コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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世界終了ハウマッチ!?
日時: 2015/10/28 20:57
名前: 彩都 (ID: vKymDq2V)  

初めまして、彩都(サイト)と申します。
四作目です。
帰宅途中に思い付いた五分クオリティです。
気楽にお読み下さい。

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Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.89 )
日時: 2017/03/29 21:37
名前: 彩都 (ID: O/vit.nk)  

「おおっ!何とお美しい女性に変身したんだ……!これは未来の貴方が楽しみですねぇ!だけどぉ?そのでかい胸は要らないな、だって本当に美しい女性はでかい胸なんか無いですからぁ!」
水面はそう言って、フルートに口をつけて音を出し、演奏を開始する、すると右の曲がり角、左の曲がり角の方から上半身裸、ズボンはジーパンの男性が現れた、右も左も見た目は良く似ていて、双子かと思われた。
「なぁ、水面の兄ちゃん、これが俺達の相手か?」
右の男性がそう言うと、水面は静かに頷く。
「なぁるほどねぇ……それじゃあお前はどっちを取る?俺は目の前の巨乳野郎だが?」
右の男性がそう言うと左の男性は静かに考えて、右の男性に言う。
「そうだなぁ、別段おっさんでもいいが、流石におっさんが俺相手じゃあ困るだろう、だから俺は水面の兄さんの手の中にあるカードを選択しようか、だって二番目に女性が吸い込まれたからね」
左の男性の言葉を聞いて、右の男性は呆れながら言う。
「本当、お前の動体視力とか目は鋭いなぁ……まぁ、話し合いは終わったし、さっさと片付けちゃいますか?」
「それもそうだね、兄ちゃん──それじゃあさっさと倒して、俺達の結婚相手にしようか!」
二人の男性がそう言って一気に走り、アリスの方へと向かう、アリスは簡単に杖を一振りし、虚空から、解読出来ず、複雑で謎な文字の式の魔法陣を一つ生み出し、右の男性に向かって呟く。
「ふぅん?そんな簡単に私に特攻するなんて──おバカな人──出でよ、『ヘカトンケイルの巨手』!!(消えろ!)」
アリスがそう言った瞬間、魔法陣から巨大な右手の拳が現れ、右の男性を攻撃した、あまりにも突然の出来事に左の男性は叫ぶ。
「にっ、兄ちゃぁん!」
左の男性がそう言うと、右の男性はニヤッと笑いながら、返答する。
「おぉー、中々重い拳だこと……だけど『俺』には効かないかな?」
右の男性の声に対し、左の男性は喜んでいた。
「おおー!さっすが兄ちゃんだ!俺より強いや!」
左の男性が喜んでいるのを見て、アリスは戦慄した、あの『ヘカトンケイル』の拳を止めた!?そんなバカな!?まさか、あの右の男性──『能力者』か!?アリスはそう考えて、逆に左の男性に向かって、杖を一振りし、虚空から魔法陣を作り、『ヘカトンケイルの巨手』を発動させる。
「おおー!これが兄ちゃんが受けた手だー!だ・け・ど!『俺』にも効かないんだよねぇ!」
左の男性はそう言って、『ヘカトンケイルの巨手』の指の根元を掴み、『ヘカトンケイルの巨手』を下に下げて、ジャンプし、『ヘカトンケイルの巨手』を避ける、二回連続で『ヘカトンケイルの巨手』を避けられて、驚くアリス、アリスは仕方なく、次の魔法陣を作る事にした、だが、その前に二人の男性がアリスに特攻してきた、アリスは避ける事も出来ずに、そのまま二人のダイブ攻撃を受けてしまった。
「うっひゃぁ!女の胸!柔らかい!柔らかい!」
「おおー!これが女性の胸の柔らかさ……!良い!」
そう言って、右の男性はアリスの右の乳房を、左の男性はアリスの左の乳房を両手で揉む、あまりの突然の出来事にアリスは目の前の状況を飲み込めなかった。
「えっ?えっ?えっ?えっ?(何これ?)」
揉み揉みと胸を揉まれ、身動きが取れないアリス、そんなアリスを他所に二人の男性は両手でも見ながら恍惚な表情を浮かべる。
「こんなに柔らかいのなら、一生揉めるねぇ、兄ちゃん?」
「そうだな!」
二人はそう言ってアリスの両胸を揉みしだく、先宮と厳魁はその二人を見ながら、顔を見合わせ、厳魁は靴を脱ぎ、先宮は拳に息を吐いて、拳を温める、そしてゆっくりと二人の男性の足元に向かい、二人は一気に手を振り翳(かざ)して、二人の男性の頭を攻撃する。
「セクハラすんな!」
「変態かぁ!」
二人の攻撃は二人の男性の頭にクリーンヒットし、アリスから離れる、厳魁はアリスに手を差し出して、立ち上がらせる。
「た、助かった……(これで一安心)」
「本当、大変ですねぇ、だけど、この二人、アリスちゃんの魔法陣の攻撃を受け止めましたよね──一人は避けたけど──まさか『能力者』なんですかねぇ?僕はこんな能力者、見た事が無いですけど……」
厳魁がそう言って、靴を履く、すると二人の男性が起き上がって頭を摩る。
「いってぇな!何すんだ!」
「いってぇ!いってぇよ、兄ちゃん!」
「……その前に女の子の胸を許可なしに揉んじゃいけません!」
「許可さえ貰ったら揉んで良いの!?」
「そういう問題じゃねぇ!」
何だコイツら?そう思いながら厳魁は二人の名前を聞く事にした。
「もういいよ……んで、君達、名前は?」
厳魁がそう言うと、右の男性が自分の名を名乗る。
「ん?俺達か?俺は右往左往右王だ(うおうさおう うおう)だ、んでコイツがぁ」
右の男性──基、右往左往右王──が左の男性を指差す、すると左の男性が不思議そうに言う。
「ん?俺?俺の名前は右往左往左王(うおうさおう さおう)だよ、右の人の弟」
左の男性──基、右往左往左王──が名を名乗る、厳魁は、成程、右往左往兄弟か、と判断し、能力を聞く。
「所で君達はどんな能力を持っているんだい?」
「俺は『手力主力(しゅりょくしゅりょく)』だ、『手、腕の力を倍増させる』能力さ!」
「俺は『脚力脚蹴(きゃくりょくきゃくしゅう)』さ!『太股、脹脛(ふくらはぎ)等、脚力を倍増させる』能力だ!」
二人の能力を聞いて、厳魁とアリスは納得する、成程、私の『ヘカトンケイルの巨手』は『手力主力』により『手の力を増幅させて受け止めた』、と言う事か、とアリスは納得する、『脚力脚蹴』により、『ヘカトンケイルの巨手』とやらの手を掴んで、『脚力だけで飛んだ』、と言う事か、と厳魁は納得する。
右往左往右王、右往左往左王、高江水面、この三人に勝てるかはアリス、厳魁、先宮には分からない──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.90 )
日時: 2017/04/05 21:48
名前: 彩都 (ID: xPB60wBu)  

「とりあえず右往左往兄弟は僕と先宮さんで対処するから、アリスちゃんは目の前の水面さんを倒して!」
厳魁がそう言ってアリスを隠す様に道を閉ざさせる、厳魁の行動を見て、先宮も階段の道を塞ぐ様に厳魁の隣に立つ。
「おいおい……アイツ等俺達の邪魔をするぜ?邪魔をするなら早く倒して、あの女性を手中に収めないとな!」
右王がそう言うと、左王が大きく頷いた。
「そうだね兄ちゃん!」
左王がそう言った後、右王が動き出した、右王は厳魁に拳で殴りかかろうとした、だが先宮の蹴りで拳は押され、手摺の近くにぶつかる、すると手摺付近の壁は見るも無残に砕けて壊れる。
「おっと!危ないなぁ、後少し、後少し後ろにずれていたら、水道にぶつかって濡れていたぜ!」
右王はそう言って驚いていた、次に左王が動き出した。
「てめぇ!兄ちゃんの拳を止めやがって!」
左王は右の足で先宮の事を押そうとした、だが次に厳魁が先宮の前に現れて、左王の顔面に飛び蹴りをする。
「先宮さんを傷付けるなら僕が先だ!」
厳魁はそう言って左王に馬乗りになって、動きを止める。
「野郎!」
そう言って右王は厳魁に攻撃をしようとしたが、先宮に肩を掴まれ、止められる、そして先宮は顎に拳銃を突きつける。
「あのなぁ?俺、警察なんだわぁ、お前等あの女性に胸揉んだろ?セクハラだよな?だよな?この日本には『公然猥褻』の法律があるんだわぁ、だから此処で逮捕しても良いんだぜ右往左往右王君よぉ?更に右往左往左王君もだぜ?」
先宮がそう言うと右王はガクガクと震えながら先宮に返答する。
「……で?何で俺の顎に拳銃を当てられているんだ?」
「そんなの簡単さ、降参させる為さ、今から能力を使わずに降参し、俺達の言う通りに事を運べば何もしないし、逮捕もしない、どうだ?いい話だろ?」
先宮の言葉に『確かに良い話だ』と感じる左王、だがあの兄ちゃんが受けるかどうか、そう考えていると右王は『あぁ、分かった』と言う。
「えぇー!兄ちゃん受けるのぉ!?敵だよぉ!分かってるのぉ!?」
左王の叫びに右王は返答する。
「バカ、それよりも逮捕される事の方が厭だろうが!これから先の進路にどう響くか……!」
「た、確かにそれもあるね……!」
右王の説明に左王は納得する、そして右王は両手を上げ、先宮に言う。
「分かった、条件は飲むからさっさとお前らの言う事をするから、早く話せ」
「おっ、物分りが早くて楽だぜ……それじゃあ厳魁君、左王の事を宜しく」
「はい、分かりました」
先宮に言われた厳魁はそう言って、左王のズボンを脱がし、腕、足を拘束させる、ん?待てよ?今から俺は、俺達は何をされるんだ?と右王は思った、そして先宮がにやり、と笑いながら右王に言う。
「何だ?知らずに縛られようとしてたのか?俺達はお前達に反撃されない様に紐や服を使用して、お前等能力者を縛っているんだよ、もしも逃げる時に復活して足止めされたら困るしな」
その話を聞いて、右王は額から冷や汗を掻く、まさか自分も縛られ……?
その時にはもう遅かった、自分の格好はパンツ一丁で、手足が縛られていた後だった。
「あっ」
「よし、完成だぜ、もしも能力を使用して、その拘束を解こうものなら、この拳銃でお前らの頭を撃つ、だって、『公然猥褻』したしなぁ」
先宮はそう言って、拳銃から弾を取り出して下に落とす、すると中身が入っている音がし、拳銃から出た銃弾は本物だ、と右往左往兄弟は察する。
「兄ちゃん、解けないね……」
「あぁ、そうだな……」
二人はそう言って、戦意喪失した──その後先宮は拳銃の銃弾を入れなおした。

「ふむ、何とか勝った様だね、二人共!(ナイス!)」
アリスは背後の二人を見て、そう呟く、すると目の前の水面が呟く。
「おやおや?残ってしまったのは私のようですか、それは大変だなぁ、だって三対一は卑怯だと思いません?」
そう言う水面に対し、アリスは脳内に直接語り掛ける。
『何で?悪い事をしているのに被害者ぶって?だけど私と貴方が戦うのであって、後ろの二人は戦わないよ?(何を勘違いしているのか?)』
「ひっ、ひぃ!コイツ!直接頭の中に話してきたぁ!?どういう事だ!?お前はどうやって私の頭の中に話しかけてきた!?」
『そんなの簡単だよ、『魔法』だよ!(どやっ!)』
またも直接頭の中から話すアリスに恐怖する水面。
アリスは早めに倒すべく、『魔法』を唱えた。
「行くよ……!『キマイラの噛砕(ごうさい)』!!(噛砕!)」
アリスは杖を一振りして、虚空からアリスの様な魔法使いにしか読めなさそうな文字列が現れ、魔法陣を作る、そしてその中から、獅子と山羊、更に蛇を組み合わせた様な奇妙な顔が現れて、水面を一噛みする、そして水面の噛まれた部分から大量の血液が現れ、水面はその場で倒れてしまう。
「これで……勝った!(二人が助かる!)」
アリスはそう言って魔法陣を消す、すると『キマイラの噛砕』で出ていた頭部も消える。
厳魁、先宮は大量の血液を出した水面を静かに、ただ静かに見つめる事しか出来なかった──アリスは三人を倒す事が出来、内心安心していた──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.91 )
日時: 2017/04/12 20:50
名前: 彩都 (ID: ???)  

「……て、ちょい待ちちょい待ち、何アリスちゃん、殺害させちゃってんの?十代前半で罪で裁けない、と言ってもやっていい事と悪い事があるでしょう!?」
水面の惨状を見て厳魁が大きくなったアリスにツッコミを入れる、だがアリスは水面の脳内に話し掛けた様に厳魁の頭の中に言い返す。
『死んでいないよ、あれは幻影だし……『キマイラの噛砕』、『ヘカトンケイルの巨手』は実際には殺傷能力は無いし、逆に物を運んだりする時にしか使わない便利魔法の一つだし……(勘違いしないで?)』
「って、何直接脳内に話しかけているんですかぁ!?何が起きているか、先宮さんには理解出来ませんよぉ!?」
厳魁は直接脳内に話しかけられ、戸惑っている、アリスは静かに口から声を出して二人に説明する。
「えーと……あの人の能力、『返答した相手を閉じ込める』能力なんだけど……自分は考えたんだ、『直接脳内に話しかけたらどうだろう?』ってね?それなら『相手は能力を発動出来なかった』んだよね、つまり、『相手の口を見て、『返答している』と『自分自身で認識』しない限り、能力の使用は不可』だって事なんだよね(水面さんの能力解説中)」
「ゴメン、僕に分かる様にもっと簡単に話してくれないかなぁ?」
厳魁は頬を掻きながらアリスに言う、アリスは溜息を吐いて、厳魁に言う。
「……大まかに言えば、『口から出る声で能力の可否を決めている』って事、『口から返答しているのなら能力が使用出来、『口以外で返答している』のなら、能力は使用出来ない』って事だよ(分かってくれた?)」
「な、成程、良く分からないけど、脳内から直接話せばセーフ、って事かな?」
「そう言う事だな、それにしても大変だったぜ」
アリスの言葉をあまり理解出来ていない厳魁がそう言うと、先宮が厳魁に頷く、良かった、合っていたのか、と思い、厳魁は安心する。
「う……ぐぐ……くそっ、やられたか……」
水面はそう言って起き上がろうとしたが、腹部に起きた傷の痛みで水面は気絶した、だが腹部に起きた傷の痛み等ない、所謂偽薬(プラシーボ)効果だ、『現実に起きた幻想を『現実だ』と思い込み過ぎて怪我をした』、と間違って肉体が判断しているだけだ。
すると水面の手の中のカードから祐介と弓華が現れる、それも不思議そうな表情で二人は現れている。
「えっ?俺、カードに吸い込まれたんじゃぁ……?」
「私もカードに吸い込まれた筈……?」
「二人共、この人が助けてくれたんですよ」
祐介と弓華はそう言って周りを確認する、すると祐介達の目の前に厳魁が現れ、二人に説明し、大きくなったアリスを紹介する。
「何だ、アリスちゃんが助けてくれたのか……」
「はぁ?アリスちゃんってあのこじんまりしたあのアリスちゃん?でも良く見ると面影が……母親?」
「……私はアリス、魔法で大きくなっただけだよ(魔法で巨大化!)」
「成程、魔法で大きくなっただけか……今でもあまり魔法の真偽は不明だけど、呼吸の奴は本物だ、と理解出来るわ、だから体が大きくなるのも魔法で出来るのかしら……?でも漫画やアニメ、小説では出来ているから、アリスちゃんも可能かしら……?少し不可思議ね……」
アリスの言葉を聞いて、弓華は頭を抱えながら悩む、祐介は能力で成長を促進しているのを知っている為、アリスと話す事は無かった。
「さて、それじゃあ俺達もカードから人間に戻った事だし、さっさと前に進んで、この施設を叩きましょう!」
祐介がそう言って、皆を鼓舞する、皆が小声で『おー!』と言った瞬間だった、アリスの姿が急に大人サイズから何時ものサイズに戻る、アリスは『あっ、戻った(時間制限があったり)』と言って、服を今のサイズに変更して、体に纏う。
「えっ?魔法にも使用時間があるの!?大きくなる魔法にも使用時間があるのね!」
「うん、全ての魔法に使用時間とかあるよ?(そりゃそうじゃん)」
弓華の驚く姿を見てアリスは『当たり前だよ(当たり前)』と言って、呆れる、そして厳魁と先宮は水面を動けない様に服で縛って、五人は奥に進む──

そして五人は奥に進んで、室内にまた一人、人間を見つける、その人間は学校の音楽室の様な場所でピアノを弾いていた、こんな真夜中、電気も点けず月の光だけで楽譜を見て、ピアノを弾いている、その姿を見て、祐介は不思議がって、室内に入る、するとピアノを弾く事を止めて、立ち上がってお辞儀をして、五人に言う。
「やぁやぁ、君達が侵入者って奴だね、まぁ待て、人数を答えよう……ひぃ、ふぅ、みぃ、よぉ、いつつ……うん、五人程度だね?一人は大人の男性、もう一人は大人の男性、五人の内二人は中学、高校の男性二人、かな?最後の一人は幼女……これまた同じく学生、主に小学生の様に幼い体型だと考える──合っているかな?」
物の見事に人数を当て、更に何歳かも答える男性に五人は驚いた、一体何者だ!?というより、どうやって判断した!?と、思いながら厳魁は冷や汗を掻く。
「おや?中学、高校の男性二人の内、一人、呼吸が荒い様だが、どうしたんだ?まぁ、落ち着けよ?」
「落ち……着ける訳無いだろ……!」
厳魁はそう言って、男性を睨む、男性の髪型は一昔前、いやもっと前、中世ヨーロッパに居そうな髪がカールしている金髪の髪型に、白いフリルフロントドレスシャツを着ており、下は体にフィットしたズボンを穿いている、こんな怪しい格好の人物に落ち着け、なんて言われて落ち着ける筈が無いだろう!そう思いながら厳魁はゆっくりと深呼吸する、この男性が味方かどうかは五人には分からない──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.92 )
日時: 2017/04/19 21:20
名前: 彩都 (ID: ???)  

「貴方は……貴方は一体誰なんですか!?」
厳魁が怒鳴りながら男性に問う、男性は静かにヴァイオリンを弾いて、周りの音をシャットアウトさせる。
「まぁ、待て、少年よ、私は君達の敵では無い、こんな真夜中だ、君達四、五人を足止めする時間なんてあっても無くても一緒なのだ、だから私は君達の敵では無い、とさんざ言っておく事にする」
「……えーと、つまり、アンタは俺の敵じゃないって事だよな?それならもうこの場を離れても良いよなぁ?俺達だって急いでいるんだ、こんな所で足止めされる意味は無い!それじゃあ俺達はこの場を離れるぜ……!」
祐介はそう言って、戸に手をかけて部屋を出ようとする、だが、戸に手をかけても戸が開かない、可笑しい、鍵はかけたかな?と思い、鍵を開錠させて出ようとするが、鍵はもう開錠してあった、つまり、何かが引っ掛かって、戸が開かないのかな?と思った、だがガラス越しから見ても何も引っ掛かりはなく、何もない、と言う事は一体?そう考えた時だ、祐介は静かに謎の男性を見て、考える、まさかあの男性が何かをした?そう考えて、祐介は男性に話しかける。
「おい、おっさん、扉が開かないんだが?お前は何かしたのか?」
「フフフ、何もしていない、とは嘘になる、だが、『何かした』といえば、嘘にはならない」
「オイコイツ、俺達の敵じゃねぇか!?何で俺は敵地に突っ込んで行っているんだぁ!?」
祐介は頭を抱えながら叫ぶ、その行動に対し、アリスは静かに祐介の頭を撫でる──
「えーと……じゃあ扉を貴方が閉めているのなら、出してくれませんか?僕達は貴方と戦う気は無いんです、だからさっさと出して下さい」
「『何故出さないといけない』んだ?間違っているんじゃないか?『私は足止めはしない』と言ったが、『絶対に足止めはしない』とは言っていない、だから『足止め』をしたまでさ、そして侵入者よ、『私は君達の敵では無い』と言ったが、『敵として扱わない』とは言っていない、さぁ、『私との勝負に勝ったらこの部屋から出してやる』よ、これは言ったから、大丈夫だ、『私との勝負に勝ったらこの部屋から出る』、だが、『一人しか出さない』、つまり『私との勝負に五回勝たないと全員は出られない』と言う事だ、結構簡単な勝負だろう、さぁ、遊ぼうぜ……?おっと、そういえば自分の名前を名乗っていなかったなぁ、私の名前は間中藍綬廊(かんじゅう らんじゅろう)だ、あぁ、そうそう、私は『目が見えない』んだ、言うのを忘れていた」
「え……?」
謎の男性──基、間中藍綬廊の話を聞いて、厳魁は驚いた、『勝負事をするのに『目が見えない』』だと?それならどういう勝負になるんだろう?目が見えない、と言う事から何か目が見えなくても簡単な勝負事なのだろう、厳魁はそう考えて、話を開始する。
「分かりました、それではどんなゲームなのでしょうか?」
厳魁はそう言って藍綬廊の勝負事の内容を聞く事にする、すると藍綬廊はにやり、と笑いながら胸ポケットから一つの山札──と言うより一つのカードの束だ──を取り出して五人に見せる、取り出した物は袋に入っており、新品未開封であった。
「フフフ……君達五人位と戦うのはこれさ!『トランプ』さ!」
「と、トランプぅぅぅ!?」
いやいやいや!目が見えないのに動体視力を使用するトランプを使用するなんて……何を考えているんだ藍綬廊さんは!?厳魁はそう思いながら心の奥底で少し呆れる。
「勝てば良いんだ、カードゲームなんか……そしてこのトランプでするゲームを説明しよう、『ワンポーカー』というゲームがある、そのゲームは『52枚のトランプを用意し、一枚ずつ山札を捲っていき、捲った後、交互に見せあう、見せ合って、数字が大きい方が勝利、数字が一緒なら流れる』、というゲームだ、そのゲームを簡略化させてもらおう……まず、君達でカードの色を分けて欲しい、トランプは赤と黒の二種類があるだろう?一対一で戦うからそれでいい、君達五人は『私に五人連続勝利をすればいい』のだ、そして使用するカードは13枚だ、そうでないと君達は急いでいるからすぐこの部屋から出ないだろう?そして『出すカードは全て手札から』だ、これは公平にさせる為に同じ数字、同じ枚数で戦う様に、だ──さぁ、君達、分けてくれないかな?椅子や机はこっちで用意するからさ?あぁ、大丈夫だよ、不公平が無いのを探る為に君達に渡した、と考えても良い」
藍綬廊はそう言って、机を探し始める、厳魁は渡されて、渋々赤と黒のカードに分ける。
「これで……良いのだろうか?っていうかこのトランプ、手品師やマジックする人が使う結構本格的なトランプじゃないか、まさかマジック出来る人なのかな?服装を見て……」
そう独り言を言うと、藍綬廊は静かに言う。
「私は音楽家だよ、売れない音楽家」
「な、成程……」
だからピアノを弾いていたのか、そう思いながら、二束のトランプを掴み、藍綬廊が用意した机に二束のトランプを置く。
「先に僕と戦いましょう、僕の名前は厳魁、強力厳魁(ごうりき げんかい)です、僕が黒で貴方が赤で良いですか?」
厳魁が椅子に座って、もう椅子に座っている藍綬廊にそう言うと『私はどっちでも構わない』と言って、13枚の赤色のトランプを手に取り、シャッフルする、厳魁と藍綬廊、二人のワンポーカーはどちらが勝つかは分からない──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.93 )
日時: 2017/04/26 20:51
名前: 彩都 (ID: .niDELNN)  

厳魁と藍綬廊、二人は交互に13枚のトランプをシャッフルし、お互いに返す、そして一気に13枚を手札にし、先攻後攻を決める。
「……で、どうやって先攻後攻を決めます?目が見えないので、こっちも勝敗の判断が……」
厳魁がそう言うと、藍綬廊は『フフフ』と笑いながら返答する。
「別に?これは同時に出し、同時にカードを捲って勝敗を決める物、だから先攻後攻とかないよ?それじゃあ宣言(コール)は私で」
藍綬廊はそう言って、カードを一枚裏向けで伏せる、そのカードを見て、『素早い』と考える厳魁。
「もう……始まっていたんですね、それでは僕も伏せる──それでは確認(チェック)ですかね?」
「ふむ、そうだねぇ、それじゃあ確認(チェック)しようか……」
藍綬廊は静かに裏向けのカードを捲る、するとカードは『赤の4』だった。
「おっと、危ない……」
厳魁はそう言って、自分が伏せたカードを捲る、するとカードは『黒の5』が描かれていた。
「おっと、負けてしまったか、惜しい惜しい、それでは二枚目、セット」
「あっ、僕も伏せます、それでは確認(チェック)!」
今度は厳魁が言った、先に厳魁が捲る、厳魁のカードは『黒の1』だった、藍綬廊が伏せたカードを捲る、藍綬朗のカードは『赤の2』だった。
「よし、五分五分になったね」
「う、そうですね……」
やっぱり1では勝つ事が出来なかったか、厳魁はそう思い、手札のカードを一枚、場に置く、厳魁の行動を見て、藍綬廊も手札のカードを一枚伏せる。
「それにしても良い勝負をしているじゃないか、これは?」
不意に藍綬廊が厳魁に言う、厳魁は不思議そうな声で返答する。
「そ、そうですね……それでも僕は勝ちたい、だからどんな相手にも負けたくないんです!確認(チェック)を!」
「おいおい、そんなに急かすなよ、私には時間がたっぷりあるんだから──」
藍綬朗は嘆息する様に溜息を吐き、カードを捲る、カードは『赤の3』だった。
「せ、セーフ……」
厳魁はそう言って自分の伏せたカードを捲る、カードは『黒の6』が描かれていた。
「ふぅん?中々の強運だね、それでも私の強運に勝てるかな?」
藍綬廊はニヤニヤしながらカードを一枚伏せる、厳魁は何も考えずにカードを一枚伏せる、そして確認(チェック)を行う、厳魁は『黒の3』を出していた、藍綬廊は『赤の5』だった、これで、またも五分五分になった、少し手強いな、と厳魁は思いながらカードを伏せる、藍綬廊も伏せて、確認(チェック)を行う。
「僕は『黒の2』ですね」
「おっと、また負けてしまった」
そう言って藍綬朗が捲る、捲ったカードは『赤の1』だった。
「何と言う僅差な勝負、逆に燃えますね」
「フフフ、そうだろう?案外このゲームは面白いんだ」
二人はそう言って、静かにカードを伏せていく、そして両者は同時に捲る、藍綬廊は『赤の8』、厳魁は『黒の7』だった。
「またも五分五分……なんとも凄い強運だ、両者共、とても素晴らしい!」
藍綬廊はそう言って、顔に手を当てて、大笑いする、そしてけらけら笑いながらカードを一枚伏せる、厳魁は静かにカードを一枚伏せ、確認(チェック)する、厳魁は『黒の4』、藍綬廊は『赤の7』だった、しまった、負け越してしまった、厳魁はそう思いながら心の中で少し焦る、い、今は勝率を上げる為にも数字が大きいK(キング)やQ(クイーン)、J(ジャック)を出さなければ!厳魁はそう考えて、カードを一枚伏せる、藍綬廊も静かにカードを伏せる、そして確認(チェック)する、厳魁は『黒の8』、藍綬廊は『赤の6』だった、な、何とか勝った……!この勝利はとても重い!何と言う重さ!途轍もなく大きい勝利に厳魁は喜んでしまう、そんな喜んでいる表情の厳魁を見て、藍綬廊は静かに鼻で笑う。
「まぁ、まだまだカードは五枚残っている、この五枚の決着で全てが決まるさ?それじゃあカードを伏せるよ?」
藍綬廊はそう言って、カードを伏せる、待てよ?このまま勝てば良いんだよな?しかも『五回連続』で、勝てるかは不明だけど、試す価値はあるんだ、このまま突っ切ってみせる!厳魁はそう考え、カードを一枚伏せて、確認(チェック)を行う、厳魁は『黒の10』、藍綬廊は『赤の9』だった、よし、何とか勝った!厳魁はそう思いながらカードを一枚伏せる、藍綬廊は少し焦りながらもカードを伏せて、確認(チェック)する、厳魁は『黒のK(キング)』、藍綬廊は『赤のQ(クイーン)』だった、そのあまりの大きさの数字に二人は驚愕していた。
「なっ、何だと!?Q!?」
「き、君こそKだって!?」
「こりゃあ驚きです……!でもまだカードは残っていますよね、最後の最後迄戦わなくてはね!」
厳魁はそう言って、カードを一枚伏せる、藍綬朗は少し震えながらカードを一枚伏せて確認する、厳魁は『黒の9』、藍綬廊は『赤のJ(ジャック)』だ。
「くそっ!」
厳魁はそう言ってカードをすぐに伏せる、藍綬廊は額の汗を拭い、一枚伏せる、そして確認(チェック)する、厳魁は『黒のQ(クイーン)』、藍綬廊は『赤の10』だった。
「よし、最後の勝負だ!」
「望む所だ!」
二人は一斉にカードを伏せ、確認(チェック)する、厳魁は『黒のJ(ジャック)』、藍綬廊は『赤のK(キング)』だった。
「……手札が無くなったね、それじゃあ勝ったカードを確認しよう、私は六枚、厳魁君は?」
「僕は七枚です……!何とか僕が勝ちました……!」
厳魁がそう言うと、藍綬廊は静かに拍手する。
「流石、君には負けたよ、それじゃあこの部屋から出なよ?私には次の対戦相手が待っているからね?」
「……えぇ、分かりました、僕は廊下で他の四人を待ちますよ、四人も頑張って勝ってね!」
厳魁は四人にそう言って、一人だけ先に部屋を出る、すると藍綬廊は『んーんと』と言って、話し始める。
「その中に幼女が居るだろう?私はその子と戦いたいなぁ、流石に幼女を一番最後にする訳にはいかないからね」
「分かった(私が行こう)」
幼女ことアリスはそう言って、厳魁が座っていた椅子に座って、お互いのトランプをシャッフルする、そしてお互いシャッフルしたカードを手札にし、手札を見つめるアリス、この勝負、アリスが勝つか、藍綬廊が勝つかはまだ分からない──


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