コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 世界終了ハウマッチ!?
- 日時: 2015/10/28 20:57
- 名前: 彩都 (ID: vKymDq2V)
初めまして、彩都(サイト)と申します。
四作目です。
帰宅途中に思い付いた五分クオリティです。
気楽にお読み下さい。
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69
- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.289 )
- 日時: 2018/08/25 22:39
- 名前: 彩都 (ID: ???)
「嘘……だろ……?」
先宮さんは祐介、アリスのやり取りを見て、静かに手を口に当てる、もしも、もしも『それ』が可能となるのなら、『犯人はもっと広がる』……!!だが、可能性は待って欲しい、何故なら、『それ』が出来るのって、『この館に精通している人物』って事になる!だから、『それ』を知っているのは、『被害者本人と、この館のメイド達、執事達』のみとなる!いや、待って欲しい、『それ』はそうかもしれないが、だが、『たまたま客人である三人の内誰かが気付いた』のなら、『被害者本人とメイドと執事の三竦みは犯人じゃなくなる』んだ!!先宮さんはそう思いながら、『あれがこれで、これがあれで……』と、独りでに呟く。
「……さ、先宮さん?」
先宮さんの異常に気がついた祐介が言う、だが、先宮さんは『後少しで解けそうなんだ、だから、静かにしろ』と、呟いて、祐介は行動を止める。
「へへっ、流石先宮さん、本業だから、俺の、俺達の出る幕はねぇってか……」
解けない祐介は静かに先宮さんを褒め、その場を離れる、そして、祐介は何時でも動けるように準備をしておく。
「もしも、もしも、『それ』が可能なら……!お、おい!だ、誰でも良いから、氷室、伊豆垣、萱流のこの館に来た時間を調べてくれ!」
「はい!」
「分かったぁ(OKOK)」
「う、うん!」
祐介、アリス、春華の三人は先宮さんの発言を受けて、三人に話を聞いた。
「え、えーと、伊豆垣さん、少し話、良いですか?」
「……あぁ、いいけれど?」
「えーと、伊豆垣さんがこの館に来たのって……」
「あの細い青年とほぼ同時刻だよ?私は少し後から入ったけれどね?」
「成程……有難う御座います」
「あぁ、頑張って事件を解いてくれ?」
祐介は伊豆垣さんから話を聞き終える。
「ねぇねぇ、お兄さん?話、良いかな?(OK?)」
「えっ?私かい?私は良いけれど……?」
「よかったぁ、それじゃあ、聞くけど、お兄さんはこの館に何時来たの?(時間説明)」
「えっ?あぁ確か十一時頃かな?先に被害者と話をしようとしたら、もう死んでいて……」
「成程ぉ、有難う!(さんきゅー!)」
「いやいや?どうも致しまして?と、とりあえず、自分の無罪を証明して欲しいや?」
萱流さんはそう言って、胸に手を当てる、アリスは萱流さんから話を聞き終えた。
「……えーと、氷室さん、でしたっけ?お話良いですか?」
「んっ?あぁ、いいけれど?手短にな?」
「……はい、それじゃあ、聞きます、氷室さんは何時頃、この館に来ましたか?」
「んぁっ?そんなの簡単だろ?私は早めに来て、カキ氷を提供しなきゃならんのだ!だから、十時にはもう来ていた!周りのメイドにも聞いていてくれ!」
「あっ、はい、分かりましたぁ、御協力有難う御座います」
「はぁ、全く……あの細身の青年め、言い逃れしようとしているな……?」
「あは、あはははは……」
春華は氷室さんの発言を受けて、静かに笑って呆れる、そして、春華も氷室さんから話を聞き終え、先宮さんの前に現れる。
「さて、お前達三人はどんな話を聞いた?それじゃあ、祐介君から」
「はい、まず、伊豆垣さんは萱流さんとほぼ同時刻に到着、ですが、萱流さんの方が一歩早かったそうです」
「ふむ、成程、それじゃあ、春華」
「えーと、私はぁ、氷室さんから話を聞きました、んで、氷室さんはカキ氷を早く提供する為に十時には、館に来ていると」
「成程……じゃあ、アリスちゃんは?」
「私?私は萱流さんだよ?んで、お兄ちゃんの言う通り、少し早かった、後、来た時間は朝の十一時って言ってた(少し遅いなぁ)」
「ほう……」
先宮さんは祐介、春華、アリスの発言を受けて、頭の中で計算を行った、もしも行うにしても、メイドや執事が見ている可能性がある、一応は確認したいが、『この部屋にはメイド、執事が居ない』ので、確認のしようがなかった。
「……結構、難しい密室だなぁ?」
先宮さんはそう呟いて、口の端を歪ませて、溜息を吐く、そして扉の前に立ち、扉を開けて、鍵を先に施錠し、扉を閉じる。
すると『扉は閉まり、施錠されて』いた、この状況を見て、先宮さんは『これじゃあ、『中から入ったら、簡単に脱出出来る密室』だなぁ』と、思った、つまり、『入るのが難しい密室かぁ』と、思った。
でも、何とも難しい密室だ、多分犯人は『あの人』だろうなぁ?と、思いながら、祐介、春華、アリスの三人に言う。
「なぁ、三人共、少し話がある」
「はい?何でしょう?」
「どうしたのお父さん?」
「んー?(何だぁ?)」
「いやぁ、実はな……俺、『犯人分かっちゃった』かもしれないんだ……多分、多分何だけどな?多分『この人』なんじゃないかなぁ?って、考えている人が居てなぁ?」
「はぁ……成程ぉ……矢張り本職には勝てない、以上」
「ははは、そりゃそうだろ?お前達が先に解けたら、俺がお前等を警察に勧誘するってーの……」
祐介の発言に対し、先宮さんは静かにツッコミを入れる、そして、先宮さんは静かに犯人を発言した──
- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.290 )
- 日時: 2018/08/26 23:09
- 名前: 彩都 (ID: ???)
「それじゃあ、言うぜ?犯人は……」
そう言う先宮さん、そんな先宮さんに対し、三人は静かに唾を飲み込んだ。
「犯人は……アンタだ、氷室さん」
先宮さんがそう言うと、氷室さんは『はぁっ!?』と、大声を出した。
「ど、どうして私が犯人なんですか!?可笑しいじゃないですか!?だって、第一発見者はあの細身の男性なんですよ!?普通なら、第一発見者である、あの細身の男性が犯人候補に上がるでしょうよ!?どうして私が犯人なんですか!?どうして!?もしかして私が周りの二人より早く来たからですか!?さぁ、答えて下さいよ!!」
先宮さんが言うと、氷室さんはマシンガントークのように言葉を吐き続けた、そんな氷室さんに対し、静かに先宮さんは呟いた。
「それも、あるでしょうけど、やっぱり一番は……『証拠隠滅』の部分ですよね?」
「?」
「?」
「?(はぁ?遂にアイスクリーム頭痛で頭がイカれたか?)」
「?」
「?」
先宮さんの発言で、祐介、春華、アリス、萱流さん、伊豆垣さんの五人は無言になり、首を傾げる。
「は、はぁ……?証拠隠滅ですってぇ?そ、それはどういう事ですかなぁ……?ちっとも分かりませんぞ?」
「だろうなぁ?だって、『証拠隠滅された後』なんだからなぁ?」
「だ、だから、意味が分かりませんって!もう少しは人に伝える努力をしてみては如何かな!?」
「……へぇ、未だに白を切る、とはなぁ?呆れたよ、それじゃあ、突きつけてやろうか?お前にその『証拠』ってのをよぉ!?」
先宮さんは大声を出して、部屋を出る、そして出入り口に居る、手前の女性の『きゃあ!?』という、声が聞こえて、、先宮さんがとあるモノを持って、室内に入室する、そして机にモノを置いた。
「これが間接的な証拠だよ?これでもまだ気付かないかぁ?氷室さんやぁ?」
「こ、これは……!?」
「ま、まさか……!?」
「嘘でしょう……!?(マジかよ)」
「えぇっ!?これはどういう事です!?」
「なっ……!?ひ、氷室さん!?アンタって人は……!?」
先宮さんの発言を聞いて、机の上のモノを見た五人は衝撃を受ける、それもその筈、先宮さんが出入り口の方から持ってきたのは、『カキ氷を作る機械』だったからだ、そして先宮さんは問い詰めるように氷室さんに発言する。
「このカキ氷を作る機械──仮に『カキ氷製造機』としますか──の、この『氷』の部分、この『氷の部分で被害者の頭を攻撃し、殺害しました』ね?そして、少し洗って、此処にセットし、そして俺達、来た人達にこのカキ氷をプレゼントして、『来た人全員で氷の証拠隠滅を行った』……!!これで、被害者を殺害した際に使用した道具は証拠隠滅完了!!さぁ、氷室さん、犯人である事を認めて下さい!」
「……さ、流石に可笑し過ぎるだろう!?そんな小さな氷、誰でも持てるだろう!?」
「えぇ、持てますね?ですが、『使った氷をどう、証拠隠滅する』んですか?仮に萱流さんの氷を使ったら?最悪氷が重くて、壊してしまい、証拠隠滅はおろか、『氷像を作る事さえ出来ない』です!更に伊豆垣さんの場合、ドライアイスだ!ドライアイスは人体に引っ付くと、火傷してしまう!だから、鈍器には使用出来ない!逆にタオルを巻いて攻撃したらしたで、血がタオルについてしまい、証拠隠滅は出来ない!さぁ、どうですか!?これで氷室さんが犯人である証拠は整った!」
正論を言う先宮さんに対し、『ぐぅぅ……!』と、唸る氷室さん、そして、氷室さんが反抗してきた。
「……ま、待て!カキ氷製造機の氷で被害者を殺害したのを少し保留するとして、だったら、『どうやって密室になった』んだ!?細身の男性が『この部屋に入った時にはもう殺害されている』のだろう!?なら、『細身の男性が入って、殺害した』となる筈だ!」
「……氷室さん、ちょっと見て下さい」
先宮さんはそう言って、扉の前に立ち、扉を開けて、施錠して、発言する。
「じゃあ、この状況、『普通なら閉まりません』よね?ですが……」
そう言って、先宮さんは閉める、すると『扉は施錠され、内側から開かなくなっていた』、そのシーンを見て、先宮さんが言う。
「こうやって、『中から密室を作る事が出来ます』けど?施錠したまま、部屋を出て、扉を閉めれば、密室になります」
「……じゃ、じゃあ、どうやって、この扉を開けた?」
「そんなの、他人が入る際に閉まっているのを確認したら、メイドや執事を呼んで、メイド、執事に鍵を使用してもらい、入れば良いだろ?流石に御主人様が鍵を渡していない訳じゃないだろ?この部屋の掃除とかしない訳じゃないだろ?だったら、鍵は渡す筈だぜ?さぁ、これでアンタの犯人が決まったぜ!!」
先宮さんの説明を聞いて、祐介、春華、アリスは衝撃を受ける、これが……本職!!三人は先宮さんを見て、『流石本職、すげぇなぁ?』と、思う。
「う、うぐぐぐぐぐ……!!」
氷室さんは頭を抱えながら、その場で四つん這いになった──先宮さんはそんな氷室さんを見て、『あー、ちゃんと正解したなぁ?』と、思った、これで、一応父、警察の威厳が保てる──
- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.291 )
- 日時: 2018/08/29 22:48
- 名前: 彩都 (ID: aOQVtgWR)
「くそっ!っくそぉ!!」
氷室さんはその場で四つん這いになって、床に鉄槌打ちを放ちながら、叫ぶ、これで、氷室さんの犯人は確証となった。
「さぁ、アンタが犯人か?それとも否か?答えろ、氷室さん?」
先宮さんはそう言って、氷室さんの前に立って、静かに問う、すると、氷室さんが静かに言う。
「あ、あぁ……だって!だって!!」
「殺人にだってもクソもねぇよ?殺人を犯した後に残るのは罪だけだよ?」
先宮さんは静かに氷室さんの肩を触って、静かに諭す、氷室さんはただ、その場で泣いていた──
「はい、これにて、密室殺人事件は終了です!解答成功として、このチケットを受付迄持って来て下さい、クリア記念にグッズを差し上げます!」
「ほう」
「有難う御座います」
「へぇ……」
「うわーい!(やったぜ)」
カキ氷を作っていたお姉さんに引換券を貰う四人、そして四人は受付へと、向かう。
「それにしても……流石先宮さん?凄い推理力ですねぇ?」
「だよねぇ!お父さん、凄いー!」
「ははっ?そうかなぁ?俺はただただ普通に事件を解いただけなんだがなぁ?まぁ、警察として、無意識に解いているって、こったぁ!」
先宮さんは祐介、春華にそう言われ、鼻を高くする、そんな中、アリスは静かに呆れる。
「……はぁ?私の手助けがなかったら、解けていなかった癖に?(呆れる)」
「んっ?アリスちゃん、何か言ったぁ?」
「いんやー?何でもぉ?まだ暑いなぁって、話ー(あぶねぇ!?バレかけた!?)」
アリスはそう呟いて、冷や汗を流す、アリスにとって、室温はまだ、暑い気温だった──
「さぁ、次は何処に行こうか?」
「そうだなぁ……かといって、行きたい所は無いですし……二人は何処に行きたい?」
先宮さんと祐介が言う、そんな二人に対し、春華、アリスが返答する。
「うーん……別に行きたい所は無いなぁ?アリスちゃんは?」
「えっ?私?そうだなぁ……私も行きたい所は無いなぁ?(ねぇねぇ)」
「そうかぁ……じゃあ、お開きにするかぁ?」
「えっ?お開きですか?時間的にまだ早いけど、先宮さんがそう言うならお開きにしましょうか?」
春華、アリスの発言を受けて、お開きを提案する先宮さん、すると、祐介は静かに同意する。
「あぁ、どうせ皆行く場所ないんだしさぁ?それなら、もう帰って、寝るとか、遊ぶとか、出来るだろ?どうせアリスや春華はスマホ弄って、ネットしている方が良いかもしれねぇだろ?涼しいクーラーの部屋でな?」
「た、確かに……」
先宮さんの発言に祐介は静かに同意する、確かに涼しい部屋でスマホ弄りながらネットする、この快感は何物にも変えられないし、変えたくない、というか、更にアイスクリームをつけてくれると、有難い、祐介はそんな事さえも思っていた。
「確かに、それなら帰ってゲームした方が良いわね」
「うわーい!ゲームゲームぅ!(最高!クーラー様ぁ!!)」
「ふむ、二人もこう言っているし、もう、お開きにするかぁ!」
「そうですねぇ」
祐介は三人の意見を取り入れ、返答した、それにしても、今日は楽しかったなぁ?祐介はそう思いながら、館、『安瀬パーク』の出口へと、四人で向かった──
「それにしても、今日は楽しかったなぁ?」
「そうだなぁ」
館を出た祐介はそう言って、密室を攻略した時に貰ったチケットで交換したストラップを見ながら、先宮さんに言う、先宮さんは気付いて返答した。
「ってか、変なストラップだなぁ?形が悪い」
「ハハハ……まぁ、これ、ネットでオークションすれば、千円の価値があるそうで?」
祐介はそう言って、先宮さんにストラップのオークションのページを見せる、先宮さんは祐介のスマホを見て、『マジかよ?』と、呆れていた。
「全く……呆れるぜ?自分が解けないからって、他人任せにしている気分だ……」
「ふふっ、まぁ、いいじゃないですか?需要と供給が起きている様を見れているので?」
「……俺は厭だなぁ?努力して手に入れた物を金で購入するってのはなぁ?そりゃ、こういうイベント限定のアイテムなら尚更、だけどさ?」
先宮さんはそう言って、変なストラップを左手で掴んで見つめる。
「お前だって、頑張ってくれた人に貰って欲しいよなぁ?こんな汚ねぇ金で、じゃなくてさ?」
「……まぁ、汚いかどうかは本人が決める問題かもしれませんがねぇ……?」
祐介はそう言って、ポケットにストラップを収納して、静かに溜息を吐く。
本当、今日は楽しかったなぁ?……でも、後数日、後数日で瑠璃御子さんのパスポートが来る、最高の日が近づいてくる……それにしても、外国行きたいからって、流石に一週間でパスポートはなぁ……?祐介は少しばかりの一抹の不安を覚えながら、息を飲み込む、個人的には、破目を外して暴走しそうだから、あまり外国には連れて行きたくないんだよなぁ……?祐介はそう思いながら息を飲み込んだにも関わらずに、息を漏らしてしまう、はぁ、面倒だなぁ?瑠璃御子さんの相手は……?祐介は静かに虚空を見つめた──
- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.292 )
- 日時: 2018/09/01 22:34
- 名前: 彩都 (ID: bOxz4n6K)
「…………面倒だ」
静かに呟いて、祐介は前へと進む、すると、春華が祐介に言う。
「ゆーすけくーん!早くー!」
「あ、あぁ!」
祐介は大声で返答し、走って、春華の許へと走る、それにしても、今日は楽しかったな?そう思いながら、春華の隣に到着する──
「さぁ、後は出るだけだね」
「そうだね」
春華の言葉に相槌を打つ祐介、そして、『安瀬パーク』の出口に近付くとアリスが祐介、春華よりも先に『安瀬パーク』を出る。
「えへへー!一番乗りぃ!(やったぜ)」
「あっ、アリスちゃん!……一番乗りしたかったのに……」
祐介はそう呟いて、しょげる、と、その時だった、急にアリスの背後に覆面の男性が現れ、『アリスの口にハンカチが包まれ』る、その突然の出来事に春華が驚く。
「えぇっ!?」
春華の悲鳴を聞いて、祐介が顔を上げる、すると、アリスの口にハンカチ、アリスの背後に謎の男性が立っていた。
「なっ!?」
祐介が驚くと、先宮さんが『警察の仕事したくねぇよぉ』と、愚痴を零していた、と、愚痴を零した瞬間だった、謎の男性がアリスを抱き締め、持ち上げ、逃走した。
その軽快な移動に先宮さんは『こなれている』と、思った。
「あっ!?おい!?待てよ!」
祐介は走って、『安瀬パーク』を出て、アリスと謎の男性を追いかける、一応若さと体力の事を考えれば、祐介の方が有利だった、だが、謎の男性の走る速度も早く、祐介は中々追いつけない。
「な、何つー速さだよぉ!?」
叫びながら追いかける事を止めない祐介、するとアリスが杖を動かして、『魔法』を発動させようとする。
「アリスちゃん!『それ』はダメだ!今は発動するべき時じゃない!」
「……!(分かった!)」
アリスは静かにアイコンタクトして、その場で暴れた、暴れる事によって、拘束を解(ほど)こうとした。
だが、男性の抱き締めは強く、中々外せなかった、動いても立ち止まって止めないとか、コイツ、どれだけの怪力だよ!?アリスはそう思いながら、杖で男性の脇腹を攻撃する、だが、何も起きない。
まさか……そんなまさか?アリスはそう思いながら、少し冷や汗を掻く、まさか『私みたいな小さい子に攻撃されても大丈夫な様に体に何か巻きつけている』のか?アリスはそう思いながら、『魔法』以外での行動をしなくては、と、思う、だが、そもそもこの状況において、『魔法』以外の行動を、分からないので、アリスは静かに息を飲み込んで、周りを記憶する事しか出来なかった──
「あー、前原ぁ?ちょっと誘拐事件……いや、誘拐未遂かもしれない」
『何言ってんスか?巫山戯てんスか?』
不思議そうに言う前原に対し、先宮さんは静かに説明する。
「えーと……件のアリスちゃんが誘拐された、しかも、軽快な誘拐劇」
『見ている暇があったら、捕まえて下さいよ』
「無理だ、俺の体力じゃ……遊園地で破目外して、体力削った」
『…………事件は何処で?』
「『安瀬パーク』」
『『安瀬パーク』ぅ?あの、遊園地みたいな?』
「あぁ」
『成程、分かりました、それで?誰も追いかけていないんですか?』
「えっと……俺の知り合いが追いかけてる」
『誰です?』
「件の祐介」
『あぁ、パトカーに乗せた?』
「そう」
『成程、分かりました、それでは、パトカーを飛ばしますね?』
「あぁ、有難う」
そう言って、先宮さんは前原との電話を終え、春華と共に『安瀬パーク』を出る。
「ね、ねぇ、お父さん?祐介君が……」
「大丈夫だよ、アイツはたまにやるだろ?だから、見てやろうぜ?アイツの勇姿を、よぉ?」
「う、うん……」
春華は静かに頷く、もしも祐介君が死んだら?もしも祐介君が事故にあったら?もしも、もしも、もしも……春華の頭の中でそんな思いが交差する、どうか、どうか、生きていて、祐介君……!春華は静かに祈る事しか出来なかった──
「はぁはぁ……」
早い、速い、凄い、切れる、体力が、辛い、苦しい……祐介はそう思いながら、目の前を走るアリスを抱く謎の男性、そして祐介は近くに大きな石を見つける、祐介はその石を見つめながら、『大丈夫、一応正当防衛だと思われる、きっと……』と、思いながら、地面に転がる石を拾って、掴んで、走る男性を見つめる、……生憎、野球より、バスケ派なんだよな?祐介は静かにそう思い、野球選手の投球フォームを真似、右手で持った石を男性の背中目掛けて投擲する、当たれ!当たれ!祐介はそう思うが、所詮は初心者、上手い事、石は男性の背中目掛けては届かない、そして石は手前に落ちて、無情にも『当たらなかった』という事象を教えてくれた。
「…………」
今度、投擲の練習をしよう、祐介はそう思いながら、少し息を整えて、男性を追いかけた。
今度こそ、到着してやる!一応俺は若いから!祐介はそう思いながら、男性を見つめ、走り続ける──それにしても、アイツ、一体何者なんだろう?かれこれ、全速力でもう五分は走っているのだ、だから、アイツ、『只者じゃない』な……?祐介はそう思いながら、息を荒くし、走る──
- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.293 )
- 日時: 2018/09/02 23:28
- 名前: 彩都 (ID: ET0e/DSO)
「はぁ……一体何処へ行ったのか?少しばかり不安だなぁ?」
先宮さんがそう呟いて、腕を組む、その前にアリスが誘拐され、何かのストレスが発症しないか?と、考えてたが、その前に外国の方で誘拐されていたか、と、判断し、忘れる事にする。
「あぁ、祐介君もアリスちゃんも心配だよ……ねぇ、お父さん、警察は、まだ来ないの!?」
「来ねぇな?でも、もうすぐ来る筈だ」
先宮さんがそう言うと、スマホに着信が来た、前原だった。
「おっす、前原、どうだ?場所は?」
『えっと……先輩、何処です?』
「えっ?あぁ、伝え忘れていたな?『安瀬パーク』の出口だ!」
『分かりました』
先宮さんがそれを伝えて、二分で、パトカーは現れた。
「こんにちわ、先宮さん」
「おう、すまんが、パトカー、乗せてもらえるか?」
「いいですよ?二人共、後ろですか?」
「俺は前でも良い、春華は?」
「私?私は後ろで良いかな?」
「そうか、分かった」
春華の発言を受け、先宮さんは前、春華は後ろへと座る、そしてシートベルトをつけ、先宮さんは言う。
「此処の方向に向かったから追いかけてくれ、今から祐介に電話する」
「分かりました……それにしても、若いって良いですねぇ?私や先宮さんなら追いかけずに車、パトカー、ですもん」
「お、おいおい?確かに年を取って衰えるってのもあるからな……おまけに煙草吸ってる俺等みたいな同年代は尚更だ」
「はははっ!確かにそうですねぇ?では、行きますよ?」
そう言って、前原はアクセルを踏んで、パトカーを発進させる、祐介、生きていろよ?先宮さんはそう思いながら、スマホで祐介に電話をかけた──
「……(暇だな)」
アリスはそう思いながら、顔を見上げる、覆面で目、口の形しか分からない、後は輪郭。
あー、これだけじゃあ、情報は足りないなぁ?アリスはそう思いながら、杖で脇腹を攻撃する、杖の下、先っぽが太股に辺り、覆面の男が、『いてぇよ!』と、アリスに叫んだ、あっ、何だ、人間か、アリスは『魔法』で出来た人形じゃ無いな、と、思い、じっと、男性を睨んだ。
「な、何だよ……?」
覆面の男性がそう言うと、アリスは男性の手のハンカチに指を指す。
「あっ、喋れないってか?」
覆面の男性がそう呟いて、ハンカチをずらす、そしてアリスは覆面の男性に言う。
「ねぇ、おじさんは人間なの?(『魔法』で出来た人形、ゴーレムじゃない?)」
「…………はぁっ?」
何を言っているんだこの小娘は?覆面の男性はそう思いながら、アリスの問いに、少々悩んだ──
「はぁはぁ……」
段々と、段々と疲れてきた、後少しで、後少しで倒れそうだった。
そんな事を思っていると、スマホに電話の着信音が走った。
「えっ?」
不思議に思い、電話をとると、スマホから先宮さんの声がした。
「は、はいもしもし?」
『おっすぅ!祐介、元気かぁ?』
「げ、元気じゃないですよぉ?もう、疲れに疲れて……」
『そうか、今、パトカーでお前を追跡しているんだが、今は何処ら辺だ?』
「えっ?追跡……あぁ、そう言う事ですか、えーと、多分此処は……」
祐介は周りを見回して、スーパーを見つける。
「えーと、スーパーテンションっていう、スーパーがあります」
『何だその店名』
「俺に言わんといて下さい……」
まぁ、確かに変なスーパーの名前だろうけれどさぁ?祐介はそう思いながら、先宮さんに言う。
「それで?特定は出来ましたか?」
『どうよ前原?』
『……ち……は……』
電話の奥で、聞き慣れた声が聞こえた、前原って名前が出たし、確かパトカーに乗せてくれた時に一緒に乗ってた男性かなぁ?と、思う。
『特定は出来たそうだ、引き続き、追跡してくれんか?』
「き、キツい、です……」
『そ、そうか……そ、それじゃあ、出来るだけ早くお前の方へと向かうよ』
そう言って、先宮さんは電話を切った、……はぁ、面倒だ、そう思いながら、目の前を走る覆面の男性を見つめた──
「スーパー、テンションですか……何だかハイな気分なお店ですね?後で、見に行きますか?」
「えっ?何で?」
「名前が……多分麻薬や覚醒剤、危険ドラッグでもやっている可能性もあるので……」
「いいじゃねぇか?名前ぐれぇ?」
「い、いえ、それはダメですよ?もしも店長が違法薬物を摂取していたらどうするんですか!?」
「それはそれでダメかも知れないけれど、店名だけで決め付けるのもよくねぇぜ?」
先宮さんはそう言って、前原を落ち着かせる、そして仕方なく、前原は店への突入を諦める。
「はぁ、先宮さんがそこ迄言うのなら、仕方ありませんね……」
「仕方ねぇって、おめぇよぉ?」
先宮さんはそう言って、静かに呆れる、そして前原はカーナビに『スーパーテンション』を入力し、その付近を目的地にする。
「とりあえず、さっさと向かいましょう、祐介少年が大変そうだったから」
「まぁ、そりゃそうだよなぁ?全速力で走っていたし……」
先宮さんはそう言って、前原に言う、前原は『大変だなぁ、祐介君は?』と、静かに溜息を吐いていた──そして車は祐介の近くのスーパー、スーパーテンションへと、向かう──
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69
この掲示板は過去ログ化されています。