなに人を痛めつけるのが楽しい?
人の心を踏みにじる事が快感?
自分より弱い者がいないと怖いの?
群れなければ生きていけないの?
私は、皆の気持ちが分かる。
1人は怖い。
1人は弱い。
私も体験したから。
1人の怖さを。
1人の弱さを。
そして、群れた人の強さを。
『群れれば大丈夫』
そう、群れれば良い。
群れれば、私は生きていける。
私は死なずにすむ。
人の心を殺して、亜美をいじめよう。
罪悪感という心を。

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