コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 世界終了ハウマッチ!?
- 日時: 2015/10/28 20:57
- 名前: 彩都 (ID: vKymDq2V)
初めまして、彩都(サイト)と申します。
四作目です。
帰宅途中に思い付いた五分クオリティです。
気楽にお読み下さい。
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- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.54 )
- 日時: 2016/07/27 20:22
- 名前: 彩都 (ID: Rn9Xbmu5)
『世界終了ハウマッチ!?』 本章 第五章 笑顔の破壊者
三日後──
「…………」
祐介は秋葉原の『メイド喫茶 ラブリー・にゃんにゃん』でカフェオレ(500円)を頼んで、一人の女性を待っていた。
そしてジーパン姿の女性が祐介の前に座った。
「やぁ、少年よ、懐かしいなぁ、こうやって顔を合わせるなんてさぁ?だってそうだろう?今の今迄電話で会話していた二人が、こうやって合うなんてさぁ?ていうか、凄いねぇ、アンタって──強運過ぎて、少し占い師の私が困っちゃうよ」
そう言いながら占い師──綺羅星瑠璃御子基、田中幸子──が言った。
すると祐介は冷えたカフェオレを飲んで一言言った。
「生憎俺は死に掛けたんですけど!?」
そう言うと、少し笑う瑠璃御子──だが、祐介の顔はイライラを隠せなかった。
「いやね?流石にね?マグマは無いだろ?流石になぁ?そんな場面に直面してみ?アンタだって、凄く困るだろ?金が稼げない体になったらどうするんだよ?それも未来予知していたんだろ?」
「未来透視、ね?『未来を見る能力』であって、『未来を予知する』能力では無い、ましてや、それを回避は出来ない、もしも回避をした所で、『結局は起きてしまう未来』を見ているんですからね?それだけは勘違いしない様に──」
「はい、すいません……」
「まぁ、結局、マグマでの戦いは知っていましたし、私なら、相手を言葉で巧く巧みに逃げるけどね」
「……だったら、手伝って下さいよ──」
「そんなんで助けを求めるの?それは間違ってるわ、アンタはこの世界を救うんでしょ?それなら自分の力でやりなさいよ?」
「おう、地味に正論……」
冷や汗を出しながら祐介は言う。
「そして?今日は何の用なの?」
瑠璃御子は祐介に問う、そして祐介は言った。
「ん?用?用はこれだけだよ、俺はそれだけを言いに来ただけだ、そしてこれだけ言っておくよ、カフェオレ、美味かったぜ?」
そう言いながら祐介は立ち去っていく──そして瑠璃御子は言った。
「私が早く落ちたのにその仕打ち!?」
そして夕方──
「まぁ、言いたい事は言えたんだし、まぁ、良いか」
そう呟きながら祐介は自宅迄のんびり歩いていた──そして或日野幼稚園の前を通る──その瞬間、背筋が冷たく感じた、一体何なんだろうこの感覚は……?そして祐介は後ろを振り向くが、何も無い、居たのは、出口で手を振っている幼稚園教諭と幼稚園児と幼稚園児の母親だった──まぁ、気の所為だろう?そう思いながら祐介はゆっくりと歩を進める──
その日の深夜──
「グッヘッヘッヘッヘヘ……」
一人の女性をストーキングする屈強な褐色の坊主の男性が電信柱で隠れながらモジモジとしていた、そして懐から、スタンガンを用意する、バチチチチチッ!とスタンガンの先端から電流が迸(ほとばし)る。
よし、これで良いだろう、そう思いながら褐色の坊主の男性はその女性に近付いていく──そして女性の首に向かって、スタンガンを当て──
「はーい、お兄さん?その道具を仕舞ってー?」
褐色の坊主の男性は女性迄残り一メートルを切ろうとしていた場所迄近くに居た、そして自分の後ろから女性の声がする。
そしてその声に気付いた女性は褐色の坊主の男性を見て、逃げ出した。
その姿を呆然と見ながら褐色の坊主の男性は言った。
「……てめぇ──俺の女をッ──!」
そう言いながら右手に持ったスタンガンを後ろの人間にぶつけようとした、だがそれは出来なかった、『後ろの女性の蹴りで、スタンガンと右手諸共壊された』からだ。
壊された、そんなちゃちな感覚では無い、『粉砕された』、それが今の褐色の坊主の男性の感じた感覚だった。
コイツは俺の右手をどうしたんだ?たった一回の蹴りでこうなるっけ?
そう思いながら褐色の坊主の男性は、膝を着いた。
「おぉっ!俺の右手がぁぁぁ!!」
「うっさい、お前にはそれが良い妥当だよ、もしもまだあの女をストーキングするのかい?もしもするなら、左手が消えるぞ?」
褐色の坊主の男性の後ろに居た女性は左手を踏んで、圧制する、そして褐色の坊主の男性は涙を出しながら女性の足を振り切って、逃げた。
簡単に逃げれた、助かった、もう一回あの女を追いかけないとな、そう思いながら深呼吸をする、すると左肩を叩かれる、全く、誰だ、こんな時間に俺の肩を叩くのは──?
そこに居たのは右手を折った女性だった。
「お前、まだ懲りないのか?」
そう言いながら右手で左頬を殴られる。
はぁっ!?気がついた瞬間、自分の歯は幾らか口の中から離れていた、そして涙を出しながら褐色の坊主の男性は言った。
「も、もう、ひにゃいから、ゆるひてぇ!(も、もう、しないから、許して!)」
女性は欠伸をしながら言った。
「無理だと言ったら?」
そう言って、女性は褐色の坊主の男性の顔を殴る──拳が顔に当たる寸前で止める、すると褐色の坊主の男性は気絶していた、そして女性は警察に褐色の坊主の男性を突き出した。
自分が悪い事をしているつもりは無い、悪い事をしている人間を制裁する、たったそれだけだ、その為だけに生きている、悪い人が居る限り、私の拳は止まらない──!
- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.55 )
- 日時: 2016/08/03 20:17
- 名前: 彩都 (ID: qRt8qnz/)
翌日──
祐介は起き上がる、そして祐介は欠伸をして、リビングへ向かう、そこにはタンクトップ姿のロリな母親が居た、呑気に寝転びながらファッション雑誌を読みながら、醤油煎餅を口に放り込んで、ばりばりと食べる。
少し深呼吸をして、母の隣に座る、まるで、従姉妹の幼女が祐介の家に泊まりに来た様な見た目だった。
そして祐介は母親に対し、重い口を開けた──
「ねぇ、母さん?」
「んー、何、祐介ー?」
「俺の学校についてなんだけどさぁ?」
「あぁ、退学させてもらったねぇ、どうせ面倒臭いだろ?」
「えっ?いきなりなんだけど、何で『退学させてもらった』が母さんの口から出るのかな?俺だって、もう少し高校生活楽しみたかったのに……」
「本音を言えば、アンタが警察に行った時点でほぼ退学状態なのよね、仕方無いし、戻れる状況でもなかったから、あえて、退学させてもらった」
「……はぁ、そうだったのか、それなら退学しなきゃあいけなかったのか……」
「まぁ、そうでしょうね」
二人はそう言いながらそっぽを向く、そして祐介が言う。
「んじゃ、少し出かけるよ、図書館でも行こう」
「あら? 暑いわよ?猛暑よ?」
「そうなのか、だったら半袖を着る事にするよ」
そう言いながら祐介は自分の部屋で半袖、短パンに着替えて、外に出た──
「ふぅ、暑いな……猛暑ではなくて、酷暑かもしれない……」
そう思いながら図書館で本を五冊借りる、更に図書館で袋を借り、本を袋に入れて、持ち歩いていた──すると幼稚園児が二列になって、散歩をしていた。
(へぇ、こんな時間から散歩か、でも幼稚園も近いから帰りかけかな?)
そう思いながら、祐介は幼稚園児の隣を通り過ぎる──俺もこんな時期があったなぁ、そう思いながら家に帰る為に歩を早く進める──
その日の夜、祐介は母から『洗剤を買ってきて!』と言われたので、買い物リストを持って、近所のスーパーに迄、歩いていた──
「はぁ、追加で買ってくる物が多い……全く、忘れんぼうな母親だな──」
そう一人ごちた、その瞬間、『ゴカンッ!』と小気味良い音を耳で確認した、別に今はただの行きなので、途中道を逸れても良いか、そう思いながら、音がした路地に入る。
「何なんだ、この音は……?」
そう言いながら路地を曲がった、その瞬間、祐介の眼に入ったのは、男性を殴っている女性の姿だった、女性の格好は黒のライダースーツだった、黒の中の光沢が美しかった。
「え……?」
「あぁ?何見てんだ?お前もこの露出狂みたいに殴られたいか?」
「え、あ……」
声が、台詞が出せない、目の前の状況が異常過ぎて、台詞という台詞が思い付かない。
「何だよ?喧嘩売ってんのか?」
段々と自分に近付いていく、黒のライダースーツの女性、だが、祐介はその人の顔を見て、一つだけ思い出した。
「あれっ?昨日見た幼稚園の人だ」
そう言うと、黒のライダースーツの女性は顔を赤らめた。
「やっ!バレちゃった!?ってか、何で私が幼稚園で勤めているって知ってるの……?」
「あぁ、昨日たまたま背筋が凍る感覚がして、振り向いたら貴方の顔が目に入ったんですよ──っていうか、貴方、能力者?」
そう言うと、赤くなっていた顔が青ざめる、そして祐介に向かって言う。
「……貴方は何者なの?もしかして、貴方が世界を救う人達を集めている人なの?」
黒いライダースーツの人が言うと、祐介は驚く。
「えっ?何で知っているんですか、俺は何も話して──」
「あぁ、それは、汚いおっさんが私の幼稚園に来て、私に話したの、そして貴方の名前は長谷川祐介?でいいの?」
「あっはい、そうです──」
汚いおっさん、まさか未来の自分か──そう思いながら祐介は女性の話を聞く。
「まぁ、来た時は驚いたけどねぇ──まさか私の『能力』知ってるの?」
「はぁ?貴方『能力』を持っているんですか!?」
いきなりの発言で驚いた、まさか『能力者』だったとは……
すると、露出狂の男性が起き上がって、黒いライダースーツの女性に自分の股間を見せつけ──ずに祐介と一緒に顎を蹴って、気絶させる──
「全く、変態は厭だな──」
そう言いながら警察に連絡する、すると黒いライダースーツの女性は言う。
「実はね、色んな犯罪行為は私が守ってきたんだよ、こういう露出狂とか倒したり、ストーカーも倒して警察に突き出したりね──」
「へぇ、凄いなぁ──」
「そうだ、私は明日、休みなんだが、少し付き合わないかい?」
「えっ?明日ですか?良いですけれど……」
「だったら、或日野市の河川敷に行こうぜ?場所は河川敷の駅の近くだ」
「えっ?何で河川敷に……?」
祐介が言うと、黒のライダースーツの女性は言った。
「理由は明日話すよ、警察が来る迄待っててやる」
「……そうですか、それでは俺は帰ります、さよなら」
そう言いながら祐介は帰った──そして黒いライダースーツの女性は祐介の背中を見てニッコリと笑った──
「明日は楽しみになってきた──さぁ、どんな声を出すのかな、祐介君は?」
そう言いながら近くにあった電信柱を殴る、すると電信柱に亀裂が走る──そして黒いライダースーツの女性の拳は傷一つ付いていなかった──
そして祐介は買い物の事を忘れて帰宅して、母親に怒られて、また買いに行った、のはまた別のお話──
- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.56 )
- 日時: 2016/08/10 21:03
- 名前: 彩都 (ID: gF4d7gY7)
翌日──
「さぁて、河川敷には来たけれども、肝心のライダーさんがいねぇ」
そう呟きながら祐介は欠伸をする、今の時刻は昼の十二時だ、昨日指定された場所へ向かう、そして黒いライダースーツの女性を見つける、何だ、橋の下に居たのか、そう思いながら祐介は橋の下に向かう──
「おーい、こんにちわー?」
祐介は声を出す、すると黒いライダースーツの女性は祐介の事に気付いた。
「おぉー、来たかー祐介君」
「えぇ、何とか一応は来ましたよ──んで、何で此処で集まったんです?」
そう言いながら祐介は黒いライダースーツの女性を睨む、すると黒いライダースーツの女性は薄ら笑いながら笑顔にする。
「なぁに、簡単さ──『今から私と祐介君は殺し合いをする』からだよ」
そう言った瞬間、黒いライダースーツのジャブが祐介の頬を掠る、その瞬間、祐介の背後にあった橋の柱に罅が入った、祐介は罅が入った場所を見る、そこには綺麗な拳の痕がついていた。
「!?」
あまりの事に祐介は驚愕する、どういう事だ?何で殺し合いなんかするんだ?そんな感情が体や頭の中を右往左往する、祐介は黒いライダースーツの女性に対し、畏怖を感じる。
「なぁに、あまり驚くなよ、これは汚いおっさんからの命令なんだ……」
まさか、未来の自分を殺す気なのか、未来の自分は……祐介は未来の自分に少し呆れながら黒いライダースーツの女性の話を聞こうとする。
「えーと、何でそのおっさんが俺を殺そうとしているんです?」
「んー?んーとねぇ、『長谷川祐介という男が存在する、その男に対して長谷川祐介の仲間になるかもしれない君に相応しい男かを見極めてくれ』って言ってたな──つまり、私との勝負に勝てば私は祐介君の仲間になろうって事だ」
「──それは無理ゲーじゃないか……?だって、今のを見て、まともに受けたら俺の体が消えるかもしれないじゃないですか!?こんなの、死に急ぎ過ぎ……」
もう一発、ジャブが祐介の頬を掠る、黒いライダースーツの女性の目は本気だった。
「祐介君が私に勝てばいいだけなんだよ、祐介君は来たるべき未来を回避するの?一人だけ助かるの?この地球を救わずに死ぬの?そんなの厭だよね?更に女に負けたって噂されたら男としての面目が無いよね?祐介君はこの世界を救わないといけない存在なんだよ?そうやって自分の運命を捨てるの?勝てないからって何さ?そんなのは創意工夫さえすれば勝てるんだって、格ゲーだってそうでしょ?何度も何度も練習して、ハードモードのCPUに勝てる様になるじゃん?『練習という名の創意工夫さえすれば誰だって勝てる』んだよ、祐介君は逃げているんだよ、『自分は勝てない、勝てる筈も無い相手に勝負を挑むのは愚か者のする事だ』って、そう思っているかもしれない、でもね、一番の愚か者って言うのは、『勝てる相手にも勝てない相手にも関係無しに逃げる奴』なんだよ、祐介君は今、そんな人間なんだよ、さぁ、説教みたいな事を言ってる様に思えるけど、正論を叩いているだけ、さぁ、反論だって用意しなよ?私は全てを受け入れるよ?さぁ、かかってこいよ?これだけ言われて動かない、正論言われて動けないの?全く……ただの弱者が──」
刹那、黒いライダースーツの女性が眼を瞑りながら溜息を吐いた、その刹那を祐介は見逃さずに走って飛びながら上から拳を黒いライダースーツの女性の頭に当てようとした、だが、目を瞑りながら黒いライダースーツの女性は左手で祐介の腕を掴んでそのままジャブで自分の拳の痕をつけた壁に祐介を放り投げる。
ドゴゥッ!祐介はそのままコンクリートの壁にぶつかって、唾液を口から吐き出す。
「カハッ!ゲホッ、ゲホッ!……ハァハァ、いってぇなぁ……分かってるんだよ、自分でも『関係無しに逃げてる奴』だって……本当は地球を救うなんて出来っこないのに適当に方便してそれで適当に逃げて、周りの人の力のみを使ってさも自分が勝ってきた様に見せただけ──逃げてる、確かにそうだが、それでに逃げられない時は頑張ってきたさ!俺は人が見ていない所で頑張ってる!今は小さな頑張りかもしれない、でも何れは大きな頑張りに成長するんだよ!てめぇの考えで人を、俺を否定すんじゃねぇ!」
「うっせぇ、それがお前の『甘え』じゃないか、甘ったれんな」
そう言いながら祐介の左頬に対して、黒いライダースーツの女性の拳が入る、その拳は綺麗に入った──
「いってぇ……」
祐介はそう言いながら自分の力を振り絞って、右手で黒いライダースーツの左頬を殴った。
「おっと……」
左頬に祐介の拳が当たり、黒いライダースーツの女性は驚く、まだ気を失ってなかったか、そう思いながら、祐介から離れる、その後、良く見ると祐介は気絶していた。
「うーん、まぁ、汚いおっさんの条件を満たしているからなぁ……」
そう呟きながら黒いライダースーツの女性はそっぽを向きながら頭を掻く、黒いライダースーツの女性は溜息を吐きながら、祐介が目覚める迄待つ事にした──
- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.57 )
- 日時: 2016/08/17 20:23
- 名前: 彩都 (ID: q9W3Aa/j)
「…………」
祐介は夢を見ていた──この街、或日野市の上空、高い高い場所から、隕石が落ちてくる、そしてこの市は滅亡する夢を──だが祐介は考える、その隕石を、この日本を守る為に、自分は仲間を集めているという事を、だから、だからきっと、この日本は守れる、必ず──
「…………ここは?河川敷?」
ゆっくりと祐介は目覚める、祐介の瞳に映るのは、綺麗な太陽、青々とした叢(くさむら)、そして黒いライダースーツの女性の顔──って、顔?祐介は自分の頭を支えている物に触れる、それは丸みがあって、柔らかい何か……その感触を祐介は考えて、もう一度触れてみる、すると黒いライダースーツの女性は『ひゃん!?』と可愛い声を出す、待てよ、この感触、何か知っている感触、はて、それは何だっただろう?そう思った瞬間、黒いライダースーツの女性は祐介に向かって拳で攻撃する。
「あんまり太股に触るなぁ!」
祐介は拳を受けながら思い出す、あぁ、これは女性の太股の柔らかさ、だった訳か、つまり自分は膝枕されていたんだな──そう思いながら気はまたもや無意識に落とされる──、だがそれはさせまい、と黒いライダースーツの女性は祐介の頬をビンタして、気を取り戻させる。
「待て!今は落ちるな、話をしよう!おいこら!」
バッチン、バッチン、と頬が腫れそうな程大きなビンタをする黒いライダースーツの女性、頬を叩かれた痛みで何とか祐介は気を取り戻す。
「……痛いです、起きますから、もう止めて下さい……」
何とか気を取り戻した祐介は河川敷に座って、頬の痛みが取れる迄待つ──その間に黒いライダースーツの女性の話を聞く事にした。
「どうして夜に悪者退治をしているんですか?」
「それは簡単だ、私が『能力』を持って生まれてきたからだ、私は世の女性を助けたい、だからこの『チカラ』は気に入っているんだ、まぁ、やりすぎる時もあるけれどね──この『チカラ』はね、中学生の時に気付いたんだ──大まかに言えば約十年前だなぁ──最初この『チカラ』に気付いた時は焦ったね、自分の中で始めてこの『チカラ』が出た時は、相手の腕を骨折させていてねぇ、流石にこの『チカラ』が怖かった、だから私は不登校になった、だけれどねぇ、『そんなんでは『チカラ』の制御さえ出来ない』って言われて、自分でも気付いたんだ、自分は『この『チカラ』が嫌いじゃなくて、この『チカラ』で人間関係迄もを壊せそう』だから不登校になったってね、それで私は変わったんだよ、『この『チカラ』を使わない、じゃなくて、この『チカラ』を制御する方法を考えれば良い』って、そう考えて、私は少しでもこの『チカラ』を制御する方法を探す為に学校へ行く様にしたんだが、そりゃあ、相手の腕を折ったんだ、酷く虐められたさ、それでもこの『チカラ』で反抗しなかった、反抗は出来たかもしれない、でもこの『チカラ』で反抗はしたくなかった、『自分の力』で反抗したかった、だから私はその虐めに耐えた、そして家でも自分のこの『チカラ』の研究をしたさ、今よりも『能力』を持つ人は私の時代にはそもそも居なかったからね、家族にも悟られない様に必死に研究ノートは隠したな、今で言うエロ本を隠す少年みたいな感じだな、祐介君だって流石にエロ本は持っているだろう?」
「無いですね、基本、エロ本より、少年誌のちょいエロの方が好きですね」
「へぇ、物好きだね、では閑話休題だ、私は必死に自分のこの『チカラ』に対して、研究をして分かった、それは『感情の起伏が激しいとこの『チカラ』が発動する』、と言う事だ、少し前に話した『自分の中で始めてこの『チカラ』が出た時は、相手の腕を骨折させていた』って話、あれは相手との口喧嘩の時だった、だから出たのだろうってね、他にも、思春期特有のむしゃくしゃした感情?って言うのかな?苛立ちがある時にも発動していたし、少しは感情を抑えようとした、だけれど私は何て言えば良いかな?『口より手が出る』タイプ?いや、『体が先に反応する』タイプの方が近いかもしれない、そんなタイプだから自分の感情をあまり抑えられなかった、それでも必死に少しは抑えようとした、その結果、少しは自分のこの『チカラ』を制御する事が出来た、そしてもう一つ制御しなくちゃいけない事があった」
「へっ?まだあったんですか?」
祐介がそう言うと、黒いライダースーツの女性は言った。
「あぁ、そうなんだよ、特にこれが制御が大変だった、それは『この『チカラ』自体の破壊力』だ、祐介君も見ただろう、虚空を殴っただけで後ろのコンクリに罅が入った事を」
そう言われ、祐介は後ろを見る、虚空を殴って出来た拳の痕、これが何よりの証拠だった。
「この『チカラ』、結構厄介だったよ、発動したままだと、林檎がスポンジの様に握って壊せるからね──」
そう言いながら黒いライダースーツの女性は自分の右手を握ったり、開けたりした──祐介は思う、この痛みが引いたら話も終わるだろう、と──そして時間は午後三時を指していた──
- Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.58 )
- 日時: 2016/08/24 20:39
- 名前: 彩都 (ID: ACwaVmRz)
「最初はこれが大変だった、何度感情の起伏を抑えても勝手に『この『チカラ』自体の破壊力』自体は変わらなかった、何度、何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も、制御しようとも、少しでも抑えようとして力を入れずに扱ってもしてきた、だが変更が無い、この『この『チカラ』自体の破壊力』自体には──今は少しの感情の起伏だけで、力を制御する事は出来るけど、最初は大変だったよ──とりあえず、してみた事は幾らかあった、最初はボクシングの練習、あれは重いパンチだって作れる、という事は『力の制御』自体も出来るのでは?と考えて、何冊も本を買って色々試してみたさ、でも少ししか使えなかったね、まぁ、その時は三割制御出来ていたかもしれないね、二番目は水泳だね、逆に筋肉を付けて、制御出来る筋肉を作ろうとしていた、だけれど、あまりつかなかったな、それは大誤算だったが──三番目はこの『チカラ』を使いながら、力の制御をする方法だね、これが自分にとっては一番有効だったかもしれない、因みに虚空を殴っただけで後ろのコンクリに罅が入った事、あれは結構軽めにやったんだけど、まさか罅が入るとはねぇ、自分でも驚きさ、まぁ、自分でもまだ進化している、と言う事かねぇ?さて、もう少し詳しく説明するか、この『チカラ』の正体を──とりあえず、簡単に言おうか、この『チカラ』の正体は自分の『体重の数倍力が増大していた』んだよ、つまり、50kgの私が居るとして、この『チカラ』を使用すると、100kg分、もしくはそれ以上の力が自分の体から出るって訳だ、そして人間の力は普段は制御していて、制御している力は精々20〜30%って言われているね、だけれどこの『チカラ』は違う、『自分の体重が100kg、150kg、200kg以上の場合、その分だけ、『パワー自体』が強くなってしまう』んだよ、今迄に計った結果、最大約10倍の自分の体重の力が使えた、その時は42kg、約420kg分出ていたのかもしれないね、そしてこの『チカラ』を端的に言ってしまうと、『自分の体重の分だけこの『チカラ』は強くなってしまう』、と言う事なんだよねぇ、だから私は良くある漫画で『黒炎の剣(ブラック・サイド)』みたいな感じでこの『チカラ』に名前を付けてあげる事にした、そしてこの『チカラ』を愛用して、色々な女性を守れる人になりたい、そう思いながら今もこの『チカラ』に磨きをかけているね、おっと、話が逸れてしまった、閑話休題、この『チカラ』の名前だったね、この『チカラ』の名前は『倍々体重(ばいばいたいじゅう)』って名前だ、えーと、さようならって意味でバイバイって使うだろう?それと倍に倍に増えるって意味の倍々と意味をかけた、そして体重の分だけこの『チカラ』が増えるんだったら、これからあまり増えない様に、減る様に『バイバイ体重』と『倍々になる体重』をかけて『倍々体重』ってね、どうだい?少しだけだが面白い言葉遊びだろう?私はこの言葉遊びみたいな物に実に三年も掛けてこの名前を作った、って訳だ、どうだ?馬鹿げているだろう?こんな事に時間を費やすなら働いて、もしくは勉強しろってな、だがなぁ、ちゃんとバイトしながら勉強しながら、時間を見つけては考えていたんだよ、そして何とかこの名前を思い付いた時は色々な疲労が走ったねぇ、そのままベッドにダイブして寝た位相当嬉しくて疲れて寝たんだろうね、今でも思い出すよ、この名前が思い付いた時は──さて、他に話そう、この『チカラ』の使用範囲とか教えようか、この『チカラ』の使用範囲はね──『全身の筋肉』だ、筋肉がある部分全てにこの『チカラ』は使用範囲となる、脚なら、『ジャンプ力』、とか『地面を蹴って速く走る』、もしくは『地面を蹴って前に弾丸の様に進む』、とかね、脚の場合は相当色々使えるね、まぁ、下がアスファルトやコンクリだったら割れるけれどね、それは仕方無いと思うけど、アスファルトやコンクリがもう少し硬かったら良かったけれどね──他にも背筋もこの『チカラ』──いや『倍々体重』だけれど──を使って、背筋の測定をしたらね、自分、名古屋城の金の鯱(しゃちほこ)みたいって言われた事があってね、その前に名古屋城の金の鯱は口が下の逆立ちみたいな格好なのにねぇ、その事を言われた時は相当笑ったよ、いやぁ、その話をするだけで笑いが……フフフフフ!あぁ、懐かしいなぁ、高校生活は楽しいねぇ、あぁ、言い忘れてたけど、虐めがあったのは中学生時代、高校は違う県の高校に通ったから虐めは関係ないよ?逆に高校は『体が細いのに怪力少女』と言われた位だからねぇ、高校では私は有名人だったんだからね!私は貧乳だけど無い胸を張るよ!……言ってて少し虚しいけれど──あっ、そういえば祐介君は高校生?もしくは中学生?」
祐介は黒いライダースーツの女性に問われて答える。
「俺は元高校二年生です、今は高校辞めたけど──まぁ、色々有りましてね……」
そう言いながら祐介は自分の腫れた頬を触る、少しだけ引いてきたなぁ、そう思いながら立ち上がって少し体を解(ほぐ)した──時間は午後四時を指していた──空は綺麗な青空だった──
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