コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 世界終了ハウマッチ!?
- 日時: 2015/10/28 20:57
- 名前: 彩都 (ID: vKymDq2V)
初めまして、彩都(サイト)と申します。
四作目です。
帰宅途中に思い付いた五分クオリティです。
気楽にお読み下さい。
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- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.224 )
- 日時: 2018/03/21 21:30
- 名前: 彩都 (ID: gKP4noKB)
祐介達は春華の発言を受け、コーヒーカップのアトラクションに向かっていた。
「へぇ、結構朝方だってのに、人が多いですねぇ、流石遊園地」
「確かにそうだね……こんなに来るとは思って居なかった……あれっ?お父さん、今日は平日ですよねぇ?」
「い、一応は平日だな……でも、本当に人が多いんだな……」
春華の発言に対し、先宮さんは返答し、遠くを見て、言葉を続ける。
「もしも土曜日曜なら、どれだけ人が多いんだろうが?流石に1.1倍以上の倍率は掛かるんだろうなぁ……」
先宮がそう言って、はぁ、と溜息を吐いて、のんびりと歩く、そんな中、アリスは先宮の手を繋いで歩いていた。
「うーん、コーヒーカップのアトラクション迄遠いなぁ……(大変だぁ)」
「仕方無いさ、こんなに広いんだ、そりゃ目的地が遠い可能性だってある」
「うー……確かにそうかもしれないけれどさぁ?私みたいなガキには優しくないよね?そりゃ、もう少し小さくて、肩車が出来る程のガキならまだしもさ?(本当に大変)」
アリスはそう言って、唇を尖らせる、そんな中、先宮さんが『んっ?あれは何だ?』と呟く。
「えっ?何なんです?」
「ほら、あそこ……奥に白と赤の色をした何かがあるぞ?」
「えぇっ?お父さん、そんな筈は……って、あったし!?如何にもピエロっぽいなぁ!?」
先宮さんの発言を受け、春華が半信半疑で指を指す方向を見る、すると本当に白と赤の色をした何か──ピエロだ──が存在していた、そしてそんなピエロを見て、アリスが言う。
「……あれは本当にピエロなの?(不思議だなぁ)」
「んっ?アリスちゃんの国ではこれとは違うの?」
祐介がそう言うと、アリスは『うん』と頷いて話をする。
「私が知っているピエロはもっと顔に装飾をしているんだよ、ほら、涙とか、その他を描いていたり……でも、日本のピエロって案外白い顔ってだけで味気ないんだよねぇ、だからあんまり怖くないっていうか……それなら歌舞伎って奴の方が怖いね」
「な、成程……外国人クオリティな話だなぁ……」
祐介はアリスの発言を受けて、感銘と同時に驚愕する、そして四人はピエロの横を通り過ぎる、するとピエロはアリスの前に現れて、黄色の風船を渡してきた。
「うわっ、驚いた……」
いきなり目の前に現れたピエロに先宮さんは驚く、するとアリスが右手を出して風船を受け取る。
「せんきゅー(サンキュー)」
アリスはそう言って、紐を左腕に巻きつけて、離さないようにする、勿論縛る方法は『魔法』でだ。
「ちょーい!?ちょい待って!?アリスちゃん!此処で『魔法』を使わない方が……!」
「あっ、しまった……(やっちまった)」
春華がそう言っても、時既に遅し、左腕に巻きつけた紐は少し光って、アリスの腕に縛られる、その姿を見たピエロは『嘘だろ……?』と驚愕していた、そして先宮さんがアリスを抱きかかえ、ピエロの前から走り去る、祐介と春華も先宮さんの後を追って、追いかける──
「はぁはぁ……ま、撒けたか……?」
「う、うん、一応は……」
「あー焦ったぁ……」
先宮さんの発言を受けて、背後を確認する春華、そして祐介は額の汗を拭って、安堵する。
「ご、ゴメンなさい……日本じゃあまり『魔法』を信じられていないのかな……?(何で?)」
「い、いや、逆に『魔法』は有り得ないって考えだからね、日本は……そう言うのは魔術や魔法というより、『妖術』的な?」
祐介がそう言って、頬を掻く、するとアリスが『あっ』と発言する。
「ねぇ、此処って多目的トイレだよね?(違う?)」
アリスがそう言って、マントの中から杖を取り出す。
「きゅ、急にどうしたのアリスちゃん?」
「んー?あぁ、大人の姿になろうかなぁって、だって、小さい子じゃ乗れないアトラクションもあるでしょ?だからそれに乗る為に大きい姿になろうかなぁ?って(ダメかな?)」
そう言って、自身の能力、『ベクトルを変更する』能力を使用し、肉体の成長のベクトルを変更しようとする、すると先宮さんは右手を前に出してストップをかける。
「待て」
「?どうしたの?(何か問題でも?)」
「いや、そう言う意味じゃないんだが……出来れば、中学生、高校生レベルのサイズにベクトル変更出来ないか?」
「はぁ?何で四、五歳上の年齢に?(不思議だなぁ)」
先宮さんの発言を受けて、首を傾げるアリス、すると先宮さんが言う。
「い、いや、流石にこんなちんちくりんの肉体から、大人の姿になってみろ……?誰もが驚くだろうが?」
「……あっ」
「……あぁ、確かに……」
先宮さんの発言を受け、祐介、春華が静かに頷く、すると先宮の発言を受けたアリスが発言する。
「……あぁ、そう言う事か、成程成程、それじゃあ、出力を抑えて能力を発動してみるよ(行くぜ)」
アリスはそう言って、杖を握りながら、『ベクトルを変更する』能力を使用し、自身の『肉体の成長のベクトルを変更』し、少しずつ大きくなる、そして先宮さんが『今だっ!』と叫んで、アリスは能力の発動を止める、するとアリスの肉体は春華とほぼ同じになっていた。
「……成功した?(上手く出来た?)」
「あぁ、上手く出来た、これでいいだろ?」
「う、うん、確かに……」
春華はそう言って、アリスの胸を見続ける、それもその筈、アリスの胸は『春華と同じ位の身長なのに、巨乳だった』からだ、するとその視線に気が付いたアリスが言う。
「……日本人より外国人の私の方が胸が大きいのは仕方無いよね……(うん……)」
アリスは横目で返答し、視線をずらす、そして春華は顔を赤らめながら『みっ、見ていないよ!?』と返答する。
そんな二人を見ながら、祐介は『何時になったらコーヒーカップのアトラクションに向かうのだろうか?』と思いながら、多目的トイレの中でアリスと春華を見続ける──
- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.225 )
- 日時: 2018/03/24 23:55
- 名前: 彩都 (ID: q9W3Aa/j)
「さて、それじゃあ、さっさとコーヒーカップのアトラクションに行こうぜ?」
自分の思っていた事を先宮さんに言われ驚く祐介に対し、春華、アリスが頷く。
「うん、分かった」
「そうだね(さっさと向かおう)」
「よし、それじゃあ、さっさと行こうか」
先宮さんは春華、アリスの発言を受けて、多目的トイレの鍵を開けて、外に出る、祐介も『さっさと出よ』と考えて、多目的トイレを出る──そして四人が多目的トイレを出た──
そして四人は呑気に歩いて、コーヒーカップのアトラクションを探すが、中々に見付からなかった、なので、先宮さんがパンフレットを取ってきて、パンフレットを確認する。
「ふむ、まさかのコーヒーカップはメリーゴーランドの隣だったのか……」
先宮さんはそう言って、結構歩いたなぁ、と思う、そして春華が言う。
「そ、それじゃあアリスちゃんの提案であるメリーゴーランドの近くを探せば良かった、って事かなぁ……?あぁ、時間を少し無駄にしちゃった……」
春華はそう言って、肩を項垂れさせる、するとアリスが言う。
「でも、動いたって事はダイエットになるんじゃない?ほら、先週言っていたじゃん春華お姉ちゃんは?『あぁ、三キロ太った……秋に近いから食べ過ぎるのかも……』ってさ?(ダイエット大事)」
アリスがそう言うと春華がアリスの肩を掴んで叫ぶ。
「あー!!それは二人の前では言わないでぇぇぇ!!」
「……春華……」
「お、俺は痩せているより、少しふくよかな方が好きだぜ……?」
「ほらぁ!」
先宮さんと祐介の発言を受けて、二人を指差す春華、そしてアリスは『ご、ゴメンゴメン……』と発言し謝る。
そして春華はその場で溜息を吐いて、『祐介さん、そう言うお世辞は要りません……』と言う。
「そ、そうかなぁ?でも、ふくよかな女の子は可愛いと思う、痩せているより可愛いと思うぜ?」
「そ、そうですか……まぁ、今頼れる同年代の男性って祐介さんしか居ませんし、祐介さんの意見しか聞けませんしねぇ……」
春華はそう言って、頭を垂れながら、メリーゴーランドの方へ一人で向かう、先宮さん、アリス、祐介は春華を見失わないように後ろから追いかける、そしてメリーゴーランドに着いて、春華は周りを確認する。
「……はて、一体何処にコーヒーカップのアトラクションは有るのでしょうか……?あぁ、もう少しお父さんのパンフレットを確認しておけば良かった……」
春華がそう言うと、父親である先宮さんが現れて、春華に言う。
「此処のメリーゴーランドの奥にあるんだと」
「成程、それは盲点、そりゃ此処から見えない訳だ」
「そう言う事だ、それじゃあ、さっさと向かおうぜ?」
「えぇ、そうですね」
春華と先宮さんはそんな会話をして、メリーゴーランドの奥に向かう、祐介とアリスもはぐれないように手を繋いで、二人の後ろに着いて行く──
「此処、ですか……」
春華はそう言って、メリーゴーランド奥のコーヒーカップのアトラクションを確認する、するとコーヒーカップのアトラクションは案外人が少なく、並んでいる人数はざっと二十人程度だった。
「……案外人が少ないなぁ、俺のガキの時はジェットコースターよりこのコーヒーカップが有名だったってのに……並んでいた存在も倍以上だったし……はぁ、コレも年というか、時間の流れかねぇ?」
先宮さんがそう言うと、アリスが首を傾げて先宮さんに言う。
「へぇ、今はあんまり人が居ないけれど、お父さんの過去はこのコーヒーカップに大量に人が居たの?(初めて知った)」
アリスの発言を受けて、『あぁ』と返答する先宮さん、そして先宮さんは言葉を続ける。
「そりゃそうさ、だって、俺の時代はこんなジェットコースターより、メリーゴーランド、コーヒーカップ、観覧車が有名だった、でも、今となっては、3Dや4Dのアトラクション、ジェットコースター、謎解きアトラクションが有名、主流になってきた……メリーゴーランドは今も行列かもしれないが、昔はこれよりも長かったんだぜ?それは勿論観覧車だって、さ……でも、コーヒーカップはなぁ……昔の方が行列はあったんだが……ははっ、俺みたいな老害がこんな事を言うのかねぇ?」
そう言う先宮さんに対し、アリスが言う。
「そ、そうだったんだ……でも、私は遊園地に行った事がないから、お父さんの気持ちは分からないや、ゴメンね(すまない)」
「いや、いいんだよ、どうせ昔の話、今となっては薄れた事だ、それよりも今はコーヒーカップのアトラクションを楽しもうぜ?」
「……それもそうだね(うん)」
先宮さんの話に対し、アリスは静かに頷いて、行列に並ぶ、そして祐介、先宮、春華もアリスの後ろに着いて、一緒に並ぶ、さぁ、後何分が経てばコーヒーカップのアトラクションに乗る事が出来るだろうか?祐介はそんな事を考えながら、コーヒーカップのアトラクションで遊ぶ家族を見つめる──何か楽しそうだなぁ?このコーヒーカップのアトラクションってそんなに楽しいモノなのだろうか……?祐介はそう思いながら、内心不思議がる──
- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.226 )
- 日時: 2018/03/25 21:28
- 名前: 彩都 (ID: YUWytwmT)
祐介達がコーヒーカップのアトラクションの列に並んで、待機していると、従業員が『それでは次のお客様ー、もうすぐ終わりますので、準備御願いしますー!』と叫ぶ、なので、四人共準備をする事にした。
「ふむ、これでやっとコーヒーカップのアトラクションに乗れるなぁ」
「確かにそうですねぇ……俺でもこのコーヒーカップのアトラクションには乗った事が無いので、楽しみです」
「おっ?祐介も乗った事が無いのか?それじゃあ乗った事があるのは俺達親子だけか……」
先宮さんの発言を受けて、『えぇ、そうみたいだね』と返答する春華、そして列が段々と前に進んでいき、遂に祐介達もコーヒーカップに乗り込む事が出来た。
「……な、何だか不思議な感覚ですね」
祐介がそう言うと、先宮さんは首を傾げて発言する。
「はぁ?どういう事だよ?」
「え、えっと……だって、普通座る物って、背中の方がまっ平らじゃないですか?ですが、コーヒーカップなので、背中が違和感に……」
祐介がそう言うと、『うん、そうだね……』と返答するアリス、良かった、自分と同じ感覚を持っていて……自分は心の中で安堵しながら、コーヒーカップの中の円盤に触れる。
「あの……これは一体何なんでしょうか?」
「ん?あぁ、それは動いてからのお楽しみだな」
「えっ?えぇ……」
祐介は先宮さんの返答を受け、混乱する、そして従業員が『それでは動かしまーす』と叫んで、コーヒーカップを起動させる……すると『コーヒーカップが回転した』のだ、いきなりの回転にアリスは戸惑う。
「ぎゃー!?何だこれぇ!?怖い!怖過ぎるよ!(恐怖!畏怖!)」
「お、落ち着けって!ほ、ほら、春華の腕でも掴んでろ!」
「そ、そうだよアリスちゃん!」
アリスの叫び声に反応する先宮さん、そして先宮さんは春華の腕を渡し、アリスに春華の腕を掴ませる。
「ふー!ふー!い、一体何なんだ……!?回転するならそう言えっての……」
「アハハ……確かに初心者には驚くよねぇ……」
春華はもう片方の手で頬を掻いて、静かに冷や汗を掻く、すると先宮さんが、『それじゃあ動かすぞー』と言って、目の前の円盤を回転させる。
すると『急に回転スピードが上がり、目を回しそうになる』、い、いきなり何なんだ!?祐介はそう思いながら、目の前の状況に混乱する。
「えっ?えっ?何が起きているの?コーヒーカップの回転スピードが上がった……?それとも周りの方が回転している……?」
「お、落ち着けお前等!?そんなに気を取り乱す事じゃないだろう!?」
アリス、祐介の状況を見て叫ぶ先宮さん、そして先宮さんは真ん中の円盤の事を説明する。
「この円盤は回転させると、『カップの回転力が増す』んだよ!単純にそんだけだ!落ち着け!」
「お、落ち着けないですよ!?いきなり回転したし……うっぷ……」
「わー!落ち着けぇ!此処で吐いたら弁償してしまう事になる!」
「わ、私も……吐き気が……(うえっぷ)」
祐介とアリスは口を押さえて、吐く事を抑える、すると先宮さん、春華が焦る。
「待って!?吐かないで!面倒な事になる!!」
「そ、それはそうだけど……遠心力とかの関係で……」
「遠心力!?あんまり掛からないでしょ!?」
「う、うーん、回転……早い……目が、周る……(おろろろろろろ……)」
「落ち着け!分かった!円盤の回転を抑えるから、吐くのも抑えろぉ!」
「そうですよ!ねっ!?落ち着いて下さぁい!?」
二人はそう言って、円盤の回転スピードを落とすが、二人の吐き気は収まらなかった、そして何とか二人は嘔吐感を我慢し、コーヒーカップのアトラクションを終了させる。
「よ、よし!急いでトイレに向かおう!」
「は、はい!」
先宮さんは祐介を持ち、アリスを春華が持って、多目的トイレに運ぶ、そして二人を便器に近づけて、嘔吐させる。
「おろろろろろろ……」
「げろげろげろ……(おろろろろろろ……)」
「はぁはぁ……ま、間に合ったな……」
「う、うん……それにしても二人が回転系に弱いとは……驚きましたね……」
「た、確かに……」
先宮さんと春華はそう言って、静かに溜息を吐く、そして嘔吐が終わった祐介は右手で大の方に捻って、嘔吐物、吐瀉物を洗い流す。
「ハァハァ……大変だった……」
「そ、そうだね……私の国にはこんな回転する物とかが無いから、回転に弱いのかも……?(多分)」
「そ、その可能性もあるなぁ……そ、それじゃあ、次はどうする?ジェットコースターは行列だろ……?」
「まぁ、確かにそうですよね……でも、何か可笑しくは無いですか?」
いきなり不思議な事を言う春華に祐介は首を傾げる。
「は、はぁ?どうしたの春華ちゃ──」
「可笑しいのは貴方ですよ、祐介さん?」
「えっ?どういう事?」
「だって、『私はコーヒーカップ、お父さんはジェットコースター、アリスちゃんはメリーゴーランド』、ですが、『祐介さん、貴方は乗りたい乗り物、アトラクションを言っていない』んです、これは不思議です、だから次は祐介君が提案して下さい」
「えっ?俺って乗りたい乗り物を言っていないのか?」
祐介はそう言って、顎に手を当てる、だが本当に祐介は何も言っていなかった、その事を思い出し、『本当に何にも言ってねぇ!』と心の中で思う、そして祐介は腕を組んで、乗りたいものを考える──というか、そもそも乗りたいものなんかないんだがなぁ……そう思いながら、祐介は渋々考える──
- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.227 )
- 日時: 2018/03/28 21:42
- 名前: 彩都 (ID: YzSzOpCz)
「乗りたいもの、ねぇ……」
祐介はそう言って、腕を組んで、考える、そもそも乗りたいもの等ないのだ、単純に皆と出会って遊びたかった訳だし……祐介はそう考えて、『とある事』を思いつく。
「……あっ、あれがあった」
「あれ?あれ、とは?」
「あれはあれ、ほら、あそこにも見えてる」
祐介は指を指して、春華、アリス、先宮さんに注目させる。
「えっ……?あれは……」
「観覧車……?」
「どうして?(お兄ちゃん、どうして?)」
そう言う三人に対し、祐介が言う。
「んー?やっぱりのんびり高い所から空を見たくて……良いかな?」
「……私は良いですよ」
「やったね、それじゃあ、先宮さん、アリスちゃんの発言を待つだけだ」
祐介はそう言って、二人を見つめる、そんな二人は静かに頷く。
「ま、まぁ、俺も良いけれど……」
「うん……お兄ちゃんの案だしね?(提案サンキュー!)」
「よし、それじゃあ、三人の意見も合致した事だし……観覧車に向かおうか」
祐介はそう言って、右手を上げる、三人も『お、おぉー』と言って、右手を上げた──
四人は祐介の発言を受けて、観覧車へと来ていた、そして観覧車の列に並んで、静かに列が解消されるのを待つ。
「中々に並んでいるなぁ、軽く十分は使うかもな……」
「まぁ、それでもいいですよ、時間は有限ですが、結構余っていますし……まだ十時ですしね……?」
「まぁ、確かにそれもそうだなぁ」
「えぇ、そして先宮さん、少し良いですか?」
「ん?何だよ?」
祐介はそう言って、先宮さんに単刀直入に言う。
「俺と春華ちゃん、二人で乗せて下さい」
「!?なっ!?ゆ、祐介君!?な、何を言って……!?」
「そして先宮さんはアリスちゃんと乗って下さい」
「な、何で俺がアリスと!?」
「そ、そうだよ!私だってお兄ちゃんと乗りたいよ!(ぷんすかぷん!)」
春華、先宮さん、アリスの発言を受けて、祐介は静かに言う。
「まぁまぁ、アリスちゃん、時間はまだあるんだぜ?飯を食べた後に乗っても良いじゃないか?そして春華ちゃんには色々と聞きたい事がある」
「お、おい!俺は!?俺は何も話されていないが!?」
祐介の発言を受けて、先宮さんが驚愕する、そして祐介は先宮さんに言う。
「まぁまぁ、同年代の俺に話せて、大人であり親である先宮さんには話せない事とかあるでしょうに?」
「ま、まぁ、確かにそうかもしれんが……でも、これだけは約束してくれ」
そう言う先宮さんに対し、祐介は首を傾げる。
「はい?何です?」
「春華に性的な事はするなよ?性的な事をして良いのは18歳からだ!」
「する訳ねぇだろ!まずまだ中学生でしょうに!手を出す方が可笑しいわ!」
「でも、男ってそう言うのが好きって言うだろ!?俺だって、二十歳の女の子が好きだ!」
「何娘の前でとんでもない暴露をしてんだこの人!?って、そうじゃないでしょう!話を戻しますが、俺は春華ちゃんは性的に襲わない!それだけは言えます!」
「そうか!それなら一緒に乗っても良いぞ!」
「な、何なんだこの父親は……?」
祐介はそう言って、肩を落として、春華に言う。
「そ、それじゃあ、観覧車の中では宜しくね?」
「は、はい……」
少し顔を赤らめながら言う春華に、祐介は『ちゃんと聞かないとな』……と思う、そして段々と目の前の行列が消費されていき、もう少しで祐介達の順番になった。
「そういえば」
春華がそう言って、祐介、アリスに聞く。
「祐介さんやアリスちゃんは遊園地の観覧車に乗った事、有ります?」
「俺は基本的に遊園地に来た事がないから、遊園地の乗り物については首を横に振るな」
「私もお兄ちゃんと一緒で、ずっと部屋に篭って『魔法』の練習をして、時間を潰していたから、外の世界は毎回新鮮だよ、だから遊園地の乗り物は乗っていない(『魔法』最高)」
「お、おぅ……ってか、アリスちゃんのはただの引き篭もりじゃあ……?」
春華がそう言うと、アリスが言う。
「『魔法』を使う存在は大体一人だよ、大体引き篭もり、そして『魔法』の素質をどっかの誰かが見て、『魔法協会』っていう場所に案内されて、実技試験の後、真の『魔法使い』、一人前の『魔法使い』として認められるんだよね、まぁ、私の場合は両親が『魔法使い』だから、親に連れて行かされた、って言った方が早いかもね?基本的に突発的に生まれた『魔法使い』より、両親が『魔法使い』、もしくは片親が『魔法使い』の子は、突発的に生まれた『魔法使い』より『魔力』が高いの、そして『魔力』というのは『魔法』を使う為のエネルギー、一つの『魔法』だって、『魔力』の使用量が高いのもあるから、二人以上で使用する場合もあるよ(これで『魔法使い』の事は分かったかなぁ?)」
「な、成程……つまり基本的に一人っきりで『魔法』の特訓をする、と……それじゃあ、あまり外に出られないのかぁ……」
春華がそう言うと、アリスが返答する。
「そう、『魔法』の特訓は案外大変なのだよ、一週間断食とか、二週間断食とかね?だから基本的に篭り作業となるのです!(大変さ、分かってくれた?)」
アリスの発言を受けて、春華は何度も頷く、すると従業員が『それでは次の方来てくださぁい!』と叫ぶ、祐介達は前に進んで、観覧車の前に立つ、そして観覧車から、何人も人が降りて、祐介の前の人が乗り込んでいく、するともう祐介達が目の前になり、観覧車が到着する、そして観覧車の中から、人が出て、祐介と春華が乗り込んで行く──次の観覧車には、アリスと先宮さんが乗る──
- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.228 )
- 日時: 2018/03/31 22:11
- 名前: 彩都 (ID: gF4d7gY7)
祐介と春華が観覧車に乗り込んで、軽く十秒が経った、そして祐介が春華の事を見つめながら発言する。
「ねぇ、春華ちゃん?」
急に名前を呼ばれて、姿勢を正して裏声で返答する春華。
「ひゃ、ひゃいっ!な、な、な、何でしょう祐介さん!?」
「……もっと落ち着いて?」
「は、はぁ……」
祐介にそう言われ、春華は猫背になって、俯く、そして祐介がゆったりとした口調で春華に言う。
「ねぇ、春華ちゃん?学校は楽しい?」
「……へっ?いきなりどうしたんですか祐介さん……?」
祐介の発言を受けて、不思議がる春華、そして祐介が春華に言う。
「俺は学校を中退したんだ、前に警察に捕まったから……でも、春華ちゃんは俺とは違う、其処は分かるだろ?だから聞いたんだ、『学校は楽しい』かって?」
「……まぁ、一応は……一応は楽しいですよ?ですが、何故急にその話を……?」
祐介の発言に首を傾げる春華に祐介は静かに返答する。
「そりゃそうだろ?だって君は『施設』に入れられて、数ヶ月、数年は監禁、軟禁をされていたんだ、其処から急に『外』に出されて、家族と共に生活し、学校へ通った──普通なら不可能だ、だが、君には俺やアリスちゃんでも持っていないモノがある」
「……祐介さんやアリスちゃんでも持っていないモノ?……それは一体何なんですか?」
「それは簡単だよ、『底なしの元気』さ、君は無限に元気を持っている、更に自身の能力である、『どんな存在にも能力を開花させる』能力もある、これは前にも言ったかもしれないけれど、君のその能力は『人を笑顔に、世界を絶望から救う』事が出来る能力なんだぜ?『底なしの元気』、『どんな存在にも能力を開花させる』能力、その二つを持っている君は凄いんだ、でもその元気があったとしても、学校の生活は大変だ、虐めや弄り、そして勉強、部活……中学校では色々な事がある、俺だってそうだったからね?勉強や部活が大変だった、でも、それらがあったから、今の高校生活があったんだ──まぁ、でも中退したけれどねぇ──だから、少しは春華ちゃんの中学生の話が聞きたいなぁって思ってさ?だって、親の前で学校の事とかあまり話したくないでしょ?俺や春華ちゃんの友達みたいな年齢が近しい人に話した方が気が楽になる、と思ってね?もしも親の前で言ったら怒られるかもしれないしさぁ?だから、話したい事があったら話してよ?」
祐介はそう言って、優しい目つきで春華を見つめる、春華は無言のまま祐介を見つめる。
「…………」
「んー?どうしたんだ俺の事を見つめて?」
祐介が首を傾げると、春華が静かに祐介に言う。
「学校の事、じゃないんですけど……わ、私……実は好きな人が居るんです……でも、その人は年上なんですよね……」
「はぁ、それは大変だねぇ……それがどうかしたの?告白したい?それとも付き合いたいの?それとも友達になりたいの?」
「い、いえ……告白して、付き合いたいです……ですが勇気が無いんです……私にはその人に『好きです』とか、『付き合って下さい』とか言う言葉を吐く勇気が無い、そんな勇気が無いから、私はその人の背中をずっと見続けるしかない……でももしも、その人に彼女が出来たらなぁ、と思うと、心が苦しくて……『私の方が先だったのに!』って気持ちになりそうで……凄く、最近は苦しいんです……」
そう言う春華に対し、祐介は腕を組んで考える、まず、その男性の情報が少ないから、どうこう言えは無いが……でも、流石にその男性の情報は欲しいよなぁ、と思いながら祐介は春華に言う。
「そ、それで?その男性の年齢は?その男性の容姿は?その男性の情報が欲しいんだけど……?」
祐介の発言を受けて、春華は目を逸らしながら、祐介に伝える。
「え、えっと……年齢は軽く十代後半、高校生……身長は170cm以上で……とてもカッコ良い人……」
大体十代後半で高校生……と言う事は年上の男性が好き、って事だよな?ふむ、春華ちゃんもカッコいい人が好きなんだな……矢張り女子はカッコいい弾性が好きなのかぁ……祐介はそう思いながら、顎に手を当てて、考える。
「それで?もう少し情報が欲しいんだけど……?」
「ほ、他の情報ですか?はぁ……私もあまり知らないんですよねぇ、その人の情報は……」
「ほう、それは困ったなぁ、高校生ぐらいで、身長170cm以上の男性って案外いるぞ?カッコいいだってそうだしさぁ?」
「そ、そうですよねぇ……」
祐介の発言を受けて、春華は静かに顔を俯かせる、そして祐介はもう少し他の方向から攻めてみる事にした。
「そ、そういや、聞いていなかったんだけどさぁ?その男性の名前ってどんな名前なの?さ、流石に名前ぐらいは流石に分かる……よね?」
祐介が首を傾げてそう言うと、春華は静かに頷いて、返答する。
「え、えぇ、一応はフルネーム、分かります……」
「そうか、それじゃあ、その男性の名前を言ってよ?俺がその人の高校に行って、話を聞くからさぁ?」
祐介がそう言うと、春華は顔を赤らめながら発言する。
「えっ……は、はい……えーと、名前は『長谷川祐介』……そう、目の前の祐介さんの事です……」
「えっ……えぇっ!?」
春華はそう言って、祐介を指差す、祐介は自身を指され、自分の名前を言われて驚愕する──ど、どう返答すれば良いんだ……?祐介はそう思いながら、その場で立ち上がって硬直する──
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