コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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世界終了ハウマッチ!?
日時: 2015/10/28 20:57
名前: 彩都 (ID: vKymDq2V)  

初めまして、彩都(サイト)と申します。
四作目です。
帰宅途中に思い付いた五分クオリティです。
気楽にお読み下さい。

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Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.334 )
日時: 2018/12/08 23:49
名前: 彩都 (ID: AdHCgzqg)  

「……それにしても、遅いね、アンタ?」
「えっ?俺は此処に居るじゃあ……」
「未来の」
「あぁ」
瑠璃御子はミルクをストローで飲みながら、未来の祐介を待機する、そんな未来の祐介は未だ現れていない。
そして、祐介もメロンソーダを飲み始めた頃、『遅れた』と、言って、黒い液体が入ったコップを持ちながら、二人の前に現れる。
「遅いですよ?」
「うるせぇ、一から作ってたんだよ、だから遅れたって言ったろ?」
未来の祐介は瑠璃御子に呆れながら溜息を吐く、そして、黒い液体が入ったコップをテーブルに置いて、座る。
「さぁて、後は料理を来るのを待つだけだな?」
未来の祐介はそう言って、黒い液体が入ったコップを飲み始める、祐介は未来の祐介にそのコップの中身を聞く。
「な、なぁ?それは一体何なんだ?」
「んぁっ?匂いを嗅いで分からないのか?まあ、いいだろ、これはコーヒーだよ、勿論ブラック」
「へぇ……未来の俺はブラックコーヒーが飲めるんだな?」
「まぁな?飲んだのは二十二歳が初めてだけどな?」
「ほぉん?じゃあ、五年後か」
「そうだ、だから今からコーヒーを飲んで慣れるのも良いかもしれないな?」
「厭だね?そんな苦い液体」
「まるでビールみたいな言い方だな?」
「だろうよ?ビールもコーヒーも苦い、だから嫌いだ」
「おいおい?ビールの美味さを分からないとは、これは完全にお子ちゃま舌だな?」
そう言って鼻で笑う未来の祐介、そんな未来の祐介に対し、『お前は飲めるのかよ?』と、逆に聞く。
「まぁな?飲めるも何も、俺は色々なお酒を嗜んでいるからな?ウォッカや焼酎、ウィスキーに日本酒、ビールに酎ハイ、赤ワインに白ワイン、色々とな?」
そう言って笑う未来の祐介に対し、『とんだ酒呑みに進化したようだ』と、思う祐介、そして未来の祐介は父親の話をする。
「んでもって、親父と一緒に酒を飲んで、梯子したり、な……」
「ん?どういう事だ?梯子って?お前、父さんと一緒に梯子して飲んだ事があるのか?」
「まぁな?定年退職して、暇があったら一緒に飲みに行っている」
「へぇ……じゃあ、俺は金を稼いでいるんだな?」
「そう言う事だ、そして何時の間にか隕石が落ちて、日本は甚大な被害を出して、俺が日本を助ける為にあれやこれやをしている内にタイムマシンが出来て、こうして過去に来て、お前達に力を借りようと、此処に居るんだよ」
「…………一つ、良いか?」
「……何だ?」
首を傾げる未来の祐介に祐介は問うた。
「隕石が落ちるって、今さっき言ったよな?んで、『お酒を飲んでいる』発言もしていたよな?」
「あぁ、そうだが?それがどうした?」
「……その、『隕石が落ちるって、相当未来の話』なのか?俺が十七歳だ、だから……『少なくても三年後、それよりも向こう』、だよな?」
「……そうだな?」
「じゃあ、何で今、メンバーを集め──」
そう言う祐介に対し、未来の祐介は『待て、一気に話すとこんがらがるだろ?』と、祐介の発言を止めて、未来の祐介は話し始める。
「お前は信じないかもしれないが、『段々と隕石が落ちてくる時間が短くなってきている』んだよ?まるで『過去の俺が仲間を早く、全員集める迄に日本が崩壊する』、みたいにな?」
「…………」
「つまりはさ?『仲間を最後迄集める迄にこの日本は崩壊するっていう未来は確実』って、事なんだよ、『だからその未来を回避する為にもっと早めに俺は過去に来ている』ってこった……これで満足か?」
「お、おいおい……?そ、それじゃあ、『日本が崩壊する未来、運命は変えられない』じゃないか……!」
「そうだ、でも、『お前ならやる』んだろ?長谷川祐介よ?」
「……まぁな?どんなに大変でもこの日本を救いたいからな?瑠璃御子さん、アンタだってこの日本を壊されたくないだろ?」
「ま、まぁ、そうだけど……」
「だよなぁ?だったら今回の俺ならこの日本を救えるよ、なぁ?未来の俺?」
「……その台詞は何回も聞き飽きた」
未来の祐介はそう言って、溜息を吐く。
「何度、何度目か?何度も何度も同じ台詞を聞いて、何度も何度も失敗し、日本は崩壊した……何度信じても何度信じても、お前は日本を救えずに……」
そう言う未来の祐介はテーブルに鉄槌打ちを放ち、大きな音を立てる祐介、そして未来の祐介の胸倉を掴んで、『黙れ!』と、一喝する。
「俺は『お前の知っている祐介ではない』だろ!?俺は俺!長谷川祐介だ!『お前が何度も見た長谷川祐介』ではない!俺は俺!長谷川祐介は俺一人だ!『俺』という長谷川祐介は俺しかいねぇ!お前の見た長谷川祐介は俺では無い!何度も何度もお前は長谷川祐介を見たかもしれない!でも、『俺』という『長谷川祐介』を見た事は無いだろう!?」
「……そうだな、お前の言う通りだ、『お前』という『長谷川祐介』は『一人しか居ない』もんな?」
未来の祐介はそう言って、納得した表情をする。
そんな未来の祐介を見て、祐介は『ぜってぇ日本を隕石から防いでやる……!』と、心に決める──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.335 )
日時: 2018/12/09 23:53
名前: 彩都 (ID: 9i/i21IK)  

「ね、ねぇ?水を差すようで悪いけど、ちょっと気になったんだけどさぁ?」
「ん?何だよ?」
急に瑠璃御子さんが言葉を発し、未来の祐介は首を傾げる、そして瑠璃御子さんが言う。
「貴方達って、一体何処に行くの?」
「あっ、言われて見ればそうだった、ねぇ、未来の俺?一体何処に行くんだ?」
「……あれっ?言っていなかったっけ?」
祐介と瑠璃御子の発言を聞いて、未来の祐介は首を傾げる、『いいえ、言っていないわ?』と、言う瑠璃御子の発言を聞いて『そうか』と、返答する未来の祐介。
「言っていなかったのならすまん、今から言うよ、俺達が行く国ってのは──」
ゴクリ、祐介と瑠璃御子は唾を飲み込んで、未来の祐介の発言を待った。
「俺達が行く国ってのは──『ジャカルタ』だ」
「じゃ、ジャカルタ……?」
「じゃ、ジャカルタって、あの、ジャカルタ?」
「そうだ、そのジャカルタだよ、インドネシアの首都、ジャカルタだ!」
「!」
祐介は未来の祐介の発言を聞いて驚く、まさか行くのはジャカルタなのか……祐介はそう思いながら、初めての海外旅行に驚く。
「すげぇ……!ジャカルタかぁ……!何か美味しい物、あるかなぁ?」
「おいおい?過去の俺よ、勘違いしてもらっては困るが、『観光で行く』訳じゃないんだぞ?」
「わ、分かってるよ?で、でも初めての海外旅行で、どきどきしているんだよ」
「まぁ、その気持ちは分からなくは無いが……」
「わ、私も……」
「お前はただのコバンザメだろうが?」
「ひぅっ」
瑠璃御子の発言にツッコミを入れる未来の祐介、すると近くに店員が現れ、『『ミートスパゲティ』、『きのこスパゲティ』、『明太子スパゲティ』ですぅ』と、言って、祐介達三人の前にスパゲティが乗ったお皿が置かれる。
「ふむ、有難う」
未来の祐介は頭を下げて、発言し、真ん中に置かれたナイフ、フォーク、箸が入ったケースから、フォークを三つ取り、二人に渡す。
「ほら、食え」
「あ、有難う……」
「有難う御座います……」
祐介と瑠璃御子は頭を下げて、フォークを取る、そしてスパゲティにフォークを差し、回転させ、口に運ぶ。
「……それで?どうしてジャカルタなんかに行くんだ?其処に『能力者が居る』って情報が?」
咀嚼し、飲み込んだ祐介の発言を聞いて、未来の祐介は『そうだ』と、言う。
「実はあまり信じられないかもしれないが、ジャカルタのスラム街、『KOTA地区』という場所に向かわないと行けない、其処に求めているかもしれない能力者が居るんだ」
「へぇ……じゃあ、聞くけど、その能力って、どんな能力なの?」
「……本人に聞けよ?」
「えぇー?それはどうしてー?」
「そんなの簡単だ、『俺は未だにその能力を信じていない』からだ、その能力は『未だに分からない』能力でな?何度も何度も説明を受けたが、分からない能力なのだ、だから『未だにその能力を信じていない』んだ、言われても、理解出来ん……」
未来の祐介はそう言って、その場で溜息を吐く。
「へぇ……それは面倒な能力なの?それとも『簡単に見えて、能力が複雑』とか?」
「あー、多分前者だろうな?面倒な能力だ」
「そう……なの……」
未来の祐介の発言を受けて、俯く瑠璃御子、そしてまた店員が現れ、『『ミートドリア』と、『四種のチーズピッツァ』です』と、言って、テーブルに二つの商品を置く。
「有難う御座います!」
可愛い声で返答する瑠璃御子、そして瑠璃御子はピザを切って、食べ始める。
「んっんっー!美味しい!このピザ!」
「そうだろうな?四種のチーズを使ったピザだもの」
「二人して、ピッツァとは言わない意地……!?」
二人のピザ発言に祐介は静かに驚く、そして瑠璃御子は『二人もピザを食べなよ?』と、言って、ピッツァを二人の祐介に進める。
「そうか、ありがとよ?」
未来の祐介は淡々とピザカッターでピッツァを切り、口に運ぶ。
「ふむ、確かに美味しいな?」
「でしょー?祐介君もほらほらぁ?」
「う、うぐ……」
皿を頬に押し付ける瑠璃御子に対し、祐介は折れ、仕方なく、ピッツァをピザカッターで切り、口に運ぶ。
「むぐ……美味しいのは美味しいけど、チーズが濃い……」
「まぁ、四種使っているからね?そりゃ濃いよ」
「だろうな?」
「お前等……」
祐介は静かに呆れて、何とかピッツァを食べきる、そして、スパゲティに移行した。
「それにしても、大変だなぁ?ジャカルタって?」
「そうか?でも、面白いぜ?まだ数千回行ったが、まだ行き足りねぇ、もっと行きてぇって思ってるぜ?俺は?まぁ、お前達も一回は行くんだから、精々楽しめよ?」
「……数千回?」
「お前……何で飽きないんだよ……?普通百回も行けば飽きるだろ……?」
そう言う祐介に対し、未来の祐介は『果たしてそうかな?旅行、旅ってのは、そう簡単に飽きねぇもんなんだよ?』と、豪語する、祐介はそんな発言を聞いて、『それはどうかなぁ……?』と、思った。
何度も何度も同じ所に行けば飽きるのに……祐介は未来の祐介の発言を信じようとは思わなかった──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.336 )
日時: 2018/12/12 23:52
名前: 彩都 (ID: MMm5P7cR)  

「……それで?ジャカルタに能力者が居る、と?」
祐介がそう言うと、未来の祐介は静かに『あぁ』と、頷いた。
「……そうかぁ、それにしても、ジャカルタって、地味に遠くない?お金、大丈夫?」
「んぁっ?それは大丈夫だ、一応は考えている」
「そ、そうだったのか……」
「まぁな?軽く三十万円分は持っている」
「へぇ……」
瑠璃御子の発言に返答する未来の祐介、そんな未来の祐介の発言に納得する祐介。
そして三人はものの数分で料理を全て食べ切る。
「ふぅ、食ったなぁ?あー年を取るとあんまり食えなくなるんだなぁ……」
「おいおい?俺はまだ食い足りないぞ?未来の俺は小食になるんだなぁ?」
「仕方無いだろ?年を取れば取る程、食う量は減るんだから?後、使用するカロリーも減るし」
「いや、後者は分かるけど、今の俺からして、前者は理解出来ないんだよなぁ?だって、『大食いの俺』が此処に居るんだし?」
祐介がそう言うと、瑠璃御子が『ただ単に入院してて腹が減っているだけでしょ?』と、ツッコミを入れる。
「ま、まぁ、それもそうなんだけどさぁ……」
「じゃあ、それで終了じゃない?」
「しゅ、終了って……」
呆れる祐介に対し、未来の祐介は伝票を受け取り、『さて、お前の家に行くぞ、祐介?』と、言う。
「あ、あぁ……」
「よし、それじゃあ、動きましょうか?」
瑠璃御子はそう言って、立ち上がる、祐介も立ち上がり、お店を先に出た──

「ねぇ、祐介君?」
「はい、何でしょうか?」
店の外で祐介と瑠璃御子が会話していた、そして話を瑠璃御子から切り出した。
「祐介君は……この日本を救えると思ってる?」
「それはそうじゃないですか?救えるに決まっていますよ!救えない未来はもう訪れません!それは俺の力で頑張るしかないけれど!……じゃあ、逆に聞きますけど、瑠璃御子さんはどうなんです?この日本が救われるか、救われないか……?っと、それは意味が無いですね、自身の能力で『未来が見れる』んですから……?」
祐介が頭を掻きながら発言すると、瑠璃御子はその場で涙を流しながら『実はね……』と、話を切り出した。
「実は……?一体何なんですか?重要な話なんですか?」
「え、えぇ……祐介君?驚かないで聞いてね……?」
一体何を言っているんだろうか?祐介は瑣末な想像をし、すぐに捨てる。
「実はね……『未来が見えない』の、『この日本が救われる』っていう『未来』が……」
「はぁっ……!?は、はぁっ!?ちょっと!?瑠璃御子さん!?冗談でもそれは……!?」
「見えないの……!『綺麗な日本』が……!見た未来は『全部が瓦礫の山』なの!だから……『祐介君はこの日本を救えない可能性が高い』の……」
「…………」
まさかの瑠璃御子の発言を受け、祐介は呆然と立ち尽くす、嘘だと言ってくれ、祐介はそう思いながら瑠璃御子に言う。
「ね、ねぇ瑠璃御子さん?じょ、冗談だと、冗談だと言ってよ……?そんな未来が許されると思って……?」
「し、仕方無いじゃない……!これは『私が見た未来の事実』なんだから……!私は『百発百中の占い師、綺羅星瑠璃御子』なのよ!?『百発百中』って、どういう事か、分かってる!?」
「わ、分かってますけど……!で、でも!か、勘違いかもしれないじゃないですか!?ほ、ほら、地震とか、倒壊とか……ねっ?そう言う理由が……」
祐介は違う理由だと発言するが、瑠璃御子は静かに首を横に振って、発言する。
「だって、『見た未来の中で新聞に『日本に隕石落ちる』って書いてた』もん!だから、これは『拭えない事実』なのよ!」
「そ、そんな……で、でも、俺がそんな未来を打ち砕いてやる!」
「打ち砕けないよ!どうやって打ち砕くの!?方法は!?私の運命は『事実百パーセント!』カットされた果物が写るジュースと一緒なのよ!?」
「で、でも……!」
祐介が瑠璃御子に返答しようとすると、『おっすぅ?』と、未来の祐介が現れる。
「お前等煩いぞぉ?何会話してんだよ?きのこたけのこ戦争かぁ?」
「えっ……あっ、いや……好きな食べ物の話です……好きな果物だけで一ヶ月過ごせるかって話……」
涙を拭った瑠璃御子が祐介との会話を逸らす、今の状況でその判断は正しい、祐介はそう思いながら、胸をホッと撫で下ろす。
「へぇ?好きな果物ねぇ?なぁ、お前は何が好きなんだ?」
「私ですか?私はバナナです!だって、棒じゃないですか!?棒って基本的に中身が詰まっているもんなんですよ!んでバナナは甘い!これはコスパが良いと思うんです!」
「お前、胸にそんな凶器飼ってんだから、バナナとか言うなよ?男共に襲われるぞ?ほら、ガキの俺にとか?」
「なっ!?セクハラですよ祐介さん!?」
未来の祐介の発言に胸を両手をクロスして隠す瑠璃御子、そんな姿を見て大笑いする未来の祐介、祐介はその場で静かに『コイツ等……』と、呆れていた。
そして未来の祐介が『それじゃあ笑ったし、さっさと行こうぜ?』と、言って、先に進む。
祐介は静かに息を飲みこみ、未来の祐介の後を追う──無論、それは瑠璃御子もだ──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.337 )
日時: 2018/12/15 23:19
名前: 彩都 (ID: okMbZHAS)  

「あぁ、久し振りだなぁ、我が家は」
「……はい?」
未来の祐介の発言に祐介が反応する、すると未来の祐介は『んー?実はお前、家を出るんだよ』と、淡々と言った。
「へぇ……って、地味に巨大な情報だなぁ!?何で!?何で家を出るの!?」
「何でって……そりゃ、大人になったからだよ?二十歳になったら家を出る、そう言う約束を十九歳の時にするんだ」
「へ、へぇ……それで?仕事は十九歳でしているの?」
「いや?高校卒業してだから、十八歳だ」
「えっ?高校卒業?こっちでは中退なのに?」
「仕方無いだろ?少しの運命変化は?少しでも早く隕石回避の運命を探しているんだ、高校中退より、日本平和がいいだろうが?ほら、漫画でもよく有るだろ?『今の平和があるのは、自分達が夜の世界で平和を保っているからだ』みたいな内容の作品」
「あぁっ……確かにそれはあるけどさぁ?」
「もしも隕石を日本から救ったら、どれだけ報奨金かな?それが貰えるんだろうなぁ?」
未来の祐介は祐介を金で釣ろうとしているが、祐介だって馬鹿ではなかった。
「でもそれは『救えた』場合だ、救えなかったら、意味が無い」
「まぁな?でも、お前はこの世界を救うって言ったじゃん?」
「まぁね?」
「言質(げんち)って知ってるか?」
「言質?何だそれは?」
「簡単だ、『口約束』って感じの意味だ」
「へぇ?と言う事は俺は『この世界を救う』という言質をとられた、と?」
「正解だ、頑張れよ、少年?」
そう言って
未来の祐介はニヤニヤと笑っていた、そんな未来の祐介に対し、祐介は『はぁっ?』と、言って、未来の祐介を蹴る。
「痛い!痛いです過去の俺!?」
「あー?黙れ未来の俺よ?どうせ隕石が降る頃にゃあ、お前は『世界が救われたぁ!』と、言って、泣き叫ぶんだからな?覚えとけよ?」
「やだやだ、覚えている訳無いじゃないですか?何で俺が過去の自分に泣き叫ぶんだよ?」
「はぁ?いいじゃねぇか?たかが過去の自分に頭を下げる事位?」
「やだよやだやだ?何で俺がそんな事をしなきゃならないんだ?俺は俺なんだから……って到着したな?よし、田中さんは外で待っていてくれないか?俺と過去の俺が話をつける」
「そ、そう?それじゃあ、待機してるわ」
「あぁ」
瑠璃御子はそう言って、祐介達から離れる。
そして未来の祐介はインターホンを鳴らし、家族を呼ぶ。
「…………」
「…………」
「…………」
三人が無言で祐介の家族を待つ、そして、『はぁい』と、言って、母親が現れる、勿論祐介達の腰レベルの身長で。
「……な、なぁ、未来の俺よ?ちょっと聞きたいんだが?」
「何だ?」
「未来のお前の世界の母さんはどうなっている?」
「サイズは一緒」
「悲しい」
「んぁっ?何よ祐介?後、隣の人は誰?不審者?捕まえたの、偉いね、後で警察に連絡するね?あぁ、後、ご褒美に頭撫でながらお乳吸わせてあげるから」
「この人本当ぶれねぇなぁ、変態ドスケベ息子を襲う変態野郎」
祐介の母の対応に素で発言する未来の祐介、祐介は未来の祐介に『おい!?未来の俺!?』と、ツッコミを入れる。
「バカ野郎!?この世界では初対面なんだろ!?発言には気を付けろよ!?」
「分かってるよ!?でも、流石に気持ち悪かった!口が滑った!すまん!」
祐介の発言に涙目で返答する未来の祐介、そして祐介の母は『ほら、小さい頃飲んでたお乳ですよー?』と、自身の右乳首を見せていた。
「ほんっと、逆セクハラ大好きな婆さんだなぁ!?」
「おい!?」
未来の祐介の暴言により再度怒る祐介、そして祐介は『そんなんいらんから、さっさと隠せぇ!』と、母親に怒る。
「んー?何だよ、露出はダメだったか?」
「ダメを通り越して、色々な意味でアウトだから!?」
「アウトかぁ……でもまぁ、いいじゃないか?どうせ私に欲情する存在は居ないんだし?」
「まぁ、それは一理あるな?この母親がいたから俺はロリコンに、18才未満に手を出さなかった訳だし?」
「えぇー?此処で一番聞きたくなかった要らない情報が耳を駆け抜けたー」
未来の祐介の発言に、祐介は静かに呆れる、コイツに何を言っても無駄だ、そう思いながら、祐介は話を最初に戻す。
「ごほん!えー、この人は俺の知り合いの長谷部さんだ」
「えっ?長谷部?長谷川なんだけど?」
祐介の発言に戸惑う未来の祐介、だが祐介は『シャラップ!』と、黙らせ、続ける。
「実は俺、この人のお陰で退院したんだ」
「へぇ」
「それでね?退院したから、治療費とかの請求を母さんに渡したくて……あぁ、後、俺、明日この人とこの人の娘の三人でジャカルタに向かうから」
「へぇ、それは何?アンタはその人の娘と付き合ってんの?」
「ち、違うよ、たまたまチケットが余っていたから行くだけだよ……ねぇ、長谷部さん?」
「あ、あぁ、そうですね……」
「へぇ?じゃあ、パスポートは?」
「あっ、私がもう手配しました」
「へぇ、それは有難い、それではこんなダメ息子を宜しく御願いします」
「いえいえ、祐介君は勇気ある行動をとっているので、大人の私からでも、感心しますよ」
未来の祐介はそう言って、祐介を上げる、そして祐介の母親は『いえいえ?時間があれば、少しお茶でもいかがですか?』と、言い、未来の祐介を家に招こうとする。
未来の祐介は懐かしい家を思い出し、『それではお邪魔します』と、言って、頭を下げる。
そして祐介は『マジか……』と、思って、少し唖然としていた──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.338 )
日時: 2018/12/16 23:41
名前: 彩都 (ID: b92MFW9H)  

「汚い家ですが、どうぞ」
祐介の母はそう言って、未来の祐介を家の中に招く。
「いえいえ?とても綺麗で清潔じゃないですか?素晴らしいです──まぁ、隕石落下で壊れた我が家より綺麗だ──」
未来の祐介は簡単なお世辞を漏らし、頭を下げてから祐介の家に入り、靴を脱ぐ。
「それでは、この部屋でお待ち下さい」
祐介の母はそう言って、リビングに案内する、リビングはテレビが映っており、直前迄見ていた事が伺えた。
「……やっぱり変わっていないなぁ?」
未来の祐介がそう言うと、『何がですか?』と、後ろから来た祐介が言う。
「んー?いや、俺が家を出た後も同じ場所にテレビとか、観葉植物が有って、驚いているんだ、やっぱりあんまり時間が経っていないし、それはそうか」
「時間が経っていないといっても、たった三年ちょいじゃん?いうて千日は経過してるじゃん?」
「それはどうかな?それはお前の勝手な判断だろ?」
未来の祐介はそう言って、祐介に微笑む、そして祐介の母が未来の祐介に『お茶です』と、湯気が立つお茶を渡す。
「これはこれは……静岡名産のお茶じゃないですか?これまた何とも高価な……」
未来の祐介はそう言って、茶柱が立ったお茶を見る、すると『あら、よくご存知で?』と、祐介の母が言う。
「えぇ、実は私はお茶に関しては知識があって……一年程お茶の会社で仕事していた者で……」
「はぁ、成程……それはそれは含蓄があるようで?」
「まぁ、少しだけですけどね?」
未来の祐介は苦笑いをし、人差し指と親指で角砂糖を掴むようなポーズをとる。
「それでは頂きます」
未来の祐介はお茶を静かに飲む、そして『ふむ、中々に美味しいお茶だ、隕石の効果で汚染されたお茶っ葉じゃない』と、思う。
「おぉっ、中々美味しいお茶ですね、素晴らしい」
「いやいや?有難う御座いますぅ、あっ、お茶にはお茶菓子が必要ですよね、今から持ってきます」
祐介の母はそう言って、冷蔵庫へと向かう、そして未来の祐介の隣に座る祐介は静かに『お茶菓子も食うのか?』と、問う。
「さぁ?どうだろうなぁ?気分によっては、だが?……それにしても、美味しいお茶だ、隕石で汚染されたお茶っ葉じゃないから、最高だ」
「隕石で汚染?何だよそりゃ?」
祐介が首を傾げると、『そんな事も分からんのか、矮小なる脳味噌よ?』と、鼻で笑われる。
「な、何だよ……!?無知なのは仕方無いだろう!?知っているのは現時点でお前だけだし!過去の俺が知らないのが常識だろう!?俺も知ってたら、そりゃ会話が無いけれど!」
祐介はそう言って、未来の祐介を睨む、すると『あーもう分かったって』と、諦めて、祐介に言う。
「隕石が落ちた今、被害がある場所は作物が出来ないんだよ」
「それはどうして?」
「簡単だ、『隕石っていうのは宇宙から来ている』んだぜ?放射能とかが怖いだろ?もしもその隕石が『放射能を自ら放出する隕石』だったらどうする?その事も考えられて、半径……何キロだったかな?相当な範囲で迎えないんだよ」
「ほー?それで?放射能の所為で食いもんがダメになる、と?」
「そうだ、だから作物を手に入れるのも大変なんだよ?」
未来の祐介の解説に納得する祐介、すると祐介の母親が現れ、『澄みません澄みません、探していたら時間が掛かって……』と、言って、未来の祐介の前に和菓子を置く。
「つまらないものですが、食べていただければ幸いです」
「有難う御座います」
未来の祐介は頭を下げて、和菓子を一口食べる、ふむ、甘いな、未来の祐介はそう思いながら安堵する。
「……さて、こんなにも美味しいお茶、美味しいお茶菓子を貰ったら、最高過ぎて、もう何も言えません、それでは、私はお暇しましょうか、ではでは」
未来の祐介は和菓子を食べ終わり、お茶も飲み干し、立ち上がり、『それでは祐介君?さようならだ』と、言って、リビングを出ようとする、すると未来の祐介に祐介の母は『あ、あの!』と、止める。
「……はい、何でしょうか?」
凄く厭な予感がする、そんな思いをしながら、ゆっくりと振り返る未来の祐介、すると祐介の母は『今日、泊まりませんか?』と、言う。
「は、はい?」
「もう夜になりますし……今日は此処で泊まらない?」
「えっ?厭ですよ、一応私にも妻子はいるので……もしも女性と一つ屋根の下眠った、と、話が妻子にバレたら、私は一巻の終わりですし?」
「そ、そうですよねぇ……じ、実は今日、夫が出張で帰ってこなくて……だから、色々な話が聞けたらなぁ?と……」
そう言う祐介の母に対し、『ハハハ……何とも面白い冗談だ』と、冷や汗を掻きながら頬を掻く。
「やっぱり……今日は泊まらない?」
「そ、そうですねぇ?泊まりませんねぇ?……ってか、それを息子さんの前でやらかしますか?」
呆れる未来の祐介に祐介の母は振り向いて、『あんなんほっといても大丈夫ですよ、もう十七なんですし?』と、笑いながら言う。
違う意味で恐ろしい女だ!?祐介、未来の祐介はそう思いながら、その場で呆れる、すると未来の祐介のポケットが震えた、この震え方は……メールだ!もしかして田中さんが『遅い』っていうメールを……!?未来の祐介は心の中で安心しながら、『助かった!』と、思い、ポケットに手を突っ込み、スマホを取り出した──


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