コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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世界終了ハウマッチ!?
日時: 2015/10/28 20:57
名前: 彩都 (ID: vKymDq2V)  

初めまして、彩都(サイト)と申します。
四作目です。
帰宅途中に思い付いた五分クオリティです。
気楽にお読み下さい。

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Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.189 )
日時: 2017/12/30 22:00
名前: 彩都 (ID: CwTdFiZy)  

琴音、祐介は二周目に突入した、だが、琴音は此処でアイテムを取らずに、祐介にアイテムを取らせる事にした、この『アイテムを取らせる』事で、二周目が波乱の幕開けになる事を琴音はまだ知らなかった──琴音は静かに一位を追い抜こうと思案する、ショートカットを使うか?いや、此処では使えない、それは何故か?簡単だ、『このレースを行うのが初めて』だったからだ、未知のレース、未知のサーキットなので、ショートカットする方法さえ、理解出来なかった、二周目の今でも、一周目のコースはあまり把握出来なかった、だからショートカットなんて使えなかった。
……どうするよ?完全に袋小路だ、一番に一位になって、祐介君に追い討ちをかけなければ!だが、どうやってかければいいのだろうか?理解が出来ないし、訳が分からない、そんな事を思いながら琴音は静かに深呼吸する。
ダメ元でも、やってみるしかない、琴音はそう思いながらアクセルを踏んだ──

何で琴音ちゃんはアイテムを捨てるような真似をしたのか?逆に何で俺にアイテムを渡したのか?祐介は一つ目のアイテムゾーンの事で悩んでいた、あのままだと、普通に取れていた筈なのに……まさか、琴音ちゃんは俺に情けを……?でもね、琴音ちゃん、『此処でアイテムを取らせた』事は相当な痛手になると思うよ?祐介はそう思いながらアイテム欄を確認する、アイテム欄には、『一定時間無限にスピードアップ出来る』アイテムがあったからだ!そう、このアイテムを使えば、最悪一位になる事が出来る!祐介は口の端を歪ませて、一気に息を吸う、そして急いでアイテムボタンを連打した──

!?ど、どういう事!?祐介君の車のスピードが上がった!?まさか『無限にスピードアップ出来る』あのアイテムを取ったと言う事か!?あんなにランダムなアイテムの内からたった一つのアイテムを引いたというのか!?琴音はそう思いながら段々とスピードを速めて行く祐介の機体に驚愕するしかない、そして二つ目のアイテムゾーンが見える頃には、祐介は二位となり、一位迄後少しだった、そして琴音は三位になっていた、まさか、この私が祐介君に負けるなんて……!?琴音はそう思いながら二つ目のアイテムゾーンに向かい、アイテムを取ろうとするが、その先に一位のCPUがアイテムを取り、琴音はアイテムを入手する事が出来なかった、畜生!プログラムめ!琴音は内心イライラしながら、三つ目のアイテムゾーンに運命を賭ける事にする──

よし!何とか二位を奪取!ダッシュからの奪取!何とか二位に格上げ!後は一位を屠るのみ!祐介はそう思いながら、アイテムが消滅したのを確認し、二つ目のアイテムゾーンでアイテムを手に入れる、アイテムは『シールド』で、琴音と一緒だった、よし、これで何とか我が身を護られる……祐介はそう思いながら静かに安堵する、というか、多分琴音ちゃんはアイテムを取れなかったから、第三のアイテムゾーンでアイテムを取得するだろう、祐介はそう思いながら一位をどうやって倒すかを考える、もう一度スピードアップ系のアイテムを手に入れられたら……一位になれるかもしれない、祐介はそう考えて、三つ目のアイテムゾーンでスピードアップ系アイテムを手に入れる事を思案する、だが、そう簡単にスピードアップ系のアイテムなんか手に入れられるのだろうか?案外難しそうだぞ、その手段は、だって、このゲームでは、下位な人程、良いアイテムが、上位な人程、悪いアイテムが手に入る仕組みになっている、現在二位の自分にスピードアップ系のアイテムなんか手に入れられるのだろうか?いいや、手に入れられる可能性は低い、だから此処は『下位からの、上位者攻撃』が良いだろう、と思う、生憎琴音ちゃん、俺は『シールド』を張っている、だが一位は『シールド』を張っていないのだ!これだと、『下位からの、上位者攻撃』がヒットする筈!祐介はそう考えて、他のCPUに運命を託す──

そしてレースは二周目の終盤となっていた、祐介、琴音は三つ目のアイテムゾーンに突入し、両方アイテムを入手、だが、祐介はそんな事を考えていない、考えているのは『下位からの、上位者攻撃』のアイテムのみだ、そんな琴音はと言うと、祐介を倒す為に、アイテムと睨めっこしていた、だが、倒せるようなアイテムは手持ちには来ていなかった、琴音は仕方なく、最後の三周目のアイテムゾーンに賭けるしかなかった、そしてレースは二周目を終え、最後の三周目となっていた、まだトップはCPU、二位は祐介、三位は琴音、四位以降は全てCPUだった、手に汗握るこの勝負、祐介が先にゴールし、勝利するか、琴音が逆転勝利するか、まだ誰にも分からない──果たしてゲームの神様は祐介に微笑むのか、琴音に微笑むのか、もしくは一位のCPUなのか、はたまた四位以降のCPUに微笑むのか、それは祐介にも、琴音にも、CPUにも、誰にも分からない事だった──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.190 )
日時: 2017/12/31 21:36
名前: 彩都 (ID: 1Fvr9aUF)  

祐介、琴音の二人は最後の三周目のレースに臨んでいた、誰が優勝するのか、それは誰にも分からない状況で二人は切磋琢磨していた、すると祐介の目前に一位のCPUが存在していた、後少し!後少しで追い抜ける!そう思っていたが、背後に琴音が存在しており、自分とCPUを力技で押しそうな雰囲気を醸し出していた。
うーわ、中々に進んでいるなぁ、琴音ちゃんは……と言っても、自分と琴音ちゃんは『シールド』を発動しているから、どんな攻撃も一撃は受け止められるんだっけ?それなら上に上がってもセーフか、祐介はそう思いながら内心冷や汗を掻く、勝ちたい、でも、琴音ちゃんの方がパワーが強い……だから勝てるか分からない……祐介はそう思いながら深呼吸をする──少しでも落ち着けば勝つ方法も見付かる筈だ──いや、見付かってくれ!祐介はそう思いながら画面を見つめる──

うーん、この勝負、競り上がってみたけど、勝てるかしら……?だって、私、初見よ?このコース?だから勝てる可能性は不十分、二位、三位の確率が高い……だから、勝てない……!でも、勝ちたいんだよなぁ?琴音はそう思いながら、内心ドキドキする、勝つほう方が見付からない状態で勝利するという無謀さ、私に出来るかかしら?……普通なら出来ないわ、でも、これは『ゲーム』なのよ?そんな『普通』が通用するかしら?琴音はそう思いながら、一気に息を吸って、画面を確認する──

二人のレースは順調だった、祐介が三位、琴音が二位になったり、琴音が三位、祐介が二位になったりと、順位が変動していた、そして勝負は動き出した、いきなり一位に向かってアイテムが飛んできた、そのアイテムは祐介が望んでいた『下位からの、上位者攻撃』のアイテムだった、そして祐介、琴音もそのアイテムの衝撃を受ける──かと思われたが、『シールド』の効果で一度だけ防がれて、何とか、一位のCPUという壁を乗り越えた、そして現在祐介が一位、琴音が二位になっていた、遂に一位!遂に二位!後は、後は、琴音ちゃんから、祐介君を、逃げるだけ!抜くだけ!二人はそう思いながらアクセルを踏み続ける──そして二つ目のアイテムゾーン、三つ目のアイテムゾーンを超え、二人の順位は変動していなかった、後少し、後少しでゴールする!二人はそう思いながらもっとアクセルを踏み、ゴールへと突っ走った──そして二人がゴールした、二人共、全力を出し切ったゴールだった、さぁ、勝者は……そう思い、二人は画面を確認した、画面には、一位、『ナック』、二位、『シーボルト』と表示されていた、と言う事は……祐介が優勝……?祐介、琴音はそう思い、首を傾げた後、祐介はその場で立ち上がって、息を荒くした。
「ゆ、優勝……!?この俺が……琴音ちゃんより早かった……!?」
「そ、そうみたいだね……でも凄いや祐介君は、私に勝っちゃうんだしさぁ?やっぱりアイテムのお陰かもね?」
「そ、それもあるかもしれないけれど、CPUがCPUを攻撃しない事には手に入れられなかった事かもしれないや……!」
祐介はそう言って、自分が勝利した事に感動する、そしてゲームはそのまま終了し、琴音もその場で立ち上がる。
「ふぅむ……次はどうする?四階へ向かう?」
「俺はどっちでも良いけれど……でも、四階って……」
祐介はそう言って、頬を掻く、一体何があるのか?琴音はそう思いながら祐介に聞く。
「四階って何があるの?」
「え、えーと……スポーツ場……」
「はぁ?」
琴音は祐介の発言を受けて驚愕する、そして祐介は階段の方へと向かい、琴音に見せる。
「ほら、四階は卓球とか、バスケとか、体を動かすのがメインの階になっているんだよね……それでも四階に向かうのか?」
「…………」
確かに、これは……琴音はそう思い、自身の胸を押し付けながら自分の体を見る、まず、男と女では体力の量が違うし、そもそもとして、女の方が男より筋力が少ないし、まず、勝てない、だからこれは無理だなぁ、と考える。
「そ、それじゃあ、五階に……」
「五階はボーリング場だね」
「うーん……六階は?」
「六階?六階はゴルフ場……」
「な、七階目は?」
「七階目は無い、ゴルフ場で終了」
「…………」
成程なぁ、じゃあ、今の所、楽しめる場所は四階迄、と言う事か……琴音はそう判断し、帰る事を提案する。
「ふむ、それじゃあ帰りますか」
「ん?そうかい?ゴメンね、あまり力になる事が出来なくて……」
「別に良いよ、結構色々と楽しめたよ、今日は有難う、祐介君?」
「えっ?楽しめたら嬉しいよ、それじゃあ、琴音ちゃん、バイバイ」
「うん、バイバイ!」
琴音は笑顔でそう言って、両手に荷物を持って、階段を降りる、すると祐介は琴音を呼び止めた。
「ま、待って!」
「ん?何?」
「え、えと……念の為、一緒に帰ろうか?琴音ちゃんの駅前迄?」
「えっ?どうして?」
「どうしてって……もしもストーカーしている奴がいるかもしれないし……それに……」
「それに?」
祐介がどもるので、琴音が聞くと、祐介は恥ずかしそうに言う。
「それに琴音ちゃんは『モノ』じゃないんだから……ストーカーの『モノ』じゃないんだしさぁ?もしも襲われたりしたら……」
祐介の言葉を聞いて、琴音は微笑んで言う。
「もう、祐介君は心配性だなぁ、だったら、この荷物、全部持ってよ?全部持ったら、私の事を守っても良いよ?」
「えっ?……うん、分かったよ!」
祐介はそう言って、琴音の手に持った荷物を受け取り、一緒に階段を降りて、ゲームセンターを出る──そして祐介と琴音は一緒に歩き始める──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.191 )
日時: 2018/01/03 22:05
名前: 彩都 (ID: h4V7lSlN)  

「それにしても、今日は楽しかったね、俺の中で一番の幸せな日にちになるだろう」
「何でよ?これからもっと楽しくて、一番幸せな事なんて幾らでも起きるわよ?結婚式とか、初めての子とか、息子娘の結婚式とか……」
そんな事を延べる琴音に対し、祐介が言う。
「いや、それも嬉しいっちゃ嬉しい、でもその前に『芸能人とこんな会話している』事が自分にとっては一番の幸せなんだよ、だって芸能人とは普通気軽に出会えないしね?」
「あ、あぁ、そういわれてみれば……」
琴音は祐介の言葉に静かに納得する、そして二人はゲームセンターを出、目の前の横断歩道に立ち止まる。
「あーあ、赤かぁ……信号が変わる間待っているのが少し面倒何だよねぇ」
「それは分かる、とても分かるぜ、学生時代でもそうだったし」
「へっ?そうなの?」
「うん、俺学生時代、徒歩で学校に向かっていたからね」
「へぇ……それで信号に捕まって、遅刻、と……」
「ち、遅刻じゃないよ!ホームルームに遅れただけだし!授業は間に合ってるよ!?」
「…………」
祐介の発言を聞いて、琴音は細目で祐介を見つめる、まさか琴音ちゃんに見つめられる日が来るとか……そんな事を思っていない祐介は少し顔を赤くして、そっぽを向く。
「あ、あんまり見ないでくれ……」
「何でよ?ホームルームに遅れないように起きなさいよ?」
「え、えっと、そうなんだけど、ネットで色々と調べている内に一時二時に……」
「私でもしないわよ……ってか、何を調べていたの?」
「えっ!?そ、それは秘密だよ……」
こんな所で『琴音ちゃんの曲を聞いていた』とか言ったら、恥ずかしいし……祐介は顔をもっと赤らめて、もっとそっぽを向いた。
「ど、どうして横を向くのよ?何か疚(やま)しい事でもあるの?」
「な、無いけれど……それを言うのは、色々と気が引けるなぁって……?」
「何それ?まさか私の写真集をネットで見ていた、とか?」
案外近くて、案外遠い内容に祐介は頬を掻く。
「あっ!もう信号が青になってるよ!さ、さぁ、先に進もうか!」
「あっ、ちょっ!?」
琴音は祐介に手を掴まれて、強制的に歩かされる、そして二人は横断歩道を渡り切って、話をぶり返す。
「で、祐介君はネットで何を見ていたのかなぁ?」
「な、何でも良いじゃないか!男だし、隠したい事は色々とあるよ!」
「へぇ、そうなんだぁ?それは『女性にとって』隠したい事なのかなぁ?」
「い、いや、そうでは無いが……大まかに言えば琴音ちゃん案件ですがね?」
「あら、私案件なのね?それじゃあ私の水着の写真集でも見てるんだね?」
「うーん、どうしてそういう回答になるのかなぁ?まぁ、もうそれで良いと思うよ?」
「えぇっ……?それじゃあちゃんとした解答じゃないわ、写真集?もしくは水着のPVとか?動画?」
何度も何度も聞いてくる琴音に対し、祐介ははぁ、と心の中で溜息を吐きながら答えた。
「あーもう、分かったよ……確かにPVっちゃ、PVだな、正解は琴音ちゃんの曲を聞いていたんだよ、やっぱり琴音ちゃんの声は可愛いし、ずっと聞いていられるし……」
「えっ?私の曲ぅ?うーん、それはとても嬉しいなぁ、私も嬉しくなるよ?でも、何処で聞いたの?」
「ん?あぁ、琴音ちゃんのオフィシャルチャンネルで」
「そう?それは良かった、もしも、オフィシャルチャンネルじゃなかったら、怒ってる所だったよ!」
「あ、アハハ……」
琴音のその言葉がとても怖く感じた祐介、すると近くに駅を発見する。
「これで秋葉原も終わりかぁ……」
「でも、次の休みにでも行けるじゃない?」
「でも、次行く時は一人だよ?祐介君みたいなボディーガードが居るならまだしも、一人だよ?誰も護ってくれないんだよ?」
「あ、あぁ……確かにそうかもね……じゃあ事務所のマネージャーと共に行動したら?」
「無理よ、だって、私のマネージャーは頭が固い、頭でっかちだしね?」
「あ、アハハ……そうだったのか……」
「そうよそうよ!おまけに私を扱き使って、お金を稼ごうとしか、考えていないし!」
それは自分だってそうだよ……売れるアイドルが居るなら、積極的に売って、お金を稼ぎたいし……自分がそう思っていると、琴音がまだ続ける。
「そして、何時も服のチェックをしてくるし、見せパンの事とか考えているし、結構最悪だよぉ!」
「へ、へぇ……って、見せパンの話が出たけど、そのマネージャーの性別は?」
「えっ?巨乳のお姉さんだけど?」
「お、おぅ……」
個人的に『小太りで、息が洗い男性』かと思ったら、まさかの女性だったとは……矢張り、女性には女性をぶつけたのかな?自分がそう思っていると、琴音は急に立ち止まった。
「ん?どうしたの琴音ちゃん?」
「祐介君、駅、通り過ぎるよ?」
「あっ……ゴメンゴメン、話に夢中で……」
祐介はそう言って、少し戻って、駅の中へと向かう──まさか話に夢中で駅を見過ごしてしまうとは……琴音ちゃんは幻滅しただろうなぁ、祐介はそう思いながら券売機で電車の切符を買う──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.192 )
日時: 2018/01/06 22:03
名前: 彩都 (ID: Oh9/3OA.)  

切符を購入し、琴音に一枚渡して、一緒に改札を通り抜け、丁度来た電車に乗り込んで、椅子に座り込んで会話を続ける。
「結構大変だね、芸能人も……だって、マネージャーに振り回されている様なもんでしょう?」
「まぁ、確かにそうなんだけど、結構面白い仕事とかも、拾ってくれるし、嬉しいよ?」
「へぇ……それは知らなんだ」
「それに、仕事上ではきっちりしているかもしれないけれど、家に帰ると、ジャージ姿で過ごしているんだって──因みにジャージは中学、高校のを繰り返し使用しているみたい、物持ちが良いんだね──ギャップ萌えだよねぇ」
「えっ、あぁ……そうだね……」
まさか琴音ちゃんの口から『ギャップ萌え』という言葉が出るとは……そんな事を一ミリも考えていなかった祐介は度肝を抜かれた。
「因みにマネージャーはメガネを使用していて、たまにずっこけたりするドジッ子なんだよねぇ」
「そ、そうなんだ……」
おいおいおいおい、段々と名の知らぬマネージャーに色々なモノが付与されて、どんなキャラになって行くんだ?と内心焦る祐介、そして琴音はまだマネージャーの話を続ける。
「他にも話はあるよぉ?アニメオタクで、時間があれば小説や新書を読んで、政治的な事も知ったり、色々としているみたい……私の前の人はマネージャーに薦められて、艦隊の模型を制作したり……」
「待て待て待て待て!何だよそれ!?凄いなマネージャー!?」
「えへへー、凄いでしょー?んで、結構可愛いんだよねぇ、アニメオタクだから、アニメオタクの方々と話が合わせられるし、頭が良い人と政治の話をしても、合うし……とっても凄い人だね!……って、このマネージャーが私の代わりにアイドルをしたらどうだろうか?」
急に我に帰る琴音を見て、あぁ……と思う祐介、祐介は静かに言うように琴音に伝える。
「で、でも、琴音ちゃんにしか出来ない事もあると思うんだ、そのマネージャーさんも『前に出る事が苦手』かもしれないし、そのマネージャーさんの思いを琴音ちゃんにぶつけているかもしれないし……だ、だから、マネージャーさんがアイドルになっても売れない可能性があるよ?琴音ちゃんだからこそ売れたかもしれないんだしさぁ?特にその美貌、他の人はそんなに美しくないと思うよ?琴音ちゃんに与えられた才能かもしれないしさぁ?」
「そ、そうかなぁ……?」
「そうだよそうだよ、琴音ちゃんももっと力を持っているんだから、大丈夫だって!琴音ちゃんは凄いじゃないか、色々な事をやっても売れているんだしさぁ?俺達一般人より凄いんだぜ?もっと自分に自身を持ちなって!」
「う、うん……有難う」
琴音はそう言って、顔を赤らめて、俯く、そして電車はゆっくりと進んでいく──

電車はゆっくりと進んでいき、何事も無く、目的の駅に着いた。
「はい、到着っと……さて、琴音ちゃん、どうやって俺の家に着たんだい?」
「えっ?あぁ、タクシーで」
「タクシーかぁ……それなら、俺の護りも此処迄かなぁ?」
「えっ?」
「いや、タクシーで来たって言うのなら、すぐに帰れると思うんだよね、これでストーカー対策完璧ぃ!」
「え、えぇ……」
琴音はそう言って、自分の腕を掴んで言う。
「ちょ、ちょっと待ってよ!その荷物を私の家迄運んでくれない?もしもストーカーが待ち伏せしていて、私を襲ったらどうなると思う?私、手荷物で動けない可能性があるけど……?」
「あっ、それもそっか……それじゃあ、とりあえず、タクシーで琴音ちゃんの家の近くに向かうかぁ」
「そ、そうだね!それの方が嬉しいよ!」
琴音は子犬のように喜んで、階段を降りて、改札に切符を通し、駅を出る、祐介も片手にぬいぐるみを持ち、階段を降りて、改札に切符を通し、駅を出る。
「さぁて……どっちに向かえばタクシーが……?」
祐介がそう呟くと、琴音が指を指して案内する。
「こっちだって!さぁ、それじゃあタクシー乗り場に向かいますか!」
「あ、あぁ……」
良かった、タクシー乗り場が見付かって、自分はその場で安堵して、琴音と共にタクシー乗り場へと向かう──タクシー乗り場に向かって、先に辿り着いた琴音はその場で膝から崩れた。
「た、タクシーが無い……!」
琴音はそう言って、落胆する、あーあ、『タクシーが無い』のかぁ……これは困った、祐介はそう思いながら、タクシー乗り場前の椅子にぬいぐるみを置いて、座る。
「ふむ、タクシーが無いのなら仕方無い、待ってみよう」
「そ、そうだね……それしか方法が無いや、此処にタクシー会社の電話番号が載っていれば良かったのに……」
琴音は口を尖らせながら祐介の隣に座って、タクシーが来るのを待機する、そして祐介と琴音は椅子に座りながら、タクシーが来るのを待つ──早くタクシーが来ないかなぁ?祐介はそう思いながら、タクシー乗り場を見つめる──琴音はタクシーが来ていない事に憤慨しながら、スマホでSNSを閲覧していた──そして二人が待つタクシーが何時来るか、二人にはまだ分からない──

Re: 世界終了ハウマッチ!? ( No.193 )
日時: 2018/01/07 21:38
名前: 彩都 (ID: J85uaMhP)  

タクシーが来ない、祐介はそう思いながら袋の中の『みっ君人形』を見つめる、いや、ぬいぐるみを見つめても、何も解決はしない、そんな事を考えていると、自身のスマホにメールが来た。
「ん?」
祐介は不思議そうにスマホに来たメールを確認する、来たメールは『明日遊ぼうぜー』という件名、一体差出人は誰だ?そう思い、差出人を確認する、差出人は先宮さんだった。
「まさかの人物……」
まさか、とは思い、厳魁君と思っていたが、違うようで、祐介は少々驚いていた、そんな祐介の独り言に琴音は気が付いた。
「んー?どうしたの祐介君?」
「えっ?あぁ、明日用事が出来たって話かな……」
「へぇ……相手は誰?」
「先宮さん」
「先宮さん……?はて、誰だったかな?」
「え、えーと、警察の人……ほら、アリスちゃんの施設に侵入した時の……」
「あー、思い出した……娘も同時に救ったあの時の……」
「そうそう、その人が『明日遊園地に行かないか?』って話を入れてきてね?」
「へぇ、そうなんだ、それじゃあ楽しんで行ってきなさいよ、明日」
「うん、そうする……んで、琴音ちゃん、明日は空いているの?出来れば一緒に行こうよ?」
祐介の一世一代の言葉に琴音は静かに首を横に振る。
「それは無理、実は明日沖縄に行って、グラビア撮影があるの、今日の夕方には家を出て、飛行機を出ないとねぇ?」
「そ、そうなのか……それは可哀想だ」
祐介はしょんぼりして、メールを返答しようとする。
まず、新規メール作成ボタンを押して、送る相手のメアドを押して、本文に文字を入力していく。
『はい、分かりました、その日は行けます。
何時頃に集まれば良いですか? 後、集合場所は何処です?』
と入力、そして返信……これで大丈夫だろう、お金もまだあるし、自分の分の入場料とかは払えるな、と考える。
すると琴音が祐介に言う。
「ね、ねぇ祐介君、今気付いたんだけどぉ……」
「ん?何なんだい?琴音ちゃん?」
祐介が琴音に返答すると、琴音は祐介にスマホの画面を見せ、検索欄に『タクシー 電話番号』と、打ってあるブラウザの画面を表示させる。
「これで検索して、電話番号を打って、電話をすれば良かった……」
「あっ」
盲点だった、完全に盲点であった、そうだ、その手があるのだった、祐介は完全に度忘れしていて、そんな事を考える暇さえ無かった。
「…………と、とりあえず、電話しようか、タクシー会社に……」
「そ、そうだね……」
祐介と琴音、二人はしょんぼりしながら、ネットの画面を見ながら、タクシーの会社の電話番号を入力、そして電話を開始する。
「…………」
「…………」
二人は静かに待機し、電話を受け取られるのを待つ。
『……はい、『或日野タクシー』です、タクシーの手配ですか?』
「はい、そうです、今駅のタクシー乗り場で待機しているんですが……」
『えーと、何処の駅に?』
「えっ?あぁ……えーと……」
琴音は必死にタクシーを取ろうと右往左往している、そして今居る駅の名前を言うと、『あぁー』と電話のお姉さんが言う。
『すいません、その場所に行くには、軽く一時間掛かりますが、どうします?』
「えっ?マジで?」
『はい、そうです、今『或日野タクシー』のタクシーは『或日野市』外に居るので……一番近くに居る車両でも、軽く一時間は必要になります……』
「…………」
「…………」
琴音は祐介を見て、目から涙を出し、涙目になる、そして琴音は静かに電話のお姉さんに言う。
「はい、分かりました、自分、今急ぎの用事なので、一時間は待てないですねぇ」
『あぁ、そうですか、それは申し訳無いです、またのご利用をお待ちしております……』
電話のお姉さんはそう言って電話を切った、そんな琴音は祐介を見つめ、冷や汗を流す。
「む、無理だった……!」
「そ、そうだね……でも、『或日野タクシー』じゃなくてもいい気が……」
「でも『或日野タクシー』しかないでしょ?或日野市は?」
「んな訳無いだろ……?」
祐介はそう言って、スマホでタクシー会社を検索、そして片っ端から電話をかける。
「あのぉ、すいませぇん、今或日野市に居るんですが、タクシーって出せますか?」
『無理ですね、今タクシーは出払ってて……近くのタクシーでも軽く一時間は掛かります』
「そ、そうですか、急ぎなので、止めておきます、すみません」
祐介はそう言って、電話を切る。
「…………」
「…………」
万事休す、祐介と琴音はそう思いながら頭を垂れる──い、いや、他にもまだ方法はある筈!でも、その方法を探さないといけない訳だ、うーん、何か『車』に乗っている人とか、友人に居たっけ……?綺羅星瑠璃御子さんはまだ二十歳じゃないし、持って無さそう、厳魁君?まだ高校生だし、持っていないだろう、アリスちゃん?いやいや、空中浮遊で移動すると、『魔法を使える』という秘密が世界にバレてしまう、弓華さん……?いや、仕事中だろバカ、氷檻さんはどうだ?いや、弓華さん同様仕事だろう……?ってか、『車』持ってる人、いなくね?祐介はそう思いながら、静かに溜息を吐いた──琴音もスマホを見ながら静かに肩をがっくりさせ、溜息を吐いた、あぁ、琴音ちゃんの今の気持ち分かるぞ……祐介は今の琴音の気持ちを理解した──


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