コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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世界終了ハウマッチ!?
日時: 2015/10/28 20:57
名前: 彩都 (ID: vKymDq2V)  

初めまして、彩都(サイト)と申します。
四作目です。
帰宅途中に思い付いた五分クオリティです。
気楽にお読み下さい。

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Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.154 )
日時: 2017/10/08 20:57
名前: 彩都 (ID: oKgfAMd9)  

頑張る、としても、何をどう頑張れば良いのか……?祐介はそう思いながらポケットに突っ込んである紙を見る。
後少しで全員が埋まる、だが、逆に考えて、『後少しで隕石が降る時間が近づいている』という事、だから急いで集めないといけない。
と言っても、時間はまだまだあるのだ、そんな早急に行動を起こさなくても良いだろう、祐介はそう思い、目を閉じ、溜息を吐きながら頭を掻き、ポケットに手を突っ込んだ、すると急に前から女性の声が聞こえる。
「ん?何だこの声?聞き慣れた感じがする……」
祐介がそう呟いて、目を開けると、目の前には巨乳の女性が立っていた。
「久し振りぃ?元気にしていたかな?久し振りにメイド喫茶行く?」
あぁ、思い出した、この人は綺羅星瑠璃御子じゃないか、と思い、その場で二回目の溜息を吐く。
「ちょっと何よぉ!?溜息なんか吐いてぇ!?」
驚愕する綺羅星瑠璃御子を他所に祐介は頭を掻きながらポケットに突っ込んだ手を頭に移動させ、頭を掻く。
「えーと……今出てきて欲しくない人物だったので……」
祐介が本音を言うと、ぷんすか怒りながら綺羅星瑠璃御子は言う。
「それは酷くない!?私だって毎日仕事と占い師で頑張っているってのにぃ!?」
「いや、あのですね?今、結構悩んでいる状況でそんな大声──基、アニメ声で言われると、頭の中がごっちゃになるんです、だから少し声のトーンを下げていただきたいんすけど……」
「えっ?あぁ、それはごめんなさい……て何で私が謝っている!?意味が分からない!」
一人でボケとツッコミを行う綺羅星瑠璃御子を見て、『はぁ、面倒だ』と呟いて、河川敷から移動する。
「はいはい、分かりましたから此処で突っ立ってるのも、通行人の迷惑でしょう?場所を移動しましょう?」
「えっ?あぁ、それもそうね、それじゃあ河川敷の隣に移動しましょうか?」
そう言う綺羅星瑠璃御子に対し、祐介はあくどい顔で綺羅星瑠璃御子に言う。
「何を言ってんですか?貴方が言ったじゃないですか、『メイド喫茶行く?』って、だからメイド喫茶に行きますよ、そうですねぇ、流石に瑠璃御子さんのメイド喫茶に行くのは、自身が憚(はばか)られるでしょう?だから他のメイド喫茶に行きません?お金は持っているので、奢りますよ?」
祐介がそう言うと、綺羅星瑠璃御子は後方に移動し、顔を顰(しか)める。
「うぅっ、最初にそんな事言わなければ良かった!あっ、でも、奢ってくれるんですね、有難う御座います」
「何でそこだけ律儀なんだ……まぁ、良いか、それでは移動しましょうか」
祐介は綺羅星瑠璃御子と共に電車に乗って移動し、秋葉原に向かう。

そして綺羅星瑠璃御子が気に入ったメイド喫茶に入店する、『いらっしゃいませ、御主人様!お嬢様』とメイド喫茶ならではの挨拶を受け、二人はメイドに席を案内される。
「それではご注文がお決まりになりましたら、ベルを鳴らして呼んで下さいっ!」
「あっ、はい、分かりました」
祐介はそう言って、面と向かって綺羅星瑠璃御子を見る。
「な、何よぉ?」
「いや、何にもないですよ?で、何か注文しますか?」
「ちゅ、注文?ブラックコーヒーで良いわ」
「あぁ、そうですか、それでは注文をしましょう」
祐介は手元にベルを移動させ、ベルを鳴らす、ベルは銀色のベルだ、風鈴のように『ちりーん』と鳴るタイプのベルだった。
するとすぐさまメイドが現れる。
「はぁい、ご注文はお決まりですかぁ?」
「ブラックコーヒー一つ、アイスコーヒーを一つで」
「はぁい、分かりましたぁ!それでがご注文を繰り返します、ブラックコーヒーがお一つと、アイスコーヒーがお一つ、ご注文は宜しかったですか?」
「あぁ、それだけでいい」
「はぁい、分かりましたぁ、それでは、暫くお待ち下さい!」
メイドはそう言って、祐介、綺羅星瑠璃御子の前から消える、そして綺羅星瑠璃御子が祐介に言う。
「……で、何なの?溜息を吐いていたけど?」
「急に真剣な言い方しないで下さいよ……昨日は昨日で深夜三時以降迄起きていて、寝不足で溜息が出ただけですって……」
祐介が昨日の事を切り出して、説明すると、綺羅星瑠璃御子が不思議がる。
「昨日?深夜三時迄?貴方、何をしたの?ネトゲ?それなら呼んでくれれば良かったのに?一応メアド交換しているし、電話番号も交換しているからすぐに連絡は取れそうだけど?」
「えっと……ネトゲでは無いですね、実際の事を言えば、『俺達能力者について』です」
祐介の発言を受け、綺羅星瑠璃御子は眉間に皺を寄せる。
「は、はぁ?何を言っているの?貴方って能力者じゃない筈じゃあ……?」
「いえ、一応は能力者です、ですが能力の使い方が分からない能力者です」
「えっと……どんな能力なの?」
綺羅星瑠璃御子がそう言うので、祐介は少し照れながら能力を言う。
「……『諦めない』能力」
「ん?小声で聞こえない」
「あ、『諦めない』能力です!」
祐介の能力名を聞いて、綺羅星瑠璃御子は一息吸った後、『プッ』と笑い出す。
「アハハ!なぁにそれぇ!?『諦めない』能力ぅ?いっみ分かんなぁい!」
「……そうやって笑われるからあまり能力名は言いたくないんです……」
祐介はそう言ってもっと顔を赤らめ、両手を膝の上に置く、そして綺羅星瑠璃御子は数秒の間、祐介の能力で笑った──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.155 )
日時: 2017/10/11 22:07
名前: 彩都 (ID: XsTmunS8)  

「アーッハッハッ……あー笑ったぁ……で、『俺達能力者について』って何の事かしら?『能力者に関わる事』なのか、『能力者という存在意義についての事』なのか?その辺はハッキリしているの?」
急に話題が閑話休題した事に驚く祐介、祐介は静かに頷いて発言を続ける。
「えぇ、そうですね、瑠璃御子さんの発言では、『前者が尤(もっと)も近い』ですね」
「へぇ?『能力者に関わる事』ねぇ……それはどんな感じかしら?『能力を消滅させる能力者が現れた』とか『能力を生み出す能力者が現れた』とか?」
綺羅星瑠璃御子の発言に祐介は首を振って返答する。
「それは違いますね、一つも掠りはしない……ですが、『後者』の方は俺は出会っていますね」
「おっと、それは面白い、今度紹介してよ?」
「厭ですよ、だって、その子、まだ中学生ですよ?瑠璃御子さんを見たら鼻血を出して死ぬかもしれないですよ?だって、特にその胸という凶器が……」
祐介が鼻を押さえ、そう言うと、綺羅星瑠璃御子は両手で自分の胸を隠して言う。
「……祐介君も私の胸に性的興奮を覚えるんだ……」
「ま、まぁ、一応?高校生ですし?高校二年生でしたし?そりゃあ女性の大きな胸には性的興奮を覚えますよ?」
「……話が逸れたね、で、『一つも掠りはしない』んだよね?だったら教えてくれる?『俺達能力者について』の事を?」
「…………」
愈々(いよいよ)瑠璃御子さんに話す時が……祐介はそう思いながら頭の中で昨日の状況を思い出し、簡潔に伝えるべく少しの時間で思いつける限りの言葉で綺羅星瑠璃御子に話す。
「え、えーとですね……昨日の深夜に俺と数人──俺含めて五人のメンバー──でとある『施設』に侵入したんです、そして何故この施設に入る事になったかと言うと、俺と数人って言いましたよね?その数人の中に『少年A』としておきましょうか、『少年A』という存在が居ました、その『少年A』の発言で俺達は『施設』に侵入する事になったんです、では何故俺達は『少年A』の発言で施設に侵入する事になったか?それは『少年A』が言った、『施設の中の人を救って欲しい』との事、そして内容を聞くには、『施設は能力者を調べたり研究する施設』なんですよ、で、その『施設の中で能力者を使っての危険な実験が行われている』って事を知った『少年A』は俺達に力を求めたって事です、此処迄はOK?」
祐介がそう言うと、綺羅星瑠璃御子は静かに頷く。
「ふぅむ、つまり『施設の中で能力者に対し危険な実験が行われているから、助けて欲しい』、と?」
「簡潔に、少ない言葉で説明するならそうですね、で、続きを……俺達は何とか『施設』に侵入し、立ち塞がる敵を倒した後、所長室に行くんですよね、そしてその所長が……」
祐介は頭を掻いて、溜息を吐く、不思議に思った綺羅星瑠璃御子は祐介に問う。
「ん?どうしたんだい?何だか面倒臭そうな表情をして?もしかして、案外説明が面倒臭そうな所長なのか?それならあまり解説しなくても良いが……」
そう言う綺羅星瑠璃御子に対し、祐介が溜息を吐いて言う。
「いえ、そうでは無いのですが……面倒なのは面倒なんですけれど……『違う意味での面倒』なんですよね……その所長、能力者を憎んでいるんですよ……んで、此処で話は巻き戻しますが、『立ち塞がる敵』ってのを話しましたよね?その『立ち塞がる敵』はとある機械の力を使うんです、それが『カセット』と言うんです、その『カセット』には『能力』が入っているんです、その『カセット』が存在する理由、分かりますかね瑠璃御子さん?」
祐介が隙を突くように言うので、綺羅星瑠璃御子は少し驚いてしまう。
「えっ!?えーと……何だろう?分からないや」
「でしょうね、『一般的な人間での回答ではまず辿り着かない』であろう『回答』ですからね?では、答え合わせを……正解は『能力を持たない人間にも能力を使えるようにする』為です、カセットには『能力』が入っている、と言いましたが、自身が使用者ならまだ力の制御は出来ますが、『カセット』には『能力者の能力全ての情報が入っている』んです、だから、漫画とかで言う『怒りで能力が目覚めた、覚醒した』って事が起きます、だから『カセット』の中の『能力』は力が抑えられています、ですが、『能力』というのは基本的に『一人一つ』なんですよ、なので、能力を持っている能力者がこの『カセット』を使ったら、どうなると思います?」
祐介の話を聞いて、少し怖くなる綺羅星瑠璃御子、果たしてこの『先』を聞いても良いのか?少し不安そうに思いながら綺羅星瑠璃御子は言う。
「……分かる訳無いだろ?そんな質問は良いから、全部言えって?」
「あっ、そういう話し方は嫌いですか?それでは正解を言いましょうか?正解は『カセットを使用した能力者の寿命が減る』んです、これは『能力』の力を抑えた『カセット』でもそうです、まず『人間一つの肉体に能力二つはキツい』んです、だから『カセット』の使用を控えさせようとしましたが、聞きませんでした……んで、話は少し進みます、この『カセット』、『能力者の能力が入っている』と言いましたね?この『カセット』、作るのに『能力者の命』が消えるんです……それを阻止する為にも、自分達は所長に話しても、聞いてくれませんでした……では何故『カセット』を所長が作ったか?答えは簡単です、『自分自身が無能力者』だからです、貴方のエゴだけで能力者の命を弄んではいけないですよね……」
祐介の発言を受け、『やっぱり止めれば良かった』と後悔する、そして綺羅星瑠璃御子が言う。
「成程な……中々に大変な深夜だったな、お疲れ様」
「えぇ……」
綺羅星瑠璃御子の発言を受け、祐介はその場で頭を垂れ、頷く。
その後、祐介は目の前にある水を飲んで、一服する──綺羅星瑠璃御子は『何とも酷い所長だなぁ』と思いながら祐介と同じ様に目の前の水を飲む──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.156 )
日時: 2017/10/14 21:36
名前: 彩都 (ID: 8nwOCftz)  

「な、中々に大変な前夜を過ごしたのね」
綺羅星瑠璃御子はそう言って、目の前の水を飲む、するとメイド喫茶の店員が二人の前に現れる。
「お待たせしましたー!『アイスコーヒー』と『ブラックコーヒー』でぇす!」
「あぁ、有難う」
祐介はそう言って、二つのコーヒーを受け取る。
「まぁ、確かに結構大変でしたね、所長を倒した後、腹が減ったので、バイキングに行ったり、とかねぇ……昨日は相当食べましたねぇ」
「えぇっ?」
祐介の言葉に訝(いぶか)しい表情をする綺羅星瑠璃御子、その表情に、祐介が不思議がる。
「ん?どうかしたんですか瑠璃御子さん?」
「い、いや……元気ねぇ、と思って……」
「ま、まぁ、まだ十代後半ですし?色々と元気ですよ?」
祐介がそう言うと、綺羅星瑠璃御子が顔を赤らめる。
「そ、それは『何処』の話かしらぁ!?」
「えっ?そんなの徹夜出来る体力の事ですよぉ?」
「そ、そうよね!」
「……な、何考えたんだあんた……?」
祐介はそう言って目を細めて綺羅星瑠璃御子を見つめる、綺羅星瑠璃御子は顔を赤らめたまま、祐介から目を逸らす。
「そ、それで?バイキングが終わった後、家に帰って寝た、と?」
「まぁ、そうですね、やる事も無いですしね……というか、あまりにも疲れてお風呂に入る事も出来なかったですしね……結構凄かったですし、昨日は……」
「そ、そうなの……で、話したい事は全て終わったの?」
急に話を切る綺羅星瑠璃御子に祐介は目の前のアイスコーヒーを飲んで真剣な表情で綺羅星瑠璃御子に言う。
「いえ、此処で出会えたが幸運です、『少し調べて欲しい』んです、次の仲間を」
「……今日の何処かで言うと思ったわ、仕方無いわね、やってあげるわよ」
「有難う御座います」
祐介はそう言って頭を下げる、そして綺羅星瑠璃御子は水晶を取り出し、小さな座布団の上に水晶を置いて、両手を怪しげな動きにして、水晶の中を確認する。
「……えっ?」
不意に変な声が綺羅星瑠璃御子の口から漏れる、その変な声に祐介が不思議がる。
「えっ?どうかしたんですか?」
「…………」
綺羅星瑠璃御子は無言のまま、水晶を見つめる、そして綺羅星瑠璃御子は唾を飲み込んで、祐介に言う。
「祐介君、静かに聞いてね?貴方の次、探す人物はね……『この近くに居る』わ、それもすぐ近く、簡単に言えば『すれ違う程近くに居る』わ、だから案外次の人物は見つかるわね」
「は、はぁ……」
祐介はそう言われて、唖然とした表情になる、まさか『この近くに居る』とは……祐介はそう思い、少し安堵する、これでまた簡単に仲間が集まるかもしれない……そう思うと、息が漏れる。
「でも、案外近くに居過ぎて見逃さないようにしてね?」
「え、えぇ……分かりました」
祐介がそう言うと、続けて綺羅星瑠璃御子が聞く。
「で、どんな能力者なの?その次の仲間は?」
綺羅星瑠璃御子の発言を受け、祐介は紙を取り出し、綺羅星瑠璃御子に言う。
「え、えーと……『熱を奪う』能力と──」
『熱を奪う』能力、その言葉が聞こえた瞬間、祐介の近くに居た黒髪のショートカットの女性がお盆を落とし、料理も落としてしまう。
「あぁっ!す、すみませんお客様!」
「えっ?あぁ、俺は良いよ、当たっていないから……ねっ?瑠璃御子さんも当たっていないでしょう?」
「え、えぇ……当たっていないわ……」
「で、でも……!」
「良いよ良いよ、なぁ?」
「えぇ、大丈夫だから、貴方は他の場所の掃除を」
「す、すみません……」
黒髪のショートカットの女性の周りに他のメイドが現れる、そして床に落ちた料理や食器の破片を掃除していく、祐介は急いで飲み物を飲んで、会計へと向かう。
「瑠璃御子さん、早く飲んで下さい」
「えっ?何で……」
「いいから!」
「え、えぇ……」
綺羅星瑠璃御子は仕方なく、ホットコーヒーを一気飲みし、祐介の後ろ──会計だ──に向かう。
「合計1000円でぇす」
「はい、分かりました」
祐介は千円札を出し、綺羅星瑠璃御子と共にメイド喫茶を出る。
「きゅ、急にどうしたの祐介君……?」
「あの黒髪の女性、後でアタックします」
「えっ?急にどうしたの?まさか惚れたって?」
「……違います、俺が『熱を奪う』能力と言った瞬間、彼女はお盆を落とした……何か可笑しくないですか?『自分がその能力を持っているから驚いてお盆を落とした』のでは……?」
「さ、流石にそれはないわ、仲間集めに執念になり過ぎて頭が可笑しくなったんじゃないの祐介君は?だって、過敏になり過ぎよ?たまたまお盆を落としたのかもしれないし……私だってそうだったし──」
綺羅星瑠璃御子の発言を受けて、自分は仲間集めに執念になり過ぎて本当に頭が可笑しくなったのか?と思う、でも、今迄集めてきて、そう感じるのだ、祐介は静かに頷いて綺羅星瑠璃御子に言う。
「そうですね……でも、俺の直感が『仲間だ』って伝えているんです、だから覆す事は出来ない、と思うんです、多分休憩にされるから、裏路地に向かってみます」
祐介はそう言って箸ってメイド喫茶の裏路地へと向かう。
「あーもう、男子ってばぁ……」
綺羅星瑠璃御子はそう言って、その場で溜息を吐き、祐介を追いかける──お盆を落とした女性は『熱を奪う』能力を持っているかは、お盆を落とした女性に確認しないと分からない──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.157 )
日時: 2017/10/15 21:53
名前: 彩都 (ID: ZFLyzH3q)  

「はぁ……」
黒髪のショートカットの女性は溜息を吐いて、膝に両手を置く。
何であの時戸惑ったのだろう?あの人は汚いおじさんが言っていた人だよね……?だってあの紙には私の名前が……そう思いながら二度目の溜息を吐く。
すると、背後から足音が聞こえる、黒髪のショートカットの女性が振り向くと、其処には祐介が立っていた。
「…………」
「…………」
「ちょっとぉ?早いよぉ?」
綺羅星瑠璃御子がそう言って、息を切らしながら両手を膝に置く、すると祐介が黒髪のショートカットの女性に話しかける。
「あ、あの!」
「ひゃ、ひゃい!?」
「あ、あの!貴方……何で俺が『熱を奪う』能力って言ったら、お盆を落としたんだ……?貴方が『熱を奪う』能力者だからですか……?」
「…………え、えと……」
無言が続く、そしてひり出した言葉は全然回答にはなっていない、すると祐介が黒髪のショートカットの女性に言う。
「……図星、ですかね?」
祐介がそう言うと、静かに黒髪のショートカットの女性は言う。
「は、はい……そうです……」
「そうか、それなら良かった、いきなりだが、この日本が隕石によって滅びるって信じる?」
「えっ?……まぁ、信じますよ、だって汚いおじさんに出会ったし……」
黒髪のショートカットの女性の言葉を聞いて、未来の自分か、と思う、そして祐介が言葉を紡ぐ。
「え、えーと、貴方の名前を教えてくれるか?」
「わ、私ですか?私は冠 鈴鹿(かんむり すずか)と申します、え、えと、能力は……」
「能力は『熱を奪う』能力、だろ?」
「は、はい!」
黒髪のショートカットの女性基、冠鈴鹿はそう言って、頭を下げる。
「こ、これから日本を隕石から守るので、祐介さん、宜しく御願いします!」
「えっ?何で俺の名前を知って……」
「そ、それは……汚いおじさんに教えてもらいました……」
そう言う冠鈴鹿、成程なぁ、と祐介は思う。
「成程、君は未来の俺に名前を聞いた、だから俺の名前を知っている、と?」
「そ、そう言う事です!」
「ふぅむ……それならメアド交換をしよう?もしくは電話番号でも良いけれど……」
祐介の言葉を聞いて、冠鈴鹿が首を横に振る。
「す、すみません……私、実家が貧乏で……お金が無いんですよ、だから電話とか、スマホ、ましてやガラケーも持っていないんです……すみません……」
「あ、あぁ、そう言う事ね、それなら仕方無いなぁ……それじゃあ何時もこのメイド喫茶で働いているの?」
「え、えぇ……今日はメイド喫茶ですね、月曜、水曜、金曜は此処で、火曜、木曜、土曜は他のメイド喫茶で……日曜は寝て過ごしています……」
「へぇ……何とも大変な毎日だなぁ……」
祐介はそう言って冷や汗を拭う、そして冠鈴鹿が頭を下げて祐介に言う。
「そ、それはそうと……『『神』を製作する機関』を潰していただき、誠に有難う御座います……!感謝しても仕切れません!」
「……?い、いきなりどうしたんだ鈴鹿さん?急に頭を下げて……って、『『神』を製作する機関』だって!?」
一瞬の内に重要な単語が出てきて、祐介は驚愕する、驚愕する祐介を見て、頭を下げながら冠鈴鹿が説明する。
「え、えーと……一応、私、『カセット』にされる予定だったんです、ですが、『『カセット』にされると死ぬ』って話を聞いて、『カセット』になる契約を破棄したんです、そして大量の違約金を払う破目に……だから貧乏に……」
「えっ?『カセット』ってそういう契約を結んでいたの?知らなかったなぁ……」
祐介はそう言って頭を掻く、そして祐介は冠鈴鹿に『『神』を製作する機関』について、もう少し詳しい話を聞く。
「で、何か他に『『神』を製作する機関』について、知らないか?」
「えっ?……そう言われてもぱっと出ませんね……でも、貴方の言う通り、所長の麗美さんは無能力者のエゴの塊ですよね……多分ですが、『能力を持てない』能力、『能力を発動する事が出来ない』能力とかを持っていたのかもしれませんね……それだったら自身が能力を使えない理由になりますし……」
「確かにそう考えれば妥当だ……って、それを鳴動さんに聞けば良いのか……!鳴動さんが『能力を創る』能力を使用して能力を作って、『相手の持つ能力を知る』能力とかを使えば……!それだったら麗美さんの『能力が発動出来ない』事が理解出来る!」
祐介はそう言ってガッツポーズをする、すると二人が祐介に反応する。
「鳴動さん……?それって石動鳴動先生の事ですか?」
「えっ?鳴動……あの漫画家の?」
「うん、そうだよ、言っていないけれど、麗美さんは完成していたんだよ、『神』をね……正式名称は『神になる』能力だそうで……まぁ、麗美さんとカップルになったけれど……」
「えっ!?あの麗美さんと!?能力者嫌いなのに!?」
驚く冠鈴鹿に対し、祐介が頭に手を置いて説明する。
「え、えーと……これには深い訳があるが……簡単に言えば、『神になる』能力で生み出した能力で麗美さんの記憶を消して、『石動鳴動と付き合っている』って記憶を創ったからなんだ、これで良いかな?」
「まさか石動鳴動と麗美っていう人がカップルなんてな……」
そう言う綺羅星瑠璃御子に対し、祐介が鼻で笑って言う。
「何を言っているんですか?その施設の所長が麗美さんなんです、前に言ったエゴの人です」
「……えっ!?」
祐介の発言を聞いて、綺羅星瑠璃御子は驚愕する。
「そ、そんな驚く事ですか瑠璃御子さん……」
祐介はそう言って、溜息を吐く──冠鈴鹿との会話でも所長の事は少し出していたし、瑠璃御子さんとの会話でも麗美さんの名前は出していないが、所長の事は言っていたんだがなぁ……祐介は『瑠璃御子さんは人の話を聞いていないのかな?』と、思いながら冷や汗を掻いて、汗を拭う──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.158 )
日時: 2017/10/18 22:00
名前: 彩都 (ID: b9FZOMBf)  


「……とまぁ、俺の仲間になってくれて有難う、共に未来を回避しよう」
「は、はい!」
冠鈴鹿はそう言って、頭を下げる、そして祐介が綺羅星瑠璃御子に言う。
「これで、一人の仲間を確保しました、ねっ?言ったでしょ?」
「えっ?あぁ……」
綺羅星瑠璃御子は祐介の言葉にただただ静かに頷く事しか出来なかった──

祐介と綺羅星瑠璃御子はメイド喫茶を離れ、綺羅星瑠璃御子の家に来ていた、そして祐介は何とか足場を見つけて、その場に座り、瑠璃御子も台所に座る。
最初来た時とあまり変わっておらず、汚い部屋だった。
「……で、何で俺を家に連れてきたんですか?」
「そ、そんなの決まっているだろ……『外では話せない事』だ」
「えっ……?」
綺羅星瑠璃御子の発言で祐介は少し身構える、すると綺羅星瑠璃御子が微笑んで祐介に言う。
「まず、今日一人の仲間を手に入れたな?では、お前はどうする?」
「どうするって言われても……普通に『新たな仲間を集める』、に決まっているでしょう?それの何が……?」
「『それ』が問題だよ、私は『メイド喫茶で貴方が言った、『次の仲間を調べてほしい』って言ったわよね?そこで私は見てしまった』のよ、『もう一人の新たな仲間』を……!」
「!?それは本当ですか!?」
綺羅星瑠璃御子の発言に祐介は驚愕し、綺羅星瑠璃御子の目を見る、綺羅星瑠璃御子は驚愕してシンクにお尻を突っ込んでしまう。
「ほ、本当よ……でも、『良く分からない』の、だって、『全身真っ黒の格好だった』から……」
「『全身真っ黒の格好』……?何ですかそれ?完全に蝙蝠、吸血鬼的な?」
祐介が鼻で笑いながら言うと、綺羅星瑠璃御子は返答しなかった。
「……えっ?マジっすか?」
「えぇ、その可能性も無きにしも非ず、ね……でも、水晶から見えたのはそれだけ……能力と併用して使っているけど、結構不明瞭みたい……だからこれ以上の情報は手に入れる事は不能」
「…………」
祐介は無言になる、『全身真っ黒の格好』って……スーツを着た存在でも『全身真っ黒の格好』と形容出来るぞ……?祐介はそう思いながら静かに頷く。
「成程、分かりました……で、これで良いですかね?俺、その人物を探す為に東奔西走したいので」
「それは無理よ」
綺羅星瑠璃御子の声を聞き、祐介は膝立ちで動きを止める、『それは無理』……?それは何故だろうか?自分でも分からない場所に存在するって言うのか……?でも、流石にそれは不明瞭過ぎて、正しいかもしれない……そう思っていると、綺羅星瑠璃御子が言葉を続ける。
「えーと……どう説明すれば良いかしら?簡単に言えば『まだ日本に居ない』って言えば良いかしら?日本に来るのは何時になるか分からないわ」
「えっ……外国ぅ!?」
綺羅星瑠璃御子の発言を聞いて、祐介は驚愕する、そりゃ外国に居るなら、無理だわなぁ!そう思っていると、綺羅星瑠璃御子の家のドアがノックされる。
「……こんな時間に集金?もしくは新聞勧誘かしら?」
綺羅星瑠璃御子は頭を掻きながら家のドアを開ける、すると其処には汚いおっさん──基、祐介の未来の姿──が存在していた。
「よぉ?次の仲間が外国だって?そりゃぁ面白い、だったら、『俺達が外国に飛べば良い』んだよ」
「えっ……!?い、いや、その前にパスポートは!?通訳は!?お金は!?ってそれ以前に何で私達の会話が……!?」
驚く綺羅星瑠璃御子に対し、汚いおっさんが静かに説明する。
「あのなぁ……俺は未来人だぜ?そして過去に何度も飛んで、こんなやり取りを何度もしているんだぜ?」
「い、いや、そうかもしれないけれど……『私の発言の後にピッタリ現れる』なんて、どんな芸当よ!?」
「そんな芸当さ、まぁ、未来人、大体の事は知っているんだぜ?……とまぁ、こんなやり取りも何度もしたけどな……」
汚いおっさんは綺羅星瑠璃御子の部屋に侵入し、台所に座って、祐介、綺羅星瑠璃御子に言う。
「お前等は甘いなぁ?だって、『相手が来なければ、自分達で来れば良い』んだ、それさえにも気付かないのか?」
「あ、貴方ねぇ!?パスポートもないのに、どうやって外国に行く気なの!?」
慌てふためき、発言する綺羅星瑠璃御子に対し、汚いおっさんはでかい溜息を吐いて綺羅星瑠璃御子に言う。
「はぁ……その前に『パスポートが無いのはお前、綺羅星瑠璃御子の方』だろう?逆に言うが、『俺は未来の祐介』だぞ?つまり……『昔の自分のパスポートを使えば海外に行ける』んだぜ?」
「あっ……確かにそう言う事か、『同一人物だからこそ、過去の自分のパスポートを再利用すれば海外に行く事が出来る』と言う事か!で、でも、どうするのよ、通訳とかは!?」
汚いおっさんの発言を受け、納得する綺羅星瑠璃御子、だが、綺羅星瑠璃御子は外国に行く為に通訳が必要だ、と言う、だが汚いおっさんは静かに口の端を歪ませ、綺羅星瑠璃御子に言う。
「あのなぁ……じゃあ『この数週間、数ヶ月間、俺は何をしていた』と思うんだ……?そう、『外国語の習得をしていた』んだよ!本を読んで、英会話教室的な所に行ってな!」
「なっ……!?で、でも、貴方って何度もタイムトラベルしているのに、全部の外国語を覚えられないの?」
綺羅星瑠璃御子の発言を受け、『うっ』と声を出す汚いおっさん。
「あ、あのなぁ……俺だって年なんだぜ?タイムトラベルの衝撃で記憶が吹っ飛ぶ事もあるわい!」
「そ、それはゴメンなさい……」
汚いおっさんの発言に綺羅星瑠璃御子は謝る、そして綺羅星瑠璃御子が続けて言う。
「そ、それで?貴方達同一人物が外国に行くって事?」
「えっ?お前も行きたくないの?」
「えっ!?あ、いや……行きたいですけど?」
「じゃあ行こう?」
「それは無理よ!パスポートが無いって!」
汚いおっさんの発言を受け、不可能、と叫ぶ綺羅星瑠璃御子、すると祐介が二人の中に入る。
「ま、待って?それならパスポートを創れば良いんじゃない?」
「それは無理よ、最低でも一週間は掛かるわ」
「じゃあ創れば良いじゃん?だって時間は指定していないんだしさぁ?」
「あらそう?それなら創ろうかしら?」
祐介と汚いおっさんの発言により、綺羅星瑠璃御子はウキウキな気分でメイクを開始する。
祐介は『それでいいのかよ……』と思いながら綺羅星瑠璃御子のメイクが終わるのを待つ──


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